アルセウスによって異世界に来たがなんか想像してたのと違う 作:2ザクチキ
戦闘開始1時間前、ゴッデス部隊は正体不明の少年と化物、ポケモンを追跡し、ある街まで来ていた。
「今回の目的は正体不明の怪物達と少年の身柄の確保だ。」
「先日、我々が交戦したあのヒトデ、そして、爆撃を行ったあの三つ首竜が何なのかはっきりさせておく必要がある。」
「恐らく彼らとの戦闘が予想される。彼等はラプチャーとは違う。これまでの奴等とは訳が違うぞ。」
「臨機応変に対応しろ。」
……
「…ってもよ〜。」
レッドフードがウルフスベインを担ぎながらゆっくり歩く。その隣をドロシーとスノーホワイトが並んで歩いている。
「ラプチャーじゃねえ相手とどう戦えば良いんだよ。」
「それは皆同じです。彼等…少なくとも彼と対話ができれば良いのですが。」
「アイツか?あたし達の前に現れた時はなんかこう…変な奴っていうか。」
「ぽるけにおん?だとか刑務所だとかわけわかんねえこと言ってたな…。」
「1番、おかしいのはあのヒトデを収納したボールですね。どういう仕組みなのか気になりますし。」
スノーホワイトはモンスターボールに興味を示していた。
「あの赤白のボール…例えば三つ首竜が1体入ってたとして、それを複数所持していると仮定すれば…。」
「今いるこの街くらいなら簡単に落とせますね。」
ドロシーは静まり返った街を見渡す。おかしい。余りにも静かすぎる。それどころかラプチャーの残骸すらない。
「そりゃ上のお偉いさん方も真っ先に捕まえようとするわ。」
「簡単に戦力が補充できるからな。できればうちに欲しいが。」
誰も居ない廃墟の街。その奥に一際目立つ建物がある。タワーマンションだ。他の部隊によるとそこにずんぐり竜と三つ首竜が入っていったとの情報だった。
…ずっと思っていたが化物達の名前が外見に囚われすぎてないだろうか?そんな疑問を頭の隅に追いやりゴッデス指揮官は目の前のタワマンを見る。
「…確かこの辺りってラプチャーの襲撃があったんだよな。」
「この街のラプチャーは他のニケ部隊が倒したそうですが…残骸がありません。綺麗さっぱりと。」
「あそこに…作ったばかりでしょうか…墓がありますね。」
ラプンツェルが見ている場所には最近作られたばかりの墓がずらっと並んでいる。
「ここでも、多くの死者が出たのですね。」
墓の前にラプンツェルが立ち、静かに祈りを捧げた。
「貴方達の魂が天に召しますように…。」
バギィッバギィッ!
何かを貪るような音が聞こえる。
「…ハイド。」
指揮官の合図に合わせ、物陰に隠れる。
「…何かいるぞ。」
音のする方向には銀色の怪獣のようなモンスター、ボスゴドラが金属を引きちぎるような音を立ててラプチャーに喰らいついている。
「…ラプチャーを喰ってる。」
「…信じられません。」
その足元にはその幼体と思われる四足歩行の小さな生き物がバリバリと装甲を食べている。
「ちょっと可愛いかも。」
「…君にそんな感性があるとはな。」
銀色の怪獣はラプチャーの装甲を持てる分だけ持ち上げ、何処かへと運んでいく。その後を4足の小さな生き物が列を組んで歩いていく。
しばらくすると今度は紫色の小鬼がラプチャーを鋭い爪で分解し、部品ごとにわける。
「ウィ!」
「ウィ!ウィ!!」
これは使える。コレも使える。等と喋っているのか。話し合いをしている中、1匹だけラプチャーの中から何かを引き抜こうとしている。
「ウィ!ウィ〜〜!!」
それに気付いた他の小鬼が綱引きのようにラプチャーから何かを引き抜こうとする。
ブチィ!!という音と共にオイルが溢れ出した。先頭にいる小鬼は取り出したソレを天に掲げた。
「ウィ〜!!」
取り出したラプチャーコアを持ち上げ、バラバラにしたパーツと共にリアカーに載せる。そして何処かへと走っていった。
「アイツらだな。何故、ラプチャーのパーツを集めているかは知らないが。」
「あの怪獣の群れと小鬼達がここのラプチャーを分解、何処かに運搬しているのだろう。」
「アイツらを追うぞ。」
小鬼達を追っていると他の小鬼達と合流した。そしてまた更に、合流し、ある場所へとたどり着いた。
そこには1つ目の幽霊が小鬼からパーツとコアを受け取り、梨のような果物を彼等に渡した。
「あの少年の隣にいたアイツか。」
「………。」
パーツを渡した小鬼達はまた何処かへとリアカーを引っ張っていった。その場に幽霊だけが残った。
「さて。もう出てきてもよいですよ。人類の希望…ゴッデス部隊。」
幽霊が突然、喋りだした。
「はじめまして、私はてづかみポケモンのヨノワール。敵意はありません、今のところはですが。」
「…気づいていたのか。というか喋れる知性があるのか?」
物陰から立ち上がり、幽霊と対峙する。
「私はこう見えて目が良いので。」
「熱感知センサーでも付いてるのか?その1つ目に。」
「強いて言うなら貴方がたの魂が私には見える。故に何処に隠れようが透明迷彩を着ようが同じです。」
「オカルトだな。ゴーストだからか?」
コクっとヨノワールは頷いた。
「それで?英雄である、あなたがたがここに何の用でしょうか。ここにあるのは死んだ貴方がたの同胞と、敵の死骸のみ。」
「君達のリーダーに会わせて欲しい。」
「なるほど。そう来ましたか。ですが…それはできません。」
「貴方がたは私達の同胞、スターミーを攻撃した酷い方達だ。簡単には会わせられませんよ。」
「先に攻撃してきたのはそちらだろうが。」
「…事実なので反論できませんね。やれやれ、私も彼を止めようとしたのですが、今は力不足でしてね。こう見えてて戦うのは苦手なのです。」
「ただ私が貴方がたに要求することは2つだけです。」
「今すぐこの場から立ち去ること。先程見た光景を誰にも報告しないことです。」
「従わない場合は?」
「残念ですが、あなたがたを倒さなくてはならない。」
「そうか。じゃあ…。」
「行け、リリス」
「はい、指揮官。」
「ん?」
「拳で分からせてやれ。」
「ゑ?」
そして戦闘…ならぬ蹂躙が始まった。
ヨノワールは久々の戦闘だったが格闘主体であるリリーバイスにとっては相性が悪い。殴ったとしても実体のないゴーストタイプにとって彼女の攻撃は効かない。
はずだった。
「がっ…!?」
「な、何故殴れる…!?いや、これは殴っているのではなく、風圧…!」
「殴った時の振動…衝撃波で私を攻撃したのか…!この、女性は…!?」
「ウィ〜!(ヨノワール様、手伝いまs」
「邪魔☆」
「ウギぃ!?」
リリーバイスの裏拳により、ヤミラミが吹き飛ばされる。
拳の余波でタワマンの一部が吹き飛んだ。
「あそこはご主人がいる部屋の…まぁ、大丈夫ですね。」
「なんだかんだ生き残りますし。」
騒ぎを聞いて、ボスゴドラが走ってきた。
「ゴドォ!!(よくもヤミラミを!オレ様が倒してy」
ボスゴドラも彼女を攻撃しようとするが、拳の衝撃で倒されてしまう。
「ゴドォ゙!?」
「なんてバカ力だ…!それもボスゴドラを一撃で…!実体のない私達を攻撃するなど…!!」
「ウィ…!よ、ヨノワール様…!ここは俺たちに任せて…ボスを…!」
「お前達を置いていくワケにはいかん…!やっと手に入れたベストプレイスと仲間を失うわけには…!」
「はい♪お喋り厳禁♪」
理不尽な拳がヤミラミを襲ったがヨノワールが攻撃を押さえた!
「ぐぬぅ!!やらせはせん!!」
「よ、ヨノワール様ァ!?」
拳を受け止めるがあまりの重圧を感じる。
(不味い…!こんなもの何発耐えられるか…自信がない…!)
どっちが味方なのか敵なのかわからなくなってきた。
「なあ、スノー。これあたし達居なくても良くね?」
「それ言ったらおしまいです。」
「哀れですね…。」
ドロシーは憐れみの瞳(冷笑)でヨノワール達を見ている。
「一通り落ち着いたら手当しても良いでしょうか…。」
ラプンツェルが憐れみの瞳(そのままの意味)でヨノワール達を見ている。
「お、おのれ…!こうなったら私が開発したアレを出して…!」
「無差別破壊兵器だが…!今ここで出さねば…!」
「ご主人からは作るのは反対、机上の空論だけで語れ、君、人の心とかもうちょっと理解したほうがいいよとか言われ続けたが結局浪漫には勝てなかったので作ってしまった最強兵器をここで…!!」
「そんなもの作ってたのかよ!?」
「出でよ!最終兵器…!サイコガn」
「タチぃ!!」
あ、トレーナーのオオタチが現れた!
「ファ…!」
ヨノワールの最終兵器は出せずに終わった!
「タチィ!(ヨノワールさん、今日も遊ぼ!)」
「あ、アワァ…!」
ヨノワールはこんな可愛い子を前に出せる兵器ではないと確信した。
「タチィ!(アッ、ニンゲンさんだ!ボク、オオタチ!)」
「デカいフェレットだ…。」
ゴッデス指揮官がオオタチを見た感想は可愛いということだけだった。
重々しい武器を見てオオタチは威嚇した。
「タ、タチィ!?(わぁ!?怖そうな武器を持ったニンゲンさんがいっぱい!?)」
「タチィ!!タチィ!!(ヨノワールさんを虐める悪い奴らめ!恐れ慄け!ボクはご主人のお気に入りだぞ!ふんす!)」
「わぁ…!」
ゴッデス部隊一同が突如現れた珍獣に目を釘付けになった。デカいフェレットが両手を挙げてなんか威嚇してる。
恐ろしい化物ばかりの中に一匹だけ可愛いやつがいる。そのギャップに萌えた。
「タチィ!(拳も出ず、声しか出ないか!ニンゲンさん!このまま降参してあっち向いて帰るのだ!)」
パシュッ
「タチィ…(あれれ…おねむの時間?なんか眠くなって…)」
オオタチは身体を丸めて眠った。頭には麻酔針が刺さっている。
麻酔弾を撃ったのはドロシーだった。
「皆様、私達は動物園に来たのではないのですよ。あの幽霊から、リーダーの場所」
パチンッ!!
唐突なビンタがドロシーを襲った!
「は…?え?何で…ぶったのです?」
「恥を知れ!!ドロシー!!」
ビンタしたのはレッドフードだった。
「え?どうしましたか?レッドフード?」
「ただの人畜無害な動物だったろ!!可哀想とか思わねえのか!!」
「え?まあ…ですが、今は」
「レッドフードの言う通りだ!今の寝顔もいいがもっと可愛い仕草が見たかった!」
「指揮官まで!?」
「正直言って、私の隣にいるデンジャラスメカゴリラより可愛い!!」
「っ…。」
リリーバイスは、え?私この子ほど可愛くないの?というショックを感じた。
「それにしてもそのフェレット可愛いな!おい!うちに来ないか?お前とお前のご主人と一緒に来い!そしてメカゴリラ動物公園を作r」
メカゴリラのげんこつ!! 一撃必殺!!
指揮官は地面に埋もれた!!
「なっ…自らの上司を…!拳一つで…!」
「ふぅ~…。この人もこう言ってることだし、うちに来ない?その子を連れて。」
「あ、あなたのご主人も一緒に、ね」
圧を感じる。これが最後の交渉だ。とでもいうように握手しようとしている。
「だが私達は屈しない…!」
「どうして?」
「もうすぐご主人が来る。今、この場所に向かっているのだ!!」
「あの人は強い。街に巣食うマフィアをムックルで壊滅させ、世界を滅ぼそうとした男の野望を止め、ついで感覚的でゲーチスから金の玉を奪った!!」
「最近ではタイムマシンの暴走を阻止、…最終兵器による終末も防いだ男だ…!」
「いわば、英雄なのだ…!あと厄災でもある!!」
「どっちだよ。それ。あと金の玉気になりすぎて話全然入ってこねえんだけど。」
「さぁ来てくれご主人!!この者たちを分からせてください!!打破せよ!ご主人!!」
沈黙が続いた。
「ご主人?」
空中にスマホロトムが浮いた。
『ごめんね、ちょっと今手持ちのポケモン調整しながらコーヒー沸かしてるからもうちょっと時間稼いで。』
『やっぱコーヒー飲まずに戦うのつれえわ。ハァ〜…。』
『もう三度寝しようかな。ぶっちゃけカフェインに頼るより睡眠が大事というかうん。』
ブツ…。
「何やっている…!?私がせっかく考えた前振りを無意味に…!」
「…頼りになるご主人に捨てられたな。」
指揮官は憐れみの瞳(ガチで)で地面に伏したヨノワールを見る。土に埋もれた私も憐れだったな。と笑う。
ヨノワールの後ろから足音が聞こえる。まさかさっきのはフリでゴッデスに不意打ちを…!
振り向くとつぶらな瞳をしたぽけーっとしたトレーナーがそこにいた。身体は小さく、溶けかかっている髪と服をしたトレーナー?はぴょんと跳ねてポーズをとる。
…メタモンが現れた!
「メタモン…。」
「あの時の少年…ではなさそうだな。」
「…なんか変じゃねえか?頭身がおかしいっていうか。」
「粘土で作ったようなそんな気がしますね。」
「なんか可愛いかも。」
「…モン!」
「…貴方が戦うのですか?」
「…メタあ!」
「モンスターボールはあります?他の手持ちは?」
「モン!」
メタモンはヨノワールに手持ちを見せた!
「これは…貴方どうやって!?まあ…良いでしょう…このベストプレイスの防衛は貴方に任せます!」
「モン!」
「話は終わったか?そろそろ私達のところに来ないか?餌とか世話とかちゃんとやるから。」
地面に頭だけ出しながら指揮官は話す。
「まだ諦めてなかったんですか?」
スノーホワイトは呆れつつも埋もれた指揮官を見る。
この子のスカートの中を覗こうものなら息の根止めましょうか?とリリーバイスが拳を構える。
「すまん、レッドフードちょっと良いか?回避不能状態でワンパンされる。助けてくれ。」
「まだ抜け出してねえのかよ…ふんっ、ダメだこりゃ抜けねえ。重機とか持ってこねえとよ。」
「メタ、メタメタ…!」
「モン!」
メタモンはマスターボールを投げた!
ボールから出てきた何かは腕を組み、瞑想している。
そして目を開いた。
ソレと目を合わせた途端、ゴッデス部隊全員の空気が一瞬で凍った。コイツはヤバい。リリーバイス含めそれの危険性は察していた。
「みゅう!!」
ミュウツーが現れた!!
ミュウツーは周囲を確認した…!やられた仲間と崩れた設備を見て哀愁と怒りを感じ取った!
「我々のこの世界における安住の地を攻撃するとはな。」
「代償は払ってもらうぞ!!ニンゲン共!!」
「モンっ!」
メタモンはまたボールを投げた。
「酷いなぁ…ここまで壊す必要ないやろ?」
「人の心とかないんか?」
ドラゴンタイプ筆頭 フライゴン
人類最強のニケと最強遺伝子ポケモンを前にして舞う。
次回、メカゴリラタワマン頂上決戦その2
〜あっち側に立つんわオレや〜
禪院フライゴンはこうするしかないという考えのもと、メカゴリラと戦わせます。