この前の日曜日福島7Rでスーホって白い馬が出走してて小学生とかの頃を思い出しました
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「あああああああ!」
やらかしたやらかした!何が『《私》が制す偉業は全て貴方に捧げるものだ、運命の人』だよ!
恥ずかしい!恥ずかしすぎる!この前、拉致の仕返しにライトとリスクの契約したときの逆スカウトを聞いたけれどそれ以上の黒歴史を打ち立ててしまった!
「うぐぁぁぁぁぁぁあぁ!」
「うっさい!」ボスッ
恥ずかしさを少しでも誤魔化そうとベットでのた打ち回っていると、同室の先輩からピエロのぬいぐるみを叩きつけられる
「こちとらね愛しいトレーナーが新しい担当を契約するってだけでもストレスマッハでイライラしてるのに!フジ寮長にまで怒られたらストレス溜まりすぎてお肌荒れちゃうじゃない!」
プンスコと先輩は、トレーニングのアフターケアを再開した
そうだ伊馬村トレーナーに担当トレーナーになってもらうには、彼女にも納得してもらわなければならない
前世では、世代が一つ分ズレていたため鞍上の取り合いなどはあの馬とは、なかったが今世ではそうもいかない、伊馬村トレーナーともい伊馬村ジョッキーの始まりには彼女がいるのだから
【《・》】
模擬レースの翌日の放課後、昨日の逆スカウトは学園全体に広がっているようで、寮ではライトとリスクに、学園では同級生にガン詰めされてしまい、昼食を共にしたココネには『あ、あの逆スカウト感動したよ、私も運命的にビビッと来るトレーナーさん探さないと』と、真剣に受け止められ面映ゆかった
何はともあれ放課後であり、私は昨日の約束通り三女神像の前で待っていた、しかし
「あんたの待ち人は来ないわよ!大人しくトレーニングに行くなり、寮に帰るなりしなさい!」
「…何してるんですか?ジュウリョクピエロ先輩」
「えぅ、そ、そんな優秀そうな名前ではなく、えっとそう!私の名前はグラビテクラウンよ!再度教えてあげるあんたの待ち人は来ないわよ!」
伊馬村トレーナーの初めての担当ウマ娘、ジュウリョクピエロ先輩、もといマスカレードをした謎のウマ娘グラビテクラウンが私の前に立ちはだかった
「いえ、私は信じますよ彼女は来ると」
「いいえ、来ないわ昨日の逆スカウトがあまりにも恥ずかしすぎて、その場で断ることができなかっただけよ。中山レース場に近い夢の国で告白されても周りの雰囲気的に断りづらいでしょ?」
かなり痛いところを突かれた、ぐぅの音も出なかった
「…それでも待ちます、彼女は嫌なら面と向かって私を振るでしょ?担当のピエロ先輩なら分かりますよね」
「もちろん!当たr…いえ!私は孤高のマスカレードウマ娘グラビテクラウンよ!」
「ストレスで眠れませんでしたか?目の下に隈が…」
「誰のせいだと思って!ってマスクしてるのだから隈なんて見えないでしょ!」
「ピエロ先輩入寮の時に渡した、ホエイフェイシャルクリーム追加で送ってもらったのですが要りますか?」
「いる!……っく、そうよ!私が伊馬村トレーナーの“唯一”の担当ウマ娘、ジュウリョクピエロよ!私と勝負しなさいゴゥディナー!アンタが負ければ潔く私のトレーナーを諦めなさい!」
【《・》】
時間は放課後、三女神像の前にいるはずの私は、トレーナー室で知恵の輪と格闘していた
「えっしょ、こうして?あ!解けた!」
失敗したのは、ピエちゃんに昨日の逆スカウトについて相談しなかったことだったかもしれない
学園内で昨日の逆スカウトが噂となり尾ひれ背びれが付きゴゥディナーさんが私に愛の告白をしたことになり、それがピエちゃんの耳に入ったのだ
愛の告白はあながち間違いとは言えないのだけれど、独占欲強めのピエちゃんがどんな行動に出るのかは予想に容易かった
結果、契約に必要な書類や印鑑などがまとめて箱に入れられ、知恵の輪の鍵を掛けられてしまっていた
「急いで三女神像に行かなきゃ」
トレーナー室を飛び出し、三女神像へと急ぐ
何がグラウンドが騒がしかったが、今はそれどころではなかった
「はぁ、はぁ、だ、誰もいない…ゴゥディナーさん帰っちゃったのかな…」
「ん?レースのトロフィー様がなんでここにいるんだ?」
「え?」
三女神像の前には誰も見えず、約束したウマ娘は影も形もなかった
一人項垂れていると、学園一番のギャンブラー、ナカヤマフェスタとアウトローなカリスマあふれるシリウスシンボリが目の前に現れた
「え?トロフィー様ってどういうことなんです?」
「なんだ知らないのか、ジュウリョクピエロとゴゥディナーがアンタを賭けて今からレースするんだよ」
「は!こんな面白そうな勝負賭けない訳には行かないからな、シリウスと首を突っ込もうとしてたところだ。ちょうどいい、レースにトロフィーがないなんて味気ないからな、連れてってやるよ」
ナカヤマフェスタとシリウスシンボリに担がれる
「えっ!?ちょっ!?」
「口閉じといた方がいいぞ」
「ほら、さっさと行くぞレース始まっちまう」
「ムー!ムー!」
【《・》】
いきなり始まったピエロ先輩とのレース、まぁ予想していなかった訳ではないのだがここまで大ごとになるとは考えていなかった
『昨日の今日だぞ』『レースジャンキーか?』『私は痴情のもつれって聞いたけど』『やっぱり昨日の告白?』
レースコースには幾人か人が集まっていた
「「がんばれー!ディナー!」」
どこから聞きつけたか従姉妹二人もそのなかに混じっていた
「ふん!アンタもかわいそうねこんな、大勢の前で私に負けるのだから……ちょっと多くない?アンタが呼んだの?」
「呼んでないですよ、でも人が多い三女神像の前で大声であんな問答して、レース始めるとなれば周りにいた人はレースを覗きに来ますし、人が人を呼ぶこともあるでしょうね」
「…もちろんそうよね!」(不味い、割と大ごとになっちゃったのだわ…)
周りの雰囲気に気圧されながらストレッチしていく
どんなレースであっても【ゴゥディナー】は負けないのだが、流石にデビュー前にシニアクラスのG1ウマ娘と戦うことになるとは
レースの展開を考えながらスタート位置に着く
グラウンドに来るまでにとっ捕まえたスターターのココネが私とピエロ先輩の準備が出来ているか確認し、腕を上げる、そして「間に合った!」え?
「やっぱり人抱えてるとスピードでねぇな」
「まぁ二人で抱えてるってのもあるがな」
「きゅ〜〜」
「「と、トレーナー!?」」
「ちょ、ちょっと人のトレーナーに何してるのよ!」
「自分がトロフィーにされてるのに勝負を見届けられないってのはフェアじゃねぇからな、雑になっちまったけど連れてきてやったぜ」
ナカヤマフェスタの言うことは別段間違っていない、自分が賭けの対象なのに自分が預かり知らぬところで始まり、終わるのは不公平だ
「…いいわ、仕切り直しよ時間は要る?」
「いや、要らない」
…不味ったな、三女神像前でこちらのペースに飲み込んだところまでは良かったが、伊馬村トレーナーが来てから気迫が目に見えて変わった
まぁ元からこちらがチャレンジャーだ
「し、仕切り直していきます。位置について、よーい」
手を振り下げるとともに、スタートする
ピエロ先輩も私も後方からの追い込み、差しがレーススタイルで、序盤のペースは比較的緩やかなのだが、ピエロ先輩は私の真後ろに付き押し上げるようにプレッシャーを掛けてきた
自分のペースを乱されてはいけない、しかし、このペースのままなら最後に差し切られる、相反する矛盾を抱えたままレースは、中盤に差し掛かる
◆
ゴゥディナーの後方にピッタリと付けて、ペースを揺さぶる
ペースを上げればアンタ本来の走りを失う、ペースを維持しても最後私が差し切るさぁどうする!
ゴゥディナーの選択は、ペースを維持することだった
そう、それがアンタの選択ね、ならアンタの実力私が上から叩き潰してあげる!
第4コーナーを抜け外側に少し膨らむ、ロスを加味しても余裕で差し切れる
ゴゥディナーを横目に直線を駆け抜ける、もう追いつけないだろう
“ダン!”
そう思っていた
◆
私は、自分のペースを維持することを選んだ、しかしこのままでは最終コーナーを曲がったあと差し切られるのは目に見えていた
実力は今は向こうが上、ステータスで上からすり潰されるだけだ、《私》が切れるカードはただ一つ
【ゴゥディナー】の名を背負って、負けることなど許されないちっぽけなプライドだけだ
直線に入ると、ピエロ先輩が横に並び、少しづつ離され始める
このままでは負ける、ここで負けてしまえば担当してもらうことはできない、トレーナーがいいと言ってもピエロ先輩が認めず、何より私が認められない
【ゴゥディナー】はただの一度も負けられない!
“ダン!”
腕をちぎれるほど振る、体は倒れるほど前傾に、脚が芝を蹴り捲る
イメージが現実を染めていく
月食が空を覆う、19の光が私の前に連なる、一歩踏み出すたびに身体が前に出る
〘覇宴、世界を黄金に染めて〙
イメージを駆け抜け、ピエロ先輩いやジュウリョクピエロに並ぶ
「追いついたぞ!ジュウリョクピエロ!」
「まだまだよゴゥディナー!ここからさらにぶち抜いてあげる!」
「「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
そのまま直線を走りきり、コーナーが見え始めたところでスピードを落とす
ゴール板を抜けたことは認識できても着順を確認する余裕は無かった
「「ぜえ、はぁ、」」
二人して息も絶え絶えでふらついていた
ゴールチェッカーも頼んだココネに二人して尋ねる
「「勝ったのはどっちだ!(なの!)」」
「ど、同着ですぅ」
・・・
“ドサッ”
緊張が解けたのかターフに倒れ込む、しかし、ピエロ先輩は膝に手をつきながらも2つ足で立っていた
「…いいわよ、認めてあげる」
ピエロ先輩がこちらに手を伸ばす、上体を起こして手を取ると勢いよく引き上げられた
「トレーナーに担当してもらっていいわよ」
「元々先輩が決定権持ってるのが変な話なんですけどね」
「先輩もいらないわ、好きに呼びなさい、あ、でもピエちゃんは駄目よトレーナーだけの呼び方だから」
「…ではピエロと」
「ちょ、ちょっと二人とも!何勝手にしてるの!」
「あーんトレーナーイタズラしてごめんなさい、でも契約試験は終わらせたわ、ゴゥディナーなら担当してもいいわよ」
「いや、そもそも担当するとは」
「でも書類や印鑑しっかり揃えてたわよね?」
「え、うん…ぐぅ」
トレーナーとピエロが会話する、ピエロはもうすでに息を整えており彼女との実力の差を実感する
まだまだ自分もトレーニングが足りないなと新しいトレーニングメニューを考える
「…何一人でトレーニングについて考えてるのよ」
「え!?」
「顔に出てるのよ、そんなんじゃトレーナーと契約する意味ないでしょ?ほら手出しなさい、トレーナーも」
ピエロが私とトレーナーの手を握手させた
トレーナーと目が合う
「よ、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくねゴゥディナー」
激しいレースの末、私の担当トレーナーが決まった
【《・》】
「ピエちゃん、印鑑とか鍵かけたから今度のお出かけ、買ってあげるの一つだけだからね」
「えー!」
人物紹介
《ゴゥディナー(ウマ娘)》
本作主人公なのに三話目の紹介
メジロ、シンボリに続く名門ゴゥ一門のウマ娘
中身はウイニングポストで、馬主をしていた大越 剛
性格は男勝りではあるが、礼儀礼節はわきまえている
自家牧場で育てた【ゴゥディナー】に脳を焼かれており、【ゴゥディナー】として走ることに囚われいてる
固有スキル
〘覇宴、世界を黄金に染めて〙
最終直線ゴールが見えるととても加速する
《ジュウリョクピエロ(ウマ娘)》
入学してすぐ《チームスピカ》に拉致されて、そこでサブトレ時代の伊馬村トレーナーに会い、運命と言うものがあるのだと思った
彼女の一番を自負しており、トレーナーがナンパされないように八方睨みを利かせたり、強い独占欲を持っている