クラシック編に入ったらゴゥディナーの存在感ましましに、姉ルギーハザード見たいな原作キャラとの絡みがある話も増えると思います
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凱旋門賞後、ゴゥリスクの引退宣言に真っ先に反応したゴゥライトはリスクに掴みかかった
「あなた、何を言っているのかわかっているんですか」
「あぁ」
「貴方のトレーナーも納得しているのですか」
「してないだろうな、でも私が折れないのを見て泣く泣く飲み込んだ感じだろうな」
「家の手伝いと言っていましたが、トレセンはどうするのですか」
「両立できるほど家もトレセンも甘くないからな、もちろんやめるよ」
「!?、あなたは…!」
ライトは腕を振り上げたが、リスクは目を瞑ることをせず受け入れるようにまっすぐライトを見つめていた。ライトは腕を下ろしリスクの前の椅子に腰掛け深呼吸を繰り返した、冷静になるためにも見えたし、今にも零れそうな涙を押し込んでいるようにも見えた
「なら聞かせなさい、あなたが引退という選択を選んだ理由を」
「わかった」
そう言うとリスクはゆっくりと話し始めた
【《・》】
私は走ることが好きだ、それはウマ娘の本能だろうし嘘はつけない。
走るのと同じくらい競うのが好きだ、そこに勝ち負けが付随してもこだわらない。
それは負けることを甘んじるわけでもないが勝ちだけを求めるものでもない、競い高め合う事が好きなのだ。
そして私は誰かに応援されるのも好きだ、激励の声が私の背中を押す、諦めや限界が見えてももう一歩押し出してくれる、そんな応援に応え続けたいとも思っていた
真っ先に違和感に気づいたのはトレーナーだった。
有馬の疲れを抜くのにも合わせて大晦日の長めの休暇明け、大阪杯へ向けてのトレーニング中に重心のブレが多かったらしい、そのときは休暇明けで身体が鈍っている程度だと考えていた。しかし一週間ほど経ってもブレは減らなかった
ブレによって下がった効率は数で相殺し、大阪杯当日は完璧に仕上げ勝利を収めた。しかし、同時に気づいてしまった自身に限界が来ていることを、タイムやスタミナにはすぐには現れなかったが確実に付いてきていたのは疲労が抜けないことであった。
ウマ娘にとって脚の疲労などは命取りであり、選手生命を少しづつ締め上げているも同義である。そのためトレーニング後のアフターケアは十二分にし宝塚記念に挑んだ
結果は2着だった、悔しくないと言えば嘘にはなるがどこか安心もしていた。『自分はまだついていけている』『身体のピークが来ても戦術などで戦える』と、しかし冷静になってみれば自身のフィジカルは下がり続けていると
一度考えてしまうと、がん細胞のように広がっていく。そんな私を支えていたのは、皆の凱旋門賞への応援であった。
豚もおだてりゃ木に登る、ウマ娘も褒めれば走るのだ、皆の思い、私の願いの凱旋門賞を勝つという勢いが私や背中を押していた
だが凱旋門賞も勝ちきることができず2着に終わった、ピークアウトのせいで全力を出せなかったわけではない、ピークアウト前の全力を時間をかけて引き出したにすぎない、とどのつまり凱旋門賞ハナ差2着これが私の限界だった
私はレース後に思ってしまった、もしライトがいたら勝っていたのではないか、思い出してしまった、流し見て忘れようとした『ゴゥライトにもでてほしかった』と言うコメント。その時私は誰かの期待を背負えていなかった、ここにいないライトに期待した。
私は私に負けてしまった、限界を超えることもできなければ、自身の限界は少しづつどんどん窮屈になっていく、競うどころかおいていかれ、期待させずに期待する。そんな醜い姿になるならスッパリレースから身を引くべきだが走りたい本能は止められない。
ならば環境そのものを変えるのだ、ゴゥ家を言い訳にした逃げの選択、自分に負けた敗北宣言。
だが、逃げるよりも、自分に負けるよりも、ライトに、ディナーに、醜い私を見てほしくなかったのだ
【《・》】
俯いたまま語ったゴゥリスクには”戦鬼”としての面影はなくただのか弱いウマ娘にしか見えなかった
そんなリスクの独白に私はなんて声をかければいいのか解らず拳を握ることしかできなかった、
ゴゥライトが立ち上がりゆっくりとリクスに向き合う、私から彼女の顔色などは伺えず二人を見ていることしかできなかった
スパン!
と音が響く、ライトが腕を振り抜き、リスクの頬には大きな紅葉が浮かんでいた
「許さない!悩みを私達に打ち明けなかったことも!そんな逃げるような選択も!」
もう一度振り抜こうとした手のひらは、今度は静止が間に合った。しかし彼女の激情は止まらなかった
「あなたは誰かの期待に応え続けて!自分の事は誰にも見せずに!最後は投げるように逃げ出して!」
「弱ったなら頼ってよ!苦しいのなら教えてよ!私でもいい!ディナーでもいい!あなたの弱みを、期待を押し付けてよ!」
「私はあなたのライバルであり、親友であり、何より家族なのよ!」
「そんなふうに、私をおいて行かないでよ…」
「…!」
ライトの目からポタポタと涙が溢れる、激情とともに溢れ出した涙はライト自身にも止められるものではなかった、しかし、リスクは顔を背けた
「すまない…」
リスクの謝罪は、ライトの思いに答えることができないことだけではなく、ヴィルシーナの忠告に対するアンサーだったのかもしれない
リスクの意思は硬くこのままではレースの世界から身を引いてしまう、私にはリスクを引き止める手段などは持ち合わせていなかった
「…有馬記念に出走しなさい、逃げるように引退するあなたを私は許さない」
「これは私とあなた二人の勝負、私が勝てばレースを続けてもらう」
「あなたが勝てば好きにすればいい、トレセンを去るのも、レースを捨てるのも自由すればいい」
ライトが突き付けた条件は、リスクとライト以外を考えない恐ろしいほどの傲慢さがあり、普段のライトならば決して考えたとしても口に出すことのない条件であった
それほどまでにライトにとって、リスクの引退が衝撃だったのだろう
「あぁ、おまえがそこまで私をレースに縛り付けるなら、私も私の自由の為だけに全てを振るおう、例えこの脚が砕けてもな、…それで走らなくてよくなるってんなら、私は構わない。むしろ万々歳だ」
冷静でなかったのはライトだけではなく、リスクもまた正気を見失っていた。怪我を肯定するような言葉を聞いたのは初めてであり、なりふり構っていられないそんな様子だった
部屋には重い沈黙が満たされ、呼吸の仕方を忘れるほどの怒気が場を支配していた
ビー!
沈黙を破ったのは場内アナウンスであった、レース場撤収時間を報せる無機質な音声が場をほぐした。
ライトは時間を確認すると何も言わずに部屋から出ていった、捨て台詞も啖呵もなくただ敵意の視線を残して
リスクもただ無言で撤収の用意を始めた、黙々と自分の痕跡を消していくように
二人は何も言わなかった、しかしその間には決定的な亀裂が走り、その間は埋まることさえ無いほど深かった
私はボソリとピエロの様子を見ると言い訳を並べ、重く止まった部屋を後にした
【《・》】
ピエロの控室を覗くと少し目元の赤いピエロとトレーナーが今後のローテーションなどについて話していた
そんな風景を見て安心したのか私の瞳から涙が溢れた、内面は大人の男であるはずであるが涙を抑えることができなかった。
「!?ど、どうしたのディナー?」
「リスクのとこに行ってたんじゃないの?」
涙と共に胸の内の不安感が堰を切ったように溢れ出た、しどろもどろに理由を話すとピエロが私の頭を抱えゆっくりと撫でて、落ち着いた声色で語りかけた
「まずは落ち着きなさい、ずっと一緒の家族がバラバラになってしまって不安になるのは当たり前よ、だからこそ落ち着くの。落ち着いて一つ一つつなぎ合わせる事が大事よ」
「でも…でも…やっぱり、不安で…」
「ならアタシを頼りなさい、アタシはあなたの先輩で、笑顔を届けるクラウンなのだわ」
慈しむような笑みに私も少しづつ平静を取り戻し、今度は逆に恥ずかしさが勝り始めた。その事に知ってか知らずかピエロは顔を上げた
「レース場の撤収時間も来るようだし、もう出なきゃね。」
「ディナーも今日は私達の部屋に来なさい、日本に帰っての作戦会議をするわよ!」
心に取り憑き脚を引っ張る幾ばくかの不安を振り払い、一歩を踏み出させたのは間違いなくピエロのおかげであった
【《・》】
日本に帰国してからも二人は仲直りすることもなく、仲は険悪なままトレーニングに打ち込んでいた
それどころか学園内ですれ違ったとしても、互いを認識しないと言う状況であった
ピエロの言うとおり、一つ一つ進めていくため二人のトレーナーに相談することにした
「ライトから聞いていたけどそう言う訳か…」
「引退とかってかなりシビアな問題だからな」
「私は…どうにかして二人の仲を戻したいんです」
「うん…正直難しいのが本音だな、トゥインクルシリーズ引退はほぼ決まりだ、レースを捨て無いで欲しいのは俺もそうだがリスクの意思は硬いぞ」
「しかもリスクは、有馬記念に全てを使い尽くすつもりだ、コンディションとか身体の残りのピークを有馬にガッチリ合わせに行ってる」
「ライトも天・秋、ジャパンカップからのローテだけど明らかトレーニングに熱が入ってる、ファストやソウルラッシュが声掛けても練習やめなかったりするし」
「二人とも周りが見えてない…」
「…ディナー、君には悪いけど俺は段野と協力とかは出来ない、君や段野の敵ではないけど、リスクの1番の味方だからな」
「俺も、ライトが不安定だからこそ不信感を感じさせたくない、君に協力はできても勝敗に関してはライトを勝たせる為に動く」
「それは…もちろん、そう、ですよね…」
「…今日はありがとうございました、また何か相談させていただきます…」
「力になれなくてすまない…」
「こちらでも何か気づいたら報告はするよ」
「はい…」
【《・》】
学園の隅にある木の洞に、背中を預け深呼吸する、まだ終わってない、時間はあると自分に言い聞かせる
「…でもこのままじゃ、どっちかが傷付いて、それに気づいたときにはもう遅くて…」
不安が心を蝕む、平静を保つために木の洞に頭を突っ込み大声でがむしゃらに叫ぶしかなかった
「はっはー、随分と元気がいいねぇ。何かいいことでもあったのかい?」
慌てて振り返ると長身で長い黒髪をひとつ結びにした大人のウマ娘が立っていた
「あ、あなたは?」
「ん?僕かい?僕はサンデーサイレンス、ここのOGではないのだけどトレーナー候補として来年度から研修生として働くものだよ」
「見かけた知り合いを追いかけていたら、追いつくどころか振り払われて迷ってしまってね」
サンデーサイレンス、その名前に覚えがあった、日本の競走馬の偉大なる父として多くの子を残した名馬であった
偉大なる父の力なのか、藁にもすがりたいと言う気持ちの発露か初対面である彼女に相談を持ちかけていた
「ふ~ん、厳しいことを言うのもトレーナーの仕事だから言うけど、どっちも幸せにってのは無理だね」
「…!」
「互いの望みが対極すぎる、走りたくない、走らせたい、離れたい、離れたくない」
「そんなの同時に叶えるのなんて神様だってできやしない」
「………」
「でも僕との奇妙な縁を感じる君に、奇妙な縁を手繰り寄せた君にアドバイスをあげるよ」
「両極端な願いは叶えることは出来ないけど、両極端の願いを叶えないことは誰だって出来る。君にも、従姉妹の二人にも、また別の誰かであっても」
「君が彼女達を幸せにすることは難しくても、不幸を分け合う事は出来る。君も僕から見れば十分盲目的だよ」
バイバイと、手をふり彼女は校舎の方に歩いていった、私は彼女の言葉を反芻した
盲目的な私、叶えない願い、不幸の分配、私でもない第三者の介入
ゆっくりと時間をかけて一つの考えにたどり着いた
私は二人を打ち倒し、私のワガママを押し通す
クリアになった思考はとどまることを知らず、身体はすでに動き出していた
≪キャラクター紹介≫
サンデーサイレンス
毛色は青鹿毛、偉大なるビックでダディなウマ娘
知り合いのどこぞの黄金な旅人を見つけてちょっかいをかけようとしたら巻かれて迷子になった
トレセン校舎に戻ってからは、ポルターガイストとコーヒーを楽しんだ後、英雄に引きづられてたずなさんに引き渡された
アロハのおっさんの知り合いはいない
スマホ更新かPC更新か(凱旋門と覚悟以降しばらくPC)
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スマホ更新
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PC更新
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どちらでもいい