いわゆる全て遠き理想郷風味の話です。
なので、原作では死亡しているキャラが生存しているのに加えて救済されています。
それでも大丈夫な人は読んでいってね。
2004年1月某日。
冬の寒さが深まる日本の地方都市の一つである冬木市にて、その市内にある商店街を高校生らしき二人の男女が......衛宮士郎と衛宮桜は歩いていた。
傍目から見れば、この二人はカップルに見えるかもしれないが、実際のところは血の繋がらない兄妹で、今日もまたいつものように自宅への帰路に着いていた。
「
「あぁ、今夜は鍋にでもしようかな?」
そんな会話をしつつ、仲良く商店街を歩く二人。
元々、二人は衛宮家の人間ではなかった。
だがしかし、10年前のとある出来事をきっかけに衛宮家の一員となり、二人はそのまま兄妹として仲良くなっていった。
何だったら、桜の方が士郎に懐いていたのもあってか、二人は本物の兄妹のような関係性になっていたとか。
そのためか、こうして二人で仲良く帰ることは多々あったのである。
ちなみに、桜は女子生徒の中ではかなりモテる方らしい。
「良いですね!!」
「となると......ついでに材料を買いに行かないとな」
そう言いつつ、今夜作ろうとしている鍋をどうするのを考えながら、商店街を歩く士郎と桜。
そして、そのまま寄せ鍋にするか豆乳鍋にするか、あるいはキムチ鍋にするかを話し合いながら歩いていた時、士郎に対して誰かが抱きついて来たのだが
「イリヤ!?」
「姉さん!?」
抱きついてきた人物が自分達の姉こと、長女の衛宮イリヤスフィールだったため、二人の顔には笑顔が映し出されていた。
イリヤ自身は特殊な出自故に、第二次成長期以降の成長は望めないと思われていた。
しかし、そんな中では奇跡が起こったようで.....今現在のイリヤ自身は母親に似た女性に成長していたため、彼女もまた学校ではモテていた模様。
一方、そのイリヤ自身はと言うと....弟や妹と帰れることが嬉しかったのか、ニコニコ笑顔を浮かべていた。
「やっほ〜!!何してるの?」
「何って、今夜は鍋にしようかなって話をしてただけだよ」
「鍋!!」
すっかり日本文化に馴染んだのか、鍋と言う単語を聞いただけで目を輝かせるイリヤ。
そんな姉を見た士郎はやれやれという顔になった一方で、桜は微笑ましいとばかりにクスッと笑っていた。
そして、士郎達はそのまま合流したイリヤと共にスーパーに向かうことになったのだが
「ねぇシロウ!!今日の鍋にはハンブルグを入れましょ!!」
「いや、流石にそれは....」
「良いですね!!なら、私は林檎でも.......」
「桜?」
といった感じの軽い大喜利状態と化していたため、士郎は分かりやすく呆れていた。
ただし、姉や妹である二人が楽しそうなら良いかと思ったようで、今夜は思い切ってカレー鍋にしようかな?と思っていたとか。
しかし、衛宮家の事情を知らない者からすれば、今の士郎は美少女二人に挟まれている状態なためか、周りからは視線を集まりつつあった。
ただ、イリヤ・士郎・桜が家族であることを知っている人達は、思わず微笑ましそうな顔になっていたのは言うまでもない。
「....シロウ」
「お菓子なら買わないぞ」
「まだ何も言ってないのに!!」
どさくさに紛れてお菓子を買いたいイリヤと士郎の攻防に対し、仲が良いなと思いつつ見守る桜。
なお、結局三人はお菓子は買わなかったものの、今度は商店街にある回転焼きの店でイリヤが駄々をこねたため、士郎と桜は苦笑いしていた。
そんなことがありつつも、何とか材料を買った三人は自分達の家である衛宮邸へと帰ってきたのだが.....いざ自宅へと帰ったところ、そこには大量の洗濯物を抱えた男こと、三人の父親である衛宮切嗣が居たを
その状態の父親を見た士郎達は、彼が洗濯物を取り込もうとしていたのだろうと思ったようで、慣れた様子で洗濯物を畳んでいったのだった。
「もう!!こーゆーことは私達に任せてって言ってるのに!!」
「すまない、暇だったからつい....」
父親に向けてそう言うイリヤに対し、申し訳ないとばかりの顔になりながらもそう言う切嗣。
しかし、その姿があまりにもショボンとし過ぎていたからか、それを見た三人は思わず可愛いと思ったとか。
そう思っている士郎達を尻目に、切嗣は食材で溢れ返った買い物袋を見つめると、そのままこう言った。
「ところで....今夜は何か豪勢な料理でも作るのかい?」
「いや、鍋の材料を買いに行ったら何故かこうなってて....」
「あ〜....」
遠い目をしている士郎の顔と、やる気満々なイリヤと桜の様子を見て、何となくその理由を察したのか、何とも言えない顔になる切嗣。
そして、それと同時に闇鍋かな?とも思った模様。
だがしかし、娘であるイリヤと桜がやる気になっているのを見たからか、ここで下手なことを言ってもアレだもんなと思ったようで、これ以上は何も言わなかった。
「と言うわけで!!今回はカレー鍋にするよ〜!!」
「あぁ、だからハンバーグや林檎を買っていたんだね」
「まぁ、一応は変なモノは買わないようにはしたけどな」
「ちなみに林檎は私が買いました!!」
そんなことを言いつつ、早速鍋の準備に入る衛宮家の面々。
これは、とある並行世界の......第五次聖杯戦争が行われなかった世界にて、地方都市である冬木市で暮らす一つの家族こと、衛宮家の物語である。
「ところで....〆はどうするんだ?」
「う〜む、とりあえずはリゾットにしようかなと」
「えぇ!?そこは麺でしょ!!」
「あと、チーズを入れたらどうですか?」
【衛宮家家族構成】
父親:衛宮切嗣
長女:衛宮イリヤスフィール
長男:衛宮士郎
次女:衛宮桜