「如月さん入ってきて来てください〜」
「はい!」
僕の名前が呼ばれたので制服を軽く整えた後に扉を開け教室に入る、転校初日とはいえボッチの陰キャだった僕にはウケ狙いは出来ないので当たり障りない自己紹介をしようと教卓の前に進んで行く、その途中話し声が聴こえた
「ねえ真穂、貴女確か朝教卓で何かやってなかったかしら?」
「うぇ?何の事じゃよ⋯⋯あっ待ってストップマジで待つんじゃよ!」
「貴女いったい何をしたのかしら」
?首を傾げつつ教卓の前に立つとその瞬間に天井から白い粉が降り注ぎ僕だけではなく教室は白く染まっていった
僕を呼んだ先生は勿論の事教室中が慌ただしくなる
「真穂、流石に転校初日から虐めるのはどうかと思うわ」
「そんなつもり無かったんじゃよ、今日転校生が来る事も忘れてたんじゃよ、本当にごめんなんじゃよ!」
「取り敢えず掃除道具を準備しましょ」
「何だ何だ?また真穂がやらかしたのか?まぁ何処も壊れてないしな、いつもに比べたら大人しいんじゃないか?転校生にとっては災難だったかも知れないが」
「だからってこれは駄目だろ、転校初日からこれは印象最悪過ぎるぞ!不登校になるかも知れないし、真穂お前あの娘にもっときちんと謝っとけ」
「本当にごめんなんじゃよ!泣かないで欲しいんじゃよ〜」
何故転校初日からこんな目に合わなければいけないのか⋯制服についた粉を払いながら数日前の出来事を思い出す
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あの日僕はいつも通りに起きたつもりだった、だけど目を開けた瞬間に目の前に居たのは兄さんだった
「おー!やっと起きたのかMyAngelSister 幸よ!」
「頭湧いてるの?兄さん、シスターじゃなくてブラザーでしょ?⋯⋯待ってさちって誰のこと?」
「おや、起きたばっかりだから気付いて無いのかい?」
「いやだから幸ってだれ?ん」
気付くとは一体、それより声がおかしい気がする
後僕のボクも何か⋯無いような
「MyLovelySister 幸よおめでとう!君は弟から妹になったのだ!!俺は弟より妹が欲しかった願いがかなったのだ!!」
「は?兄さん⋯まさか僕の事を、それより妹なら姉さんがいるでしょ!」
思わずベッドの上で後ずさる⋯もしかしたら兄さんが何処ぞの怪しい薬で僕の事をと思考がよぎる、それに姉さんがいるのだ⋯兄さんは僕の2つ上で姉さんは僕の1つ上つまり兄さんからしたら妹だ
「有り得ないな、俺より運動が出来て勉強もできて更には凶暴性も兼ね備えている、あれを俺は妹とは認めない」
ッ 殺気を感じ僕の部屋の扉を見るとそこには長髪を後頭部でくくった所謂ポニーテールにした姉が存在した、もはや居たのでは無く存在している、どうやら兄さんは姉さんの事に気が付いてない様で自ら地獄の扉を開け放つ
「そもそも握力とか並の男より⋯いや年上の男でさえもあれには負ける、つまりあれは妹では無くゴリラかその化身だ
それに比べて幸は背も低く力も無い!それどころか目を覚ましてからずっと庇護欲をそそられるその表情!まさしく俺にとって最高の妹と言える!!それに比べやはりアイツは「誰がゴリラだって?」⋯⋯ぐぇ」
180近い背丈の兄を片手で掴み上げそして廊下へと放り投げた
「さて起きた姿は初めて見たがやはり可愛らしいな、あのモブAといった容姿からまさかここまでとは」
「兄さんといい姉さんといい男の僕の扱い酷すぎない?」
「オタク気質で本を読みながらニヤニヤしていた愚弟より可愛らしい妹の方がいいに決まっているだろ?」
何その当然でしょ?みたいな言い方は中身は一緒だぞ、それより兄さんも姉さんも絶賛している今の僕の容姿が気になってきた
その思考を読んだのか手鏡を渡してきた
その鏡に映ったのは目にうっすらと掛かる程の長髪に今にも泣き出しそうな表情をした美少女だった
「姉さん、何でこの子泣きそうな顔してるの?」
「私が知るか、お前自身だろ?てっきり女になった直後にあの愚兄に言い寄られたせいだと思っていたが」
ふむ、僕は元々男だし確かに兄さんは元より姉さんより背が低くなった⋯まぁ元から2人よりは背が低かったが更に縮んだ、感覚から150は有るだろう、有って欲しい
そしてこの泣きそうな表情だが背が縮み怖くなったわけではない、それにあの兄のせいでもない気持ち悪かったが
「つまり今の僕はこの泣きそうな顔がデフォルトって事?マジで?」
「ふむ、これはマズイな世の男共が放っておくがはず無い」
確かに一目見ただけで美少女とわかり庇護欲をそそる表情これなら勘違いした男が近付いて来るのは想像に固くない
男に言い寄られる自分を想像するとゾワッと来る、だけどそうなる可能性もある訳だ
「あ、これから学校どうしよう?」
「それなら問題ないぞ!我が麗しの妹よ!さあ受け取ってくれ」
兄が復活し何かカードを何故か跪きながら手渡してきた
そこには天魁高校の学生証だった名前の欄は如月 幸
「ねえ兄さん、これ高校名間違ってない?僕が通っていたのは違う学校なんだけど、それと幸って何いい加減答えて」
「間違ってないとも、それと男の頃の名前は合わなすぎるから幸に改名しておいた、そもそも本当なら俺と同じ学校にしたかったが俺は大学だ誠に無念だ今からでも切実に高校時代に戻りたい」
兄さんが崩れ落ち姉さんが言葉を引き継いだ
「この馬鹿は放っていおいてな流石に元の高校のままだと色々と心配だからね、私と同じ高校に転入させる事になった私は3年だから余り会うことは出来ないが⋯それと学年に関してはまた1年からやり直す事になるこれが精一杯だったんだ」
「まぁそこら辺は姉さんに任せるよ僕じゃ何もできないし」
「すまないな、さて一旦話はここまでにして一緒にお風呂に入ろうか、1週間風呂に入れなかったから汗で気持ち悪いだろ?一応濡れタオルで汗は拭いて着替えさせたりしたがそれでも限界があるしね」
「一緒にお風呂だとMyAngelよ!俺と一緒にゴフォ゙」
兄さんが世迷い言を吐いていた途中で姉さんが文字通り蹴り飛ばした
「ん?あれ姉さんと僕が一緒にお風呂に入るの?」
「そうだが、それと今迄の洗い方は許さないぞ男と女では諸々違うからな、それにこんなに綺麗な髪を傷ませるのは世の中の損だ」
「⋯まぁいいや」
何だろ、姉さんと一緒に風呂に入るのに一切の嫌悪感も何も感じない寧ろ嬉しく感じる僕がいた
僕はシスコンでは無かったのだがこれが体の変わった影響なのかも知れない
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「幸、少し待て」
風呂から上がろうとした時先に上がっていた姉さんが僕を止めた、風呂の中で何があったのかは想像にお任せする、1つ言えるのは髪を洗うのが非常に面倒臭いシャンプーだけでは駄目なのか駄目なんだろうな姉さんに怒られるし
その後許可が出たので脱衣所に出ると姉さんがボールペンらしき物を持ってドアを睨みつけていた
「姉さん何かあったの?」
「愚兄は後で潰すそれだけは確定だ、まさか妹の裸を盗撮しようとはな」
どうやらボールペンらしき物は盗撮機だったらしい、姉さんは片手でそれを砕きゴミ箱に放り捨てた、兄さん南無せめて生きて明日を迎えられる事を祈っておこう
それにしても今迄は兄さんが頼りなり姉さんが暴君として君臨していた筈が今では兄さんは変態に墜ち姉さんが頼りになる、弟と妹でここまで変わるとは
僕は準備されていたパジャマらしき物を手にし姉さんに問う
「姉さんそれとこれは?」
「可愛らしいだろ?幸に来てほしくてな買っておいたんだ」
僕は猫の着ぐるみパジャマを見つめて固まった、どうやら姉さんも壊れてしまっていたらしい、この日はこれ以降は特に語ることも無く過ぎていった
読んで頂き有難うございます