Pokemon Legends YAKUZ−A!   作:洋菓子職人II

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御三家は当てれても如くのキャラを当てれる人はぶっちゃけ居ないと思ってます。




新たな仲間、その名も『ススム』

ホテルの外へと出ると、カロスの心地よい朝の光と、開発途中の街の活気が二人を迎えた。タウニーは広場の中心でくるりと振り返り、意気揚々と腰のモンスターボールに手をかける。

 

 「よし! それじゃあ早速ポケモンバトルを――」

 

 言いかけようとしたタウニーの手が、カズマの腰元を見てピタリと止まった。カズマのベルトに下がっているのは、ニシキが入っているモンスターボールがたったの一つだけ。他には何も見当たらない。

 

 「……ねえ、カズマ。もしかして、ニシキ以外のポケモンって連れてないの?」

 「あぁ。ニシキ以外は居ないな。俺の相棒はあいつだけだ」

 

 カズマが事もなげに答えると、タウニーは信じられないといった様子で両手を頬に当てた。

 

 「ええっ!? いくら昨日のトウマとの戦いで、ニシキがめちゃくちゃ強いってことは分かったけどさ……!

  さすがにポケモン一匹だけでこの先も戦い抜くのは無茶があるよ! 相手が複数だったらどうするの? ニシキへの負担だって大きすぎるし……せめて、もう一匹だけでも仲間を捕まえて、負担を減らしてあげなよ!」

 

 タウニーの言葉は正論だった。カズマは腕を組み、静かに黙り込む。確かにニシキは根性のあるコイキングだが、どんな修羅場も一匹で背負わせ続けるのは、相棒として本意ではない。

 

 カズマのそんな内心を察したのか、腰のボールがポンと開き、ニシキが床に姿を現した。

 

 『おいおいカズマ、タウニーの言う通りだぜ。俺はお前のためならどんな泥仕合でも張る覚悟だがよ、さすがに一匹だけで連戦はキツい。俺の背中を任せられるような、骨のある新入りが一人くらいいてもいいんじゃねえか?後、まだ傷痛むし…』

 

 ニシキはハァハァと息を荒くしながら、カズマを見上げて全力で同意の意を示していた。

 

 「……なるほどな。お前たちの言う通りだ」

 

 カズマが納得したように頷くのを見て、タウニーは嬉しそうに微笑むと、腰のポーチから三つのボールを取り出した。

 

 「ふふ、話が早くて助かるよ! じつはね、カズマに紹介したい子たちがいるんだ。――おいで、みんな!」

 

 「ポカぁ!」「ワニャ!」「チコ」

 

 現れたのは、炎をまとったような元気いっぱいのポカブ、鋭い牙を覗かせながらも嬉しそうに尻尾を振るワニノコ、そして頭の葉っぱを揺らしながらおっとりと佇むチコリータの三匹だった。

 

 「この子たちはね、ホテルZ宣伝の為に連れている子たちよ。どう? カズマ、ピンとくる子はいる?」

 

 朝の広場に並んだ三匹のポケモンたち。カロス地方の眩しい光に照らされる彼らを、カズマはグレーのジャケットのポケットに手を突っ込んだまま、静かに見つめていた。

 

 そして、カズマは一目見た時から気づいた。脳裏によぎるのは、さっきホテルのロビーでAZが言っていた『きみと出会ってから、きみの仲間になりたがっているポケモンが近くにいる』という言葉。

 

 「……あぁ、なるほどな。AZさんの言っていた仲間になりたいポケモンってのは……コイツのことか」

 

 カズマはフッと口角を上げると、三匹の前へと歩み寄り、一匹のポケモンの前でどっしりと腰を落としてしゃがみ込んだ。

 

 カズマが視線を合わせた相手――それは―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ポカブ」

 

 カズマが目の前にしゃがむと、そのポカブは待ってましたとばかりに、くるりと後ろを向いた。そして、短い尻尾をパタパタと振りながら、ぷりっとした丸いお尻をこれでもかとカズマの目の前に突き出してきたのだ。

 

 『 どうや! ワシのプリケツは! 赤ん坊らしくて、ちっこくて可愛ええやろ! ほら、もっと見んかい!』

 

 『お、おいおいおいおい!?』

 

 足元で見ていたニシキが、驚きのあまり床の上で跳ね上がった。

 

 『なんだよコイツ……! ポカブの皮を被った、ただの変態じゃねえか! おいカズマ、マジで言ってるのか!? マジでこいつを俺たちの新しい兄弟(仲間)に引き入れるってのかよ!?』

 

 タウニーも「えっ、ポカブがお尻を……? なんだか、すっごくアピールしてるね?」と、その異様な熱気に圧倒されて引き気味に苦笑いしている。

 

 だが、カズマは動じない。むしろ、そのポカブの「己の生き様(バブみ)を決して曲げない、筋の通った眼光」の中に、本物の男の気風(きっぷ)を感じ取っていた。

 

 カズマは腕を組み、お尻をぷりぷりさせているポカブをじっと見据える。

 

 「……ポカブ。お前のそのプリケツへのこだわり、嫌いじゃねぇ。だが、一つ聞かせろ。なんでお前は、俺の仲間になりたいんだ?」

 

 『…ワシがまだ卵から還ったばかりの赤ん坊だった頃、周りの奴らはみんなワシを普通のポカブとして扱おうとしおった。だがな、ワシの魂は叫んどったんや……! ワシは、自分の意志で、ありのままの『赤ん坊』でありたいんやとなぁ!』

 

 ポカブは短い前足をバタバタとさせて熱弁を振るう。

 

 『けど、周りの生ぬるいトレーナーどもは、ワシのこの熱い『バブみ』を理解しようともせんかった!タウニーに引き取られる形にはなったが、ワシはずっと探し続けた!『赤ん坊』としてワシを扱ってくれる!理解してくれるトレーナーをや!

……そしたら昨日、駅のホームから、凄まじい男のオーラが漂ってきた。見たら、お前が立っとったんや。

 お前ほどの男なら、ワシのこの剥き出しの生き様を受け止め、最高の『おくるみ』になってくれる……そう直感したんや! さぁ!ワシをその大きな胸で、バブバブと抱っこしてみんかい、ワシの親分!!』

 

 言葉は人間には伝わらない。だが、そのあまりに熱く、かつ歪みない「バブみの訴え」は、カズマとニシキの脳裏に、文字通りの意味として強烈に叩き込まれていた。

 

 「……なるほどな」

 

 カズマはポカブの熱い想いを受け止め、静かに頷くのだった。カズマは何も言わず、ただ静かに両腕を伸ばした。そして、お尻をぷりぷりと振っていたポカブの小さな身体を、その広く、鍛え上げられた分厚い胸板のなかへと、優しく、しかしドッシリと抱き上げた。

 

 『おお…おおぉぉぉ…!!!』

 

 抱っこされたポカブの身体が、一瞬でカチコチに強張った。ポカブの短い前足が触れているのは、グレーのジャケットの奥にある、岩のように頑丈な胸。そこから伝わってくるのは、幾多の戦いを勝ち抜いてきた本物の「漢」が、そして我が子を守る「父親」が醸し出す、圧倒的なまでの安心感だった。

 

 『な、なんやこの包容力は……! 温かい、温かすぎるでぇ……! ワシが求めていた本当の『ゆりかご』は、この男の胸の中にあったんや……!』

 

 ポカブの丸い目から、じわりと熱い涙が溢れ出す。ポカブはカズマの胸に顔を埋め、改めて「ワシを、あんたの手持ちにしてくれ」と、己の魂のすべてを懸けて伝えた。カズマはその小さな温もりをしっかりと受け止め、不器用ながらも優しくその背を撫でる。

 

 「あぁ。分かった。今日からお前は、俺の仲間だ」

 

 カズマはポカブを地面にそっと降ろすと、腕を組み、その燃えるような瞳を見据えた。

 

 「お前の名前だが……一つ、俺に決めさせてくれ」

 

 タウニーが「どんな名前になるのかな?」とワクワクしながら見守るなか、カズマは低く、芯のある声で言葉を紡ぐ。

 

 「他者の意見に惑わされず、ただ己の意思を貫き通す。不器用でも、泥臭くても、前だけを向いて真っ直ぐに突き進む――。故に、お前の名前は『ススム』。それが、今日からのお前の名前だ」

 『ススム…ススム…!』

 

 その名前を聞いた瞬間、ポカブの全身に電撃が走った。他者に何を言われようと「赤ん坊」としての己を貫き、真っ直ぐに生きていく。その生き様を、この男は『ススム』という二文字に完璧に込めてくれた。妙に、いや、恐ろしいほどしっくり来る最高の名前だった…!

 

 『最高や…最高の名前やで親分! ――よし、そんじゃあ……!』

 

 新しく『ススム』となったポカブは、勢いよく振り返ると、床の上でハァハァと息を荒くしている先輩コイキングの前に進み出た。

 

 『これからよろしくな! 先輩! ワシ、親分のために死ぬ気で『ひのこ』吹きますわ!』

 

 ススムが短い前足を差し出して挨拶すると、ニシキは丸い目を限界まで見開き、胸ビレを腰に当てるようにして、ツンとそっぽを向いた。

 

 『おいおいおい、挨拶ができるのは結構なことだがよぉ! 勘違いすんじゃねえぞ新入り! カズマの『唯一無二の相棒』ってのは、この俺、ニシキ様だけなんだからな! そこんとこの序列だけは、間違えんじゃねえぞ!』

 

 ビシッと先輩風を吹かせるニシキ。しかし、ススムがカズマの胸の中で涙を流していた純粋な姿を思い出し、ニシキはフッと少しだけ表情を緩めた。

 

 『……まあ、カズマのオーラに惚れ込んで命懸けるってんなら、その根性だけは認めてやるよ。……へへっ、これから仲良くしような、ススム!』

 

 言葉は通じなくとも、二匹の間には、カズマという一本の太い柱を通じた男の絆が、確かに芽生え始めていた。

 

 タウニーは「ススム、か! すっごく良い名前じゃない!」と手を叩いて喜び、それから不敵に笑ってモンスターボールを構えた瞬間、地面に降りたばかりのススムが、短い前足で力強く自分の胸をドンと叩いた。

 

 『親分! ここはワシに先陣を切らせてんか! 歓迎してもらった恩返しに、ワシが最初にええとこ見せたりますわ!』

 

 ススムの瞳には、早くも闘志の炎がバチバチと燃え盛っている。その熱い直訴を聞いたニシキは、フッと鼻を鳴らすと、尾ビレで小気味よく地面を叩いた。

 

 『へっ、新入りのクセに言うじゃねえか。……よし分かった、後輩に最初の華を持たせるのも先輩の役目だからな。おいススム、不甲斐ねえ戦いしたら承知しねえぞ。行ってこい!』

 

 「……ニシキ、すまねぇな」

 

 カズマは相棒の粋な計らいに短く感謝すると、前に進み出たススムの背中に向かって、これ以上ないほど力強い声をかけた。

 

 「気合入れてけよ、ススム! お前の本気、俺に見せてみろ!」

 

 「ポッカアァァァ!」

 

 ススムが咆哮と共に広場の中央へと躍り出る。それを見たタウニーは、ニヤリと勝気な笑みを浮かべてボールを高く投げ上げた。

 

 「いくよ、カズマ! あたしの最初の相棒は……この子よ! 行け、ワニノコ!」

 

 白い光と共に現れたのは、鋭い牙を剥き出しにしてワニャワニャと凶暴に吠える先程のワニノコだった。炎タイプのススムに対して、みずタイプのワニノコ。ポケモンバトルの大前提として、これ以上ないほどの最悪なタイプ相性――圧倒的不利の逆境だった。

 

 「いきなりタイプ相性は最悪だね。カズマ、今ならまだニシキに交代しても――」

 「いや、必要ねぇ」

 

 タウニーの心配を、カズマはグレーのジャケットのポケットに手を突っ込んだまま、静かに一蹴した。

 

 「相性が悪かろうが関係ねぇ。ハナからまともな道を歩んでねえ俺たちだ。逆境なんてのは、いつだって等身大の日常(あたりまえ)なんだよ」

 

 カズマの鋭い眼光がワニノコを射抜く。その圧倒的な漢の背中を見て、ススムの鼻の穴からブワッと激しい火の粉が噴き上がった。

 

 『親分の言う通りや! 水をぶっかけられたくらいで消えるような、ヤワな生き方はしとらんのじゃ! 水でも消せへんこのワシの炎――男の『意思』ちゅうもんで、ワニ公、こんがり焼き尽くしたるわぁい!!』

 

 ススムの全身から立ち上る炎の熱量は、広場全体の空気を一瞬で沸騰させるほどに膨れ上がっていた。

 

 「そう…じぁ遠慮しないよ!カズマ!」

 「来い!タウニー!」

 

 相性の壁など、男の執念で焼き切る。一歩も引かないススムと、それをどっしりと見守るカズマの、熱すぎる初陣の幕が切って落とされた!




ポカブを3Dで見た時に凄く思ったんですよ。
「すげぇオムツの模様だなぁ」と。
進化すればおっさん姿のエンブオーと権田原組長も地味に合ってる気がしたんですよね。
まぁ…問題があるとすれば…

絶対に進化拒否するよな?この人の人格が入ってたら…
進化させるとしたらどうやって権田原組長を説得するか…腕の見せ所かなぁ…
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