ハッピーエンドとバッドエンド、どちらにしようかこの文章を書いている時点では実は決まっていません。
─人は、誰かを救えるのだろうか。
あの日までの私は、救われる側になりたかった。
そして、あの日からの私は、誰かを救う側になろうとした。
それが、大きな間違いだったとも知らずに。
────
「酸素濃度低下!急げ!」
まともに映りもしない視界、ぼやけて写ったのは白い天井。
すぐ近くから聞こえる怒号、どこかへ運ばれていく感覚。
あぁ、そうか。…私、トラックに轢かれたんだ。
動かそうとしても動かない身体に無性に腹が立ったが、不思議と嫌な気はしなかった。
やっと、終われるんだ。そう思ったのか、はたまたそう思ってしまったのか。たった20と少ししか生きてなかったけど、この人生で何度楽しいと心から思えた事があったのだろう。
父の怒鳴り声も、教室で聞こえないふりをされた日々も多かった。そんな幼少期を過ごしたせいか、鬱を患ってしまったのは案外、記憶に新しい。
「バイタル低下!聞こえますか!?…聞こえますか!?」
…あぁ、そうだ。一つだけ、大好きなものがあったじゃないか。
プロセカ。もう少しでリンのチャレライ、100に届きそうだったなぁ。レオニのストーリーだって全然読めてない。
ボカロを好きになったのもプロセカに出会ってからだったな。リンを好きになったのだって、ある曲に巡り会えたから。確かにあのゲームを遊んでいた時間だけは、幸せだったと言えたのかもしれない。─まぁ結局、そうやって積み重ねてきたデータも今日で終わるらしいが。
…そんな事を思っていたら、どうやら終わりが近いようで。もう周りの音も聞こえない。聞きたくないことを言われる必要も、聞く心配もないんだ。
辛かったな。やっと。
やっと、終われる。
…そう、思っていたのに。
─────
「…あー。…ここが極楽浄土ってやつか〜。…いやそもそも天国行けるかも分かんな……え?」
再び視界が開いた時、その目に写ったのは神でも天使でも閻魔でもなく、白い廊下だった。ドアや壁の質感を見るにここは学校か。
「…走馬灯とか、記憶の追体験とか…?それで学校はたち悪いな…」
しかし、やけに視界が低い気がする。身体も軽いし─
「鏡とか…うん、鏡。鏡見よ。洗面所行こう。」
よくよく身体を見れば、私の母校の制服とは随分違った服を着ているようで。謎はますます深まるばかり。
「あ、あったあった鏡……は?……ぇ?……はぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!?!!??」
覗き込んだ鏡に反射して写ったのは─私の最推し。
鏡音リンの姿だった。
プロローグなので短いですがこんな所です。
あ、感想等は喜んで読ませて頂きます。リンちゃんに愛を持っている方はそれを語って頂いてもダイジョブです(?)