東の海の八雲家   作:月詠朧

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少し、地の文が少ないです。
会話多め。


二話 八雲家、魚人観察+賞金稼ぎをする。

「さてと、今後の予定も大体決まったことだし、早速海上レストラン『バラティエ』に行きましょうか」

「っと、言われましてもですね紫様。先ほど朝食を食べたばかりなのですが?」

 

 先ほど皆でご飯を食べたばかりである。ご飯を食べてすぐにレストランでご飯……どこぞの亡霊姫なら余裕で食べに行くのだろうが、生憎彼女たちはブラックホールのような胃袋をしているわけではない。

 

「それもそうね。藍、今は何時かしら?」

「10時を少し過ぎたくらいですね。昼食まで少なくとも後2時間は経たないとやはり食事は難しいかと」

 

 そもそも、ちょっと遅めの朝食であった。理由はもちろん紫が中々起きてこなかったからである。

 

「そうなると少し暇ねぇ。それじゃバラティエに行く前に、少し他の場所にでも見てきましょうか」

「そうですね。それでは何処に行きますか?」

 

 そうねぇっと呟きながら、紫はスキマを広げた。近辺に何か面白そうなことはないかと空間をつなげて見ているのだ。

 しばらくすると紫はスキマを閉じ、口元を広げた扇子で隠しながら一言。

 

「近くに海軍の英雄、ガープが来てるみたいだし挨拶にでも行きましょうか。お茶とお茶請けぐらいは出してくれそうだし、久々に少し話したいしね」

「紫様はガープ中将とお知り合いなので?」

「えぇ、この島に住む前に何度か会ってお茶したこともあるし、戦ったこともあるわ」

 

 唯一外の世界の知識が殆ど無い橙はコテンと首を傾けながら、頭の上に?マークを浮かべている。

 

「えぇっと?ガープ中将ってどういうお方何ですか?」

「あぁ、ちぇんは知らなかったね。ガープ中将は悪い海賊たちをいっぱい捕まえたすごい人なんだ」

「なるほどぉ!じゃあ、そんなすごいお人と知り合いの紫様もすごいお人なんですね!」

 

 実際のガープは仕事を部下に丸投げしてサボるサボり魔であり、その知り合いである紫もやっぱりグータラなのでそんなにすごくはない。実際に会った場合、拍子抜けすること間違いなしである。

 

「でも橙と藍が面識がないから、会ってもしょうが無いわね。どうせこの先機会はそれなりにあるだろうし。どうせなら、あんまり会う機会のない魚人でも見に行きましょうか」

「魚人島に行くつもりですか?」

「いいえ、違うわ。魚人島はもっと後で行くつもりよ。最近この辺にやって来た魚人がいるのよ。確かココヤシ村の方だったかしらね?」

「となると、アーロンですね。ノコギリザメの魚人の」

「えぇ、そうね。アーロン程度なら襲われても橙でも勝てるでしょうし、アーロンパークってのもの見てみたいのよ。後、今後の資金に賞金首を一人倒しておきたいっていうのもあるわね」

 

 彼女たちの生活はほとんど自給自足であるため、お金はほとんど持っていない。3人で食事を一回する程度分ぐらいしか持っていないのだ。まぁ、紫の能力を使ってしまえばどうにでもなるのだけれど、彼女はそれを良しとはしないのだった。

 

「では、アーロンを倒して海軍に引き渡し、資金を調達する方向で行きましょうか」

「いいわ、それで行きましょう」

「はい!」

 

 こうしてアーロン達、魚人海賊団の運命は決まった。

 突然裂けた空間から現れた、下等種と見下していたはずの人間のガキ3匹(見た目はガキでも中m(ry )によって十分程度で壊滅させられてしまった。唯一ハチだけは海軍のネズミ大佐を送り届けていた時だったため難を逃れたのだった。

 

 魚人たちが飲み食いして騒いでいたところに、スキマが開き3人登場。突然のことに魚人たちは固まってしまうが、アーロンとその幹部たちはすぐに正気に戻り、

「下等種がこのアーロンパークになんのようだ?」と、問いただしたが無視される。

 3人は魚人の見た目や特徴がどーのとか、水中では動きが三倍にほどになりまるで流星のようなスピードが出るだとか、と軽く喋った後に紫が扇子を広げて口元を隠しながら一歩前に出て、魚人たちに話しかけた。

 

「はじめまして、魚人の皆様。わたくし、一昔前に『神隠しの主犯』などと呼ばれていたものですわ。本日あなた方に会いに来た理由は2つ。わたくしの従者の教育のために魚人を見に来ましたのと、これから少し世界を回るので貴方に懸かっている賞金をいただこうと思いましてやって来た次第ですわ」っと。

 

 これを聞いた魚人たちは怒り狂って3人に襲いかかろうとしたが、アーロンに止められた。

 

「なんで止めるんですか!アーロンさん!こんな下等種共の相手なんか俺達で十分ですよ!」

「馬鹿野郎共が、奴は俺を指名してるんだ、お前らは下がってそいつらが、俺と幹部たちにボコボコにされるのをみてればいいんだよ!シャハハハハ!」

 

 その言葉を聞いて、ニヤニヤと笑いながら魚人たちは下がった。

 

「あら、ずいぶん紳士的なのね。もっと卑劣な方かと思ったのですけれど。さて、橙、藍。私がやるから下がってみてなさいな。この後レストランにも行かなきゃいけないし、時間が無いからすぐ終わらせるわ」

「俺たち魚人を相手取るのにずいぶんとなめた口聞くじゃねえか!こっちがすぐに終わらせてやるぜ!」

「フフフ……私と対峙した時点であなた方の勝ちはありえませんわ。さぁ眠りなさいな」

 

 戦闘開始からは一瞬だった。そも戦闘と呼んでいいのか怪しいものであったが。

 アーロンたちが動き出した瞬間に、紫は右手をスッと左から右へと動かした。それを合図に魚人たちは全員突然苦しみだし、次々に気を失っていった。能力を使って空気と真空の境界を弄り、呼吸困難にして気絶させたのだった。

 

「はい、おしまい。さぁ藍、橙、運ぶわよー」

「了解いたしました」「はい!」

 

 そうしてここに来た時と同様に、スキマを開いて海軍の基地に行きアーロン一味をプレゼントして、懸賞金をいただくことに成功。

 ちなみにその基地にはガープもいて、その時こんな会話をしていた。

 

「はぁいガープ、元気かしら」

「んぁ?おぉ!紫じゃないかぃ!久しぶりじゃのぉ。丁度二十年ぶりぐらいか?」

「そうね、だいたいそのくらいじゃないかしら」

「それで、今日はどーしたんじゃ?」

「いえ、賞金首を一人捕まえたから懸賞金の回収と、あなたがいるッて聞いたから挨拶しに来ただけよ」

「そーかい、そりゃ律儀なことじゃて。そうじゃ!うまい茶菓子が手に入ったんじゃ。ちと食っていかんか」

 

 とか何とか。結局茶飲みで1時間半ほど基地に長居をしたのだった。

 

 そして現在、藍と橙が待っていた基地の近場の町。

 

「ずいぶん時間がかかりましたね?紫しゃま」

「いえ、基地にガープがいたのよ。それに茶菓子を薦めてくるものだからついつい……ね」

「ははぁ、まぁ友人のようですし仕方ありませんね。……しかし、紫さまの能力は本当におそろしいですね。」

 

 藍はつい先程のアーロンパークでの光景を思い出しながらつぶやいた。

 

「何言ってるのよ藍。その気になれば敵対したものを消滅させることだってできるんだから、今回は優しい方でしょ。まぁ時間があればもっと余裕を持ってキチンと戦ってあげれたのだけれど、レストランが私を待っていたものだから」

「紫しゃまこぁい」ブルブル

「大丈夫だよちぇん。紫様は敵対するものには容赦無く、面白くなるようにイジるし虐めるけれど、身内に優しいから」ナデナデ

 

 アーロンたちは犠牲になったのだ……レストランに行くための時間のためにな……後、お金のために。 

 

「さぁて藍。時間の方はどんなものかしら?」

「1時過ぎぐらいですね、ちょうどいい時間じゃないでしょうか」

「でもでも、お昼時ですから、混んでるかもしれませんよ」

「そうだねちぇん。ちぇんは頭が良いなぁ」ナデナデ

「あぅぅ……くすぐったいですぅ」

 

 このままでは、また藍が内なる世界へ旅立って戻ってこなくなってしまうと、紫は慌てて話をふる。

 

「ハイハイ、藍、橙!お腹も空いたしバラティエに行きましょう!」

「はぁぁぁ~やっぱりちぇんはかぁいいなぁ……ハッ!?わ、分かりました紫さま!」

「やっぱり藍の教育、間違えたかしらねぇ……とりあえず、その鼻から溢れ出る愛を拭きなさい止めなさい」

 

 こうして一行はグダグダしつつも当初の目的である、海上レストラン『バラティエ』の入り口にスキマを開いて向かったのだが。

 

 

――――たどり着いた先では丁度、轟音とともに巨大ガレオン船が海の藻屑にされている所であった。

 




茶会の後でガープがセンゴクさんに連絡を入れたそうです。

「センゴク!紫のやつが動き出したぞ」
「何だと!?ガープ!どういうことだ!」
「わしが罪人の護送のために、東の基地に居ったら奴が来よったわ」
「それで!?もちろんヤツを捕まえたんだろうな!」
「センゴク、アイツを捕まえられる奴なんぞ、この世界には居らんだろう事は分かっとろうに」
「それが海兵のセリフかバカモン!!それでも捕まえんかァァ!!」

とかなんとか。

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