東の海の八雲家   作:月詠朧

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やっぱり地の文少ないです。
会話多め。


三話 八雲家、戦闘を肴に食事をする

「まずはいつ沈むとも限らんボロ船を捨てて海上レストランを乗っ取れ。相手はチンピラ上がりのクソコック共だ。なめてかかって釣りが来る」

「オオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 

 時はガレオン船が海の藻屑となる少し前。

 海賊たちの墓場(グランドライン)よりなんとか逃げ帰って来たドン・クリーク海賊団の面々は、目の前にある魚を模した面白い見た目の船に襲いかかろうと雄叫びをあげていた。

 しかしその声はすぐさま悲鳴に変わることとなる。

 目標の船に飛び乗ろうと動き出したその時、『目の前の空間が裂けた』のを見た瞬間に、自分たちが乗っていたボロボロのガレオン船が砕け散ったのである。

 

「何が起きたァ!!」

「分かりません!空間が目の前の空間が裂けたと思ったら船が真っ二つになりましたぁ!!」

 

 何を言っているんだコイツは?空間が裂ける事など起こりうる筈がないだろうっと、レストランに目を向けると確かにレストランの入口辺りが紫色に裂けその裂け目からは無数の目が覗いている。

 

 

 

 

 レストラン側も船が砕け散った事と、目の前に突如現れた裂け目から3人、人が出てきたことに驚いていた。

 

 

「なかなか面白い見た目の船ねぇ・・・・・・後ろのほうがうるさいわね。何かあったのかしら?」

「どうやら我々が現れたと同時に船が砕け散ったようですね。津波が起きそうですがどうしますか、紫様?」

「大丈夫よ、どうせ大したことのない程度の波だもの」

「わぁ、おっきいお魚の船だぁ」

 

 やって来た3人は、周りの状況を確認しつつ思い思いに感想を述べあっている。

 と、不意に一番最初に喋った女性が目を細めながらガレオン船の後ろの方をみて、口元を持っていた扇子で隠し呟く。

 

「どうやら今日は懐かしい顔ばかり見る日になりそうね」

「またお知り合いですか?」

「後でいいわよ。向こうも気がついてるでしょうし、向こうから話しかけてくるわ。それよりご飯を食べましょう」

 

 そう言いながら店の中へと入り、ぐるりと店の中を見渡し食器の残っていない開いているテーブルへとソソクサと座った。残りの二人もそれに続く。

 それを見ていたグラサンをかけたコックの一人が3人へと問い詰めた。

 

「おいおいおいおい、突然現れてなんなんだアンタら!?」

「何って客よ、客。ここはレストランなのでしょう?なら、お客が来たのだから注文をとるのがレストランではなくって?」

「状況を見て物を言えよこのバb「死にたいのかしら?」スゥイマセンでした!お嬢さん!」

 

 グラサンをつけたコックは殺気のこもった目で睨まれ、泣きそうになりながらどうしましょう?っとオーナーであるゼフの顔を見るが、ゼフは驚きの表情のままやって来た3人の内の一人に近づき話しかけた。

 

「おまえは・・・・・・八雲紫か?」

「あらあら、やっぱり今日は懐かしい顔とたくさん出会う日みたいね。お久しぶりですわ、赫足さん。ここのオーナーが貴方だとは知らなかったわ」

「クソジイィ、こんなきれいなレディと知り合いなのか?」

 

 疑問に思ったのか黒い服を着たコックがゼフに問いただす。

 

「あぁ、お前と会う何年か前に何度かあったことがある程度だがな。まさか再び会うことになるとは・・・・・・おい、八雲!外の惨状はお前の仕業か?それと『アイツ』は一緒じゃないのか?」

「いやですわ、紫と呼んでくださいと前にも言ったじゃありませんか。『あの子』は今、グランドラインのとある島にいる事ぐらいしか知らないですし、外の事については私ではなく最強の剣士さんの仕業ですわ」

 

 口元を扇子で隠しながら紫は、外のほうを見る。

 その視線につられて全員がその方向を見ると、そこには小舟に乗った鷹のように目付きの鋭い男がいた。

 

「おいおい、ありゃ鷹の目じゃねーか!今日は千客万来だな。紫よ、お前が呼んだのか?」

「まさか。私がここにいるのは偶々、彼がここに居るのは・・・・・・大方、暇つぶしではなくて?とりあえず、赫足さん。私達はお客よ。お水と今日のメニューを見せて頂戴」

 

 紫は我関せずとメニューと水を催促する。それなりに面識があったのか、ゼフは何も言わずに水とメニューを持ってきた。

 

「んー・・・・・・とりあえず、今日のおすすめってのをお願いしようかしらね。藍と橙はどうする?」

「私は、紫様と同じものでお願いします」「わたしもー!」

「これからここは戦場になるんだが、あいも変わらず呑気だなお前は」

 

 やれやれっと首を振りながら厨房へ行こうとするゼフを周りのコックが止めた。

 

「オーナー!こんな時に何やってるんですか!」

「何って、客が注文をしたんだからメシを作りに行くんだよ」

「こんな時にですか!?船がなくなった以上奴ら全員すぐにでもこの船に乗り込んできますよ!?」

 

 その通りだろうが、彼らはそれどころではない。グランドラインから自分たちを狩るために追いかけてきた、化け物に驚き固まっている。が、もしそのまま戦闘が始まれば、その戦闘の被害がこちらにも及ばないとは言い切れない。

 

「大丈夫だ。外で戦闘が始まろうが、奴らが乗り込んでこようとしようが、この船に傷ひとつつくことはない。絶対にだ」

「なんでですか!?」

「この店の中に、八雲紫がいるからだ。奴は昔、俺の船に来て食事をしたんだが、その時海賊が襲ってきてな・・・・・・だが、奴等が食い終わるまで船は砲撃があたっても傷ひとつつかなかったし、海賊どもも船に乗り込んでくることができなかった。八雲紫は、悪魔の実の能力者・・・・・・境界を操ると言われている。詳しくは知らんがな」 

 

 一体どんな能力だというのか。悪魔の実の能力は様々だが、船に傷を付けずに、なおかつ船に海賊どもを寄せ付けないというのは・・・・・・

 

 

「とりあえず邪魔をするな。八雲紫の機嫌を損ねるのだけはやっては駄目だ」

 

 かなり震えながら喋るゼフのその言葉を聞き、コックたちは押し黙った。オーナーが大丈夫だというのだからしばらくは大丈夫なのだろうと思うことにしたのだ。そして、彼らは厨房へ行き三人分の『今日のおすすめコース』を作り始めるのだった。

 

 料理が3人の前にやってきた頃、外ではゾロVSミホークが勃発。3人はそれを肴に昼食を食べた。

 店の方は、ゼフが言ったとおり、戦闘の余波でおこる波も、飛んでくるガレオン船の残骸も、店に影響をあたえることはなかった。

 

 料理を食べ終わり3人は店の外へ出ると、戦闘もちょうど終わったところで、ゾロが海へと落ち、もう誰にも負けない宣言をしたところで、紫は気にせずミホークに話しかけた。

 

「あらまぁ、ずいぶんと派手にやったわねぇ。見ていたけど、あの子生きているの?」

「八雲紫、か。久しいな。ロロノアは生かしてある。しかし、こんな極東で出会うとは思わなかったぞ」

「それは私もよ鷹の目さん?でも、その子致命傷にしか見えないのだけれど・・・・・・まぁいいわ、それで今の戦闘で満足したかしら?」

 

 そう言いながら紫はスキマから傘を取りだし、そのままスキマに腰掛けつつ周囲に殺気をまき散らした。

 

「あぁ、久々に強き者と戦えたのだ、満足した。今日は帰らせていただく」

「つれないわねぇ、少しぐらい付き合ってくれてもいいじゃない」

「お前に付き合うと少し、で済まないから嫌だと言っている。そもそも今日は暇つぶしに来ただけだからな」

 

 ミホークは紫の予想したとおり、暇つぶしに来ていただけだった。

 

「気まぐれなのは相変わらずね。まぁ私も世界をまわりますし、そのうちまた会うでしょう。その時は一緒に戦い(あそび)ましょう?」

「気分が乗れば、な」

「まぁそれでかまわないわ。・・・・・・さてと、私達も帰りましょうか。藍、橙」

「かしこまりました」「はぁい」

 

 

 そのまま紫たちは喚くクリークを無視してスキマで島へ帰っていったのだった。

 

「「「なんだったんだあいつら・・・何しに来たんだ?」」」

 

 という疑問だけを残して。

 あとに残されたコック達とクリーク達は、彼女たちの入っていったスキマのあった場所を呆然と見続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、紫しゃま。バラティエのオーナーさんの前の船でご飯を食べたというのはどういうことですか?」

 

 先ほど、ゼフが言っていたことに興味が有るのか、島にある家に戻ってきてから橙が首を傾げながら紫に話を振る。

 

 

「ちょっと前、やんちゃしてた頃の話なのだけど。海の上をお腹をすかせた亡霊(ともだち)と一緒に彷徨っていたらどこからか美味しそうな匂いがしてきてね。それを辿って行ったら彼の船だったのよ。それで、その船に乗っておはなしをしてご飯を御馳走になったってわけ」

「へ、へぇ・・・・・・」(おはなしじゃなくてOHANASIしたんだろうなぁきっと)

 

 




ゼフとの会話に出てきた『アイツ』は出ます。出します。どこで出るかはお楽しみ!
結構先になりますけどね。
だれか・・・わかるよね?わかりやすいもんね?

おかしな表現とか、誤字脱字がありましたらご報告お願い致します。
感想も大歓迎!デス。

お待ちしております。
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