レミエールに(声とキャラの二方面から)脳を焼かれまくってます(挨拶)
今回の夏コミケに原神の企業ブースあるの、あまりにも神すぎる!!
しかもサンドローネのグッズもあるんでしょ?アーリーも取れたから行くしかねぇ!!
「──いい?つまりこのクロックワーク・マシナリーに使われている第三世代の差動ギアはね、歯面の研磨度が0.02ミリズレているだけで全体のエネルギー伝達効率が15%も落ちるのよ。スネージナヤの
ある日の研究室。
研究室のデスクに積み上げられた分解図面を指さしながら、サンドローネは「あなた」に向けて熱弁を振るっていた。
専門的な技術理論を語る時の彼女は、いつにも増して口が滑らかだ。
───ふむふむ、なるほどね…
「あなた」は淹れたての温かい紅茶を彼女のデスクに置いてから、自身のデスクで相槌を打ちつつ真剣に話を聞いてメモを取っていた。
論文や図面の整理をしながら彼女の講義を聞くのは、この研究室ではそう珍しいことでもなかった。
「……そういうわけだから「あなた」、明日からフォンテーヌに調査に行くわよ」
───ふむふ、ん……?
淹れ終えた自身のティーカップを自分の口元へ運びながらメモを取っていた「あなた」の手が、ピタリと止まる。
「明日からフォンテーヌにちょ」と書いてしまった文字に二重線を引きながら、「あなた」は何故か自身の髪を弄りながら目線を逸らしている主人に確認をする。
───……ちょっと待って。本当にどういうわけ?
「…な、なによ。今の説明で理解できなかったの?明日から現場の最新技術と市場流通している部品の品質を、直接この目で確かめに行くのよ。荷造りは手早く済ませておきなさい」
さも当然の決定と言わんばかりに、平然とお茶を一口すするサンドローネ。
少し言葉に詰まっているように感じたのは、多分気のせいなのだろう。
───いやいや、唐突すぎるでしょ……。明日って、いくらなんでも急すぎない?
「公務兼調査なんだから、思い立ったが吉日よ。……それとも、なに?私とでかけるのが…嫌なわけ?」
そう言いながら、ジト目でこちらを睨んでくる彼女。
あまりにも強引な展開に思わず苦笑いが漏れるが、相変わらずの尖った話し方の中にどこか楽しそうに目を輝かせていてソワソワと落ち着かない様子の主人の顔を見れば、断る選択肢など最初から存在しないことは分かっていた。
───…そういえば、休みはどうするの?
「ああ、それならもう取ってあるわよ。ほら」
───え?って、ほんとだ…。しかも結構日数あるな
「と、当然でしょ!……せっかく「あなた」と出かけられるんだし…」
───ん?何か言った?
「な、何でもないわ!さっさと終わらせるわよ!!」
………
……
…
───……で、なんで当然のように僕はサンドローネの部屋で荷造りさせられているの?
その夜。
呆れた声を上げながら、「あなた」はサンドローネの自室の床に広げられたトランクへ、綺麗に畳んだ衣服を詰めていく。
「当然でしょう?私の身の回りの世話をするのは助手の仕事よ。……あ、そっちのギアの予備パーツを荷物の一番上に乗せなさい」
───服よりパーツの占有率が高すぎるよ……。ちゃんと防寒用の羽織ものも持っていかないと、向こうで寒かったら困るでしょ
「子ども扱いしないでちょうだい。フォンテーヌの気候くらい頭に入ってるわよ」
そう言って口を尖らせつつも、自身の服や荷物をテキパキと管理して丁寧にしまってくれる「あなた」の背中に、サンドローネはどこか満足そうな視線を送っていた。
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「──ふん。相変わらず無駄に派手で、騒々しい街ね」
翌日。
ファデュイの連絡船から水上バスへと乗り継ぎ、ついに到着した水と正義の国フォンテーヌ。
賑やかな乗降場に降り立ち、どこかノスタルジックで、けれど大きく様変わりした街並みを視界に収めた瞬間──サンドローネは小さく鼻を鳴らしてそう吐き捨てるように呟く。
だがその言葉とは裏腹に彼女の瞳は、周辺の記憶のものとは異なる形状のマシナリーや当時には存在しなかった絢爛豪華な建造物へと一瞥していた。
ちなみに、プロンニアはスネージナヤの研究室で留守番状態になっている。
主人の意志とはいえそれを伝えた際、心なしか寂しそうに肩を落としていたのはきっと気のせいじゃなかったかもしれない。
帰りに何かお土産を買って帰ろうと、「あなた」は密かに決意した。
──僕が前にサンドローネの指示で行った時も思ったけど……やっぱり、スネージナヤとは全然雰囲気が違うね
重いトランクを持ち直しつつ「あなた」がそう呟くと、サンドローネはフンと顎をしゃくった。
「当然でしょう。あの時「あなた」に提出させた報告書通りの街並みよ。……まあ、実際にこの目で確かめると、予想以上に無駄な装飾やマシナリーが増えていて鬱陶しいけれど」
──あはは、あの時は任務で余裕がなかったから、じっくり街を見る暇もなかったしね。……今回はサンドローネと一緒に来れて、なんだか新鮮だよ。それに──
「それに…なによ?」
───今日のサンドローネの服、すごく似合ってて素敵だなと思ってね
そう、「あなた」の隣を歩く今日の彼女はスネージナヤでの普段の衣装とは違い、フォンテーヌの気候に合わせた白と黒の入り混じった軽やかなケープ付きのクラシカルドレスを身に纏っている。
普段の気品はそのままに、どこか街歩きを意識したような装いは控えめに言っても非常によく似合っており、「あなた」自身も彼女の隣に並んで恥ずかしくないよう仕立ての良いジャケットに袖を通していたのだった。
「~~っ!な、なに呑気なこと言ってるのよバカ「あなた」!今回だって遊びじゃないのよ、調査なんだからね!……べ、別に「あなた」に見せるために選んだわけじゃないんだから!!」
そう言いながら、サンドローネは耳まで朱に染めてプイッと進行方向へ顔を向けた。
だがその小さな足取りはどこかぎこちなく、チラチラと行き交う人混みの多さを気にしている。
──(ふふ。あんなに強がっているのに、照れてるんだな…)
「……な、なに笑ってるのよ。フォンテーヌの人混みはスネージナヤの比じゃないわ。……ほら、勝手に迷子になられたら迷惑だから、掴まってなさい」
そう言って彼女は顔を横に向けたまま、すっと自身の小さな手をこちらへ伸ばしてきた。
主人の「はぐれないように」という、不器用で愛おしい口実。
「あなた」は了解、と小さく笑いながら、差し出された彼女の柔らかい手をそっと優しく握り返した。
「…「あなた」の服も、似合ってるわよ……」
ボソッと口にしたものの返答は求めず、握り返された手を振り払おうとする気配も微塵もない。
二人は手を繋いだまま、まずは最初の目的である最新のパーツの市場調査のため、専門の機械工房が立ち並ぶ大通りへと向かったのだった。
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それから、何軒かの工房や部品店を巡る「調査」が始まった。
専門知識を駆使して店主をあっけに取らせながら、手際よく目当ての最新ギアや部品を吟味していくサンドローネ。
時にはこちらに意見を聞いてくることもあったが、殆どはまるで手順を暗記しているかのように非常にサクサクと必要なものを買い揃え、調査を進めていた。
──やっぱり機械のことになると、凄く生き生きしててかっこいいなぁ
重くなってきたトランクを抱え直しつつ、誇らしい気持ちで彼女を追っていると──ふと、街の中央広場から何やら雷鳴のような大歓声と拍手が聞こえてきた。
人がぞろぞろと集まり、大きな人だかりを作っている。
その中心、まるでスポットライトを浴びる舞台女優のように仕立て上げられた高台の上に、一人の少女が立っていた。
水滴を思わせる瞳、王冠のような美しいまつ毛。
誇らしげに胸を張り、大げさな身振り手振りと芝居がかかった尊大な口調で民衆へ語りかけているのは──フォンテーヌの神、フリーナ・ドゥ・フォンテーヌその人だった。
「ふん……相変わらず大袈裟で、賑やかな神様ね」
隣で手を繋いでいるサンドローネが、繋いだ手に少しだけ力を込めながら呟く。
毒や悪意があるわけではなく、ただ「あの神様は昔からああいう性格だから」とでも言いたげな、呆れ混じりのサバサバとしたトーンだった。
だが──歓声を上げる群衆の中で、フリーナの姿を見上げていた「あなた」の胸の中に、ふと小さな引っ掛かりが生まれる。
───(……あれ…?)
普段誰よりもプライドが高く、本物の気高さを持つサンドローネを見てきたからだろうか。
あるいは、
完璧な笑みを浮かべ、高らかに正義を謳いあげるフリーナ。
一見すると絶対の自信に満ち溢れているように見えるが、その瞳の奥にはどこか綱渡りをしているかのような必死さと、うっすらとした疲弊が透けて見えた気がしたのだ。
───(あの神様……なんだか、すごく無理をしているような…)
純粋な疑問から、つい吸い寄せられるようにフリーナの顔を観察するようにじーっと見つめてしまう「あなた」。
すると、人だかりから少し離れて自分を凝視している「あなた」の視線に気づいたフリーナが、ふっと自信満々な笑みを深めた。
自身の人気と美しさに魅了された観客だと勘違いしたのか、バッと大げさなポーズを決めてこちらへと視線と一緒にウインクを送ってくる。
その瞬間──隣から、刺すような冷たい視線が飛んできた。
「………なによ」
サンドローネだった。
繋いでいた手をむにゅっと強く握りしめ、ジト目で「あなた」の横顔を睨みつけている。
「あんな派手なだけの神様に見惚れちゃって……何?ああいうド派手で目立つタイプが好みなわけ?」
───えっ!?いや、違うよ!見惚れてたわけじゃなくて、ちょっと気になっただけで─
「ふんっ!言い訳なんて聞かないわよバカ「あなた」!」
ぷいっと顔を真っ赤にして背を向けると、サンドローネは「あなた」の手を強引にグイグイと引っ張り始めた。
「行くわよ!次はカフェの市場調査なんだから!」
───わっ、ちょっと待ってサンドローネ!転ぶって──!
フリーナの演説を背に受けながら、頬を膨らませてスタスタと早足で歩くサンドローネに引かれるようにして、「あなた」は人だかりを後にするのだった。
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賑やかな大通りを抜け、水のせせらぎが聞こえる落ち着いたテラス席のあるカフェへと駆け込んだ。
運ばれてきた温かい紅茶のカップがテーブルに置かれ、店員が離れたタイミングで──サンドローネは組んだ脚の上で腕を組み、ジト目で向かい側の「あなた」を射抜いてきた。
「……で?さっきのド派手な神様を穴が空くほど見つめていた理由、そろそろ説明してもらおうかしら?」
───やっぱり、まだ怒ってたんだ……。
苦笑いしつつ、「あなた」は整った紅茶の湯気の向こうで言葉を選ぶ。
───本当に見惚れていたわけじゃないんだ。……ただ、どこか違和感があってね…
「違和感…?」
───うん。あんなに堂々と振る舞っていたのに、瞳の奥がすごく疲れているように見えたんだ。
まるで、自分自身を必死に奮い立たせて『正義の神』っていう役を演じ続けているみたいに…。
普通なら一国の神に対して「無理をして演じている」などと言えば、不敬罪で捕まるか、鼻で笑われて切り捨てられるのがオチだ。
だが、サンドローネは「あなた」の言葉を途中で遮ることなく、静かに紅茶のカップへ口を寄せながら真剣な面持ちで耳を傾けていた。
「……ふーん。相変わらず無駄に観察眼は鋭いわね、「あなた」は」
ひとくち紅茶を飲み干し、ふっと短く息を吐く彼女。
「あの神様が何を考えているかは知らないけれど……「あなた」が私に、くだらない嘘をつくような奴じゃないことくらいは知っているわ。……まあ、一理あるかもしれないわね」
自分の突拍子もない感想を笑わずに、一人の人間として真っ直ぐ受け止めてくれたサンドローネ。
その優しさに、「あなた」の胸がじんわりと温かくなる。
グイッ
───へ?まっ
「でもそれはそれ、これはこれよ。この程度で済ませてあげることに感謝しなさい!」
直後、先ほどのジト目に戻り「あなた」の顔にまで手を伸ばしたサンドローネは、そのまま「あなた」の頬を抓り始めた。
力を加減しているのか強くはないものの、抓られた箇所がヒリヒリして少し涙目になっている「あなた」を横目に、満足したサンドローネは手をパンパンと叩きながら席に戻る。
「お待たせいたしました。こちら『晶螺マドレーヌ』と『プクプクシュークリーム』でございます」
少し経つと、店員のそんな声と共に皿がテーブルに並べられた。
それぞれの皿の上には、貝殻の形をした上品で繊細なマドレーヌと、丸くて愛らしいプクプク獣のお腹を模したシュークリーム。
「……なによ、こんなに頼んで。誰が全部食べるのよ」
文句を言いながらも、サンドローネの視線は二つのスイーツへ釘付けになっていた。
よく見ると目もキラキラと輝かせているため、発言に全く実態が伴っていないのは言うまでもないだろう。
「まあ、せっかくだから味見くらいはしてあげるけれど」
そう言って、まずはプクプクシュークリームを小さな手で持ち上げ、おしとやかに一口かぶりつく。
その瞬間──サクッという心地よい音と共に、溢れ出した濃厚なクリームの甘さが口いっぱいに広がった。
「…っ!む…ふ
思わず蕩けそうになった表情を慌てて取り繕い、顔を真っ赤にして口元のクリームを拭おうとするサンドローネ。
───あ、待って。口元にクリームついてるよ
「あなた」が自然な動作で、指先でそっと拭ってあげると彼女は「~~っっ!自、自分で拭けるわよバカ「あなた」!」と湯気が出そうなほど真っ赤になって照れ散らかしていた。
気を取り直すように、今度は晶螺マドレーヌを手に取る彼女。
柑橘の爽やかな香りと絶妙な生地の口どけに、今度は目を丸くして感心したように頷いている。
「……このマドレーヌ、バターの配合と焼き加減が完璧ね。スネージナヤの粉物とは根本的に風味が違うわ」
───(ふふ、すごく気に入ってるな…それなら)ごめん。少し席を外してくるね
「…?ええ、わかったわ」
満足そうにマドレーヌの甘味を堪能している彼女の横顔を見つめながら、「あなた」はそう言って静かに店員の元へ向かった。
……数分後。
席へ戻るとそこには空になった皿と、自身の口もとをハンカチで上品な所作で拭いているサンドローネの姿が見えた。
「……遅いわよ「あなた」。もう全部食べちゃったじゃない」
───あはは、ごめんごめん。美味しかったなら良かったよ
テーブルの上のお皿を見つめながら柔らかく笑う「あなた」に、サンドローネはふいっと外の景色へと視線を投げた。
「……ふん。まあ、ただの市場調査としては…悪くなかったわ」
耳に少し朱を差しながら、顔を見せないようにプイッと景色に目を向けながら彼女はそう言った。
そんな言葉の裏にある、確かな満足感。
カフェを出ると、フォンテーヌの美しい街並みは柔らかなオレンジ色の夕暮れに包まれ始めていた。
繋いだ手から伝わる温もりを感じながら、二人は夕風の中を穏やかに歩き出すのだった。
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その日の夜。
フォンテーヌ廷の高級ホテルへ到着した際、フロントの受付係に「部屋は二つでよろしいですか?」と聞かれたサンドローネは──
「はぁ?無駄に二部屋も取る必要なんてないでしょう。──
と、なぜか顔を真っ赤にしながら言い張り、驚愕し固まる
そして消灯後。
色々考えないようにして広すぎるベッドの端で大人しく横になっていた「あなた」の元へ、どこかソワソワと落ち着かない様子で寄ってきたサンドローネ。
「…な、なに離れて寝てるのよ。……ほら、腕を貸しなさい」
顔を真っ赤にしながらも、強がりな口実と共に伸ばされてきた小さな手。
結局、「あなた」は彼女を優しく腕枕で抱きかかえるような形で、朝まで一緒に眠ることになったのだった。
不器用な主人の、小さくて温かい体温を感じながら。
フォンテーヌでの特別な夜は、ゆっくりと更けていくのだった──。
「傀儡」→氷元素持ちは嫉妬深い、もはや教科書。実は一番気合入ってる
「あなた」→常に近くでサンドローネを見てたから、さすがに気付く
プロンニア→体格でかすぎて色々と目立ったりするためお留守番に。かわいそうはかわいい
活動報告のネタ提供ありがとうございます~!
あれの使い方理解し切れてないので返信していいのかわからず置いてますが、しっかり見てます!
あとここは前編です!後編は3日後に出すので、お楽しみに。
…凄くどうでもいいかもしれないけど、「あはは…」ってセリフ書いてると、常に心の中でヒエッて怯えちゃうのは気のせいと思っていいのだろうか……