観測者は青春の物語を見届ける   作:ユーザーA

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最終編 ― あまねく奇跡の始発点 第二章 色彩が見るもの

 

色彩。

 

 

それは終焉。

 

 

それは収束。

 

 

それは完成。

 

 

それは世界の外から訪れるもの。

 

 

神秘の対極。

 

 

恐怖の果て。

 

 

無限の可能性が辿り着く一つの結末。

 

 

 

色彩に言葉はない。

 

 

感情もない。

 

 

人格もない。

 

 

善悪もない。

 

 

ただ存在する。

 

 

ただ在る。

 

 

 

それは世界を見る。

 

 

キヴォトスを見る。

 

 

先生を見る。

 

 

生徒達を見る。

 

 

全てを見る。

 

 

 

そして。

 

 

認識する。

 

 

 

シャーレの先生。

 

 

重要対象。

 

 

観測済。

 

 

 

アロナ。

 

 

観測済。

 

 

 

プラナ。

 

 

観測済。

 

 

 

ゲマトリア。

 

 

観測済。

 

 

 

神秘。

 

 

観測済。

 

 

 

恐怖。

 

 

観測済。

 

 

 

全て観測済。

 

 

 

だが。

 

 

その中に。

 

 

一つだけ。

 

 

異物があった。

 

 

 

彩禍マダラ。

 

 

 

沈黙。

 

 

 

色彩が停止する。

 

 

 

初めて。

 

 

本当に初めて。

 

 

 

観測が止まる。

 

 

 

認識。

 

 

失敗。

 

 

 

再認識。

 

 

失敗。

 

 

 

再試行。

 

 

失敗。

 

 

 

異常。

 

 

 

理解不能。

 

 

 

存在確認。

 

 

成功。

 

 

 

分類。

 

 

失敗。

 

 

 

起源。

 

 

不明。

 

 

 

終点。

 

 

不明。

 

 

 

定義。

 

 

不可能。

 

 

 

色彩は理解する。

 

 

 

これは。

 

 

自分と似ている。

 

 

 

だが。

 

 

同類ではない。

 

 

 

決定的に。

 

 

違う。

 

 

 

色彩は世界の外から来る。

 

 

 

だが。

 

 

彩禍マダラは違う。

 

 

 

もっと古い。

 

 

 

もっと曖昧。

 

 

 

もっと説明できない。

 

 

 

色彩が初めて感じる。

 

 

 

違和感。

 

 

 

異物感。

 

 

 

理解不能。

 

 

 

そして。

 

 

初めて。

 

 

観測される。

 

 

 

 

誰にも辿り着けない家。

 

 

 

夜。

 

 

 

ユメは眠っていた。

 

 

 

静かな寝息。

 

 

 

穏やかな表情。

 

 

 

幸せそうだった。

 

 

 

その隣。

 

 

 

窓辺。

 

 

 

マダラは座っている。

 

 

 

何もしていない。

 

 

 

ただ。

 

 

空を見ている。

 

 

 

だが。

 

 

その視線は。

 

 

遥か彼方。

 

 

 

色彩を見ていた。

 

 

 

沈黙。

 

 

 

世界と世界の外。

 

 

 

二つの超越存在が。

 

 

互いを見ている。

 

 

 

言葉はない。

 

 

 

必要もない。

 

 

 

だが。

 

 

理解はあった。

 

 

 

色彩は知る。

 

 

 

彩禍マダラは敵ではない。

 

 

 

味方でもない。

 

 

 

自分を恐れない。

 

 

 

自分を否定しない。

 

 

 

自分を崇拝しない。

 

 

 

ただ見ている。

 

 

 

観測している。

 

 

 

まるで。

 

 

自分と同じように。

 

 

 

その事実に。

 

 

色彩は興味を持つ。

 

 

 

本来あり得ないことだった。

 

 

 

色彩に興味はない。

 

 

 

執着もない。

 

 

 

感情もない。

 

 

 

だが。

 

 

彩禍マダラだけは違った。

 

 

 

理解できないから。

 

 

 

観測できないから。

 

 

 

定義できないから。

 

 

 

そして。

 

 

マダラもまた。

 

 

色彩を見る。

 

 

 

長い時間。

 

 

 

本当に長い時間。

 

 

 

色彩を知っている。

 

 

 

無数の世界で。

 

 

 

無数の可能性で。

 

 

 

何度も見た。

 

 

 

だから。

 

 

恐れない。

 

 

 

敵視もしない。

 

 

 

ただ。

 

 

思う。

 

 

 

「相変わらずだな。」

 

 

 

小さな呟き。

 

 

 

誰にも聞こえない。

 

 

 

だが。

 

 

色彩には届いた。

 

 

 

沈黙。

 

 

 

それが返答だった。

 

 

 

マダラは少しだけ笑う。

 

 

 

本当に少しだけ。

 

 

 

「今回は。」

 

 

 

静かな声。

 

 

 

「先生がいる。」

 

 

 

風が吹く。

 

 

 

夜が揺れる。

 

 

 

「だから。」

 

 

 

「私は見ているだけだ。」

 

 

 

色彩は何も答えない。

 

 

 

だが。

 

 

理解した。

 

 

 

この存在は。

 

 

介入しない。

 

 

 

先生がいる限り。

 

 

 

生徒達がいる限り。

 

 

 

見届けるだけ。

 

 

 

それが彩禍マダラ。

 

 

 

唯一の例外を除いて。

 

 

 

その時。

 

 

背後から。

 

 

小さな声。

 

 

 

「まだ起きてたの。」

 

 

 

ユメだった。

 

 

 

眠そうな顔。

 

 

 

少しだけ目を擦っている。

 

 

 

マダラが振り返る。

 

 

 

「起こしたか。」

 

 

 

「ううん。」

 

 

 

ユメは隣へ来る。

 

 

 

自然に。

 

 

 

当然のように。

 

 

 

そして。

 

 

肩へ寄り掛かる。

 

 

 

「何見てたの?」

 

 

 

マダラは少し考える。

 

 

 

そして。

 

 

答えた。

 

 

 

「古い知り合いだ。」

 

 

 

ユメが笑う。

 

 

 

「友達?」

 

 

 

沈黙。

 

 

 

数秒。

 

 

 

そして。

 

 

「違う。」

 

 

 

即答。

 

 

 

「じゃあ知り合いだ。」

 

 

 

「そうだな。」

 

 

 

ユメは満足そうに頷く。

 

 

 

そして。

 

 

再び眠そうに目を閉じる。

 

 

 

その姿を見て。

 

 

マダラは僅かに目を細めた。

 

 

 

色彩は見ていた。

 

 

 

その光景を。

 

 

 

そして初めて理解する。

 

 

 

彩禍マダラという存在の中心。

 

 

 

世界ではない。

 

 

 

神秘でもない。

 

 

 

恐怖でもない。

 

 

 

先生でもない。

 

 

 

色彩でもない。

 

 

 

たった一人。

 

 

 

クチナシ・ユメ。

 

 

 

それだけだった。

 

 

 

色彩は静かに去る。

 

 

 

まだ時ではない。

 

 

 

物語はこれから始まる。

 

 

 

先生が選び。

 

 

生徒達が抗い。

 

 

奇跡が生まれる。

 

 

 

その時まで。

 

 

 

観測者達は。

 

 

静かに見届ける。

 

 

 

終わりの先にある。

 

 

始まりを。

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