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静かな場所だった。
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世界のどこにも属さない場所。
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記録されない場所。
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観測されない場所。
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マダラとユメだけの家。
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朝。
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窓から光が差し込む。
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ユメはソファで眠っていた。
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本を読みながら寝てしまったらしい。
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マダラは窓際に座っている。
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いつものように。
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静かに。
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その時だった。
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空間が揺れる。
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誰かが来た。
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マダラは振り返らない。
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既に知っているから。
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現れたのは。
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プラナ。
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白い少女。
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静かな瞳。
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彼女は周囲を見回す。
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理解不能。
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座標取得不能。
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空間定義不能。
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存在証明不能。
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やはり。
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理解できない。
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「来たか。」
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マダラが言う。
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プラナは頷く。
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「質問がある。」
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「そうだろうな。」
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ユメはまだ寝ている。
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二人とも起こさない。
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自然だった。
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プラナはしばらく黙る。
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何から聞くべきか。
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本当は山ほどある。
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何者なのか。
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何故存在するのか。
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何故色彩を恐れないのか。
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何故アロナも自分も解析できないのか。
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聞きたいことはいくらでもある。
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だが。
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今。
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一番重要なことは別だった。
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「貴方は先生を信じているのですか。」
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静かな問い。
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風が吹く。
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窓の外で。
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マダラは少し考える。
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そして。
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首を横に振った。
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「違う。」
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プラナが目を細める。
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予想外だった。
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信じていると思っていた。
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ずっと見ている。
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ずっと観測している。
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ずっと期待している。
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そう見えた。
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だが違う。
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「信じていない。」
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マダラは繰り返す。
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「では何故。」
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プラナは問う。
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「何故任せるのですか。」
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「何故介入しない。」
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「何故見届ける。」
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色彩が来る。
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世界が終わる。
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生徒達は苦しむ。
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先生も苦しむ。
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それを知っている。
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それでも。
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何もしない。
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理解できなかった。
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マダラは静かに答える。
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「先生だからだ。」
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「回答になっていない。」
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「そうか。」
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プラナは少しだけ苛立つ。
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アロナが苦労する理由が分かった。
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この存在は。
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説明する気がない。
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だが。
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珍しく。
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マダラは続けた。
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「信じるというのは。」
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「可能性を委ねることだ。」
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プラナは黙る。
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聞く。
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「私は先生を信じていない。」
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「先生が勝つとも思っていない。」
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「先生が正しいとも思っていない。」
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「先生が特別だとも思っていない。」
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静かな声。
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だが。
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一言一言が重い。
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「先生は失敗する。」
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「間違える。」
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「苦しむ。」
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「後悔する。」
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「選択を誤ることもある。」
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プラナは理解する。
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それは事実だ。
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先生は万能ではない。
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神でもない。
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完璧でもない。
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ただの人間。
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「だから信じない。」
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そこで。
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マダラは少しだけ笑った。
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本当に少しだけ。
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「だが。」
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窓の外を見る。
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遠く。
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遥か遠く。
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先生がいる場所を。
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「先生は選ぶ。」
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静かな声。
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「何度失敗しても。」
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「何度間違えても。」
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「何度絶望しても。」
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「選ぶことをやめない。」
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プラナの瞳が揺れる。
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それは。
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自分が見てきた先生そのものだった。
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「だから。」
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「私は見ている。」
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「……」
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「結果ではなく。」
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「選択を。」
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沈黙。
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長い沈黙。
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そして。
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プラナはようやく理解する。
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信頼ではない。
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期待でもない。
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信仰でもない。
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もっと単純だった。
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彩禍マダラは。
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先生という存在を。
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選択し続ける者として評価している。
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それだけ。
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それだけだからこそ。
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最後まで介入しない。
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その時。
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ソファから声がした。
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「ん……」
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ユメが目を覚ます。
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眠そうな顔。
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ぼんやりしている。
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「おはよう。」
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マダラが言う。
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「おはよ。」
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ユメは欠伸をする。
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そして。
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プラナに気付いた。
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「来てたんだ。」
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「うん。」
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自然だった。
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まるで友人みたいに。
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プラナは少しだけ困惑する。
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何故だろう。
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この家に来ると。
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警戒心が薄れる。
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理解できない。
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本当に。
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理解できない。
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ユメは笑う。
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「難しい話してた?」
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「少しな。」
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「また先生の話?」
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「そうだ。」
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ユメは苦笑した。
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「好きだね。」
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「違う。」
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即答。
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プラナは初めて思った。
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アロナがここにいたら。
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きっと笑っている。
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そんな気がした。
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そして。
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窓の外。
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世界は静かに動いている。
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色彩は近付いている。
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終わりは近い。
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だが。
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まだ。
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誰も諦めていない。
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先生も。
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生徒達も。
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アロナも。
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プラナも。
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そして。
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観測者も。
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最後の選択の時は。
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もうすぐそこまで来ていた。