本作は、週刊ヤングマガジン連載中の『昴と彗星』の公式タイムラインをベースにしたIFスピンオフ作品です。作中に登場するMFG-F(フレッシュマンシリーズ)の参戦者および新MFGエンジェルズにつきましては、方言の表現や独自のレース展開を100%の熱量で描くため、すべて「オリジナルキャラクター」として再構築しております。
ただし、完全なゼロからのオリジナルではなく、原作のキャラクターたちが持つ魅力、役割、そしてレース内でのドラマ(熱いライバル関係、タイヤマネジメントの妙、鮮やかなパッシングシーンなど)をリスペクトし、その魂や立ち位置を一部色濃く引き継いだキャラクター造形となっております。そのため、一部原作の登場人物と特徴が重なる部分がございますが、原作へのオマージュ・IFスピンオフとしての試みとしてご了承いただけますと幸いです。
一ノ瀬美織という17歳の少女が、17インチのBRZを駆り、この個性豊かなオリジナルドライバーたちとどのような死闘を繰り広げるのか。その舞台裏となる設定の数々を、どうぞお楽しみください。
注)まりんちゃんだけは諸事情で残しております。
【設定集】一ノ瀬家・キャラクタープロフィール
一ノ瀬 美織(いちのせ みおり)
※実際の鹿児島の風景とは異なります。
年齢:17歳(現役高校生)
性別:女性
体型:身長 152cm / 体重 30kg台後半(小柄で華奢なやや幼児体型)
容姿:フィンランド人の母親の血を引く、鮮やかで美しい金髪ロングヘア。
普段は寡黙で少しぶっきらぼう。しかし学校では友達が多いタイプ。ことレースに関しては「邪魔なウェイ(胸)がないから、グリップウエイトレシオ(MFG規則)的に好都合」とストイックかつドライに割り切る合理主義者。ひとたびステアリングを握ると、一ノ瀬の血が目覚め、内に秘めた熱い闘志が剥き出しになる。
経歴
元GTレーサーの父の影響で幼少期からカートを始め、数々の大会で優勝を飾る。父の死後、鹿児島の祖父に引き取られてからはカートを辞めふさぎ込んでいたが、父の夢だった「MFG制覇」を引き継ぐべく再始動。
法改正により16歳で普通自動車免許を取得。祖父の私設峠(群サイレベル)で1年間徹底的に公道最速の技術を叩き込まれる。第一回MFGフレッシュマンシリーズの発足に伴い、厳しい参戦テストと学校の許可証をクリアし、満を持してシリーズ最年少の17歳特例枠として参戦する。
ドライビングスタイル:
おじいちゃん直伝の、路面のμ(摩擦係数)を五感(特に着座位置からのインフォメーション)で察知するアナログにして究極のコントロールワーク。さらに母親の母国であるラリー王国フィンランドの遺伝子(フライング・フィン)を思わせる、悪路やうねる公道での異常なマシンの支配力を持つ。
一ノ瀬 駿(いちのせ しゅん)
享年38歳
関係:美織の父親
経歴:
元々は福岡の大学在学中、自らバイトして買った車で九州の峠(三瀬峠など)を荒らし回っていた伝説の走り屋。その圧倒的な速さがスカウトの目に留まりプロへ転向。レース留学先のフィンランドで美織の母と出会う。
帰国後はスーパーGTのトップレーサーとして活躍し、TKマッハコーポレーションの現社長・高橋啓介とは何度もバンパーを擦り合わせる壮絶な激闘を繰り広げた宿敵。
高橋啓介のMFG発足を知り、走り屋の魂が再燃してGTを電撃引退。MFG独自の「グリップウエイトレシオの均一化」の本質を即座に見抜き、軽量な「ラピスブルー・パールのZC6型BRZ」で第1回MFGに参戦。低馬力車ながら予選14位という驚異のタイムを叩き出す。しかし、決勝当日の朝、小田原パイクスピークへ向かう途中で居眠り運転のトラックと正面衝突し、悲劇の急逝を遂げた。彼の死は、高橋啓介をはじめとする初期MFG関係者に深い傷跡を残している。
一ノ瀬 巌(いちのせ いわお)
関係:美織の祖父(駿の父親)
年齢:60代後半(67歳)
体型:徹底的に鍛え上げられた筋肉質の巨躯(ガチムチマッチョ)
現在の職業:鹿児島市内にある、職人気質の本格派チューニングショップ「一ノ瀬モータース」代表 / 美織のセコンド
経歴・人物像:
若かりし頃は関東方面の峠を拠点に活動し、若き日の藤原文太と何度も命を削り合うバトルを繰り広げた伝説の怪物。当時の公道最速の技術と理論は今なお健在で、データや電子制御に頼る現代MFGの若手やスーパーシリーズの選手すら「温室育ちのひよっこ」と一蹴する。
愛息である駿を一般公道の事故で失ったトラウマから、一般公道での長距離移動(鹿児島〜箱根)は美織に絶対に運転させず、自分で頑なに積載車を運転する過保護な一面を持つ。
しかし、ひとたび美織がレーサーとしてサーキット(公道)に立つならば、一切の甘やかしを排除する鬼の師匠となる。最新のハイテクなセコンドルームでもノートPCやデータを見ず、腕組みをしながら筋肉の威圧感を放ち、インカム越しに本質的なアナログの指示を飛ばす美織の最強の理解者。
エミリ・一ノ瀬(Emily Ichinose)
年齢:43歳出身:フィンランド
立場・職業:MFG統括アドバイザー(コース監修および安全レギュレーション策定担当)家族構成:夫・一ノ瀬駿(享年38)、娘・一ノ瀬美織(17)
【バックボーン・経歴】
フィンランド出身の元ラリードライバー。北欧の凍結路(アイスバーン)や超高速グラベル(砂利道)で鍛え上げられた、路面のμ(摩擦係数)を五感で察知するアナログセンサーの元祖であり、娘・美織に宿る「フライング・フィン」の遺伝子の源流。
若手ラリースト時代に、当時GTレーサーとして頭角を現していた一ノ瀬駿と出会い結婚。
美織の妊娠が発覚したことを機に一度はステアリングを置くが、日本への移住・出産後は国内のラリー選手権に参戦し、その圧倒的なドラテクを誇示していた。
3年前に夫の駿が不慮の事故で急逝した後は、美織と共に夫の実家がある鹿児島へ移住。しかしその一年後、MFGのレギュレーションや安全性の底上げを図っていた組織のトップ、高橋涼介から直々のビジネスライクな「依頼」を受け、コース監修や安全対策の要職として単身上京。現在はMFG運営の重鎮としてコントロールタワーに身を置く。
【性格・スタンス】
極めて合理的かつ冷静沈着なリアリスト。大人の気品とプロレーサーとしての厳格さを併せ持つ。娘の美織に対しては、深い母親としての愛を根底に持ちつつも、自身譲りの「頑固さ」を誰よりも理解している。
そのため、美織から「十八歳以下特例枠」での参戦を直訴された際も、身内に極めて厳しい高橋涼介の思想に共鳴し、一切の甘やかしを排除。
自らラリー仕様のWRX STIを持ち込み、鹿児島の私設峠で伝統の先行後追い方式によるタイマンバトルを課した。
この過酷な参戦テストで自分を煽りきった美織の実力を正当に評価し、正式にフレッシュマンシリーズ(MFG-F)へのエントリーを承認した。
---
参戦者プロフィール(全14名)
マクシミリアン・シュミット(Maximilian Schmidt)/ 19歳
容姿・性格:
182cm、ブロンドの短髪に鋭い青眼。RDRS卒業生で、ドイツ出身のレーサー。ストイックで完璧主義、無駄を嫌う。一人称は「僕」または「私」。口調は極めて論理的で冷徹な標準語(日本語は流暢)
走りの武器:
藤原拓海から英国で叩き込まれた「荷重移動の絶対領域」。一切の無駄がない、物理限界をトレースする超高速コーナリング。
参戦車両: ゼッケンF12 / マツダ・ロードスター(ND5RC)1.5L改スーパーチャージャー仕様(240馬力)/アークティックホワイト。
セッティング:
車重1トン未満の軽量ボディに過給機を組み合わせた高レスポンス仕様。マシンの旋回限界を高めるため、あえて大径18インチ(アドバン製)を装着。
セッティング:
車重1トン未満の軽量ボディに過給機を組み合わせた高レスポンス仕様。マシンの旋回限界を高めるため、あえて大径18インチ(アドバン製)を装着。
逢坂 彗(おうさか すい)/ 19歳(現役大学生)
容姿・性格:
175cm、細身でマッシュヘアのメガネ男子。日常は物腰柔らかく、誰に対しても丁寧な敬語を使う。しかし、美織や昴といった「同世代の天才」の前では一人称が「俺」になり、熱いタメ口が飛び出す。
走りの武器:
緒方からマシンを投資され、奥山広也のショップの超高精度シミュレーターで10万キロ以上走り込んだ「理詰めの秀才」。「ダイヤ(タイヤ)の使い方の天才」であり、摩耗をミリ単位でコントロールする。
参戦車両:
ゼッケンF87 / ZN8 GR86(6速MT)/スパークレッド(GRパーツ仕様)
セッティング:
奥山による完全な実戦仕様。300馬力規制内で、全域のトルクフラット化を重視した吸排気+ECU現車セッティング(238馬力)
阿澄 蘭(あすみ らん)/ 18歳
容姿・性格:
162cm、ショートカットにキャップを後ろ前に被ったスポーティーな少女。サバサバしたイマドキのテンションで、男勝りな性格。一人称は「ウチ」。口調は少しくだけた標準語。
走りの武器:
理論を超越した「野生の天才」。限界域でのマシンスライドを当たり前のようにコントロールし、視覚的な恐怖心を無視して突っ込む圧倒的な突進力。
参戦車両:
ゼッケンF61 / ZD8 BRZ(6速MT)/WRブルー・パール(STIパーツ仕様)
セッティング:
ストレート重視ではなく、フロントの入りを極限まで高めた超オーバーステア傾向の足回りセッティング(235馬力)
氷室 玲香(ひむろ れいか)/ 22歳
容姿・性格:
168cm、黒髪ワンレンロングの妖艶な美女。周囲からは「クールビューティー」と呼ばれるが、内面は非常にプライドが高くエリート意識が強い。一人称は「私」。口調は冷徹なお嬢様言葉。
走りの武器:
ミッドシップ(MR)の圧倒的なトラクションを活かした立ち上がり重視の走り。ミハエル・ベッケンバウアーの走りを盲信している。
参戦車両:
ゼッケンF718 / ポルシェ・718ケイマン(ベースグレード 2.0Lターボ)/キャララホワイト。
セッティング:
MFG-Fの300馬力レギュレーションに合わせて完全にブーストデチューンされた仕様。パワーに頼れない分、完璧なライン取りで他を圧倒する。
沼田 剛(ぬまた ごう)/ 25歳
容姿・性格:
178cm、ガタいの良い体格で少し無精髭を生やした男。多重債務を抱えており、このレースでの賞金獲得に文字通り「命(崖っぷち)」をかけている。一人称は「俺」。口調は荒々しい標準語。
走りの武器:
4WDの圧倒的なトラクションと、百戦錬磨のストリート仕込みの「強引なブロック技術」
参戦車両:
ゼッケンF9 / 三菱・ランサーエボリューションIX GSR /ソリッドホワイト。
セッティング:
300馬力規制ギリギリまで絞った高レスポンス・ミスファイアリングシステム仕様。重い車重を補うためのドカンと来るトルク重視型。
乾 裕次(いぬい ゆうじ)/ 24歳
容姿・性格:
172cm、茶髪のチャラついた青年。一見軽そうに見えるが、走りは陰湿で狡猾。沼田の舎弟分のような立ち位置。一人称は「オレ」
走りの武器:高回転型NAのパワーバンドをキープした執拗なインサシ。相手のラインを潰す走りが得意。
参戦車両:
ゼッケンF20 / ホンダ・S2000(AP2)/ベルリナブラック。
セッティング:2.2LのF22Cエンジン。吸排気と足回りをガチガチに固めた高μ路面特化型仕様(242馬力)。
織田 陣(おだ じん)/ 23歳
容姿・性格:180cm、大柄で焦りやすい性格。プレッシャーに弱く、本番で空回りしやすい。一人称は「僕」。
走りの武器:
等長エキマニによるフラットなトルクを活かした高速コーナリング。
参戦車両:
ゼッケンF555 / スバル・インプレッサWRX STI(GDB-E型)/WRブルー・マイカ。
セッティング:
300馬力規制に合わせたデチューン仕様。等長エキマニを装着した涙目インプレッサ。
坂本 拓海(さかもと たくみ)/ 21歳
容姿・性格:
170cm、地味で目立たないが、職人気質な青年。一人称は「自分」。寡黙。
走りの武器:
超高回転型3S-GEを限界まで回すFRコントロール。いぶし銀のドリフトアングル。
参戦車両:
ゼッケンF11 / トヨタ・アルテッツァ(SXE10)/シルバーメタリック。
セッティング:
4スロ(独立4連スロットル)仕様のハチロクの思想を継ぐ高回転NA(220馬力)。重量バランスを徹底追及。
レオン・ウォン(Leon Wong)/ 20歳
容姿・性格:
173cm、香港からの留学生。鋭い眼光のイケメン。非常に好戦的。一人称は「オレ」。日本語はカタコト混じりの標準語。
走りの武器:
「FF(前輪駆動)こそが最速」を証明するための超攻撃的なイン飛び込み。
参戦車両:
ゼッケンF18 / ホンダ・インテグラタイプR(DC5)/チャンピオンシップホワイト。
セッティング:
K20Aエンジンをカリカリにチューンし、規制いっぱいの高回転仕様(250馬力)。フロントのLSDが超強力。
宇佐美 蓮(うさみ れん)/ 22歳
容姿・性格:
185cm、ガッチリした体型のスポーツマン。大雑把だが豪快な性格。一人称は「オレ」。
走りの武器:
大排気量NAの圧倒的なトルクを活かした直線加速。
参戦車両:
ゼッケンF33 / 日産・フェアレディZ(Z33)/ダイヤモンドシルバー。
セッティング:
VQ35DEエンジン。300馬力規制のためパワーは抑えられているが、図太いトルクを重視したセッティング。
鳴海 翔(なるみ しょう)/ 19歳
容姿・性格:
165cm、小柄で中性的な顔立ち。すばしっこい。一人称は「僕」。
走りの武器:
1トンを切る軽量ボディを活かした、タイトコーナーでの信じられない旋回スピード。
参戦車両:
ゼッケンF14 / スズキ・スイフトスポーツ(ZC33S)/チャンピオンイエロー4。
セッティング:
1.4Lターボ。低回転からのブースト立ち上がりを重視した、箱根のミニサーキット的セクション特化型(190馬力)
栗原 守(くりはら まもり)/ 23歳
容姿・性格:
176cm、少し古いツナギを着た苦労人風の青年。ハチロクへの愛が異常に深い。一人称は「俺」
走りの武器:
クラシックハチロクで最新世代をカモる執念のコーナリング。
参戦車両:
ゼッケンF86 / トヨタ・AE86 スプリンタートレノ /3ドア・パンダトレノ。
セッティング:
5バルブ4A-G載せ替えのAE111仕様。レギュレーションに合わせるため各部を徹底近代化(175馬力)。
橘 冴子(たちばな さえこ)/ 21歳
容姿・性格:
160cm、黒髪ポニーテールの凛とした女性。冷静沈着。一人称は「私」。
走りの武器:
13Bロータリーエンジンのコンパクトさを活かした、フロントの頭の入り。
参戦車両:
ゼッケンF7 / マツダ・RX-7(FD3S)/ヴィンテージレッド。
セッティング:
シーケンシャルツインターボのブーストダウン仕様(255馬力)。足回りはしなやかさを重視。
泥谷 竜太(ひじや りゅうた)/ 25歳
容姿・性格:
174cm、少しスカしたストリート上がりの男。日和見主義。一人称は「おれ」。
走りの武器:
ドリフトコントロールの応用による、リヤをわずかに滑らせる旋回。
参戦車両:
ゼッケンF44 / 日産・シルビア(S15)Spec-R /スパークリングシルバー。
セッティング:
SR20DETのブーストを抑えた扱いやすさ重視の仕様(245馬力)。
新MFGエンジェルズ
【公式キャラクター】里崎 まりん(さとざき まりん)/ 18歳
原作設定・今作での立ち回り:
現役女子高生エンジェルス。ウブなトップ3(美織、彗、蘭)を見かねて、上原マネージャーの独断指示でステージへ上がり、優勝した美織への「頬へのキス祝福」を敢行する。同世代の美織を激しく赤面させる、今作の超重要エンジェルス。
【新・オリジナル珍獣枠】星野 もか(ほしの もか)/ 19歳
容姿・性格:
153cm。ショートボブでいつも目が泳いでいる。初代珍獣(前任者)が引退したため、オーディションの「天然・癒やし枠」で奇跡的に滑り込んだ二代目珍獣。
【オリジナル・お姉さんリーダー】黒金 冴子(くろがね さえこ)/ 24歳
容姿・性格:
172cm。黒髪ストレートのクールビューティー。新エンジェルズの頼れるリーダー。
【オリジナル・ビジュアル担当】アンナ・クレメンツ / 21歳
容姿・性格:
175cm。ハーフの金髪スタイル抜群美女。中身は完全な下町育ち。 美織の母(エミリ・一ノ瀬)が小田原のコントロールルームで統括アドバイザーとして冷徹にジャッジしている姿を見て「エミリさん、マジで超カッケー……」と憧れている。
学校関係者・キャラクタープロフィール
宮下 結衣(みやした ゆい)
立場:美織のクラスの親友
性格・特徴:
おしゃべりでとにかく明るい、クラスのムードメーカー。美織のいちばんの理解者であり親友。美織が幼少期にカートをやっていたことや、おじいちゃんの店(一ノ瀬モータース)を手伝っていることは知っているが、車のメカニズムやMFGのルールには全く詳しくない「普通の女子高生」。
美織が箱根から帰ってきた際、ネットや学校がざわついているのを見て「なんか美織、ネットですごい有名人になってない!? 『蒼き妖精』って何それカッコいい! あと箱根のお土産(温泉饅頭)は!?」とミーハー全開で突っ込んでくる。美織のストイックなレーサーの一面を、等身大の女子高生の日常へと引き戻してくれる貴重な存在。
上野 拓哉(うえの たくや)
立場:美織のクラスメイト(男子高生)
性格・特徴:
クラスに一人はいる、ちょっとだけクルマが好きな男の子。週末にMFGフレッシュマンシリーズの生配信をリアルタイムで観戦しており、画面に映ったサファイアブルーの24号車のドライバーが、まさか同じクラスの「一ノ瀬美織」だと気づいて文字通りひっくり返った。
月曜日に学校へ来るや否や、結衣たちに囲まれている美織のもとへ飛んできて「一ノ瀬、お前マジかよ!あの『F24』ってお前だろ!? 予選総合3位って、MFGの本部もネットのまとめサイトも大騒ぎだぞ!」と、興奮を隠せずに語りかけてくる。普段は寡黙な美織に「うるさい、静かにして」と冷たくあしらわれるのがお約束だが、クラスの中で唯一レースの凄さを本質的に理解している。
坂元 先生(さかもと せんせい)
立場:美織のクラスの担任(30代・男性教師)
性格・特徴:
少しお疲れ気味だが、生徒のやりたいことを真剣に応援してくれる熱い心の持ち主。MFG-Fの独自レギュレーションである『高等学校の許可証』に、学校側でハンコを押してくれた恩人。
校長や教頭が「もし万が一の事故があったら学校の責任問題に……」と渋る中、「一ノ瀬はただ遊びでレースをするんじゃない。亡くなった父親の夢を追うために、1年間必死に勉強と両立して参戦テストをクリアしたんです」と職員室で頭を下げて庇ってくれた。
美織が予選を終えて登校した際、放課後に進路指導室へ呼び出し「……で、予選3位だったんだって? 職員室のパソコンで上が生中継を見てて、教頭が腰を抜かしてたぞ。本戦の出場も許可するが、次の定期テストで赤点取ったら許可証は即没収だからな」と、学校の先生らしく釘を刺しつつも、心から彼女を応援してくれている。
参戦車両:一ノ瀬モータース特製 ZD8 BRZ “Rグレード”
ボディカラー:サファイアブルー・パール
ミッション:6速MT
エンジン仕様:FA24型(2.4L 水平対向4気筒 NA)
チューニング内容:
吸排気+ECU現車セッティング(NAチューン):あえて過給器(ターボ)に頼らず、自然吸気のままエキマニ、マフラー、インテークを社外品に換装。巌が箱根の気圧と気候に合わせて現車合わせでECUを書き換えており、カタログスペックの235馬力から【250馬力〜260馬力前後】へと絶妙にスープアップ。中回転域のトルクの谷が完全に消え去り、美織のアクセルワークに一瞬のラグもなく同期する超高レスポンス仕様。
足回り(サスペンション):ストリートからサーキットまで対応する高性能車高調を使用し、約30mmのローダウン。巌の職人技により、152cmの美織の小柄な体型に合わせてロールセンターや前後バランス、ペダル位置までミリ単位でフルカスタムされている。箱根の激しいうねりやギャップをバタつかずにいなし、路面に吸い付くようなコーナリングを実現する。
ホイール:アドバン製17インチ(8.5J)。あえて18インチではなく17インチを選択。リム幅を広げることで、タイヤのトレッド面を限界まで接地させるツラウチ仕様。
タイヤ:MFG公式供給タイヤ(ヨコハマタイヤ製)。17インチの適度な「タイヤのヨレ」を活かすことで、美織の五感(ケツのセンサー)へとダイレクトに路面情報を伝えるセットアップになっている。馬力を250馬力前後に抑えた軽量ボディと美織の軽さも相まって、MFGの規則に美しく適合しつつ、タイヤの摩耗を最小限に抑える隠れた「タイヤマネジメントモンスター」である。
スバル・WRX STI(ラリー仕様カスタム)
エミリ自身の手によって、日本の狭く滑る峠道(ターマック・ハーフウェット)に最適化された4WDモンスター。美織のBRZに対して圧倒的な立ち上がりトラクションとプロのライン取りを見せつけ、美織のアナログセンサーを限界の向こう側へと引き上げる壁となった。