夜食に薔薇の毒はいかが?   作:キャンディマン

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陰獣の座を狙った念能力者

オーラを冷気に変える変化系。女
燃えるような愛が欲しい(アイスエイジ)
幼年期、冬国で裸同然で冬の外に放り出された経験から発現。母と母の愛人を凍らせた後、裏の世界へ。独蜘蛛との戦いで自身の身体を凍らせながらも燃えるような恋心と共に砕け散った。
「今ね、少しも寒くないんだ」

フルコンボ
コンボが続くほどに拳の威力が増す強化系。男。
事前に数を相手に宣言し、相手の攻撃を食らわず回避させず当てることで宣言した数の時、攻撃の威力が上がる。ただしAを5発殴ってBに蓄積された威力を当てる、なんてことは出来ない。ガス分身に翻弄され倒された。本人曰く陰獣との殴り合いはとても楽しかったとのこと。
「ああ、俺の負けだ。ちょー楽しかったぜ」

Animal(ザ・キング)
獣を隷属させる操作系。男
自分がオーラを使わず倒せる程度の強さの動物を支配する。神文字を刻んだ首輪を利用する。支配権譲渡も可能で訓練不要の動物を売って稼いでいた。生物操作は独蜘蛛の相手として悪すぎた。麻痺毒で痺れたまま頭部粉砕。動物達は幼少期から念に晒され念に目覚めていた。解放されたが戦いしか知らぬゆえに挑み散った戦士達。
「ま、待てやめろ! 私が死んだらケダモノどもがぷぇ!」

後ろの正面(メリー)
瞬間移動を繰り返せる放出系
半径20メートルの領域を指定し、その範囲内ならオーラが持つ限り瞬間移動を繰り返せる。ただし相手の視覚に映らぬ場所のみ。不意打ち専門だからそれ自体は制約としては弱い。体の一部だけを転移させる不意打ちが本領。転移した方の部位を視認されるとそのまま千切れる制約と誓約により転移速度の上昇。前からの攻撃が急に後ろから来る。慎重な性格で雇った人材を突撃させ毒を消費させてから己を強化し襲撃。
転移が『領域内任意』ではなく『領域内にて対象の位置関係設定』であることを見抜かれ足場をあらかじめ腐食させられ落下を逃れるために転移し自爆上等のニトロで吹き飛んだ。
「………クソ」


訪問と詰問

「イルミの友達ということですが、ご職業は何を?」

「…………………」

 

 なんだこの状況。

 あの後執事達がやってきて本邸に案内された。そこでイルミの母に質問されている。

 

「イルミは殺し屋です。人の命を奪う仕事、その友人を続けるに耐えられる職業なのかしら?」

「マフィアの幹部を少々。後、別に友達では」

「マフィアの。そう、少しは闇の世界に生きているようね」

「……………」

 

 『なんとかしろ』と念文字を送るクレオ。

 『無理。キルの件で過敏なんだよね、今の母さん』と念文字を返すイルミ。因みに念の形を変えるのは変化系。イルミのもっとも苦手な系統故に文字が荒い。

 

「殺しについてどう思います?」

「進んでやることじゃないが、別段避けなきゃいけねえってほどのもんじゃないな、と思います」

「イルミがあなたを殺す依頼を受けた時はどう対応するのかしら?」

「ん、そりゃ殺す。今度こそ」

「ご出身は何処かしら?」

「流星街」

「……………………イルミとの交友を認めます。ええ、キルと違い、イルミは自分で判断出来る年頃だもの。仕方ないわ」

 

 どうやら認められたらしい。

 

『親公認とかやなんだが』

『知らないよ。認識されるだけで事実じゃないんだからほっとけば』

 

 と、念文字で会話。因みにキキョウには見えない位置だ。

 

「そういや、そっちのはお前の弟妹?」

「ああ、気づいてたんだ」

 

 イルミが出ておいで、と言うと和服の子供が出てきた。キルアより下だろう。

 

「弟のカルトだよ」

「そうか……………え、弟?」

「そうだよ?」

「そうか」

「…………僕の絶、下手だった?」

「え? ああ、下手くそ」

 

 と、クレオが素直な感想をいう。因みにクレオの絶の基準は陰獣や陰獣候補、或いはヒソカ辺りの猛者達だ。

 

「お前の父親なんて皮膚が貫かれて初めて存在に気付いたからな」

 

 空から降ってきた龍に気を取られていたとはいえ、爪が皮膚を裂き肉を絶ち骨まで削った辺りで漸く気づいた。

 

 耐性もクソもない化学兵器使ってんのになんか耐えてたし。いや、勿論皮膚を溶かし網膜を焼き神経伝達物質を阻害していたが、体外に放出したオーラを纏い簡易的な防毒スーツを作り、散布型では意味を成さず注入型に切り替えるもマトモに近付けなかった。

 

「お祖父ちゃんとお父さん相手に生き残った? そんな相手…………マフィア? まさか、陰獣の独蜘蛛?」

「あー…………あれ、これ知ってよかった?」

 

 カルトが気付きイルミが納得。納得ついでに独蜘蛛の素顔も性別も、裏の世界ですら不明なことを思い出す。出身が流星街なら、何の情報もないわけだ。それを気付いたカルトをどうするのかと、片手にこっそり針を構えるイルミ。

 

「ゾルディック家は殺し屋だろ。何時から情報屋になった」

「……………そうだね。別に独蜘蛛にしろ君にしろ、依頼が来たところで依頼主に正体を伝える必要ないか。殺すだけだもん」

「まあその前に俺がお前を殺すがな」

 

 別段敵意も殺気もないが、おそらく互いに本音を言っているのだろうと控えている執事達は冷や汗を流す。

 

「ありえないけど」

「ん?」

「兄さんを殺したら、僕がお前を殺す」

「……………ゾルディック家としてどうなのそれ?」

「カルトちゃん。冷たい目を出来るようになったのね!」

「うーん、殺し屋って命狙うわけだしね。それで殺されたからって命を狙うのは駄目だよ、カルト」

 

 何やら感激するキキョウと兄として叱るイルミ。でも此奴キルア相手だとああなるんだよなぁ、とちょっと助言しただけで殺しに来たイルミを思い出すクレオ。

 

「でも陰獣の君が何で十老頭を? 乗っ取るの?」

「そもそも俺がマフィアに入った理由が人身売買、違法臓器提供、スナッフビデオ、そいつ等に金や人材提供してた奴等を見つける為だからな。それも()()()から関わっている奴だけを」

「ふーん。金も時間もかけてよくやるね」

「ま…………意味なんてないがな」

 

 そいつ等を皆殺しにしただけで死んだあの娘が生き返るわけではない。新たな被害者が出ないから、なんて言われてもそもそもクレオは目に見えない範囲の犠牲者など知ったことではない。

 

「ところでお前何で寿司知らねえの」

 

 と、これ以上は話がないのかクレオはカルトを見ながら話題を変える。

 

「? ああ、ハンター試験の」

「まあ、ハンター試験にお寿司がでたの?」

「作れと言われたけど、俺知らなかったんだよね。そっか、カルトの服ってジャポンだっけ」

「あの人、生食が駄目なのよ。だから食事で出したことないわ」

 

 成る程、だからイルミ達は知らなかったのか。

 

「ハンター試験で思い出したけど、時期的にあの子って参加させるために弟子にしたの? 足手まといは要らないんだけど」

「ああ、彼奴は修行の第二段階を終えて、第三段階。天空闘技場200階以降で10勝してこいって言ってある」

 

 

 

 

 

 

 天空闘技場。

 力を示せば金を稼げる。登っていけば名誉も手にできる。故に世界中から腕自慢が集まる野蛮人達の聖地。

 

「あ、やっぱり、ポンズさん!」

「………? ああ、えっと……ゴン君」

 

 キルアの助言でヒソカとの戦いに備え力を付けに来たゴンは、そこで意外な人物に再会した。

 

「ん? ゴン、知り合い?」

「もうキルア、ハンター試験にもいたポンズさんだよ。クレオの弟子になったんだ」

「クレオの? えー、のわりには弱そうだな。彼奴、顔で選んでんの?」

 

 ポンズはムッとした。

 

「もうキルアってば……」

 

 ゴンは呆れた。そのままポンズに視線を向け直す。

 

「それで、ポンズさんはどうしてここに?」

「まさかクレオの奴も来てんのか?」

「来てないわよ。ここで修行してこいって送り出されたの」

「そうなんだ! あれ、てことは…………200階まで登ってきたんだ!」

「ええ、まあ………」

 

 キルアがマジかと感心する。見かけによらず強いらしい。

 

「あ、でも待って! 200階からはね、そのままじゃ危険なの」

「危険?」

「うん。念を覚えてないと……」

「おいゴン、お前この前クレオが念について教えてくれたって言ってなかったか?」

「え? あ、そうだった!」

 

 2人は改めてポンズを見る。そのオーラは静かでなだらか。自然なままにオーラはポンズの身を包んでいる。

 

「すごいやポンズさん、纏が使えるんだね!」

「まあ、一通りは…………」

 

 強制的に念を習得させる石塊を宝石に変える一刺(エメラルドワスプ)を受けたポンズは感覚を知っているだけに習得さえすれば成長が早い。それでもクレオには及ばないが。

 

「ゴン君達も念を習得してる、ってことでいいんたよね?」

「まーな。ま、楽勝だったぜ」

「キルア………」

 

 得意げなキルアにゴンは苦笑する。

 

「おや、そちらの方は?」

「あ、ウイングさん!」

 

 と、その時ゴン達に近づいてくる影。メガネをかけた温和そうな男だ。強い。

 

「俺達と同期のポンズさん!」

「同期………なるほど、いい師に巡り会えたようですね」

「ええ、まあ……」

「ズシ、挨拶を」

「押忍!」

 

 と、ウイングの後についていた道着姿の子供が頭を下げる。年齢はゴン達と同じぐらい。念を習得している。

 

 裏試験の内容であれど、ハンターになる前に習得している者はいると聞いていたがこんな子供にも。

 

「すごいよね、天空闘技場。俺やキルアと同い年でもこんなに強い人が他にも」

「ああ、同年代といえばあと一人いたけどな」

「有望な世代ね」

 

 自分がこの年の頃はそもそもハンター試験にすら挑めていないのに、とポンズは苦笑した。

 

「お〜い、ゴン、キルア、ズシ〜!」

「お!」

「噂をしたら………ポンズ、あれがさっき言ってた俺等と同年代…………レツだ」

 

 輝く金糸の髪をオスロに収めた、人形のように整った可愛らしい子供。

 

「あ、こんにちわ」

「レツ! この人が俺達の同期のポンズさん! クレオって人の弟子なんだ」

「…………え、クレオ?」

「あれ、知り合い?」

「えっと……………保護者?」

 

 何故疑問形なのか。

 兎にも角にも目の前のレツという少女はクレオの知り合いらしい。ポンズは会ったことがないのだが。

 

「ええと、危ないからって………」

「まあ確かに……あの人敵が多いからね」

 

 レツとポンズは早速意気投合したようだ。

 

 

 

 

 

「君、これバレてるんじゃないの計画?」

「いや、俺定期的に狙われてるし。対応しなくていいぞ。別料金取られたくねえし全部食うし」

「そういえば君、ハンター試験では取り込んだ分のオーラ使わなかったよね」

「ハンター試験は彼奴の弟子として挑んだから、彼奴の弟子として鍛えた分だけで挑んだ」

 

 基礎鍛錬自体は今も続けている。だから取り込んだ分は使わない。ただそれだけの事。

 

「よく分からないや」

「だろうな」

 

 心臓を抉り出し食らう。溢れ出すオーラ。

 これが本来のクレオのオーラ。重く濃く、暗い。気付かぬうちに深海に迷い込んだかのような。

 

 これでいて毒使いなのだからその気になれば一夜で街を滅ぼし、単独で国すら潰しかねない。もし殺せって依頼が来たら、国家予算並みの金額を提示されなければ割に合わない。

 

「友達じゃないけど敵対はしたくないね」

「あ? なんだ、急に」

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