夜食に薔薇の毒はいかが?   作:キャンディマン

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塔と島

 飛行船が着いたのは絶壁の上に立つ巨大な塔。

 何もなくて誰もいない。故に受験者達は言葉を待つ。

 

「ここはトリックタワーと呼ばれる塔の天辺です。ここが3次試験のスタート地点になります」

 

 試験内容は単純。

 72時間以内に生きて下まで降りる。3日は掛かると思われているのだろう。説明を終えた試験内容の伝言者は飛行船に乗り去った。

 

「側面には窓一つない壁か」

「ここから降りるのは自殺行為だな」

「普通の人間ならな」

 

 と、一人の男が何処か己を誇るように前に出る。そのまま壁面の罅や凹凸に指や足をかけ折り始める。

 

「このくらいのとっかかりがあれば、一流のクライマーなら難なくクリア出来るぜ」

 

 宣言通りスルスルと降りていく男。2次試験までクリアするだけあり、彼も一般基準で見れば中々の実力者ということだろう。

 

「…………あ」

「ん?」

「あれ」

 

 と、ゴンが指差した方向から無数の影が飛んでくる。

 人の様な顔をした怪鳥の群れ。上にも下にも逃げられず分け合う様にバラバラにされた。

 

 ゲッゲッと不快な笑い声のような鳴き声を上げ次の獲物を待つ様に怪鳥の群は塔の周りを飛び始めた。

 

「外壁を伝うのは無理そうみてーだな」

「きっと何処かに下に続く扉があるはずだ」

 

 その光景を見て外壁を伝うという考えは受験生達の中から消えていった。

 

「無策で降りたらな」

 

 他の受験生達が扉を探しながら彷徨く中、クレオは懐からタバコを取り出し火を付ける。ジリジリとタバコが灰に変わっていき、クレオは縁から飛び降りた。

 

「ゲギャ!?」

「ギ、ギ!」

 

 ただの落下に怪鳥達も反応が遅れた。自由落下速度は速く通り過ぎられれば追いつけない。運好く下に居た怪鳥達が大口を空けて待ち構える。

 

 瞬間、無数に現れるサシガメの群。怪鳥の群に黒い煙のように襲いかかりその鋭い口吻を突き立てる。

 

「ゲギャ!? ギャギャ!」

「ギィ! ギ、ギィィ………」

 

 追い払おうと暴れていた怪鳥は次々と落ちていく。しかし地面に激突する前に死んでいた。

 

「鳥にゃニコチン(タバコ)の味なんざわかんねえか………」

 

 ある程度降りるとバールを塔の外壁に突き立てる。ゴリゴリと削りながら勢いを殺し、地上4階ほどの高さで一度勢いが死に、そのまま飛び降りる。ベキベキとクッション代わりにした怪鳥の死体の骨が砕ける。

 

 地上には地上で猛獣が居たが生きているクレオよりも死んでいる怪鳥の肉に食らいつく。人肉が好物の獣も数匹居たがクレオが振るったバールで頭が弾け飛ぶ。

 

「お、あったあった………」

 

 トリックタワー1階の入り口を見つけ中に入る。

 

『334番、クレオ、3次試験通過第一号! 所要時間4分!』

「シャワーねぇの?」

『シャワー室は君から見て右2番目の扉。食事は………』

 

 合格者にまで食料も休憩もなしに待機させる試験ではないらしい。テレビや本もあった。

 カタヅケンジャー再放送やってった。

 

 

 

「おや、クレオか♣」

『44番、ヒソカ、3次試験通過第二号! 所要時間6時間17分!』

 

 2番はヒソカだった。怪我をしている。珍しい。

 まあ大方昔生かして成長が気になる奴を味見でもしたのだろう。特に興味も持っていないと、ピリッと首筋が痺れるような殺気。

 

「……………あぁ?」

「食傷気味でね♠ 口直し、させてくれる?」

 

 成長が期待外れだったようだが、それて相手してくれと言われても。まあ………目覚めてるならこの戦いも無駄にはならないか。

 

 トランプを取り出すヒソカと注射器を取り出すクレオ。周辺の森から獣達が逃げ出す。

 

『その場で受験生同士の私闘は禁止事項だ。3次試験に合格しようと、4次試験に通過するかは私の裁量だよ』

 

 と、流れる放送。ヒソカとクレオは互いに相手を見て、クレオは注射器をしまう。ヒソカも残念そうにトランプを持っていた手をパッと開くとトランプが消えていた。

 

「殺しがしたいなら外にいきな。猛獣がわんさかいるぞ」

「僕は普通(ノーマル)♥ 異種戦闘(アニマルプレイ)は趣味じゃない♣ 人間専門♠」

「人間はお前の事嫌いだと思うぞ」

「問題ないよ♦ 僕が愛している♥」

 

 ニコリと笑うヒソカに嫌そうな顔をするクレオ。早く次の合格者来ないかな、と待ちつつテレビのチャンネルを変える。

 

 天空闘技場にて連戦記録を積んでいく男が映るとヒソカ×ノ×アソコがモッコリした。

 

 本当、早く誰か来ないだろうか。

 

 

 

 制限時間ギリギリ。受験生は休憩室から出て1階の広間に集まっていた。

 

「フフフ………間に、あったぜ………」

 

 残り三分、傷だらけの男が現れ、そのまま息絶えた。

 

 別の扉が開き変わった帽子の少女が現れる。残りは一分。

 

 おそらく最後になるであろう受験生を迎え入れるために扉が開く。

 

 ゴン、キルア、クラピカ……ボロボロで泥だらけの3人。残り30秒………続く2人、レオリオとトンパが現れた。

 

『タイムアップ! 第3次試験通過人数28名!(うち1名死亡)』

 

 

 

 

 

 そして4次試験。

 ゼビル島にてハント。狩るのは他の受験生。証拠は各々持つナンバープレート。

 それぞれにターゲットが一人降り、それはくじ引きで決める。

 

 各々の持ち点………つまり自身のナンバープレートは3点。獲物(ターゲット)のナンバープレートも3点。それ以外は1点。

 

 合計6点………己のプレートを保持したままターゲットを倒すか他3人を倒すかしてプレートを手に入れ6点を所得した者が滞在期間内に保持できれば合格。つまり、制限時間内ならナンバープレートが0になろうとチャンスはある。同時に、例え6点を得ようと時間内は油断出来ないということ。

 

44番ヒソカ

16番トンパ

34番リュウ

53番ポックル

80番スパー

89番シシトウ

99番キルア

103番バーボン

105番キュウ

118番ソミー

191番ボドロ

197番アモリ

198番イモリ

199番ウモリ

246番ポンズ

281番アゴン

294番ハンゾー

301番ギタラクル

334番クレオ

363番ケンミ

371番ゴズ

385番ゲレタ

390番コロリ

391番アッケ

404番レオリオ

405番クラピカ

406番ゴン

 

 以上27名によるサバイバル。クレオの番号は………80番。




因みにコロリとアッケは本来なら飛行船でキルアに呆気なく殺された2人。
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