夜食に薔薇の毒はいかが? 作:キャンディマン
クレオ
本作の主人公。流星街出身でありクロロより2歳年上の28歳。黒髪。瞳は碧、かなり特殊な星状硝子体症。黄色人種。見た目の年齢は10代後半。現在はマフィアに人種を誤認させるためにメラニン色素を『操作』して日焼けしたかのように浅黒い肌をしている。
独蜘蛛
クレオの陰獣としての姿。蜘蛛を思わせるフルフェイスマスクを着けている。ハゲた爺と交代した。
発
モデルとなった遊坂葵の能力と同様取り込んだ毒を増幅、強化して操る念。強化、操作、放出の複合。実は念獣ではなくモラウの
健全な
全身不随の肉体を操作する。者を動かすという操作系の基礎を行っているだけなので本人は特に名前を付けていないがヒソカが勝手に命名している。色素、髪や爪の成長なども操れ師匠ほどで無いにせよ年齢詐欺なのはこの影響もある。
放出系の特徴の一つ徴収型の発。制約と誓約により自分に殺意を向け挑んだ者を自分で殺し心臓を食らうことでオーラを取り込み増幅させる。
赤子クレオが加護なく生きてきた要因。生まれて2日目に発現した。周囲生物の垂れ流しのオーラを吸収し命を繋ぐ。赤子ならともかくある程度成長すると微弱なオーラでは足りず現在は疲労回復程度にしか使えない。オーラを内側に向けるため擬似的な絶になる。クレオが幼少期精孔に不調が起きたのは吸収と自己操作でオーラを内に向けすぎたためオーラの半分以上を外に出せなくなっていた。
「んいて」
木の上で寝てたらナンバープレートが飛んできた。197番だ。
「持ち点ばかり増えてくなぁ」
誰かが逃げる為か嫌がらせて投げたのだろう。おちおち木の上で寝てもいられない。と、地上に降りる。
「ああ!」
「ん?」
うお、まぶし。陽光を反射するハゲがいた。
「探してみるもんだなぁ! なあ、あんた! 俺は今、2枚のプレートを持ってんだ! 交換してくれ」
「いいぞ」
334(3)
80(3)
390(1)
198(1)
361(1)
これで不要なポイントが3。これだけあれば他の受験生とも交渉可能。
師に倣い
放出系であるクレオだがその戦闘スタイルはどちらかというと操作系より。放出系はメモリを圧迫しないように徴収以外はただただ愚直に基礎を極めているだけなのだ。
「理想は操作系。後は強化系か………活躍出来そうな……やはりゴンか? ヒソカが面倒だな」
ネットリとした声で「君もゴンに目をつけたんだね♥」と肩を叩いてくるのが目に見える。
キルアは忠告しただけで面倒な兄が出てくるし。
今残ってる受験生で目を引くのはレオリオとクラピカ………ハンゾーはシノビ。恐らく試験が終われば今の師からそのまま教わるだろうからこの2人か。
「おい! お前、ナンバープレートをどれだけ集めた!」
「後他にめぼしいのは………ポックルか。だがなんかポックリいきそうなんだよな」
「ウモリ、イモリ、
ザッと手早く包囲する3人。慣れている。名前からして兄弟。ハンター試験にここまで残る程度の実力は備えているが………。
「「「…………………」」」
地に伏す3人。圧倒的な実力差。
仮に自分達が10倍いて、その全員と息を合わせても勝ち目なんてないと断言できる。それほどまでに隔絶した実力差。ああいう奴がハンター試験を合格するのだろう。去っていく背中は、物理的以上に遠く見えた。
考えてみれば時間的な余裕はそのまま精神的油断に繋がる。時間があるからまだ大丈夫と交渉に乗らない可能性が高い。なら、最終日に慌ててる奴と交渉すればいい。
となると絡まれるのは面倒なだけ。クレオは何処か適当な拠点を探すことにした。
「……………怨念?」
ふと、足を止める。
感じたのは死後の人間が発する特有の思念。
念能力とは結局のところ全ての生物が持つオーラを操る技術で、無意識の内にオーラを物に込める者も居る。
そういった存在が不慮の死の際に強く願うと死後の念とまではいかなくとも呪いのような現象を引き起こすことがある。
導かれるまま向かうと洞窟が存在した。視線を感じるのに気配が殆ど感じない。これは、野生に生きる者が持つ天性の絶。
一歩洞窟に踏み込んだ瞬間、標的になった。条件を満たした瞬間襲いかかってくるだろう。
息遣いさえ殺しこちらを見つめる何かを無視しながら進むと開けた空間に出た。
2人分の人影。片方はターバンを巻いた男。片方はやたらでかい帽子をかぶった女。
「…………ひょっとして、貴方の標的は私?」
「いや、標的ならもう手に入れてる。ちなみに余分な3枚……いるか?」
「私の標的はそこの男」
「取らねえのか? 死んでるだろ、あの男」
ターバンを巻いた男………蛇使いバーボンは既に息をしていなかった。
「取れないのよ。もういいの、私は今回も落ちる。また来年挑戦するわ」
「勿体ねえ」
「貴方もよ。残念ね、もうここから出られないわ」
その言葉に出口に近づいてみれば幾百の蛇が姿を現す。通路だけでなく、壁からもシュルシュルと降りてくる。
明らかに運べる量を超えている。この島に向かう船のなかに居なかっただろ、この数。
「①この洞窟の小部屋から出ようとする。
②
蛇はこのいずれかの条件を満たすと攻撃してくるようよ」
「死んだ後も………?」
「よく調教されてるわよね」
「この数、本気で全部調教済みと思ってんのか?」
元より群の生物なら数匹調教すれば済む。しかし基本群れない蛇をここまで従わせられるのは、普通ならあり得ない。そもそも本来蛇使いとは蛇の威嚇行動や警戒心を利用して居るのが殆ど。調教が不可能とは言わないが如何に達人と言えどこの数は普通なら現実的ではない。
「因みに俺は此処を出て合格するが、お前はどうする蜂使い」
「…………………どうやって? 抗体を持っていたとしても、この数よ?」
毒に対する耐性をつけたとて、その耐性を超える程の毒を流し込まれれば毒の効果が現れる。
「質問してるのは俺だ」
「……………そりゃ、合格できるならしたい、けど」
「んじゃお前、俺に従え」
「……………」
少女、ポンズは己の体を抱きしめるように後退る。発育のいい体は異性からそういった目でよく見られ、そういう目を向けてくる連中に威嚇として、実際に手を出してくる奴等には
ポンズがコツコツ靴で地面を叩く。その振動にポンズの帽子から蜂が出てきた。シビレヤリバチという蜂だ。
「いやらしい………」
「勘違いすんな。俺が欲しいのは弟子」
「弟子?」
「
「それ、後輩のハンターじゃ………」
「ああ…………まあ、裏ハンター試験は俺の場合もう突破してるみたいなもんだし、大丈夫だろ、多分」
「待って? 裏ハンター試験?」
なにそれ知らない、と困惑するポンズ。まあ知ってたら裏ハンター試験にならない。知ってる奴も居るにはいるが。
「因みに今回の受験生で裏試験を試験と同時合格するのは俺とヒソカと顔面ピアス。死んだが槍使いとバーボン」
「ゴズね」
「ゴズ………あの戦士の名か」
覚えとこ、と決めるクレオ。
「まあそういうわけで、俺ならお前を裏ハンター試験に突破させて…………あ〜、お前の才能次第?」
「…………………」
ポンズは考え込む。裏ハンター試験………口からの出任せの可能性もある。むしろ此処までやってまだプロと認められないなんて信じたくはない。
しかし嘘をつくメリットは? ここから出られるのが本当なら、交渉条件などそれだけでいいはず。
「……………わかった。貴方の弟子になる。ただし、それはハンター試験を合格したら」
「強かな女だ」
ここで助けるだけでなく、合格を手伝えときた。まあ、それぐらい言える奴というのは面白い。
「それで、どうやって出るの?」
「こうする」
「きゃっ!?」
と、ポンズの首を掴むクレオ。その声に反応してクレオへ襲いかかり毒針を突き刺す蜂の群れ。
「な、なに………を」
「数には数だ」
次の瞬間クレオの体から湧き出した陽炎のような靄が大量の蜂の姿を取り蛇の群れへ襲いかかる。蛇も応戦するも数の暴力に敗れ、やがて全ての蛇が息絶えるか痙攣するのみ。痙攣する蛇にも蜂が襲いかかり、完全に全ての蛇が息絶えた。
「な、何したの?」
「見りゃわかんだろ。俺も蜂使い」
「嘘……」
と、睨むポンズ。
「フェロモンをまるで出してなかった。この子達が反応してない」
「……………まあ、ハンター試験の後な」
そのままバーボンの死体からナンバープレートを取り出し死体は洞窟の外に放り捨てる。
「じゃ、ここを拠点に最終日まで休むか」
「そうね……」
そして最終日、足音が聞こえてきた。ポンズが警戒して蜂を出す。
「っ!」
入ってきたのはレオリオだ。洞窟内に2人いる光景に狼狽えるも直ぐにナイフを構えた。
「ポンズ! ナンバープレートを渡してもらおうか!」
「私がターゲットなんだ」
「ああ、そうだ!」
ポンズが指を立てる。蜂は飛び方で仲間に合図をする。ポンズの指はその代わりだろう。フェロモンでもつけているのかもしれない。
「貴方、昔刺されてたりする? そうなら死んじゃうかもだけど」
「っ!」
「おい」
後退りながらも逃げ出さないレオリオ。クレオは懐からナンバープレートを取り出す。
「欲しいならやるよ」
「!?」
「……そっちはただなの?」
「弟子は手に入れたからな」