シンザンの最終産駒   作:シンザンの信者

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頭の中で思っていることを言語化するのは難しいと思う毎日です
生産牧場からデビューまで飛ばしているから時系列がおかしいかもしれない
誤字や脱字があったら教えてくれると助かります


馬主から名前が送られた

現在は私が(この身体)になってから恐らく1年程経った頃であろう

 

 

普通の競走馬より少し遅いくらいの時期に、私は岐阜県にある深山育成牧場でのびのびと過ごしていた

 

 

ここでは私以外も競走馬となるべく沢山の馬達が集められ、日々訓練に励んでいる

 

 

私もちゃんと訓練をしないといけないと頭の中では分かっているのだが、プールや坂路、集団での訓練は平気なのだが元が人間でしかもこの身体になった原因が勢いよく走った事でもあるので、訓練では必要以上に力まずに、なおかつサボっているとは思われない程度ほんのり余力を残して訓練に臨んでいる

 

 

しかしこの事は周りには既にバレているようで、牧場のスタッフ達にはサボと影で呼ばれている

 

 

確かにそう言われても仕方ないくらいノルマ以上の訓練を私はしないが、ちゃんと言われた通りに他の馬とは喧嘩はしないし、背中に乗る人の事を振り落としたりしない、ボロ()は決まった所でするとあまり手間をかけされることはしていないはずなのだが‥‥

 

 

今日の訓練も終わり、馬房の中でこれから厩務員が餌を持ってきてくれるのを待ちながら、そんな事を思っていると、数人の厩務員が現れ、餌をそれぞれの馬房の前にある餌桶に餌を入れていく

 

 

そして私の餌桶に餌を入れる時に厩務員が小言で言う

 

 

「ちゃんとバランスを考えて餌の味が片寄らないように混ぜてるんだけど、そうするとサボは食べてくれないんだよなぁ‥‥一々バラバラにするのは大変なんだからな」

 

 

厩務員が今言った通り、私は餌が混ぜられるのが大嫌いなので牧場に来た初日に混ぜた餌を出された時に暴れまわってしまった

 

 

だって、この身体になってからの楽しみなんて寝るか食べるか運動する位しか楽しみがないのだから、混ざられた食事より1つ1つ素材を味わって食事を楽しみたいのだから

 

 

そう思いながら私は、分けられた餌をモシャモシャと1つずつ食べていくのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

また半年程経っただろうか?

 

 

今朝は何やらざわざわと妙な気配が馬房の周りに広がっている

 

 

いつも餌をくれる厩務員も何時もと違って雰囲気がピリピリしている

 

 

「今日でサボもお別れだな、笠松に行ったらちゃんと訓練頑張るんだぞ」

 

 

え?お別れ?もしかして私が?何で?

 

 

言葉を聞いて私がおろおろしているとぐるぐる歩き回っていると続けて言う

 

 

「馬主さんがそろそろサボを笠松の厩舎に入厩させたいそうなんだ

後、正式な馬名もその時に決めるらしい、何時までもホワイトナルビーの1988って呼び方じゃいけないらしいからな」

 

 

ビックリしたよ、皆からの悪評が広まって一瞬処分されちゃうんじゃ無いかと思ったじゃないか

 

 

後、わたしってまだ正式に名前が決まっていた訳ではなかったんだね

皆がサボというからサボが名前だと思っていたよ

 

 

そんな事を思っていると、牧場の出口の方角に背後に大きな馬運車が止まっているのが見えた

 

 

「迎えも来たみたいだな、さぁサボ‥‥そろそろ行こうか」

 

 

そう厩務員が言うと、私の口元の馬具に繋がっている紐を持って私を馬運車の方に連れていく

 

 

しかし笠松か‥‥確か兄のオグリキャップが初めに走っていた場所なんだったっけ?

私はそこ(笠松)で走ることになるのだろうか?

 

 

とりあえず怪我に注意して競走馬として頑張ろうか

 

 

こうして私は、育成牧場から笠松へと旅立ったのであった

 

 

 

 

 

 

 

馬運車が笠松に向かっている中、笠松競馬にある厩舎の1つである墨正夫厩舎にてサボの馬主である小久里光一と調教師である墨正夫が話し合っていた

 

 

「これから来るのはキャップの弟ですね、運良くシンザン(三冠馬)がナルビーに着けられてので素質は十分だと思いますよ」

 

 

「シンザンの名前も久しい限りです、85年のシンボリルドルフとミホシンザンの直接対決以来時代が変わったとシンザンの名前は以前程聞かなくなりましたからね」

 

 

85年の有馬記念、あの戦いによって長年日本競馬会の悲願であった『シンザンを越えろ』のスローガンをシンボリルドルフがG1を7勝したことによって戦績を完全に越えた事により、シンザンの名前は過去の物へとなっていた

 

 

そんな時であった、受精率の低下によりシンザンの種付けを今年度で最後とする、料金は捨て値で構わない、希望者を募る、と

 

 

そこで小久里は動いた、自身の所有する繁殖牝馬であるホワイトナルビーにシンザンを着けてみよう、と

捨て値の種付け料なら、受胎すれば上等であるし、受胎しなくてもその時は別の種牡馬を着ければ良いだけだからだ

何しろシンザンは自身が見た初めての三冠馬でもあったため憧れもあったからである

 

 

墨と小久里がこれから来るホワイトナルビーの1988について話ながら待つこと数時間、一台の馬運車が厩舎の前に停り、厩務員達が馬運車の扉を開け中からホワイトナルビーの1988を連れ出す

 

 

母親であるホワイトナルビーが葦毛であることから、墨と小久里は芦毛の馬だろうと思っていたが実際に見てみるとその身体が明るい茶褐色から暗い茶褐色の鹿毛の馬であった

 

 

体つきは骨格は出来ているが、全体的に筋肉がつききっておらず腰まわりが緩く見え一概にも素晴らしい競走馬だ、とは言えない見た目であった

 

 

「ナルビーから産まれた馬ですから芦毛だと思っていましたが鹿毛ですか‥‥どちらかと言うとこの馬はシンザン似‥‥何ですかね?」

 

 

墨は馬体を眺め言葉を選びながら、小久里に出来るだけいいイメージを持って貰おうと話す

 

 

「シンザン似か‥‥それなら、馬名は決まりましたよ、君は今日から『オグリシンザン』だ

立派な競走馬になってくれることを期待しているよ」

 

こうして、オーナーである小久里光一から馬名を贈られ、ホワイトナルビーの1988は新たにオグリシンザンとして、笠松競馬場から競走馬としてデビューするのであった

 

 

因みに後日、行われたダート800mの能力試験でオグリシンザンは51秒2のタイムをマークした




ホワイトナルビーの産駒は、全頭現実だと小栗光一さん(この中では小久里光一さん)が所持してたらしいのでオグリシンザンも笠松競馬からのスタートになります
といってもこの時期の笠松競馬ってどんなレースでどういう感じの着順だったかが一着の馬とかは調べれば出てくるんですけど他の馬はどんな感じだったかが全く分からないので、笠松競馬の時系列はダイジェストになるかキングクリムゾン?のどちらかになると思います
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