主人公が特別な力を持ってるやつ 作:匿名人
次の日の朝。
僕は激しい睡魔と戦っていた。
理由は言うまでもない、 昨日ナギさんの愚痴に夜遅くまで付き合わされたせいだ。
頭がぼーっとして、まぶたが今にもくっつきそうになる。
教室の机で、僕が激しく船を漕いでいた、その時だった。
「おいっ!起きろ!」
耳元で、爆弾が弾けたような大声がした。
「わぁ!?」
僕は勢いよく飛び起きた。
その拍子に、机の上の筆箱を腕で弾き飛ばしてしまう。
ガシャン、と派手な音が教室に響き渡った。
「起きたか?」
声の主は、ニカッと白い歯を見せて笑っていた。
「もう授業が始まるぞ!」
そう言われたのに、僕のまぶたはまた閉じていく。 ……すやー。
「っておい! 寝るな、寝るな!」
男の子が僕の肩をガシガシと揺さぶった。
その横から、体が大きくて優しそうな男の子が声をかけてくれた。
「大丈夫か? こいつはハルって名前で、俺はコウタっていうんだ。よろしくな。」
コウタくんはそう言って、床に落ちた僕の筆箱を拾ってくれた。
「起こしてくれてありがとね。僕はソウスケ、よろしく。」
「ちょっとソウスケ君!」
聞き覚えのある声がして、僕は我に返った。
ん? と思う間もなかった。
「まったく、私の友だちなのに気合いが足りてないんだから!」
バシン! と、背中にものすごい衝撃が走った。
「うわぁ~!」
僕は衝撃のあまり、椅子から派手に転げ落ちてしまった。
床にひっくり返った僕の前に、大きな手が差し出される。
「大丈夫か? 手を貸すぞ。」
コウタくんが心配そうに覗き込んでいた。
「ありがとう、コウタ君……ちょっと、ナギさんいたいよ!」
僕はコウタくんの手を借りて起き上がりながら、ナギさんに抗議した。
ナギさんはてへ、と可愛らしく頭をかきながら言った。
「あれっ? ごめんごめん。力をうまく調節できなかったわ。」
ナギさんがてへ、と笑った瞬間。
横からハルくんが、意地悪そうにニヤニヤしながら首を突っ込んできた。
「おいおいナギ! お前、学校では『お淑やかな美少女』で通してんじゃなかったのかよ?」
「なっ……! うるさいわね、ハル!」
ナギさんが顔を真っ赤にしてハルくんをにらみつける。
「ソウスケ、気にするな。こいつら、家が近所の幼なじみなんだ。ナギの怪力は、昔からだからさ。」
コウタくんが、あきれたように僕の耳元で教えてくれた。
「でもよ〜、実際ナギの力はバカになんねーぜ。もしかしたら、土の神様を越してるかもな!」
ハルくんがおどけたように言った。
「土の神様は言い過ぎじゃないか? せいぜい水の神様が怒った時くらいだろ」
コウタくんが真面目な顔で言う。
「コウタ君……それ、土の神様とトントンじゃないかな」
僕は苦笑いを浮かべた。
水の神様が怒ったら、大嵐か大津波だ。
どっちにしても、人間が勝てる相手じゃない。
「ちょっと、あんたたち〜! いい加減にしなさいよっ!」
ごつんっ!
「いった〜い!」
激しい音が響いた。
なんと、3人の頭にナギさんの拳が同時に落ちたのだ。
話していただけの僕まで、完全にとばっちりだった。
薄れゆく意識の中で、ナギさんの
「土の神様?水の神様?ふざけんじゃないわよ!」
という声が、耳のなかに響いていた。
教室ということを忘れて、騒がせてしまったので、次を考えるのが大変です。
それに、結局3人が、授業前にダウンしてしまった…
誤字、脱字報告ありがとうございます!