くのいち彼女がストーカーしてくる   作:最強の新聞配達人

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くのいち彼女が屋根上から付け回してくる

学校から帰宅する下校道で俺は見てしまった。

路地裏で忍者のコスプレをした男に襲われている可愛い女の子を……

「情報を吐け伊賀者!」

女の子は困った表情で固まっている。

本当はあんまり関わりたくないけど…なんか変な事言われてあの女の子困ってるし助けてあげるか。

 

「あの…その女の子を放してあげてください」

 

「なんだ?小僧……貴様この女の仲間か?」

どうやら彼は忍者の役になりきっているらしい……俺もこの男に合わせた方がいいのかな?

 

「…そうだが……お前の目的はなんだ?」

 

「伊賀秘伝の巻物…」

巻物?巻物だったら骨董屋に売ってるんじゃないの?……多分だけど…

 

「ここより東に行ったところの骨董屋に置いてある」

 

「……嘘じゃあるまいな…」

 

「嘘だと思うなら見てくるがいい……」

 

「いいだろう…もし嘘だった場合……貴様の命、貰い受ける!」

そう言うと男はオリンピック選手並のスピードで骨董屋に向かって走っていった。

 

「大丈夫?変な事されなかった?」

俺がそう女の子に話しかけると女の子はモジモジしながら顔を赤くしてじっ…とこちらを見つめてくる。

とりあえずこの場にずっといるわけにもいかないので俺はこの場から立ち去る事にした。

 

「俺は、もう帰るから気をつけてね」

そう言い残して俺は女の子のいる路地裏を出た。

にしてもあの女の子、小柄で白い綺麗な肌してて可愛かったな~顔も俺好みだったし…やっぱりもう少し話して帰り道の途中まで送って行けばよかった……

そんな事を思いながら歩いていると後ろから視線を感じる事に気が付いた。

視線が気になって後ろを振り返ると……さっきの女の子が電柱の影からこちらを見ていたのだ。

 

さっきの女の子だ

帰り道が一緒なのかな?でもなんか電柱の影からずっとこっち見てるし……あっ!そうか!さっき助けたからありがとうを言いにわざわざ来てくれたんだ!顔もなんだか赤いし走って来たんだねきっと!……とりあえずこちらが話かけるまでずっと電柱の影に隠れてそうだから俺から話かけに行くか

 

「あの………!?」

なんということだ……俺が『あの…』と話かけた瞬間、あの女の子はどこかに消えてしまったのだ……

電柱の影からなにかが飛び出す動きは見えたのだが…早すぎてよく見えなかった……俺は消えた女の子を探して辺りを探索していると……近くの家の屋根上からこちらを見つめる女の子らしき姿を見つけてしまった…

……とりあえず俺は見なかった事にして家に帰ることにした。

 

気にしたら負けだ……女の子が屋根の上を移動しながら俺の後を付けてくるなんてよくある事じゃないか!……だから気にするな…気にするなよ……俺…

俺は斜め上を見たい衝動を抑えながらなんとか帰宅する事に成功した。

 

今日は変わった1日だった……忍者みたいな男から女の子を助けたら忍者みたいな女の子に付け回されるなんて…明日は普通の1日が来ますように!

 

翌日。俺は朝日を浴びるためカーテンを開ける…日差しが心地良い……そしていつもと変わらない外の風景…犬の散歩をするおばさん、ジョギングをするおじいさん、登校する学生達と近所の家の屋根上からこちらを見ているくのいちのコスプレをした女の子……そんな当たり前な風景から当たり前な1日が始まる。

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