くのいち彼女がストーカーしてくる   作:最強の新聞配達人

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くのいち彼女とプールで泳ぐ

水泳の授業中、俺は友人と組んでストレッチをしていた。

ちなみに戌井さんはおとなしめな子と組んでストレッチをしながらこちらを見ている。

…戌井さん……ストレッチに集中しなよ……プールのなかで足をつったら危ないよ…

「なぁ……春風」

俺が心の中で戌井さんに注意をしていると友人が話しかけてきた。

「戌井さんの方ばっかり見てないでストレッチに集中しろよ……プールのなかで足をつったら危ないぞ」

「………そうだね…」

俺は戌井さんから視線を外してストレッチに集中することにした。

 

「よし、全員ストレッチは終わったな!全員集合!!」

体育教師の号令により、クラス全員が集まる。

「今日は好きな形を自由に泳いでいいぞ!」

好きな形を泳いでもいいのか……どの形を泳ごう…

「並んだ順に泳いでいけ」

俺は列に並びながらどの形を泳ごうか悩んでいた。

……どうしよう…平泳ぎもいいけど、背泳ぎもいいよね…うーん……

ふと、戌井さんを見ると顔を赤くしながらこちらを見ていた。

戌井さんが俺のこと見てるし…いいところ見せたいな……よし、一番得意なクロールにしよう!

 

泳ぐ形が決まったところでちょうど俺の泳ぐ番がきた。

俺はプールの中に入り体育教師が吹く笛の合図を待つ。

プールの水が冷たくて気持ちいい!泳いだらもっと気持ちいいんだろうな~…

俺の前で泳いでる男子生徒がプールの中間地点を過ぎたところで、体育教師がピーッ!と笛で合図をした。

俺はプールの壁をおもいっきり蹴り、勢いをつけてクロールを泳ぐ。

バシャバシャと水を蹴りながら腕を回して水をかく……そして、息つぎの瞬間に戌井さんを見る。

戌井さんは、キラキラとした顔で俺を見ていた。

どう?戌井さん、俺のクロール綺麗でしょ!小学生の時に先生に「クロールのフォームが綺麗だね」って褒められたこともあるんだから!

 

俺は25m泳ぎきった後、プールの中から出て再び列に向かって歩く。

ふと、プールの中を見ると戌井さんが背泳ぎを泳いでいた。

戌井さん背泳ぎうまいな!フォームも綺麗だし、すごく速い!

……だが、戌井さんはプールの中間地点までくると急にバタバタしてそのまま水の中に沈んでしまった…

…様子がおかしい……戌井さんが水の中に沈んだまま浮かんでこない………まさか!溺れたんじゃ!!

 

俺は戌井さんを助けるためにプールに飛び込み戌井さんの沈んだ場所に向かった。

……水の中には目を閉じたまま微動だにしない戌井さんが沈んでいた…

そんな!戌井さんが溺れてる!!

俺は戌井さんを抱きかかえてプールサイドに向かって泳ぐ。

「戌井さん!しっかりして!!」

俺は戌井さんに呼びかけるが戌井さんはまったく反応しない……

…このまま戌井さんが目を開けなかったらどうしよう……目を開けてくれたら戌井さんが望むことなんでもしてあげるから……だから…お願いだから……

「戌井さん目を開けてよ!!」

…だが、どんなに願っても戌井さんは瞼を開けてはくれなかった……

 

プールサイドに泳ぎ着いた俺は戌井さんを地面に寝かせる。

こういう時はどうすれば……そうだ!人工呼吸!

俺は戌井さんの気道を確保して人工呼吸をするために戌井さんの顔に俺の顔を近づける。

…そして、唇と唇が重なりあう…………寸前で俺はある事に気付いた。

…戌井さんの鼻息が荒い……しかもよく見ると顔が真っ赤だ……

 

…戌井さん……絶対に意識あるでしょ…

俺は戌井さんの顔から自分の顔を離す。

すると、体育教師が鬼のような顔をしてこちらに走って来た。

「人工呼吸を恥ずかしがっている場合か!!戌井の命が懸かってるんだぞ!もういい!どけ!!俺がやる!!」

そう怒鳴ると体育教師は俺を押しのけ、戌井さんに人工呼吸をするために戌井さんの顔に暑苦しい体育教師の顔を近づけた。

ヤバイ!戌井さんの唇が危ない!このままじゃ…暑苦しい体育教師に戌井さんの唇が奪われてしまう………そんなの…そんなのダメだ!

俺が体育教師を止めようとした瞬間、戌井さんがサッと起き上がり体育教師に一言。

「…………大丈夫です」

体育教師はしばらく固まっていたがすぐに正気を取り戻した。

「そ、そうか……一応保健室に行ってこい…鹿野!戌井を保健室に連れていってやれ!」

「……はい」

俺は戌井さんと二人で出口に向かってプールサイドを歩く。

戌井さん!俺とキスをするためなのかは知らないけど、ああいうことはもう絶対に止めてね!!

…俺……本気で戌井さんのことを心配したんだからね……

 

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