くのいち彼女がストーカーしてくる   作:最強の新聞配達人

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くのいち彼女と映画館に寄り道

放課後、クラスメートが帰り静寂な空気に包まれる中、俺は自分の席でどこかに寄り道しようか考えていた。

ちなみに戌井さんは掃除用具ロッカーに身を潜めて隙間からこちらを見ている……戌井さん…今は教室で二人きりだし別に隠れる必要はないと思うよ……

 

俺はスマホに視線を戻して再びどこに寄り道しようか考える。

……そういえば…今日、俺の見たいアクション映画が上映される日だ…すっかり忘れてた!よし、見に行こう!

というわけで俺は映画館に向かうことにした。

 

映画館に着いた俺はさっそく映画のチケットを購入する。

「忍~異世界闘戦録~のチケットを学生1枚」

「お席の方はどうされますか?」

席か…一番前でも一番後ろでも迫力は変わらないと思うけど……一番前はなんとなく首が疲れそうな気がする……というわけで。

「一番後ろの端っこの席でお願いします」

「かしこまりました。」

俺が一番後ろで、しかも端っこの席を選んだのには理由がある。

……そう、戌井さんだ…

一番後ろに座れば後ろから見られる心配はない…さらに端っこに座れば俺の隣に座らない限り俺の姿は見えづらいだろう……せっかく楽しみにしていた映画が見れるんだ……戌井さんの視線を気にせずじっくりと映画を楽しみたい…

 

俺はチケットを購入したあと、メロンソーダとポップコーンも購入した。

やっぱり映画っていったらジュースとポップコーンでしょ!

ふと、戌井さんを見ると戌井さんも映画のチケットを購入していた。

戌井さん、どこの席を選んだんだろう?一番後ろの端っこは俺が買ったし……まさか…隣じゃないよね?

俺はメロンソーダを飲みながら劇場内に歩みを進めた。

 

劇場内には俺以外の人は誰もいない……

俺は自分の席に座って誰もいない映画館の雰囲気を楽しむ。

……誰もいない映画館…薄暗い空間にゆっくりとしたクラシックな曲が流れている…

映画館のこういう雰囲気好きだなぁ……ピアノによるゆっくりとしたクラシックな曲に薄暗い明かり、そして天井にぶら下がっている戌井さん…………戌井さん!?

 

戌井さんは、俺の頭上でコウモリのように逆さまでぶら下がっている。

……いや、気にしちゃダメだ!今日は戌井さんの視線を気にせず映画を楽しむって決めたんだ!

そう思っていると辺りがだんだん暗くなり上映が始まった。

 

やっぱり期待通りおもしろい映画だ!

……まぁ、よく俺のおもしろいって言う映画はB級映画って言われてる作品ばっかりだけどね…

…それより……喉が渇いた……飲み物…あれ?俺のメロンソーダがない……

「けほっ!けほっ!」

俺の頭上から戌井さんがむせた咳をしている。

……そりゃ、逆さまの状態で飲み物飲んだらむせるよ…

…ん?そういえばさっきまで戌井さん手ぶらだったのにいつの間に飲み物買ったんだろう?……まぁ、いっか…

俺は再び映画のスクリーンに視線を戻した。

 

 

映画が終わり暗かった空間に明かりが灯される。

……最悪だ…映画に集中できなかった……だって戌井さんったら俺の頭上でジュース飲みながら恍惚な顔をして見てくるんだもん…ある意味ホラーだよ…

ふと、戌井さんを見ると戌井さんは満足げな顔をしている。

……自分ばっかり楽しんで…許せない!復讐してやる!

俺は、自分の席を立ち劇場内の出口に向かった。

劇場内の出口前まで行くと俺は、後ろをバッと振り返りあたふたしている戌井さんに……

「あれ?戌井さんも映画見にきてたの?」

「えっ!?……うん…映画見にきてた…」

「おもしろかったよねー!」

「う、うん……」

「もう、外も暗いし帰り道途中まで一緒に帰ろうよ!」

「!?……い、いいけど…」

戌井さんは顔を赤くしながら一緒に帰る事を承諾した。

 

帰り道……星の綺麗な夜空の下を顔の赤い戌井さんと肩を並べて歩く…

これが、俺からの些細な復讐だ。

 

 

 

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