アンダー・ワールド・レコード 作:そこら辺のスタンド使い
五条悟に鞄を破壊された。
正確には、夜蛾正道の呪骸に破壊されたのだが、その場をセッティングしたのが五条悟なので、俺の中では五条悟に破壊されたことになっている。
面接から数日後、俺は新しい鞄を肩にかけて、再び東京高専へ向かっていた。前のものより少しだけ高い。少しだけ、というところに俺の人間としての慎ましさが表れている。なお、請求先は五条悟である。
「これ、本当に五条先生に請求していいんですよね」
高専の門の前で待っていた黒スーツの男性に尋ねると、彼は眼鏡の奥で困ったように瞬きをした。
「ええ、五条さんからそのように伺っています。領収書もお預かりします」
「経費で落ちるんですか」
「落ちません」
「落ちないんだ」
「五条さんの私費です」
「じゃあ、もっと高いやつにすればよかった」
「それはそれで私が困ります」
眼鏡の男性――伊地知潔高さんは、丁寧に頭を下げた。五条悟とは違う種類の大人だった。常識がありそうで、胃薬が似合いそうで、そして呪術界において常識がある人間ほど苦労するのだろうな、という雰囲気を全身から出している。
「本日は術式検査と基礎講習、それから補助監督業務の概要説明になります」
「普通の学校見学より項目が重いですね」
「普通の学校ではありませんので……」
正論だった。
最近、俺の周囲は正論で人を殴る大人が多い。いや、呪骸で物理的に殴ってくる大人よりはましかもしれない。
伊地知さんに案内され、高専の敷地へ入る。数日前と同じく、足の裏からじわりと記録が上がってくる。高専の地面は相変わらずうるさい。訓練の足跡。誰かが転んだ痛み。木刀が床を打った音。笑い声。怒鳴り声。古い呪力の残り香。
俺は無意識に歩幅を小さくした。
『記録ノ密度、高』
アンダー・ワールドが頭の奥で告げる。
「知ってる。今日は浅く。必要な時以外は読まない」
『了解シタ』
数日前の面接で、俺は夜蛾さんに合格をもらった。
正式な入学は春。それまでは週に何度か高専へ通い、術式制御と基礎体術、呪力の扱い、そして補助監督寄りの座学を受ける。
肉壁として最前線に放り込まれる未来は、ひとまず遠ざかった。
ただし、手放しで安心できるほど俺は楽観的ではない。
補助監督だって現場には行く。帳を張る。避難誘導をする。術師を運ぶ。判断を間違えれば普通に死ぬ。まして、俺はこれから原作の時間が動き出すことを知っている。激流が始まったら、前線も後方も、綺麗に分かれてくれる保証なんてどこにもない。
つまり、比較的ましな地獄に案内されただけである。
「まずは家入さんのところへ向かいます」
「医務室ですか」
「はい。術式使用時の負荷を確認したいとのことです」
家入硝子。
その名前に、俺は心の中で姿勢を正した。
高専関係者。反転術式の使い手。五条悟や夏油傑と同級生だった人。原作知識としてはもちろん知っている。だが、知っている顔を知っている反応で見てはいけない。五条の時に学んだ。俺の異常な怯え方や反応は、六眼持ちには普通に拾われる。
家入さんは六眼ではない。
だが、医者だ。
人間の異常を見つける側の人間である。
医務室に入ると、白衣の女性が椅子に座っていた。気だるげで、眠そうで、それでいて目だけは妙に冷静だった。机の上には書類と灰皿。医務室という清潔な空間の中で、本人だけが少し夜更かしの匂いをまとっている。
「君が記録に引っ張られる子?」
第一声がそれだった。
「言い方」
「事実確認」
「周囲が事実で殴ってくる」
家入さんは小さく笑ったような、笑っていないような顔をした。
「家入硝子。ここでは一応、医者みたいなことをしてる」
「三原透です。一応、患者みたいなことになりに来ました」
「自覚があるのはいいことだね」
いいことなのか。
俺は言われるまま椅子に座り、簡単な問診を受けた。術式を使った時の感覚。記録に飲まれた時の症状。戻ったあとの頭痛や吐き気。睡眠への影響。記憶の混濁の有無。
家入さんは、俺の返答を聞きながら淡々とメモを取る。
「肉体は現在にあるのに、脳が過去の感覚を同時に処理してるわけか」
「たぶん、そうです」
「使い方を間違えると、自傷に近いね」
さらっと怖いことを言われた。
「怖いことを淡々と言わないでください」
「怖いことだから淡々と言ってる。大げさに言うと、君が聞かないでしょ」
否定できなかった。
「強い記録に引っ張られた時、自分の記憶と読んだ記録の区別が曖昧になったことは?」
「今のところ、戻ってからは大丈夫です。戻るまでは、たまに自分が誰なのか怪しくなりますけど」
「それが悪化すると危ない。読んだ他人の痛みや恐怖を、自分のものとして脳が保存する可能性がある」
「最悪すぎる」
「最悪だから訓練する。五条も夜蛾さんも、そこは分かってる」
家入さんはペンを置き、俺を見た。
「医者として言うけど、限界を試すな。『どこまで読めるか』より、『どこでやめるか』を先に覚えた方がいい」
その言葉は、今日の授業の前振りみたいだった。
医務室を出ると、伊地知さんが待っていた。次は術式検査らしい。案内された部屋には、五条先生と夜蛾さんがいた。夜蛾さんの姿を見た瞬間、俺の肩が少し強張る。
「また呪骸ですか」
「今日は違う」
夜蛾さんが言う。
よかった。
「必要なら使うが」
よくなかった。
五条先生は机にもたれ、いつもの軽い調子で手を振った。
「やあ。新品の鞄、似合ってるね」
「ありがとうございます。請求しました」
「高かった?」
「人として許される範囲には収めました」
「優しい」
「俺は常識人なので」
「呪術界では貴重だね」
嫌な納得のされ方だった。
机の上には、いくつかの物が並んでいた。新品の鉛筆、古い硬貨、菓子の包み、小さなコンクリート片、木の板。検査用の道具らしい。
「今日は君の術式の取り扱い説明書を作る」
五条先生が言った。
「家電ですか」
「便利だけど使い方を間違えると危ないところは似てるよね」
「自分で言うのもなんですけど、嫌な家電ですね」
まず、新品の鉛筆に触れた。
ほとんど何も読めない。工場、包装、店頭、購入。その程度の薄い記録が、乾いた紙みたいに指先をかすめるだけだった。
次に古い硬貨。
これは少し濃かった。誰かの財布。自動販売機。子供の手。賽銭箱の暗がり。知らない人間の指先が何度も重なり、雑音のように流れ込んでくる。
「浅くでいい」
夜蛾さんの声で、俺は手を離した。
次に、五条先生が持っていた菓子の包み。
これが妙だった。
店の棚、レジ、包装を開ける音、甘い匂い。だが、五条先生本人の接触だけがやはり薄い。物はそこにあるのに、世界との間に一枚透明な膜を挟んでいるみたいだった。
『接触記録、極薄』
アンダー・ワールドが言う。
「やっぱり読みにくいです。この人だけ接触の仕方がおかしい」
「この人呼ばわり」
五条先生は楽しそうだった。
術式名は言わない。
無下限という単語は、喉の奥で鍵をかけておく。
続いて、低級呪霊が通った現場から持ってきたというコンクリート片。
触れた瞬間、空気が変わった。
湿った臭い。低い唸り。何かが地面を這った跡。人間の恐怖とは違う、ねばついた呪力の残滓が指先に絡む。
「三秒」
夜蛾さんが言う。
「はい」
俺は三秒で手を離した。
胸が少し悪い。だが、飲まれてはいない。
最後に、高専の古い訓練場の床板。
これは触る前から嫌だった。絶対に濃い。嫌な予感しかしない。だが検査なので逃げられない。
「浅く。表層だけ」
俺は自分に言い聞かせ、床板に触れた。
一瞬で、無数の足音が開く。
走る。踏み込む。転ぶ。立つ。殴られる。笑う。怒鳴る。悔しがる。泣きそうになる。誰かの失敗、誰かの成長、誰かの痛み。
奥に行くな。
これは俺の記憶じゃない。
「三原透、十五歳。ここは東京高専。これは俺の体」
唱えながら、手を離した。
額に汗が浮いていた。
家入さんに言われた通りだ。どこまで読めるかではない。どこでやめるか。俺に必要なのは、力を伸ばす前に、力を止める技術だった。
検査結果を、伊地知さんが書類にまとめていく。俺は横で説明を受けた。
「三原さんの術式は、残っている記録を読むものです。存在しない過去は読めませんし、作れません。記録が新しいほど読みやすいとは限らず、強い感情や呪力の残穢があれば古いものでも濃く残ります」
「はい」
「逆に、接触が薄い対象、記録が破壊されている対象、あるいは複数の記録が混線している対象は読みづらい」
「はい」
「そして重要なのは、読んだ内容を断定しすぎないことです」
伊地知さんは眼鏡を直した。
「見えたものを、そのまま事実として報告しないでください。記録の時刻、場所、対象、確度、術式使用時間、身体への負荷。可能な限り分けて記載します」
「鑑識みたいですね」
「近い部分はあります」
「霊媒師じゃなかったんだ、俺」
「霊媒師扱いされたいんですか」
「嫌です」
「では報告書を書けるようになりましょう」
補助監督寄りの道は、思ったより事務的だった。
だが、それが逆にありがたかった。見えた、怖い、嫌な感じがする。そんな曖昧なままでは、現場で誰かを動かせない。俺の術式が情報収集に向いているなら、その情報を他人に渡せる形にしなければ意味がない。
つまり、俺はこれから呪力と体術に加えて、報告書の書き方も学ぶらしい。
呪術師、思ったより会社員スキルがいる。
昼を挟んで、午後は訓練場へ向かった。
嫌な予感がする場所だった。なぜなら、床がとてもうるさい。朝触れた床板ほどではないが、それでも訓練の記録が地面の下に幾重にも重なっている。
五条先生は、訓練場の端で誰かに手を振った。
「恵ー」
その名前を聞いた瞬間、俺は心臓を手で押さえたくなった。
来た。
ついに来た。
黒髪の少年が、面倒くさそうな顔でこちらへ歩いてくる。制服姿。無愛想。真面目そうな目。年齢は俺と同じくらい。
伏黒恵。
十種影法術。
原作主人公より先に物語の入口へ立っている、もう一人の一年生。
いや、落ち着け。
名前を知っている反応をするな。術式を知っている反応をするな。俺は今日初めて会った。初対面。初対面である。自分に言い聞かせる。
伏黒は五条先生を見て、少し眉をひそめた。
「急に呼び出すのやめてください」
「紹介したい子がいてさ」
「また面倒ごとですか」
「ひどいなあ。半分くらい正解だけど」
「半分もあるんですか」
会話の温度が、すでに何度も振り回されてきた人間のそれだった。
五条先生は俺を指した。
「春から同級生になる予定の三原透くん。術式は記録読み。戦闘より調査向きだね」
雑な紹介。
俺はなるべく普通に頭を下げた。
「三原透です。よろしく」
伏黒はこちらを見る。警戒はあるが、敵意はない。
「伏黒恵」
「よろしく」
「……よろしく」
短い。
だが、失礼ではない。必要なことだけを言うタイプだ。俺の知っている伏黒恵の印象から、大きく外れていない。
五条先生が手を叩く。
「じゃ、軽く訓練しようか」
「聞いてません」
俺と伏黒の声が重なった。
五条先生は気にしない。
「大丈夫大丈夫。戦わないから。伏黒が訓練場を移動する。三原は地面の記録からそのルートを追う。それだけ」
「それだけ、で済むんですか」
「済ませるのが訓練」
言い方が信用ならない。
伏黒は少し考えてから、「分かりました」とだけ言った。こういうところが真面目だ。俺ならあと三回くらい文句を言っている。
訓練は単純だった。
伏黒が訓練場の中を歩く。走る。曲がる。止まる。俺は少し時間を置いてから、地面に残った記録を読む。
足跡を追うだけなら、なんとかなる。
伏黒の動きは静かだった。無駄が少ない。俺が歩くと地面に「俺が通りました」と生活感のある記録が残るのに、伏黒の足跡は細く、濃く、余計なものが少ない。
だが、三度目の追跡で、違うものが混じった。
足跡ではない。
地面に、薄く影が触れたような記録が残っている。
物理的な足の接触ではない。けれど、術式の痕跡として、たしかに地面に引っかかっていた。黒く、深く、静かな水面みたいな記録。
『足跡デハナイ接触記録ガアル』
アンダー・ワールドが言う。
『影ガ、地面ニ触レテイル』
そこで、声がわずかに遅れた。
『……否。触レテイルノデハナイ。沈ンデイル』
指先から冷たいものが上がってくる。
影の底を覗き込んだ気がした。
けれど、底がない。
黒い水面の向こうから、こちらを見返す何かがいるような感覚だけがあった。獣の気配にも似ている。穴にも似ている。何かが潜み、何かが繋がり、何かがこちら側へ出てくるための、静かな深淵。
『深度、不明。接続先、不明。読取継続ハ危険』
俺は即座に手を離した。
「そこは読むな」
自分でも少し強い声が出た。
伏黒がこちらを見た。
「今、何を読んだ」
俺は息を整える。
「足跡だけのつもりだった。でも、術式っぽい痕跡が混じった。すみません。そこは切ります」
伏黒の眉がわずかに動く。
「切れるのか」
「練習中。でも、切らなきゃまずいと思った」
沈黙。
俺の術式は便利だ。
だが、便利であることと、気持ち悪くないことは別だ。土地や物に残った記録を読めるということは、人の行動も、失敗も、隠したいものも、術式の癖も、場合によっては勝手に拾ってしまうということだ。
自分がされたら嫌だ。
だから、読まない線引きは必要だった。
五条先生が横から軽く言う。
「そうそう。三原の術式は便利だけど、プライバシー事故を起こしやすいからね」
「言い方」
「事実でしょ」
「最近みんな事実で殴ってくる」
伏黒は俺をしばらく見ていたが、やがて短く言った。
「次から気をつけろ」
「はい」
怒っている、というより確認している声だった。
訓練は続いた。
俺は伏黒の足跡だけを追う。影の記録には触れない。触れそうになったら切る。これが思ったより難しい。読めるものを読まないというのは、目の前に開いた本を、文字を見ずに閉じるようなものだった。
しかも、その本は勝手にページをめくってくる。
地面に手をついた瞬間、訓練場に残る別の記録が混じった。
誰かが転ぶ。
誰かが叫ぶ。
間に合わない。
腕を伸ばしても届かない。
地面に手を打ちつけた痛みが、俺の手首に重なる。
違う。
これは伏黒の足跡じゃない。
訓練場に残った、過去の誰かの失敗だ。
「三原透、十五歳。ここは東京高専。これは俺の体」
唱える。
だが、戻りが鈍い。
視界の端で、知らない誰かが倒れている。助けなければ。間に合わない。立て。立てない。痛い。悔しい。
俺の呼吸が乱れた。
『混線』
アンダー・ワールドの声が遠い。
『読取対象ヲ失ッテイル』
分かってる。
分かっているが、地面から手が離れない。
「おい」
低い声がした。
次の瞬間、腕を掴まれた。強い力で引かれ、俺の手が地面から離れる。
視界が戻った。
目の前に伏黒がいた。無愛想な顔のまま、俺の腕を掴んでいる。足元の影が、一瞬だけ揺れたように見えた。
「地面を見るな。俺を見ろ」
「……命令が強い」
「戻れるなら文句言うな」
正論だった。
俺は数秒かけて呼吸を整えた。
三原透、十五歳。
ここは東京高専。
これは俺の体。
今、俺の腕を掴んでいるのは伏黒恵。
原作の登場人物ではなく、目の前にいる同年代の少年。
「……戻った。ありがとう」
「ならいい」
伏黒は手を離した。
必要なことだけして、必要以上に踏み込まない。その距離感がありがたかった。
五条先生が近づいてくる。
「今日はここまでかな」
「俺としては開始前からここまででよかったです」
「それは訓練にならないでしょ」
「健康にはいいです」
「健康になりに来たわけじゃないからねえ」
健康になりに来たかった。
切実に。
訓練後、伊地知さんが今日のまとめをしてくれた。内容は、思ったより多かった。
読む範囲を絞ること。
他人の術式痕跡や私的な記録を勝手に読まないこと。
読んだ内容は報告書に落とすこと。
再演に巻き込まれた時、周囲に分かる合図を決めること。
現場では単独行動をしないこと。
そして何より、読まない訓練をすること。
俺の術式は、「読める」ことより「読まない」ことの方が難しい。
それを今日、嫌というほど理解した。
俺は伊地知さんに言われたことを思い出しながら、頭の中で今日の記録を分けた。
伏黒の足跡。これは訓練対象。
訓練場に残った過去の負傷記録。これは混線。
伏黒の影に沈んでいた底のない何か。これは、確度不明のノイズ。報告からは除外。少なくとも、本人の許可なく掘るものではない。
読まないための線引きは、書類の書き方から始まっていた。
帰り際、訓練場の外で伏黒と並ぶ形になった。五条先生は少し離れたところで伊地知さんに何か言っている。伊地知さんの背中がすでに疲れて見える。頑張ってほしい。
俺は伏黒に向き直った。
「さっきは悪かった。術式の痕跡まで読むつもりはなかった」
「別に。止めたならいい」
「怒ってない?」
「気分はよくない」
「正直」
「でも、勝手に深く読もうとしたわけじゃないんだろ」
「うん」
「なら次から気をつけろ」
それだけだった。
許すとも、許さないとも言わない。ただ、次の行動を見る。そういう線引きだった。
「ありがとう。腕掴んでくれたのも助かった」
「地面に手ぇついたまま固まってたら、誰でも止める」
「そうかな」
「そうだろ」
伏黒は短く言った。
俺は少し笑いそうになって、やめた。
無愛想だ。
でも、助ける判断が早い。
この世界で生き残る人間の反応だった。
遠くから五条先生が声を飛ばした。
「青春だねえ」
俺と伏黒は、ほぼ同時にそちらを見た。
そして、ほぼ同時に無視した。
高専の門を出る前に、俺は一度だけ振り返った。
今日、俺は初めて原作キャラと「登場人物」としてではなく、「同級生予定」として会話した。
伏黒恵。
知っている名前。
知っている術式。
知っている未来。
けれど、今ここにいる彼は、まだ何も知らない一人の少年だった。
『彼ノ影ニハ、古イ記録ガ沈ンデイル』
アンダー・ワールドが言った。
俺は即答した。
「読むな」
『了解シタ』
「俺は、知ってるからって、何でも読んでいいわけじゃない」
知っていることと、覗いていいことは違う。
俺がこの学校で最初に学んだのは、記録の読み方ではなく、読まないための線引きだった。