そんな世界にTS転生した主人公は魔法少女となり、怪人を倒すべく、街を、山を、野を駆ける。
ちなみに、主人公は支援局の存在を知らない。
俺は一般通過TS転生魔法少女である。
今日も今日とてパトロール。
目にも止まらぬ速さで街を駆ける。
怪人の反応がないか走り回って確認し、
反応があればその足で突撃。
超加速キックで撃破。
即離脱。
敵の攻撃を受けずに最速で倒せる最も効率的で合理的なちょーかしこい撃破(走)法である。
決して、加速以外の魔法が使えないとか、まともに攻撃を食らうと即死する紙耐久だとか、他の子にフリフリの魔法少女衣装を着ているところを見られたくないとかではない。
……おっと、怪人の反応だ。
俺は一般通過TS転生魔法少女である。
怪人は疾く絶えるべし。 慈悲は無い。
───────
それは平日の放課後、無邪気に幼子たちが駆け回る平和な公園に、突如として現れた。
公園の公衆トイレの陰から黒々とした泡のような塊が溢れ出し、あっという間に自動車程の大きさになると黒い泡は弾けその正体を現した。
「ガGァががぁあアア!!!!!」
サッカーボールの頭とバットでできた身体を持つ怪人は産声のように奇声を周囲に響かせ、周囲の人間を襲い始めた。
「うわあああ怪人だあああ!!!」
「きゃ〜!!!」
「どっから声出てんだよアレ!!」
「怪人こわーい!!!」
公園で遊んでいた子供たちは、突如として現れた怪人という脅威に恐れ…恐れ……?
「サッカーとバットって意味わかんねー!」
「きもちわりーんだよ!○ね!」
一部の子供たちは逃げるどころか、逆に怪人を口撃し始めてしまった!
「グGィァぎぎぎギギィィ!!!!!」
人とかけ離れた怪人に対して少年らの口撃が通じたのか、怪人は生意気な少年に向かって行く。
「うわぁあこっち来んなぁぁ!!」
逃げる少年に容易く追いついた怪人がその左バットを振り上げる。
少年は眼前の怪人に殺されるのだと実感する。
(ああ、こんなことになるならもっと語彙を学んでおくんだった!失敗した!)
否、少年は真性の煽りカスであった。
少年の考えなどなんの意味もないと言わんばかりに、怪人の左バットが振り落ろされようとしたその時。
激しい突風が少年を襲い、少年は思わず目を閉じた。
突風が過ぎ去り少年が目開けると、そこに怪人の姿は無かった。
後に少年は知る。
この時ある魔法少女が怪人を倒し少年を助けたのだと。
その魔法少女こそ、マジラン*1殿堂入り『マジカルストーム』その人であることを。
───────
怪人出現記録 xx年○月□日
〜〜~
十六時四十二分頃、██県███市██町の██公園にて、怪人反応を確認。
当局から現場付近の魔法少女に出撃要請。
怪人出現から一分三十七秒後、怪人反応消失。
この時出撃要請を受けた魔法少女は怪人を確認しておらず、別の要因で怪人反応が消失したと思われる。
現着した魔法少女の聴き取りによると「怪人出現後、突然突風が吹いたら怪人が消えていた。」との証言がとれた。
このことから、『マジカルストーム』が怪人を撃破したと目される。
聴き取りを行った魔法少女には『
怪人を撃破したと目される『マジカルストーム』に対する報酬は今後の『
〜〜~
マジカルランキングは怪人撃破数と人気度が高いほど順位が上がるよ!
主人公は素性不明なので圏外だけど、推定怪人撃破数はトップなので殿堂入りしたよ!
もちろん主人公は知らないよ!