堕天使になったので魔界行ったりなんやかんやします 作:Revak
千年の時が経った。
この千年でバァル・ゼブルは百レベルに到達し、他の魔公全てを支配下に置いた。
アインべル、グレッチャー、ティカ、レヴィア、シュラーフ、ルキフグス、リリスの七人は悪魔王となったバァル・ゼブル直属の配下だ。
そしてその悪魔軍全軍を持って魔界最古の都市、アルタートゥームを攻めに来ていた。
アルタートゥームは魔界最古の都市であるが、悪魔は住んでいない。
では何が住んでいるのかというと、天使だ。
円形上の都市であり、半径百キロにも及ぶ広さを持つ。
だが一キロを超える高さの壁こそあるが、壁内には城を覗き建造物は何も無い。
城はこの魔界最大の城だ。
悪魔が住んでそうなおどろおどろしい城であり、六千六百六十六メートルの高さを誇る城だ。
その都市を悪魔軍五百万が包囲していた。
「圧巻だねぇ」
ルシフェルが空から呟いた。隣にいるバァル・ゼブルが返答する。
「あぁ。お前がいなければこれだけの軍勢は用意できなかっただろう」
「どうだか。最初に僕が居なくともいずれはこうなってたんじゃない?」
「はは、そうかもな」
二人はたわいもない話を続けた。
そして──遂に突撃する。
バァル・ゼブルは
「進軍開始!」
そして悪魔の軍が雄たけびを上げ、アルタートゥームを攻め立てた。
最初は余裕だった。
悪魔軍が入る為魔法攻撃で都市の壁を破壊するも、天使たちは動かなかった。
どういうことだと思いつつ壁を破壊し街の中に侵入する。
した途端天使たちが都市内に入って来た悪魔たちを攻撃する。
殆どが
この千年で魔界の平均レベルは上がった。
魔公は全員最低でも九十レベルに到達し、グレッチャーは九十五レベルにまでなった。
更に平均レベルも三十に突立つし、人間世界で言う英雄級が最低値となったのだ。
と言っても一般市民のレベルは低いままだが。
そんな悪魔たちならば天使の群れなど敵ではない。
相手側は群れだ。指揮官不在で個々の判断で動く雑兵でしかない。
天使が死んでいき、死体の山が積み上がっていく。
進軍は順調だった。君が悪いほどに。
バァル・ゼブルはルシフェルと共に真っすぐと城に向かって行く。
道中で魔力を消費する訳にはいかないので他の魔公や配下たちが戦っている。
最上位の天使でもレベルは八十ほど。九十レベルになった魔公たちの敵ではない。
グレッチャーが範囲攻撃をぶっぱなし、レヴィアがそれをサポートし、ティカ配下のアンデッド軍が死を恐れず攻めていく。
そうしてついに、二人は城に辿り着いた。
城の巨大な門を開け、中に入る。
中は殺風景な玄関ホールだった。
ただ広いだけの空間で特に何もなかった。
「なんもないねー」
ルシフェルがてくてく歩いて行くと、瞬間床が赤く光った。
次の瞬間二人は転移させられていた。転移トラップだ。
二人は玉座の間に居た。
紫色の結晶で出来た玉座に座るのは魔神サタン。
黒い髪に赤い瞳の男で身長は高く二百センチもある。
ガタイもよく鍛え上げた筋肉を持っている。
頭から山羊の角が一対生えている。
「父さん……」
ルシフェルがポツリと呟いた。
その言葉にサタンは微笑んだ。
「久しぶりだな、ルシフェル。元気だったか」
「まぁ、元気でやってるよ」
「そうか……友達も増えたようでよかった」
そうサタンは微笑みながら玉座から立ち上がった。
「ここに来たという事は、魔界を支配したいんだろう? ……そちらの男の方が」
「そうだ。不在の支配者を打倒し、俺が──いや余が魔界を統一する」
「大言壮語……とは言えないな。実際魔界の八割以上は既に君の支配下だ、バァル・ゼブル」
ふぅ、とサタンは息を吐いた。
「だから──ここでその力を示せ、バァル・ゼブル。魔神を倒し、真の支配者に相応しいのは己だと示せ!」
「あぁ。言われなくとも──行くぞ!」
サタンとバァル・ゼブルが衝突する。結果は──
■
数年後。
悪魔王城と名付けられた、魔界最古にして最大の城前の広場にて。
そこには多数の悪魔たちが居た。
百万を優に超える無数の異形の悪魔たち。
そして、祭壇の上に立つは悪魔王となったバァル・ゼブル。
「今ここに、魔界統一を宣言する! そして、この魔界の永遠の繁栄を余の力によって成し遂げよう!」
魔界は、統一された。
これからもルシフェルは魔界で好き勝手暮らすだろう。もしかしたら、現世を侵攻するかもしれない。
だがそれは、遠い未来の話であった。