堕天使になったので魔界行ったりなんやかんやします 作:Revak
一週間後。
ルシフェルは知人たちに堕天するという事を告げ終えた。
堕天の事を告げた天使たちの反応は様々だ。
ガブリエルは「えっもう会えないの」と寂しそうな表情をしカマエルは「……寂しくなるな」とポツリと呟いた。
ルシフェルは千年間暇だったので他所の部署に良く遊びに行っていたのだ。
まぁ天界では仕事なんてほとんどないので遊びに行っても煙たがれる事もなく遊ぶが。
しかし天界には娯楽が少ないのでだいたい模擬戦になる。
天宮の玉座の間で、サタン、ヴァヴ、ルシフェル、ラグエルの四人はいた。
「それじゃあ、堕天させるよ」
ラグエルがそう言い、手をかざす。
ラグエルが保有する神器裁定の大鎌が出現する。
紫色の刃をした黒い柄の大鎌である。
「よっしゃこい」
ルシフェルが気合を入れて耐えようとする。
そのままラグエルはルシフェルの体を両断した。
だが体に傷はつかない。
堕天だけをさせる力なのでダメージは入らないのだ。
瞬間ルシフェルの体に異変が起こる。
毛根から毛髪の色が変わっていく。
銀色から濃い紫色になり、瞳も紫色に変わった。
背中の天使の翼は黒い堕天使の翼に変化する。
「これが堕天か」
ステータス上の変化はない。
しいて言えば種族の大天使が堕天使に切り替わった程度だ。レベルの変動もない。
「それじゃあ、母さん、父さん。またね」
「あぁ、元気で」
「体には気を付けるのよ」
サタンがとん、と靴で地面をたたいた。
瞬間ルシフェルの足元にワープゲートが開き、魔界へと落とされた。
「うわ、空かよ!」
ルシフェルは落下していた。
「ここが魔界か」
魔界。
悪魔の住まう世界でトップは魔神サタン。
悪魔たちが日々殺し合いをしている世界である。
黒い雲が広がり大地は赤茶色く、空は黄昏時のように薄暗い。
ルシフェルは翼を広げ空に浮かんだ。
「まずはどうしよっかなー!」
ルシフェルは大声で叫んだ。
自由だ。
毎日やることもなく模擬戦と読書だけの日々とはオサラバ、これからはやりたいことを思うようにやれる。
「まずは異世界らしく、街に行こうかな」
そうルシフェルは呟き、空を飛ぶ。
翼をはためかせ飛んで行く。
マッハ五という驚異的な速度を叩き出し飛行していく。
あらゆるものが流れていくが、ルシフェルは充分この速度を制御出来ている。
そうして暫く飛ぶこと、ルシフェルは街を見つけた。
悪魔が住まう街だ。
石の壁に囲われた街で、壁の中には家が幾つも建っている。
建築様式はどこか雑で形だけ取り繕ってればいいだろ見たいな形で不安定な家が建ち並んでいる。
ルシフェルはその街の空に浮かぶ。
地上からもルシフェルを視認できる程度の距離だ。
「じゃあ、まずは
ルシフェルは地上の広場に向かって魔法の光線を放った。
着弾地点で大爆発を起こし、広場に居た多数の悪魔たちが爆死した。
「あは、あははは!」
そのままルシフェルは幾つかの魔法を使って街を攻撃していく。
切断の光線、爆破の光線、貫通の光線。
そうして一分ほど街を攻撃して破壊していくと街の悪魔たちがルシフェルに向かって飛んでくる。
悪魔は様々な姿形をしている。
多いのは人間の形に蝙蝠の翼を悪魔の尻尾を生やし頭からは山羊の角が生えた者たちだ。
次に人間からは少し離れた姿をした者たちが居る。
溶岩のように赤く燃え盛る体を持つ者。二つの頭を持つ者。狼と人間を足したような姿の者などが居る。
それら悪魔がルシフェルに向かって襲い掛かる。
「なにしてくれとるんじゃわれぇ?!」
そう叫びつつ遠距離攻撃系
炎や氷の矢、魔力弾などをルシフェルは羽ばたく事で回避する。
悪魔たちの上に位置する。
四重化した
魔法の光の矢によって悪魔たちは体がはじけ飛んで行く。
命中した箇所がはじけて消えて風穴が空く。弱い者はこの一発で消し飛び、強い者も二発受ければ死んだ。
ルシフェルは更に魔法で街を攻撃していく。
「てめぇ何しやがる!」
そこに大男がやってきた。
悪鬼のような形相の男で顔には文様がついている。
背中には蝙蝠の翼が生えており頭には鬼の角が一つ生えている。
この街の頭領の悪魔、名をユルゲンという。
ユルゲンが支配する街の名はユルゲンの名と同じユルゲンという。
魔界はまだ生まれて間もない世界だ。歴史も一万年程度の世界だ。
魔界は乱世の時代であり、日々殺し合う悪魔も多い。
そして何よりも厄介なのは、悪魔は不死性を持つ。
死なない訳ではない。天使や神々と同じく死んでも復活できる特性を持つのだ。
強者ほど復活に時間がかかるという特性こそあるが逆を言えば弱者は時間をかけず復活できるので毎日殺しては殺されて復活を繰り返している。
まぁ完全に何度でも蘇れるという訳ではなく死ぬときに二度と復活したくないと強く思えば復活せずそのまま消滅するが。
こんな世紀末世界でも街は生まれる。
この世界では格下は各上に勝てないのが常識だ。
レベル差が十程度ならば装備と人数差で勝てるかもしれないが二十もあれば勝てる事はない。
悪魔たちの平均レベルは十程度で、強者でも二十程度である。
そんな中ユルゲンのレベルは四十という圧倒的強者の領域だ。現世ならば単独で街一つ滅ぼし国を半壊させるのも夢ではない。
そうしてそう言った強者は縄張りを持つ。己の領域を手に入れるのだ。
ユルゲンは生まれた時から強者であり小さな村を手にしていた。
その村を他の悪魔の部族を襲撃し取り込むことで徐々に大きくしていき、手にしたのがこの街だ。
悪魔は基本飲食不要だ。食べる事は出来ても食事によるバフは得られない。
そのため排泄も不要なので下水などは街になかったりする。
悪魔は生まれ持って欲望が強い。七大罪しかり支配欲だったり金銭欲だったり。
その欲望を満たすために支配をするのだ。
だからこそ己の縄張りを我が物顔で破壊する敵対者に怒り心頭だった。
「死ねやゴラァ!!」
ユルゲンは接近しつつ幾つかの
ルシフェルまであと四メートルというところまで接近した。
ルシフェルは切断の光線で縦にユルゲンを斬り裂いた。
そのままユルゲンは死亡、死体が残った。
そのままルシフェルは思いつく限りの魔法を街に放ち続け、街を完全に壊滅させた。
その破壊に満足したルシフェルは飛んで行くのだった。
「あー、楽しかった。次はなにしよっかな~」
ルシフェルは上機嫌で空を飛んでいた。
ルシフェルがあんな破壊をしたのには訳がある。
ストレスがたまっていたのだ。
趣味の漫画もアニメもなくゲームもチェスなどのボードゲームしかない。
ルシフェルはサンドボックスゲームで無意味に爆薬で街などを破壊するのが好きだった。
その衝動を千年以上抑えた反動でどうせ蘇るやつらだし自分堕天使だしいいだろの精神で街を破壊しに行ったのだ。
結果ルシフェルはスッキリしていた。
この後三つぐらい街を襲撃し破壊するのだった。