堕天使になったので魔界行ったりなんやかんやします   作:Revak

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第4話

 

 二百年の月日が経った。

 

 その間、ルシフェルの日々は血みどろの毎日だった。

 

 適当に空を飛び、街を見かけては襲撃する。

 村を焼くこともあったし復讐だと悪魔たちが群れで挑んでくることもあった。全て蹴散らしたが。

 

「うーん。この服なんかな」

 

 ルシフェルは荒野の空に浮かびつつ手鏡で自分を見る。

 そこには天界の時と同じトーガを着ている自身の姿が映った。

 

 この服にも飽きて来たし、どうせなら新しい服でも手に入れようか。

 そう思ったルシフェルは空を飛び適当な街に行くのだった。

 

 

 魔界は広い。

 地球程の広さはないがユーラシア大陸ほどの広さを持っている。

 人口は一億に届かない程度でぽつぽつと街や集落がある程度だ。

 

 ルシフェルは交易都市ハンデルの空に浮かんだ。

 そのまま空いている広間にルシフェルは降下し、地面に着地する。

 

 他の悪魔たちは驚いた表情を浮かべたかと思えば、次に殴り掛かってきた。

 

「てめぇルシフェル! 俺の仇!」

 

 一度ルシフェルに殺されたことがあるのだろう悪魔は怒りの形相で襲い掛かる。

 

「邪魔」

 

 ルシフェルは一言そう言うと悪魔の頭を熱線で貫いて殺した。

 死んだ悪魔は復活地点をある程度コントロールできる。どこかで勝手に蘇るだろう。

 

 ルシフェルは戦々恐々とする周囲にいる女悪魔に近づいた。

 サキュバスという訳ではなく露出が多いわけでもない女の悪魔だ。

 

「おい、そこのお前」

 

 ルシフェルが問いかけると女は「わ、わたし?」と呟いた。

 

「そうだ、お前だよ。聞きたい事あるんだけど」

「な、なんでしょうか」

 

 女はへりくだった笑みと共に手を超すった。三下のような振る舞いである。

 

「服買いたいんだけど、良い防具屋教えてよ」

「わ、わかりました……こ、殺さないでくれますよね」

「それは僕の機嫌しだいかなー」

 

 ルシフェルがそう言うと面白いように女悪魔は悲鳴を上げた。

 

「じゃ、連れてってよ」

 

 ルシフェルがそう言うと怯えながら女は「こっちです」と案内し始めた。

 

 他の悪魔から畏怖の目で見られることにルシフェルは興奮する。

 自分の力を自分の思うがままに振るえる。天界では出来なかった事だ。

 

 そうして暫く歩くとある店の前に着く。

 

「こ、ここです」

「さんきゅー、じゃあもう行っていいよ」

 

 そう言うと女は脱兎のごとく駆け出し逃げていった。

 それを見て面白、とつぶやきつつルシフェルは防具屋に入っていった。

 

 防具屋は鍛冶屋ではなくどちらかというと服屋に近かった。

 魔界にも鉱石はあるが貴重品であり、殆どが領主の物になる。

 そのため使えるのは同じ悪魔の革か魔獣系モンスターの素材しかない。

 

 ルシフェルは奥のカウンターに進む。

 カウンターには小柄な悪魔が居た。

 人の子供よりは少し背が高い程度でルシフェルより小柄なおっさんだ。

 

 カウンターの横には軽装鎧を着た悪魔が居た。

 

「ねぇ、この店で一番の装備って何?」

 

 ルシフェルがニヤニヤしながら問いかけた。

 それに対し店主が答える。

 

「この店一番のは革鎧だ。値段は銀貨五枚だ」

 

 この魔界にも通貨はある。

 通貨を作り関する商人系のクラスについている魔公が居りその者が通貨を作り周知させたのだ。

 あるのは銅貨、銀貨、金貨で銅貨百枚で銀貨一枚、銀貨百枚で金貨一枚になる。

 

 この魔界で金を得る方法は相手を殺して奪うのが最もやりやすい。

 人間としての基本である衣・食・住のうち悪魔は衣と食を基本気にしないので金の使い道はあまりなかったりするが。

 金の使い道は防具や武器を買う、あるいは娯楽としてかけ事に使うか食事に使うぐらいだ。

 武器や防具を作らせる際金を払わないというのは意味がない。脅しに効果が無いのでちゃんと金を払わないと作ってくれないのだ。食事もしかり。

 

「それ、見せてよ」

「わかった」

 

 店主はそう言うと奥に行く。

 少し待つと奥から革の鎧を持ってきた。

 無骨なデザインであり実用性重視といった感じだ。

 

<上位道具鑑定>(スペリアアプレイザル・アイテム)

 

 ルシフェルは鑑定魔法を使った。

 

「ゴミじゃん」

「あ゙ぁ゙?!」

 

 店主が怒りの声を上げた。

 

「中級程度で大した効果もついてないアイテム。銀貨五枚にしては高いんじゃない?」

「効果付けようとしたら素材の質も高いのを要求されるし、魔法効果を付与する呪文詠唱者(スペル・キャスター)も要求される、うちじゃ無理だ!」

「えー、伝説級とは言わずとも聖遺物級のアイテム欲しいんだけど」

「んなもん欲しけりゃ魔公のとこにでも行きな!」

 

 魔公。

 この魔界に置いて最も強い者たちの称号だ。

 現在七人の魔公が居る。

 有名どころはアインベルやティカだろう。

 それぞれ広大な領地を持つ大悪魔であり強力な存在だ。

 

「ん-、魔公か……ここから近いとこは?」

「……そりゃアインベルのところだろうが……あんた本気で行くつもりか?」

「まぁね。装備もいいの整えたいし」

「まぁ、良くというのなら止めはせん。西の方角にあるぞ」

「おっけー、じゃあ行くね」

 

 そう言うとルシフェルはスキップしながら店を出て翼をはためかせ飛んで行った。

 店主はなんだったんだ、と怪訝な顔をした。

 

 

 

 

 

 

 ルシフェルが西に向かって飛ぶ事数日。目的の城が見えた。

 

 魔公のところに行くのは実はルシフェルは初めてではない。

 魔公の一人レヴィアの領地を何度か襲撃したことがある。

 だが今いるアインベルの領地は来るのは初めてだ。

 

 アインベルの領地の名はヘルという。

 黒い街に黒い結晶で出来た城が見えている。

 

 結構な広さを持ち人口も十万人と非常に多い街だ。

 街の上空を多数のワイバーンが飛んでおり警護している。

 

 ルシフェルがいつも通り空から街へ降りて行こうとすると悪魔に止められた。

 

「止まれそこの者! 空からこのヘルに来るとは不届き者め!」

 

 そう叫ぶのは男の悪魔であり、ワイバーンに乗っている男だ。

 ワイバーンは魔獣の一種で飛行能力を持つ魔獣だ。

 蜥蜴の前足が翼に変わっている獣でブレス能力を持つ。

 二メートルほどの大きさの黒いワイバーンに悪魔は騎乗していた。

 

「何お前。邪魔なんだけど」

 

 ルシフェルが不機嫌そうに言う。

 その姿に男は気圧されるもすぐに気を取り直して叫んだ。

 

「この街に入りたくば正面から堂々と入ることだ! 空からの侵入者は容赦なく葬るぞ!」

「あっそ、じゃあ死ね」

 

 ルシフェルはそう言うと熱戦で男の頭を貫いた。

 

 主を失ったワイバーンが襲い掛かってくるもワイバーンの頭も熱線で貫いて殺した。

 

「やろうぶっ殺してやる!」

 

 ルシフェルが男を殺したのを皮切りに他の警護兵たちも襲い掛かってきた。

 ルシフェルはそれを見て面白そうに口角を上げ、飛翔し攻撃する。

 

 全ての悪魔を熱線一発で殺し、空の警護兵の半分ほどを殺したころルシフェルは奇襲を受けた。

 

 背中を殴られノックバックする。

 

「あ゙ぁ゙?!」

 

 ルシフェルがくるりと振り返ると其処には男女が居た。

 

 どこか怯えた表情を見せる赤い髪に赤い目の女悪魔と同じく赤い髪と赤い目の男の悪魔だ。

 どちらもどこか幼さを感じさせる容姿をしている上似通った姿だ。

 

 悪魔の増え方は三つある。

 

 一つが動物と同じセックスによる繁殖。

 悪魔にも性別がある者が多いため男女でセックスし子を成すことが出来る。

 ただ悪魔以外の異種族とはアマゾネスを覗き子を作ることは出来ない。

 

 もう一つが自然発生だ。

 魔界の瘴気によって勝手に生まれる事がある。これが二つ目。

 

 最後は人間やエルフなどの多種族が後天的に悪魔になることだ。

 悪魔になるには魔法道具(マジックアイテム)の悪魔の種子を使う必要がある。

 悪魔はアンデッドとスライムを覗き後天的にどんな種族でも悪魔になれる。

 

 それらを考えルシフェルはこの二人の悪魔は普通に親がいるタイプの悪魔なのだろうと予想を付けた。

 

 そしてそれは当たっている。この双子の悪魔には母親がいるのだ。父親もいるはずだが顔は見たことない。

 

「死ね」

 

 ルシフェルは端的にそう言うと熱線を放った。

 

 男の方に直撃するも一撃死させられるほどではない。

 だが大ダメージには変わりない。あと十数発ほど当てれば死ぬだろう。

 

<炎の波>(フレイムウェーブ)!」

 

 女の悪魔──名をシュテフィが魔法を唱えた。

 第九環魔法の炎の攻撃魔法だ。

 

 巨大な炎の波が起こりルシフェルを襲う。

 ルシフェルはまばたきするよりも早く飛び回避する。

 

 回避後シュテフィに向かって熱線を放とうとする。

 会えて動作を遅らせれば男の方──名をウーヴェが殴り掛かってくる。

 武器を持たず攻撃してくるのを見てルシフェルはモンク系統かなと推測する。

 

 モンクとは僧兵の事で素手攻撃に特化したクラスの事だ。

 素手での戦闘に長けている分武器を持つと弱体化する。

 

 ルシフェルは攻撃を回避する。

 優れた動体視力と高い身体能力と飛行能力があれば回避ぐらいは容易にできる。

 そのままルシフェルは回し蹴りを放つ。頭に命中しウーヴェは吹っ飛んだ。

 

「このクソアマ!」

 

 ウーヴェが怒り再度殴りかかってくる。

 

「クソはお前もだろ!」

 

 軽く罵りながら熱線を放つ。

 

 ヴーヴェは回避しようとするも熱線の方が速く防御するしかない。

 

<新星爆発>(スーパーノヴァ)!」

 

 シュテフィが魔法を唱えた。

 第九環魔法の大爆発を起こす魔法だ。

 

 ルシフェルを起点に大爆発が起こる。太陽のような輝きの爆発だ。

 

 ルシフェルは回避できず受けてしまうも一割程度のダメージしかうけなかった。

 

 この魔界には負の瘴気が蔓延している。

 悪魔やアンデッドは瘴気によってHPと魔力の回復速度が上昇しており時間経過で欠損すら治すことが出来る。

 だからこの程度のダメージはルシフェルにとっても大したダメージじゃない。

 

「煙たいなぁ」

 

 ルシフェルがそうせき込むとそれをチャンスと見たのかヴーヴェが殴り掛かる。

 拳のラッシュだ。そのすべてをわずか数センチで回避する。

 

 ルシフェルは翼をはためかせ高速で空に移動する。

 それと同時に<切断光線>(カッティング・レイ)を放つ。

 切断属性を持つ光線であり対象の体を斬り裂くことが出来る。

 この魔法はヴーヴェの腕に命中し左腕を切り落とした。

 

「あは、腕無くなっちゃったねぇ」

 

 ルシフェルが妖艶な笑みを見せた。

 

「クソアマが……!」

 

 それに対しヴーヴェは怒りの形相でルシフェルを睨む。

 

「お前ら、引け」

 

 そこに第三者の声がした。

 

「ん」

 

 そこに居たのは巨大な悪魔だ。

 黒い二足の獣の姿をしている。獣の黒い毛が全身に生えており人とゴリラを悪夢のようにくっつけた姿だ。

 五メートルほどの巨体であり、顔は狼のそれに近いが骨の仮面をかぶっている。

 腹には口が付いている。

 

 このヘルの領主にして魔公の一人アインベルだ。

 

「お前がここの領主?」

 

 ルシフェルが問いかけるとアインベルは「そうだ」と返した。

 

「俺がヘルの領主のアインベルだ。そういうてめぇはルシフェルだな」

「あれ、僕のこと知ってるんだ」

「天界から追放された堕天使ってことで噂になってるぜ。その強さもな」

 

 ルシフェルはこの二百年で適当に集落を攻撃したり壊滅させたりしている。

 その間に敵が「お前は誰だ!」と問いかけてきたりするのを「堕天使」などと答えたりしている。

 その結果ルシフェルの存在は噂となって広まっているのだ。

 

「ふぅん。それで、わざわざトップが何の用?」

「その二人だとすぐ殺されちまいそうだからな。俺がお前をぶち殺しに来た……てなわけでヴーヴェ、シュテフィ、下がれ」

「けどボス! このクソアマ俺の腕を!」

 

 ウーヴェが怒りの声で叫んだ。

 

「下がれってのが聞こえなかったか?」

 

 ドスの効いた声でアインベルが言うとウーヴェは凄く不満そうな顔をしながら「わかった」と下がった。

 

「じゃあ、行くぜ!」

 

 翼もないのにアインベルは高速で飛翔しルシフェルに接近する。

 だが遅い。ルシフェルは悠々と飛行し距離を取る。

 

 そのまま熱線を放つも──アインベルの体に届く前にその八割型吸収された。

 

「何?」

「うぉ、お前レベルだと全部吸収するのは無理か……だがほとんど意味はねぇな」

 

 アインベルの体が少し焼けたモノのすぐさま再生していく。

 

「リジェネーター? けどさっきの無効化はなんだ?」

 

 ルシフェルが思考を回すために口にする。

 

 リジェネーターとはクラスの事だ。

 再生能力を得られるクラスの事で低レベルの内は再生にスタミナや魔力を消費する物の高レベルになるとノーコストで再生できるようになる。

 ただ再生には限度がある。何度も殺し続ければいずれ再生能力の限界を迎え死ぬ。

 だがその限界を迎えるまではたとえ腕を斬り飛ばしても再生するし頭を消しても再生する。勿論心臓を潰しても意味はない。

 

「面倒だな」

 

 ルシフェルはそう言いつつレーザーで攻撃する。

 

 アインベルは高速で動き二割ほどのレーザーを回避する。

 だが残る八割も吸収の力でほとんど意味がない程度まで軽減する。

 

 アインベルが就職しているクラスの一つ、アブソープションの能力だ。

 アブソープションは物理か魔法のどちらかの攻撃を吸収することが出来るクラスだ。

 ただ吸収は固定値吸収なので一定の値を超えた攻撃は通ってしまう。軽減は出来るが。

 

 ある程度近づくとアインベルは<瞬歩>の特殊能力(スキル)で超高速接近。ルシフェルをぶん殴る。

 ルシフェルは咄嗟に腕でガードするも遠くに吹っ飛ばされる。

 

「魔法が吸収されるなら、これはどうだ? ──<小空間>(ポケットスペース)<魔闘転生>(ウォーリア・リバース)

 

 使ったのは戦士化の魔法だ。

 呪文詠唱者(スペル・キャスター)としての能力を全て戦士の物に置き換える魔法であり、使用するとあらゆるクラス制限を無視してあらゆる装備を装備できるようになる。

 ただ維持に魔力を消費し続ける上戦士としての特殊能力(スキル)までは得られないのでこれを使うぐらいなら魔法戦士になった方が良い。

 だがルシフェルの魔法の殆どを無効化してくるならば戦士として戦った方がマシだとルシフェルは考えたのだ。

 

 愛用のアインソフで攻撃する。

 

 アインベルは回避しきれず左腕を切り落とされるもすぐさま再生が始まり、一分と経たず腕が再生しきる。

 

 互いに高速で空を飛び回りながら攻撃の応酬が繰り広げられる。

 

 

「すげぇ……」

 

 アインベルのレベルは八十であり、ウーヴェとシュテフィのレベルは六十丁度だ。

 ウーヴェとレベル差が二十もある。

 そして戦闘スタイルはお互いにモンク系統という似たクラス構成だ。

 

 だからこそ、アインベルの戦闘は自身にとっていつか追いついて、追い抜くべき目標だ。

 

 故に──そのアインベルが圧倒されるのを見てヴーヴェは(ルシフェル)の強大さを知る。

 

 ルシフェルの種族である天使は戦士系統のクラスだ。

 だからステータスも呪文詠唱者(スペル・キャスター)よりも戦士向けのステータスになる。

 そして戦士系の種族だからこそアインソフという蛇腹剣を扱える。

 更にルシフェルは千年の鍛錬の時間があった。そしてカマエルやガブリエルという戦士としては同格以上の相手がいる。

 

 故にルシフェルの剣術は付け焼刃やお遊びのモノではなく戦士としても一流のそれだ。ただ一流以上ではないが。

 

 それでもレベル差が二十もあるアインソフを圧倒するには充分だった。

 

 

「ぐぉぉぉおおお?!」

「あっはは! どうした、手も足もないじゃないか!」

 

 ルシフェルが笑いながら叫んだ。

 アインベルは両手両足を切り落とされた。

 リジェネーターのクラス特殊能力(スキル)で再生できるが、再生も無限ではない。

 

 

「クソ、援護するぞ!」

 

 ヴーヴェが突撃しようとするのをシュテフィが止めた。

 

「わ、私たちじゃあのレベルの戦いについていけないよ!」

「だとしてもボスをやらせる訳にはいかない!」

 

 そう叫ぶとヴーヴェは突撃する。

 

「邪魔だ!」

 

 ルシフェルはそう言うとアインソフでヴーヴェを攻撃し上下真っ二つに斬り裂いた。

 いかに生命力の高い悪魔といえど両断されれば死ぬ。ヴーヴェは死んだ。

 

「あららお仲間死んじゃったねぇ……お前ももうすぐ死ぬけど──どうする? まだやる?」

 

 ルシフェルはそう問いかけた。

 

 アインベルはそれにチャンスを感じた。

 

 ただこの領地を破壊するだけならばただ攻撃を続ければいい。

 問いかけるという事は何かを求めているという事だ。

 つまりルシフェルの目的は破壊や殺害ではない。

 

「──何が望みだ?」

「……話が速くて助かるよ。僕装備品が欲しいんだけど、魔公の領地ならいいの持ってないかなって思ってね」

「なるほど、略奪か」

 

 アインベルは再生しながら考える。

 ここから自分たちにとって利益になることを。

 部下への勧誘は駄目だ。相手のが格上なので殺して奪うが出来てしまう。

 ならばとれる手は──

 

「なら、この周辺の魔界で最もいい装備のあてがあるぜ」

 

 アインベルはニヤリと笑みを見せた。

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