堕天使になったので魔界行ったりなんやかんやします   作:Revak

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第7話

 

 ルシフェルは一人空を飛ぶ。

 飛んで行った先にあるのはティカの支配する領域、シュテルンだ。

 

 魔界らしくずさんな建築様式の街並みに、中央に聳え立つのは白銀の塔だ。

 

 ルシフェルは塔にある程度近づくと魔法を放つ。

 

<魔法の光線>(マジック・レーザー)

 

 魔力のレーザー砲が放たれる。

 塔の外壁に直撃し、壁が崩れる。

 

 そのまま空いた穴へとルシフェルは飛んではいる。

 

「邪魔するよー」

 

 ルシフェルはそう言いながら飛んで探索するとアンデッドや悪魔たちが武器を手に抵抗してくる。

 出て来た三人の内二人を熱線で殺すと残る一人に近づく。

 

「ここの宝物庫はどこにある?」

「お、教えるわけないだろ!」

「じゃあこれで聞くよ。<魅了>(チャーム)

 

 使ったのは魅了の魔法だ。

 対象一人を親しい友人と認識させる魔法である。

 

「まぁ、あんたならいいか……こっちだ」

 

 男の悪魔はそう言うと案内を始める。

 

 地下の方へ飛んで行く事しばし、目的地に着く。

 そこには巨大な門ともいえる両開きの扉があった。

 二人の槍を持った悪魔が警備している。

 

 ルシフェルは熱線で二人の頭を貫き殺すと「お前もう用済み」と案内させた悪魔も殺した。

 

<魔法の光線>(マジック・レーザー)

 

 頑丈そうな扉だったので<魔法の光線>(マジック・レーザー)を放ち扉を破壊する。

 瓦礫が舞う中ルシフェルは徒歩で宝物庫に入る。

 

 宝物庫は小さいが、それでも金銀財宝が詰められていた。

 

 ルシフェルは適当に高価そうな魔法道具(マジックアイテム)と金貨を大量に回収すると用済みとばかりに転移魔法で塔の外に移動した。

 

 そのままアインベルの領地の方へ向かって飛んで行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 ■

 

 ルシフェルは飛んでいると帰還していくアインベルの軍を見つけた。

 下降して飛んで行くとギガント・バジリスクに乗っているアインベルの姿を見つけた。

 

「よ、勝ったんだね」

 

 ルシフェルが声をかけた。

 

「あぁ。これが証拠だ」

 

 アインベルはニッと笑みを見せ、右手に持つティカの首を見せた。

 

「その首どうするの?」

「うちの城下町に槍に突き刺して見世物にする。俺がやったんだという証明にするんだ」

 

 ルシフェルは一瞬悪趣味と思ったがまぁ悪魔ならそれぐらいするか、と思い気にしないことにした。

 

「この後はどうするの? 他の魔公の領地攻めたりする?」

「距離がありすぎるからしねぇよ。それに他の奴らは殆どつえぇしな」

「……あっそ、まぁ百年は付き合ってやるよ。金は貰うけど」

「頼むぜ、ルシフェル」

 

 そうしてこの契約は約束通り百年続き──飽きたルシフェルがアインベルの領地をぐちゃぐちゃにして去ることで終わるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 ■

 

 百年後。

 アインベルを殺し領地をぐちゃぐちゃに破壊した後、ルシフェルはある魔公の元に向かって飛んでいた。

 

 向かう先はレヴィアというドッペルゲンガーの者のところだ。

 レヴィアは変身能力を有し見た者の能力を九割まで再現できる能力を持つ。

 ただしHPと魔力は変わらないし、自身よりレベルが上の者の場合は完全に再現できないという欠点もある。

 

 そうして飛んで行くと街が見えてくる。

 

 街の奥にあるのは鏡張りの城だ。城の壁全てに鏡が貼っており反射している。

 

 いつ見ても悪趣味な城だな、と思いつつルシフェルが攻撃に移ろうとする。

 そこに声をかける者がいた。

 

「お待ちください!」

 

 そう叫んだのは若い男の悪魔だ。

 顔の上半分に仮面をつけた悪魔であり、背中からは蝙蝠の翼が生えている。

 

「何、お前」

「……前も自己紹介しましたが、私はレヴィア様の側近、ヘルムートです」

「あっそ、で何の用?」

「今レヴィア様は不在なので、どうか襲撃は辞めていただきたく……」

 

 勿論ヘルムートもこんな懇願でルシフェルが帰ってくれるとは思っていない。

 だがルシフェルの目的がレヴィアを殺すことならば不在という事で帰ってくれないかなという一途の希望にかけたのだ。

 

「不在? 何あいつ死んだ?」

「いえ、人間に召喚されています」

「……マジか、あいつ召喚されたのか……」

 

 悪魔が現世に召喚されることはあり得る。

 悪魔召喚の魔法はあるし、特殊な儀式で魔界からネームドの悪魔を召喚することも可能だ。

 それでも呼び出されるのは高くても五十レベルの悪魔ぐらいで魔公という七十レベルを超える者が召喚されるのは珍しいと言えるだろう。

 

「何それむかつくなぁ、どこに召喚されてるの?」

「流石にそこまではわかりません」

「ちっ、使えないな。城でも壊して帰るか」

「お、お待ちください! 今城には現世とつなぐゲートがあります、それを壊されると困ります!」

「──へぇ、そんなのあるんだ。ちょっと突撃しよ。<看破の魔眼>(シースルー・マジックアイ)

 

 ルシフェルは魔眼の魔法を唱えた。

 <看破の魔眼>(シースルー・マジックアイ)は魔力の流れを見、魔法がどこから発動しているかなどを見破る魔法だ。

 

 その魔眼で見れば城の頂上に強大な魔力が溜まっているのが見えた。

 

 ルシフェルは砲撃で城の頂上を破壊し突撃する。

 

 頂上は玉座の間であり玉座の前に魔法陣があった。

 黒い魔法陣であり黒色に発光している。

 

 ルシフェルはその魔法陣に足をのせる。

 静電気に触れたような音と光が発生し弾かれた。

 

(流石に無理か……なら)

 

<上位魔法解除>(スペリア・ディスエンチャントメント)

 

 ルシフェルは魔法を解除する魔法を魔法陣に当てる。

 光の弾が魔法陣に当たり、魔法陣が薄くなる。

 

 これならば、とルシフェルが魔法陣に飛び込むと現世へと召喚された。

 

 

「いてっ!」

 

 現世に出たルシフェルは頭から床にぶつかった。

 気を取り直して立つと其処はどこかの地下室だった。

 灯りは無いが悪魔系種族は種族的に暗視能力を持つので暗闇でも昼間のように見えるため問題はない。

 部屋の至る所には魔法道具(マジックアイテム)が散乱している。

 

「これかな?」

 

 ルシフェルは地面に置いてある鍵に近づいた。

 鍵は紫色の物だ。ルシフェルは鍵に鑑定魔法をかける。

 

(伝説級のアーティファクト、これを使ってレヴィアを召喚したのか)

 

 現世の人間に魔公を召喚するなんてほとんど不可能だ。

 勿論何事にも例外はあり、自然発生の超越者や悪魔系にのみ特化したサモナーなどなら不可能ではないだろう。

 そして今回可能にしているのがこのアイテム、魔界への鍵(ゲートオブヘル)だ。

 効果は自身よりレベルが二十上までの悪魔を召喚するという物。

 重用なのはあくまで召喚であり、使役ではない。

 更には一度に召喚できるのは当然一体までなので無理矢理ルシフェルが現世に来たことでアイテムに罅が入っている。

 このまま一時間も建てば完全に壊れるだろう。そうなればルシフェルもレヴィアも送還される。

 

 その前に現世楽しもー、とルシフェルはステップしながら地下室から地上へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 長い階段を上って上へ進む。

 本棚の扉を進んで入ると仕掛けが作動し扉が本棚になる。

 どうやら地下室は隠されていたらしく、図書室にあった。

 

 ルシフェルは頭の後ろで手を組みながら我が物顔で図書室を歩く。

 そうして歩いていると図書室を出て廊下に出る。

 

 廊下には兵士が歩いていた。

 

 

 ルシフェルが来たのはツヴァイトという大陸だ。

 文明は中世に届かない程度で本は貴重品だし新香料も貴重品だ。

 そんな時代に本が多数あるというのはそれだけの財力、力を持つという事。

 

 そう、この城はスティア帝国の持つ皇城なのだ。

 

 スティア帝国はこのツヴァイトの中でも有数の大国家だ。

 広大な領土に呪文詠唱者(スペル・キャスター)の部隊なども有する軍事国家であり、国力は高い。

 その皇帝、フィリップ・ヒルトン・サザーランド・ファテヒは老いている。

 故に老いた権力者らしく永遠の命を求め、悪魔召喚に手を染めた。

 結果が魔公レヴィアの召喚だ。

 レヴィアは言葉巧みにフィリップを騙し、国を蝕んでいる。

 

 ルシフェルはそういった背景は知らずレヴィアで遊ぼーと軽く考えているだけだ。

 

「な、なんだお前は!」

 

 そうして歩いてると兵士と遭遇する。

 全身鎧に槍を持った者だ。胸のチェストプレートには帝国の紋章が刻まれている。ヒッポグリフの紋章だ。

 

<魅了>(チャーム)

 

 ルシフェルは魔法を唱える。

 これで相手はルシフェルの事を親しい友人と認識した。

 

「あのさー、レヴィアに会いたいんだけどどこにいる?」

「レヴィア様なら今は皇帝と会談中です。案内しましょうか?」

「お願いねー」

 

 そういうと兵士に案内させる。

 道中何度か他の兵士とすれ違うが熱線で殺した。魔法効果は続いてるので兵士は同僚が殺されても何も言わない。

 

「着きました」

 

 そうして案内された先は両開きの扉がある部屋だ。

 

「さんきゅー……それじゃあ」

 

 ルシフェルは扉から一定の距離を取った。

 そのままダッシュをはじめ、扉に向かってドロップキックを放った。

 

 レベル百の大悪魔の蹴りに扉が耐えれるはずもなく、哀れな瓦礫となった。

 

「な、何事だ?!」

 

 部屋の中に居た白髪の老人、皇帝フィリップが驚愕し立ち上がった。

 

 部屋には四人ほどいた。

 

 一人は皇帝。二人は護衛の騎士。残る一人はレヴィアだ。

 

 レヴィアは黒い長髪に赤い目の女の悪魔だ。胸と股間だけを隠した格好をしている。

 どこか中世的な容姿で遠眼だと男か女かわからない。

 

「んな、ルシフェル?! なんでここに?!」

 

 レヴィアもがたっと立ち上がり、殴り掛かってくる。

 それに対しルシフェルはひらりと動く事で回避する。

 

「全員死ね。<魔法三重範囲強化・(トリプルマジックレンジエンハンスメント)爆裂>(エクスプロージョン)

 

 範囲強化した大爆発が三連続で起こった。

 半径百メートルを焼き尽くす大爆発だ。

 城の中腹で大爆発が起こり、城がガラガラと崩壊していく。

 

 当然ルシフェルも巻き込まれ、ダメージを負う。

 城が完全に崩壊し瓦礫になりきる前にルシフェルははためき力技で突撃し城から脱出した。

 

「おー、こりゃひどいや」

 

 ルシフェルは久方ぶりの現世の空を堪能する。

 青空広がり、白い雲が漂う空。空にはちゃんと赤い……というよりはオレンジ色の太陽ある。ちなみに魔界の太陽は黒い。

 

「ルシフェルゥゥゥゥゥゥウ!」

 

 そこに怒り心頭のレヴィアが本来の姿をさらした。

 

 全長百メートルを超える姿。

 伝承に出てくるレヴィアタンそのものの青白い姿。

 だが背中には四十にも上る人や悪魔がくっついている。

 

 これぞレヴィアの第二形態、本気の姿だ。

 

 レヴィアは種族としてドッペルゲンガーを収めている。

 ドッペルゲンガーは他者の姿になり、他者の力も行使できる種族だ。

 

 レヴィアは信仰形と魔力系両方のバフ魔法を唱えていく。

 

「あは、ぶち殺してやるよ!」

 

 ルシフェルはそう笑いながら<小空間>(ポケットスペース)からアインソフを取り出し、振るう。

 

 蛇腹剣としてリーチが伸びて行き距離があってもレヴィアの体を斬り裂いた。

 だが致命傷には程遠い。皮と肉が少し切れた程度であり、レヴィアが<自動回復>(リジェネ)を唱える事で徐々に回復していく。

 

「行くよ!」

 

 そうしてルシフェルはレヴィアとの戦いに挑んだ。

 

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