「ど、どうなってるの?」
倒れた一方通行を呆然と眺める美琴。
「第一位は膜、反射を行う膜で常に覆われてるんだ。そして、その膜に当たるベクトルを反射してる。だけど、当たるだけじゃベクトルなんてわかりはしない。ベクトルを観測するまでの時間差がある。最初はばら撒いた瓦礫を反射膜の中で適当に錬成して移動ベクトルを大量に生み出した。大量に無数の方向にベクトルがあれば反射の方向のどれかが第一位に向かうからね。さっきは、自分の腕を錬成して重さを増やしたんだ。結果、反射ベクトルを上回る運動エネルギーになったおかげで第一位をぶっとばせたのさ」
右手でアルは頭をかく。
「動いてはいけません! と、ミサカは千切れた腕を縛り止血をします!」
自分のケガを棚に上げ、ミサカはアルの左腕を手持ちの布で縛り上げる。
「大丈夫だ、大丈夫。それに、まだ終わってない」
「負けた…… のかァ?」
倒れていた一方通行が目を開ける。虚ろな瞳。
「気が付いた!!」
突然開いた目に、腰を抜かさんばかりの美琴。声が裏返っている。
「どうする? まだやるかい?」
「あんな、不意打ちに三度も引っかかるわけねェだろォがァ」
「あれ? もうバレちゃったの?」
「チキショウ、体は、動かねェし、複雑な演算式は組めそうにねェな 。最強を返上して無敵って奴を手にいれなきゃならなかったンだ…… でも、これで終いだァ……」
その一言に、美琴の声が弾ける。
「ふざけたこと言わないで! そんな訳のわからないもののために!! 妹達が!!」
と、それを後目にアルが、ミサカ達数人を呼ぶ。ハテナを浮かべながら歩くミサカ達。それを見ながら一方通行の口が引き上がる。
「おィおィ、例え今の状態でも、『反射』くれェはできるぜェ。俺が寝ていようが何の支障もねェ。三下も、両手が無けりャさっきの手品はできねェンだろ? 見逃してやる。死にたくなけりゃさっさと消えろ……」
言い終えた所でミサカ達がぞろぞろと一方通行に近寄る。
「一方通行! 覚悟! と、ミサカ達はゆっくりと拳を近づけます」
「あァン? 何する気だァ?」
意味不明、言外に込める一方通行。アルは気にせず、一方通行に問う。
「第一位。君の目的はなんだったんだ?」
「誰も歯向かう気ィすら起きねェ絶対的な、無敵な力だ」
アルは、傍に立つ美琴を見て、左腕がないことを思い出す。
「人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない 。何かを得るためには、それと同等の代価が必要になる。それが、僕らの信じていた絶対だった」
深い嘆息。
「彼女達の誰一人として、無敵の代価になる子はいなかったはずだ。彼女達は、誰一人無敵と無縁だったはずだ。これでお終いだ」
「キヒヒ、お終い? 許すってのかァ? いいのか、オリジナル!」
「理不尽を許した訳じゃないわ! ただ、アルが一番正しく終わらせてくれそうだから……」
「だとよォ、三下ァ! このけり、どうやってつけンだァ?」
一方通行は笑い飛ばす。そして、先ほどからの不愉快の元について問う。
「つか、糞人形共は何がしてェンだ?」
一方通行に向かっていくつもの腕が突き出されている状況。一方通行は、意味不明にも程がある、といったばかりに嫌悪を表す。
「アル、もう少しで一方通行に接触できそうですが、言われた通りへんな所で手が阻まれました、とミサカは慣れない感触に不快感を覚えながら報告します」
「アル、妹達に何させるの?」
不安そうな美琴。アルは、にこりと笑う。
「この計画、どうせ失敗するんだ。だったら、黒幕にはもっともわかりやすい形にしてあげようと思ってさ」
「わかりやすい…… 形だァ?」
「君の言うところの糞人形による最強の敗北」
アルの涼しい笑み。
「ミサカ達全員準備ができました、とミサカは何故か口角があがります」
「さ、みんな一斉に腕を引くんだからね」
「て、てめェら! な、何をするだァ!」
ミサカ達がせぇのの掛け声と共に腕を引く。発生したベクトルは正確に計算される。そして、反射する。
「……うわぁ」
「やり過ぎた、かな……ヒューズシンケントナヅケヨウ」
やったミサカ達も引いている。
美琴の頭に手を置こう、としてアルが静止。
「ちょっと…… 無理、し過ぎ…… たかな……」
そのまま前のめりに倒れこむ。
「アル…… アル!?」
「アル! 目を覚まして下さいと、ミサカは……
次回最終回でぶ。時間はいつも通りでぶ。
物理的にはあってんのかな?この勝ち方で。
まぁ、間違ってたらごめんなつぁい!!!
ではでは、本当に、本当にありがとうございました。