なんか時系列ぐちゃぐちゃで申し訳ない。
「こんな簡単に、日本解放戦線の勢力圏に入れるなんて」
不思議そうなカレンに、ルルーシュはどうでもよさそうに答えた。
「タケルの仲間が手引きしてるんだ当然だろう。それに、日本解放戦線には変な余裕があるからな。油断している」
時は、数日巻き戻る。
◆◆◆
タケルの面接終わりに離席していたルルーシュが、部屋に戻ってきた。
「どうやらコーネリアが、日本解放戦線の拠点であるナリタ連山を攻めるようだ」
ルルーシュの言葉に、全員が驚愕する。
「それは本当か!?」
「複数のルートからの情報だ。間違いないだろう」
ディートハルト、親衛隊、ヴィレッタ。情報源がいっぱいだ。
「ゼロ、どうするつもりだ?」
タケルの質問に、ルルーシュは考えるフリをしてから答えた。
「週末は、ナリタ連山へハイキングかな」
「じゃあ、コーネリアと!」
戦闘の気配を感じて気張るカレン。野生動物かな?
「日本解放戦線とは思想が違う。彼らは弱者でも無い。正直積極的に助ける気はない」
「そうか」
「反対しないのか?」
ゼロの問いに、タケルは迷わず答えた。
「俺は貴方に賭けたんだ。民間人に被害が出ないのなら、反対はしない」
覚悟が決まってる。
「ゼロ、コーネリアと戦うのは良いとして、作戦目標は?」
「え? コーネリアを倒すんじゃないの?」
タケルの質問に、カレンが首を傾げた。それにルルーシュは、やっぱりカレンは猪武者とか思いながら答えた。
「コーネリアは倒さない。というか倒してはいけない」
「えっ!? どうして!?」
「コーネリアを倒した場合、次に出てくるのは第2皇子シュナイゼル。今の戦力でシュナイゼルとやり合うのは厳しい。それに恐らく、その場合はナイトオブラウンズも来るだろう」
「ナイトオブラウンズ!」
カレンが息を呑んだ。
「その点、コーネリアは考えが読み易いから、戦い易い。コーネリアを適度に負けさせれば、雪辱を誓い自分の力で私を倒そうとするだろう。それに付き合い戦力を削り、その間にこちらの戦力を増やす」
「ブリタニアの魔女を戦い易いとか、ゼロくらいよ」
経験値が美味しいモンスターかな?
「つまり次の作戦目標は、日本解放戦線と戦うコーネリアたちに横槍を入れ、戦力を削ることだ。ついでにタケルの仲間も回収する」
「それは助かる」
「タケルたちで使えるナイトメアの数は?」
「【無頼】が4機だ」
「お前ほどの力があって、それだけか?」
「俺たちは、戦争に出ていないから若輩者扱いで、戦力として見られてないんだ」
ルルーシュは日本解放戦線は馬鹿だと思っていたが、思っていたより馬鹿で呆れた。
「この4機も藤堂さんが回してくれたやつだ」
「日本解放戦線には、ろくな人材がいないな」
そこから現地を知るタケルを交えて、策を練っていく。
「大体こんなところか」
「貴方は恐ろしい策を考えるな」
「褒め言葉と思っておこう」
冷や汗を掻いているタケルに、ルルーシュは肩を竦めた。
「しかし、奇跡の藤堂がいないのか」
「ああ、キョウトに新型の【無頼改】を取りに行っているからな。間に合うかは、五分だと思う」
藤堂が指揮を執っていれば、原作のあの無様な戦いにはならないはずだが、いないものは仕方がない。
◆◆◆
そして、これは週末前の学園。
「なあ、みんな! 週末生徒会のみんなで遊びに行かないか?」
リヴァルの誘いに、スザクが申し訳なさそうに謝った。
「ごめん、週末は軍の仕事が……」
それに続いてルルーシュも。
「俺も週末は、予定がある」
「なんだよ、ルルーシュ! 最近、付き合い悪いぞ!」
「え、ルル、週末予定あるの?」
プリプリしているリヴァルと、何やらチケットを持って唸っているシャーリー。平和だな。
「お兄様は、週末彼女とデートらしいですよ」
そこに、いつの間にか現れたナナリーが、爆弾を投げ込んだ。
「か、彼女~!?」
シャーリーが奇声をあげて引っくり返る。
「おい、いつの間に彼女作ったんだよ、ルルーシュ。言えよ水臭い」
「そうだよ、ルルーシュ。お祝いしたのに」
リヴァルとスザクはお祝いムードだ。
「なんでも、将来の約束もされたとか」
「そ、そ、それって結婚するってこと!?」
的確にルルーシュを刺しにいくナナリー。わざとだろ。
短い平和だった。この平和の壊しっぷり、流石はシャルルとマリアンヌの子。
「ナ、ナナリー……」
絶句するルルーシュ。ミレイとカレンは頭を抱えている。
「ルル~! どういうこと!? 彼女いたの!?」
「い、いや、その」
涙目のシャーリーの相手は、コーネリアより余程苦労したようだ。
◆◆◆
「あれに比べればコーネリアなど」
山頂付近で、準備を進める団員たちを離れた場所から見ているルルーシュ。傍にはC.C.がいた。
今回の作戦では、殆どの団員を作戦に従事させている。身近な団員でいないのは、ミレイくらいだ。彼女は没落したとはいえ貴族。そっち方面で活躍してもらうので、前線には出ない。
「なあ、なんで、俺たちはこんなとこまで来て地面掘ってんだよ! 温泉でも出るのかよ?」
「黙って作業しろ!」
玉城がブー垂れて、それを先輩にどやされているのを見ながら、C.C.が言った。
「なあ、ルルーシュ。お前はどうして、ルルーシュなんだ? 姓は捨てたが、名は残した。何故だ?」
「さてな。そういうお前は、何故C.C.なんだ? いくらでも偽名は作れただろうに」
C.C.は少しだけ、寂しそうな顔をした。その視線は、山肌に残った雪に向いていた。
「どうして、雪が白いか知っているか? ……自分がどんな色か忘れてしまったからさ」
ルルーシュは、フンと鼻息を吐いた。
「色を忘れたというなら、俺色に染めてやるさ」
目を見開くC.C.に、ルルーシュが言った。
「お前には、俺の護衛を任せてるんだ。頼むぞ」
言うだけ言って、ルルーシュは去っていった。
「……ガキの癖に」
残されたC.C.は、雪を一瞥してルルーシュを追いかけた。
◆◆◆
「始まったな」
コーネリアによる攻撃が始まった。凄まじい規模の部隊に、黒の騎士団の団員の中でも怖じけだす者たちが出始めた。
「コーネリアの狙いは、日本解放戦線を完全に終わらせることだろう。このナリタ連山は、完全包囲だな」
「なに、呑気にしてんだ! やべえじゃねえかよ!」
安定の玉城が喚き散らす。今回の作戦は、幹部たちは知らされていたし、古参団員も薄々わかっていた。そもそも、戦力の大半を持ち出して何もないわけないだろうに。
「我々は、ブリタニア軍に奇襲を敢行し、敵兵力の漸減を目指す!」
「馬鹿か!? 確かにこっちもそこそこの数のナイトメアがあるけど、向こうは馬鹿みてえな数いるんだぞ!? 勝てたら奇跡だ!」
淡々と目的を語るルルーシュに、玉城が噛みつく。しかし、やはりはっきり出た。古参の者たちは、覚悟を決めた目をしているのに対し、新入りは腰が引けている。
「そうだな、勝てたら奇跡だな」
「あのなあ! 奇跡は安売りなんてしてねえんだよ!」
ルルーシュが1歩前に出た。
「そうだ、奇跡に頼る軟弱者など、黒の騎士団には必要無い。必要なのは、いついかなる時も私についてくる覚悟のある者だけだ!」
ルルーシュの覇気に、玉城が後ずさった。
「そうだ! 俺はゼロについていくぞ!」
古参の1人が叫んだ。
「俺だって!」
最初の1人を皮切りに、みんなが声をあげた。
「チッ、わかったよ! あんたがリーダーだ! 従うさ!」
玉城もまわりに呑まれて、納得した。
「ありがとう。だが、この私が何の準備もしていないわけがないだろう。カレン、やるぞ」
「はい!」
各々が持ち場につき、準備が整った。
「カレン、予定通り貫通電極は3番を使用する」
「了解。出力確認、輻射波動外周伝達!」
電極を通して輻射波動が、岩盤下の水を沸騰させる。急激に水が温まり、水蒸気爆発が起き岩盤が粉砕された。
「やった!」
土石流が、ブリタニア軍を目指して流れ落ちていく。
これが、開戦の合図。ナリタ攻防戦の本番の始まりだ。
個人的には、玉城の奇跡は安売りなんてしてない!ってセリフがけっこう好きです(笑)