前話のあのセリフ、みんな好き過ぎでは?感想もここ好きもあのセリフまみれだ(笑)
「ふんふんふーん」
鼻歌を歌うゼロを二度見した千葉が、顔を引きつらせながら声をかけた。
「ゼ、ゼロ。新型が奪取できて嬉しいのはわかるが、キュウシュウの件はどうするんだ?」
他のメンバーも鼻歌を歌うゼロという奇妙な光景に、唖然としている。
あの後、無事に撤退できた黒の騎士団は、日本近海に潜水艦で潜伏していた。ちなみにルルーシュは戻ってからずっとご機嫌だ。
しかし、原作通りに中華連邦がキュウシュウに侵攻して、まわりは大騒ぎだ。
しかも原作では澤崎くらいしか、日本の重要人物はいなかったが、この世界線では逃亡した片瀬たち日本解放戦線が合流していた。
「どうすると言われても情報が無さすぎる。今キュウシュウに配置していた団員が情報を集めている。もう少し私が鼻歌を歌っていれば、情報が届けられるはずだ」
「いや、鼻歌は関係ないだろう?」
ルルーシュが、千葉の疑問を無視して鼻歌を再開すると、すぐにディートハルトが飛び込んできた。
「ゼロ! キュウシュウの情報が届きました!」
ルルーシュが報告書に目を落とす。しばらくすると、溜め息を吐いた。
「やはり駄目だな。あいつらは」
「ゼロ、どう駄目なんですか?」
カレンの質問に、ルルーシュは報告書をまわしながら答えた。
「あれは中華連邦の傀儡政権だ。頭がブリタニアから中華連邦に変わるだけだ。意味が無い」
報告書を受け取った藤堂の顔も渋い。
「それに、占拠したエリアではブリタニアの民間人を虐殺している」
ルルーシュの言葉に、全員の顔が強張った。
「一部の部隊の先走りか?」
卜部の質問に、ルルーシュは首を振った。
「占拠したエリア全てで行われている。現場の独断では無い」
「ゼロ、中華連邦とは交渉中ではなかったのか?」
千葉の質問に、ルルーシュは肩を竦めた。
「交渉中だが、中華連邦も一枚岩ではない。別の派閥だろう。私がパイプを持とうとしている男は、こんな稚拙な策は使わない」
「それで、ゼロ。我々はどうしますか?」
ディートハルトの言葉に、全員の視線がルルーシュに集まった。
「私は言ったはずだがな。弱者に、日本人もブリタニア人もないと。それなのに、民間人を虐殺。これは、黒の騎士団に対する宣戦布告だな」
「黒の騎士団は、あの傀儡政権を認めない。弱者救済の為に、澤崎を捕縛する」
「藤堂。お前はどうする? この件に、片瀬も関わっているが」
ルルーシュの問いに、藤堂は微塵も迷うことなく答えた。
「今の私は黒の騎士団の一員だ。君には借りもあるし、日本の未来についても黒の騎士団なら希望が持てる。私はゼロと共に戦う」
藤堂の言葉に、四聖剣も追従した。
「なら、黒の騎士団がただのテロリストではないということを世界に知らしめるとするか」
◆◆◆
「危険過ぎます!」
ユーフェミアが台パンをして、シュナイゼルを威嚇した。シュナイゼルは平気な顔をしているが、クロヴィスはちょっと押されている。
「スザク単騎で敵基地に突撃なんて!」
ユーフェミアの怒りはもっともだ。原作と違ってスザクは命令違反をしてないからね。
「ユフィ誤解だよ。本当に枢木少佐を突撃させるわけではないよ。あくまで敵にそう思わせることで、コーネリアたちの上陸を支援するのが目的さ」
原作通りに陸路は寸断され、海路、空路も暴風雨でイマイチと手詰まり感のあるブリタニアは、強引な作戦で現状を打破しようとしていた。時間をかけると、中華連邦に実効支配されてしまうからね。
「枢木少佐は、戦果を挙げなければならない。今回の戦いは、旧日本の政治家によるものだ。民たちは、枢木少佐を見ている」
「それは……」
ユーフェミアに、反論する言葉は無かった。なにより辛いのは、戦うスザクに対して自分には何も役割が無いことだ。お飾りの副総督、ユーフェミアは言われずとも自覚があった。
◆◆◆
「枢木少佐、今回の作戦を再度説明します」
【ランスロット】のコックピットに、セシルの通信が響いた。
「現在【アヴァロン】は、高高度から敵防衛線を突破。【ランスロット】は発艦後、フクオカ基地に突入する姿勢を見せて、敵の注意を引き寄せます。尚フロートシステムはエナジー消費が激しい為注意せよ。……スザクくん、気をつけてね」
「イエス・マイ・ロード。【ランスロット】MEブースト」
【ランスロット】が勢いよく、【アヴァロン】から飛び立っていく。
「枢木卿を1人で行かせることになるとは……」
「いや~申し訳ない! 【サザーランドカスタム】は、まだフロートシステムとの調整が終わってなくて~」
今回お留守番のクラウディオが、やるせなさそうに息を吐いた。
スザクは、迎撃の戦闘機や戦闘ヘリを落としつつ基地へと近づいていた。陽動なので、深入りはしないが澤崎と片瀬は、情報に無い単独飛行可能なナイトメアにすっかり気を取られていた。
その隙に、コーネリアが上陸を開始する。このままなら、無事に橋頭堡は確保できそうだ。
スザクがどこまで攻めるか思案していると、セシルから緊急の通信が入った。
「黒の騎士団が現れました! 黒の騎士団はフクオカ基地近隣に、突如として出現! フクオカ基地を目指して進軍しています!」
「なっ!?」
驚いたスザクが機体を翻すと、黒煙が昇っているのが見えた。
◆◆◆
「ブリタニアが陽動をやってくれるとは好都合だ。このまま一気にフクオカ基地を押さえる!」
ルルーシュとC.C.が、【ガウェイン】で航空戦力を壊滅させたので、黒の騎士団は悠々と進軍していた。
片瀬は、その報告を聞いて愕然とした。
「何故だ、藤堂! 何故、日本再建の邪魔を!」
そりゃ、中華連邦の傀儡だし、お前が藤堂見捨てて逃げるからだろ。
オープンチャンネルで喚く片瀬に、藤堂が応じた。
「片瀬少将、あなたのやり方に未来は無い。中華連邦の傀儡は、独立ではない!」
「と、藤堂……」
へたりこむ片瀬と尚も喚く澤崎。いい加減うるさいので、ルルーシュが割り込んだ。
「私は言ったはずだ。黒の騎士団は弱者の味方だと。ブリタニアの民間人を虐殺しておいて味方面など片腹痛い」
「おのれ、ゼロ! お前が藤堂を誑かしたか!」
聞くに耐えないので、無視して基地に侵入する。そもそもお前は藤堂を上手く使えなかっただろうに。
「ゼロ!」
慌てて自分も突入したスザクの目の前で、フルバーストだ。
「ハドロン砲が集束している!?」
「僕が完成させるはずだったのに~! あと、僕の【ガウェイン】がなんかゴテゴテしてる~!」
驚く研究者コンビ。ラクシャータもプリンと合作とか気持ち悪いとか思っている。
「【ガウェイン】の見た目が?」
スザクが驚くのも無理はない。ルルーシュが【ガウェイン】を少し改造させたからね。【ガウェイン】は既存のナイトメアよりも大きく、共通規格の火器は使えないので、【月下】のように、腕にアタッチメントとして火器を装着できるように改造。あと、ハドロン砲は強力だが燃費が悪いので、脚部にミサイルポッドを無理矢理着けた。
「やはり、エナジーを使わない実弾は有効だな」
撃ち切ったミサイルポットをパージして、ふんぞり返るルルーシュ。C.C.は下からジト目で、ルルーシュを見上げている。ふんぞり返るポーズが似合いすぎだ。
「隙は作った。黒の騎士団なら」
ルルーシュの作った隙を黒の騎士団が抉じ開ける。
「やっとこいつをお披露目だ!」
タケルも民間人に手を出した元同僚相手に無双している。お前ら人間じゃねえ!
「こいつもデータに無いぞ!」
タケルの搭乗しているのは、【蒼月】。ロスストの主人公の機体だが、この世界だとパイロットがいなかったので、タケルの機体となった。
「枢木スザク。ここは共闘といこう」
ゼロからの提案に、スザクは迷う。しかし、今は少しでも早く敵を叩き、民間人を保護しなければならない。
「……わかった。ただし、澤崎たちの身柄はこちらが貰う」
「いいだろう。黒の騎士団では持て余すからな」
自然と【ランスロット】が前衛で、【ガウェイン】が後衛というポジション。
「私たちが組めば、できないことなど無い」
「ッ……そうだな」
そこからは、破竹の勢いだった。【ランスロット】が突っ込み、【ガウェイン】がフォローする。それだけで、何人たりとも止めることはできなかった。あらゆる障害をぶち抜き澤崎たちに迫った。
慌てた澤崎たちが逃亡しようとするが、判断が遅い。あっという間に捕縛され、キュウシュウ戦役は幕を閉じた。
しかし、黒の騎士団は澤崎たちと迎合せず、ブリタニア軍よりも事態終息に活躍したと知れ渡り、民間の支持が更に上がった。国際社会でも、賛同者が増えてきている。
また、単騎で突入し、ブリタニア軍の中で唯一大きな戦果を挙げたスザクも認められ始めていた。
ル 俺たちが組めばできないことは無い
ス そうだな
C 私もいるんだが?
実はC.C.はちょっとモヤっていた。
キュウシュウ戦役が余裕過ぎて、ユーフェミアの告白イベントが無いなった。