コードギアス 転生のルルーシュ   作:よみや

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特区はルルーシュが協力して、なおかつギアスを特区運営する人にかけまくるとかしないと成功しなさそう。
でも結局ラグナレクの接続が無くても、ルルーシュたちが死んだら元に戻るから、結局意味ないのでは?


STAGE20 モラトリアム

 

 

 

 

 

「「ハァー!?」」

 

 千葉とカレンが絶叫した。

 

「ゼ、ゼロ! どういうつもりだ!?」

「そうよ! 諦めるの!?」

 

 今にも飛び掛かりそうな2人を、まわりが必死に押さえつける。

 

「おい、ゼロ。どうせ、お前はニヤニヤ笑ってるんだろうが。仮面で見えてないからな」

 

 C.C.の呆れたような言葉に、ルルーシュはパシッと仮面を押さえた。

 

「クククッ。そういえば、そうだったな」

「ゼロ、何か考えはあるんだろうけど、笑えないぞ」

 

 タケルの言葉に、ルルーシュはもう少し真面目に話すことにした。

 

「まあ、真面目に話すと現在の日本に、我々ができることはない。下手に失敗の原因にされない為にも、国内に留まるのは危険だ」

 

「それに、前にも話した通り、日本を解放するには国外からのアプローチが必須だ。なので、この際拠点を海外に移す」

 

 皆、ルルーシュの言葉に理解は示すも、どこか寂しそうだ。

 

「頭ではわかっているが、中々複雑だな」

 

 千葉の言葉に、異論を唱える者はいなかった。

 

「特区は失敗する。これは絶対だ。その時日本人は、再び黒の騎士団を求めるだろう。それまでに、日本を解放できる準備を済ませるつもりでいろ」

 

 ルルーシュの言葉に、全員が頷いた。

 

「ゼロ、海外の拠点はどこに?」

 

 ディートハルトの質問に、ルルーシュが答えた。

 

「中華連邦だ。やっと、パイプができたのでな」

 

 時間をかけた価値はあるのだ。あのきれいなロリコンには。

 

「桐原公にも話はつけてある。脱出時は、桐原公とかぐや様も帯同される」

「かぐや様も!?」

 

 幼くともキョウト六家の盟主。ネームバリューは抜群で、藤堂ですら驚愕している。

 

「かぐや様は、独立後の日本でトップになる御方だ。残しておいてブリタニアに良いように使われるのは不味い」

 

 桐原とかぐや以外の六家? あいつらはいらないから、ギアスで傀儡にして、特区に参加させるよ。

 

「かぐや様がいれば、いざという時の正当性も確保できる」

 

 クククッ、これで国外から介入する大義名分も十分だ。

 

「というわけで、黒の騎士団は中華連邦に移るが、これは強制ではない。特区に参加したい団員もいるだろう。そういう者は、置いていく」

 

 原作で黒の騎士団は、急激に人数を増やしていたが、ルルーシュはコントロールできない人員が嫌いなので、黒の騎士団の人員は選抜し、それ以外は下部組織としていた。信用できない連中は獅子身中の虫だからね。

 

「計画は練った。準備に掛かれ!」

 

 ルルーシュの号令で、黒の騎士団が動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 私立アッシュフォード学園。世間が特区日本で揺れる中、ここは比較的に秩序が守られていた。それも当然だろう。ここは、ルーベンが作り上げたルルーシュとナナリーの為の箱庭なのだから。いつか来る終わりの日までは、せめて安らかにと願い作られた楽園。 その守り人たるルーベンのもとに、孫娘のミレイが訪れていた。

 

「お祖父様。準備は整いました」

「そうか……」

「寂しいですが、モラトリアムは終わりです」

 

 わかっていた、終わりがいつか来ることは。それでも、少しでも長く安らかに過ごして欲しかった。

 

「後のことは、私に任せろ」

「お祖父様、お願いします」

 

 ミレイは、ルルーシュと共に発つが、ルーベンは残る。特区ができても、アッシュフォード学園は変わらずあるからだ。

 

「ルーベン」

 

 別れを済ませた2人のもとに、ルルーシュが現れた。

 

「ルルーシュ様!」

 

 ルーベンが慌てて、ルルーシュの前に跪いた。

 

「ルーベン、今までありがとう。俺とナナリーが生きてこられたのも、お前のお陰だ」

 

 ルルーシュの労りに、ルーベンは涙を流した。

 

「勿体なき御言葉。我が忠誠は永遠に、マリアンヌ様とその御子様であるルルーシュ様とナナリー様に」

「その忠誠、感謝する。待っていろ、お前の苦労が無駄ではなかったと、いつか必ず世界に示してみせる!」

 

 去り行くルルーシュに、ルーベンが声を掛けた。

 

「ルルーシュ様、このアッシュフォード学園は、ずっと変わらずにここにありますゆえ、いつまでもお帰りをお待ちしております」

 

 ルーベンの言葉を背に、ルルーシュとミレイは理事長室を出て生徒会室へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

「おい、何だよルルーシュ。こんな時間に生徒会室に集合なんて」

 

 ルルーシュとミレイが扉を開けると、リヴァルが軽口を叩いた。生徒会室には、生徒会メンバーが集合していた。他にもナナリーと咲世子がいる。

 

「珍しく会長も絶対に来いって言うんだもん。スザクくん大丈夫? 今、特区で忙しいんじゃ?」

 

 心配そうなシャーリーに、スザクは苦笑いを浮かべた。

 

「忙しいは忙しいんだけど、僕は文官のようなことはできないから、時間は貰えたんだ」

 

 しかし、スザクの表情には、どこか憂いが見えた。そんなスザクを、カレンが複雑そうな表情で見つめている。ちなみにニーナは嫉妬していた。

 

「みんなすまない。でも、どうしても大事な話があるんだ」

 

 いつもと違う、真剣な様子なルルーシュに、みんなも居ずまいを正した。

 

「率直に言う、俺はエリア11を離れることになった」

 

 ルルーシュの言葉に、生徒会室の時が止まった。

 

「え、マジ!?」

「う、嘘!?」

 

 みんな驚いたが、中でも一番驚いたのは彼女だろう。

 

「お兄様!? どういうことですか……?」

 

 明らかに初めて聞いた様子のナナリーに、シャーリーたちがギョッとした。

 

「え、ルル、ナナちゃんにも言ってなかったの!?」

「ああ、急に決まったから」

 

 ルルーシュの固い雰囲気に茶化せないと気づいたシャーリーとリヴァルが目を合わせる。動いたのは、リヴァルだった。

 

「なあ、エリア11を離れるって、どこに行くんだ? ナナリーは?」

 

 リヴァルは訝しんでいた。ルルーシュの言い方、まるでナナリーは置いていくみたいだ。いつもは、あんなに大事にしているのに。もしくは、大事にしているから? 

 

「行き先は中華連邦。ナナリーは連れて行かない」

「え? ……嘘ですよね? お兄様?」

 

 信じられないというようなナナリーの言葉に、ルルーシュは返事をしなかった。

 

「なあ、ルルーシュ。理由を聞いてもいいか? こんな急に、それもお前がナナリーを置いてくなんて」

 

 リヴァルの言葉に、ルルーシュは頷いた。

 

「ああ、理由は行政特区日本だ」

「はあ!? なんで、特区が出てくるんだよ!?」

 

 混乱するリヴァルに、ルルーシュは持っていた鞄から取り出した物を見せた。

 

「それは、俺がゼロだからだ」

 

 ルルーシュの手には、世界で一番有名な仮面があった。

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

「……何だよ、ルルーシュ。……悪い冗談はやめろよ……ゼロは賭けチェスとは違うんだぞ」

 

 唖然としたリヴァルが、引き笑いをした。

 

「……ルルがゼロ? そんなの嘘よ……だって、ここには!」

 

 シャーリーが、スザクを見た。スザクは、苦しそうな表情でルルーシュを見ていた。

 

「ルルーシュ。……当たって欲しくは……なかったよ」

 

 スザクは、何かを呑み下すように呟いた。

 

「何だよ、スザク。お前、前からルルーシュを疑ってたのか?」

 

 リヴァルの問いに、スザクは頷いた。

 

「僕は軍法廷に移送される時に、ゼロに直接会って話もしている。戦場でも会った。それに新宿事変の時も、ルルーシュに会っていた」

 

「あれだけの知略を持っていて、活動を始めたのが新宿事変。……ずっと、心の隅でそうなんじゃないかと思っていた。でも、違うって自分に言い聞かせていた」

 

「それに、キュウシュウの時も……」

 

 肩を落とすスザクから、ルルーシュは視線を切った。

 

「すまない、スザク。ずっと騙していて」

「キュウシュウで、あんなにわかりやすい言葉を言ったのに? 僕に対しては、あんまり隠す気なかったろ。それに、僕も後方勤務だって、嘘ついたしね」

 

 スザクの苦笑いに、ルルーシュも苦笑いを浮かべた。そして、視線をみんなに戻した。

 

「スザク以外にも薄々気がついていた者はいる。そうだろ、ナナリー」

「……」

 

 ルルーシュが、先ほどから無言のナナリーを見た。

 

「ナナちゃんも気がついてたの?」

「ゼロが世に出てから、明らかに俺は忙しくなった。休日は出かけ、平日の学校もサボる。一緒に暮らしているナナリーは不審を覚えるはずだ」

 

 ナナリーが震えた。

 

「それに、ナナリーは目が見えないからか、他の感覚は鋭い。いくら誤魔化しても、血と硝煙の臭いに気づいたはずだ」

「嘘です! お兄様がゼロなんて! そんなこと!」

 

 いやいやするように、ナナリーが首を振った。それは、現実逃避する者のそれだった。

 

「……ルルーシュ、何でお前がゼロなんかに。理由はなんだよ!」

 

 リヴァルの言葉に、ルルーシュは仮面を触りながら答えた。

 

「リヴァル、俺の本当の名前は、ルルーシュ・ランペルージじゃない。本当の名前は、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ」

「ブリタニア!? でも、それって」

「ああ、俺は元皇族だ」

 

 ルルーシュの言葉に、リヴァルとシャーリーは度肝を抜かれ、ニーナは腰を抜かした。

 

「それって、ユーフェミア様と同じ……」

「そうだ、ユーフェミアは異母兄妹だ」

 

 それならどうしてと言いたげなニーナだったが、言葉は出なかった。

 

「会長は知ってたんですね」

「そうよ」

 

 驚いた様子がないミレイに、シャーリーが言った。

 

「それを言うなら、カレンもだ」

「私も黒の騎士団の一員だから」

 

 スザクの問いに、カレンは正体を明かした。

 

「スザクとは何度も戦ったわ」

「そうか、あの紅いナイトメアの。……どうして君は、黒の騎士団に?」

「私は日本人だから」

「カレン、君はハーフだったのか……」

 

 驚愕が一段落したところで、ルルーシュが続きを話す。

 

「俺の母の後見人がアッシュフォード家だった。だからミレイは、俺たちのことを知っている」

 

「まだ俺が幼い頃、母は暗殺された。それで、アッシュフォードは力を失い、危険だと思った俺とナナリーは、皇位継承権を放棄した」

 

「だが俺たちは、人質として日本に送り込まれた。スザクと会ったのもその時だ」

 

「そして、そのまま戦争が始まって、そのどさくさで俺たちは死んだことになった」

 

 シャーリーが震える声で言った。

 

「そのまま戦争って、誰も迎えには来なかったってこと?」

「そうだ。他の皇族からすれば、ライバルは少ないほうが良いからな。皇帝は単純にどうでもよかったんだろう」

「そんな……」

 

 ルルーシュが、ミレイを見た。

 

「戦後いち早くやって来たアッシュフォードに保護されて今に至る」

「ルルーシュが昔からエリア11に居たってのは」

 

 リヴァルの言葉に、ルルーシュは苦笑いした。

 

「なんてことはない。エリア11になる前から居ただけのことだ」

「マジかよ……」

「俺たちは死んだことになっているから、戸籍も無い。生きていることがバレたら、暗殺されるか、政治の道具にされるか。ろくなことにはならない。だから変えることにした、自分を、世界を」

 

 ルルーシュの言葉に、全員が沈黙した。あまりにも惨すぎる話だった。

 

「……私は、お兄様と一緒に居られれば、それで良かったのに!」

「ナナリー、変わらない明日など無い。もう、モラトリアムは終わったんだ」

 

 ルルーシュがナナリーにかけた言葉に、シャーリーが反応した。

 

「会長がモラトリアム、モラトリアムって言って変な企画や祭りをやったのって」

「うん、そう。いつか来る終わりまでは、ルルーシュとナナリーに学園生活を楽しんで欲しくて……」

 

 ミレイが泣き笑いのような表情を浮かべた。

 

「まさか、こんなに早くとは思ってなかったんだけどね」

 

 原作でも、ミレイはずっとルルーシュたちのことを思っていたのだろう。だから変な企画で準備が大変でも、薄々気づいていたルル山は何だかんだ手伝った。

 

「今日集まってもらったのは、お別れとお願いをするためだ」

 

 ルルーシュが、みんなを見て笑った。

 

「今までありがとう。いつか終わる日常だとわかっていても、俺はこの生徒会での日々が楽しかった」

「ルルーシュ!」

「ルル!」

 

 リヴァルとシャーリーの目に、涙が浮かんだ

 

「だから、これは無茶なお願いだとわかってるけど、言わせてくれ」

 

 ルルーシュが、仮面を握り締めた。

 

「俺は失いたくない! わがままだってこともわかってる! それでも、俺はお前たちと一緒に居たい! だから、俺と一緒に来てくれないか!? 頼む!」

 

 自分や世界が変わる瞬間というものは、不意に訪れるものらしい。切っ掛けは、いつも人の思いだ。この瞬間、確かに原作から変わった。

 

 ルルーシュの言葉に、リヴァルとシャーリーは拳を握り締めた。

 

 

 

 

 

 

 




原作でミレイのこともっと深掘りして欲しかったな。
そして、ナナリーに襲い掛かる試練。うちのルルーシュは、大切にはするけど甘やかしはしないので(当社比)
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