コードギアス 転生のルルーシュ   作:よみや

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ルルーシュといえば


STAGE3 覚醒の黒き王

 

 

 

 

「さて、原作通りにギアスは得た。この後も同じなら良いが」

 

 ルルーシュが原作との違いについて考えていると、壁を破り【サザーランド】が突入してきた。

 

【サザーランド】は第5世代KMFで、現在のブリタニアの主力ナイトメアフレームだ。

 

 突入してきた機体はカラーリングが通常の機体と異なり、頭部の一部及び肩部が赤く塗装されているので純血派の機体だ。

 

【サザーランド】のパイロットであるヴィレッタは、親衛隊が学生に跪いているのを見て驚いた。

 

「親衛隊が何故?」

 

 建物を見回しても、学生と親衛隊。そして、倒れている男と死んでいる拘束服の女()()いない。

 

「こちらは純血派のヴィレッタ・ヌゥ。これはいったいどういった状況なのですか?」

 

 ヴィレッタが親衛隊に問いかけると、ルルーシュが答えた。

 

「私はアラン・スペイサー。父は侯爵だ。ゲットーで火遊びしていたら、この騒ぎに巻き込まれてね。親衛隊の方々に保護して頂いた」

(侯爵か……)

 

 出世したいヴィレッタは、この状況をフル活用しようと頭をまわす。親衛隊がいることで、ルルーシュのことはまったく疑っていない。

 

「親衛隊の方々とも話していたのだが、この状況ではナイトメアの方が安全だろう。良ければヴィレッタ卿に安全な場所まで運んで頂きたいのだが」

「畏まりました。私が責任持って安全圏まで護衛致します」

 

 キタコレと内心ほくそ笑んだヴィレッタが、コックピットから出ると赤い瞳と目が合った。

 

「ルルーシュが命じる! これからは、私の指示に従え!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 無事に原作通りに【サザーランド】を手に入れたルルーシュは、幾つかの仕込みをしながら戦場を移動していた。

 

「前提条件はクリア。始めるか」

 

 ルルーシュが携帯していたAR機器を操作すると、コックピット内にチェス盤が映し出された。

 

(原作通り大っぴらに援軍は呼べないだろう。つまり盤面の駒は、これが全て)

 

 ルルーシュはヴィレッタの機体を使っているので、ブリタニア軍の動きが丸わかりだ。頭の中で幾つものプランを生み出していく。

 

(恐らく原作よりも動きは早いが、想定内のはずだ。まずは、紅い兎を捕まえるとするか)

 

 ルルーシュの見つめるモニターに、紅い【グラスゴー】が映った。

 

 

 

「くそっ! ブリタニアめ!」

 

 純血派の【サザーランド】から逃げるカレンは、悪態を吐きながらも内心は諦めていた。自分たちの戦力は、片腕を失った丸腰の【グラスゴー】1機。対してブリタニア軍は、数えるのも馬鹿らしいほどの【サザーランド】を投入している。勝てるわけがない。後は、どうやって死ぬかだ。カレンとしては、1人でも多く道連れにしたい。

 

「ごめん、お兄ちゃん……」

 

 レジスタンスとして戦い、死んだ兄へと詫び、いよいよ覚悟を決めた。もうすぐ機体のエナジーが尽きる。

 

「西口だ! 線路を利用して、西口方面まで移動しろ!」

「え!?」

 

 特攻を考えていたカレンは、突然通信機から流れてきた声に驚いた。今の声は、仲間のものではない。

 

「だ、誰だ!?」

「誰でもいい。勝ちたければ、私を信じろ!」

「勝つ……」

 

 死を覚悟していたところに、絶対に無理だと思っていた勝つという言葉。カレンは、罠かもしれないと思いながらも、誘惑に勝てなかった。

 

 線路に移動したカレンを、純血派の【サザーランド】はそのまま追ってくる。どうやら、舐め腐っているようだ。

 

「おい! 線路に入ったぞ! 次はどうすればいい!?」

 

 叫ぶカレンの前に、列車が走ってきた。

 

「私を信じたからには、勝たせてやる。飛び移れ!」

 

 走ってきた列車を受け止めた【サザーランド】のパイロットであるジェレミアは、鼻白んだ。

 

「この程度、通用すると思ったか? お前は、【グラスゴー】を追え!」

 

 ジェレミアの指示で、列車に飛び乗ろうとした【サザーランド】が、空中で『スラッシュハーケン』を受けて撃墜された。

 

「なに!?」

 

 勿論ルルーシュだ。

 

「ど、同士討ち!? 貴様どこの部隊だ!」

 

 この状況で同士討ちとか腑抜けたことを言っているジェレミアに銃撃を加えるルルーシュ。

 

「お前に自由に動かれると困るんだよ、オレンジくん」

 

 戻ってきたカレンの攻撃を受けそうになったジェレミアが、コックピットブロックごと脱出した。

 

 原作でルル山がスザクが出てくるまで上手くいった理由の1つに、初っ端でジェレミアを落とせたことがある。ジェレミアの腕はラウンズに近いレベルなので、普通に戦えば扇グループでは厳しい。

 

「ありがとう。助かっ、あれ?」

 

 カレンがルルーシュを探すが、すでにルルーシュは隠れていた。今はまだ一緒に行動するわけにはいかないのだ。

 

 その後、扇たちがカレンと合流したのを見計らって通信を入れる。

 

「お前がリーダーだな?」

「あ、ああ」

「列車の中身はプレゼントだ。勝ちたければ、そいつに乗って私の指揮下に入れ」

 

 カレンたちが、恐る恐る列車の貨物室を開けた。

 

「う、嘘。どうやって、こんなに……」

 

 カレンの視界に映ったのは、沢山の【サザーランド】。闇市で流れているジャンク品ではなく、正規の物だ。

 

「紅い【グラスゴー】のパイロット」

「は、はい!」

「お前はそのまま、その【グラスゴー】を使え。その機体は撹乱に向いている」

「わ、わかった」

「【サザーランド】の腕パーツも用意してある。装着しておけ。後エナジーフィラーはニューパックに、それと武器だ。お前には、動き回ってもらう。スピードが落ちない武器にしておけ。10分後にまた連絡を入れる」

「わ、わかりました!」

 

 カレンたちが慌てて準備をしているのを眺めつつ、ルルーシュは元々自分が持っていた通信機で連絡を取り出した。

 

「そちらの状況は? …………なるほど、順調だな。そのまま、プラン通りに」

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

「準備は出来たか?」

 

 ルルーシュの声に、仲間を説得していた扇が慌てて通信機を掴んだ。

 

「君は何者だ!? 名前だけでも!」

「通信が傍受されている可能性がある。言えないな。それよりも、そろそろ始まるぞ。Q1が予定通りなら、23秒後に敵が来る。壁越しに撃ちまくれ」

 

 玉城が筆頭になってギャンギャン騒いでいるが、扇はルルーシュの指揮下に入ることを決めた。素性は知れないが、少なくとも自分が指揮するよりは良いのは、すぐにわかった。扇にはそもそも、逆立ちしたってこの数の【サザーランド】は用意出来ない。

 

「みんな機体のチェックを急げ! 俺は彼に賭ける!」

 

 扇は仲間からの信頼は高い。最終的には、ぶつくさ言いながら玉城も【サザーランド】に乗り込んだ。

 

「……よし、今だ撃て!」

 

 扇たちの一斉射撃が、カレンに接近しようとしていた2機の【サザーランド】を蜂の巣にした。

 

「オイゲン卿、ヴァレリー卿、共にロスト!」

「ん? 伏兵か?」

 

 クロヴィスが軽い驚きを覚えた頃、ルルーシュは機体の戦術マップとチェス盤を前に笑っていた。

 

「兄上、久しぶりのチェス勝負といきましょう!」

 

 ルルーシュが、黒の女王の駒を動かした。

 

「Q1、3時の方向に移動だ。P1から4は、それに釣られた奴を叩け。R1、2は8時の方向に200m移動しろ。武装ヘリが来る」

 

 ルルーシュに対するように、クロヴィスとバトレーも指示を出す。

 

「ラズロー隊とグラウベを回せ!」

「Q1は今見えている敵を倒せ。武装があれば、お前なら勝てる」

 

 カレンが【サザーランド】に、背後から襲い掛かる。アサルトライフルで射撃しながら近づき、ヒートソードでぶった切った。

 

「グラウベ卿、ロスト!」

「我が軍の機体をテロリストが……」

「通信が傍受されている。コードを変更しろ!」

 

 クロヴィスのいる指揮所は大騒ぎだ。効果的な対策を打てぬ間に、どんどんブリタニア軍は落とされていった。

 

「今だ! 本陣の直衛も回して、包囲網を狭めろ!」

 

 バトレーが止めようとするが、クロヴィスは構わず指示を出した。

 

「そこにテロリスト共がいるのは間違いないのだ! 囲んで磨り潰せ!」

 

 それに対してルルーシュは苦笑した。

 

「原作通りに1番の愚策か。やはり、兄上は大人しく芸術家をやっているべきだな」

 

 地下に移動して敵の攻撃を躱したカレンたちの攻撃で地表が崩落した為、攻撃部隊は逆に全滅した。

 

「ふー、次は【ランスロット】か。だが、真面目に付き合う必要は無い。陣形は崩した、後はイレギュラーさえ無ければ」

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

「え、撤退!?」

 

 謎の声からの指示に、カレンは意表を突かれた。

 

「包囲網は崩した、旧地下鉄のルートを使えば脱出は可能だ」

「何言ってやがる! ここまでやれたんだ! このまま、敵を全滅させた方が良いに決まってるだろ!」

 

 玉城が喰って掛かるが、誰も反対しない。皆もこのまま戦いたいのだ。

 

「なあ、俺たちの戦力は減っていないし、まだいけるんじゃないか?」

「敵はまだ精鋭を残している。これ以上は現状では無理だ。それに我々は既に十分な成果を挙げている。我々の勝利だ」

「その勝利を完全なものにする為に、本陣を落とすんだろうが!」

 

 扇が確認をするが、皆玉城の意見に傾いていた。今までまともに戦えなかった彼らにとって、今の状況は麻薬に等しかった。

 

「そっちがいも引くなら、俺らは勝手にやらせてもらう! そうだろ、お前ら!」

「え、ちょっとみんな」

 

 カレンが黙っている間に、雰囲気が悪くなっていった。カレンとしては、いくら【サザーランド】があっても、謎の声の指示無しで勝てるとは思えなかった。

 

「そうか、なら勝手にしろ」

 

 最悪の形で手切れとなり、カレンの顔は青ざめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

「クソ、イレギュラーだ! まさか扇たちが暴走するとは! 勝たせ過ぎたか!」

 

 

 

 




イレギュラーだよね(笑)
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