「うわああぁぁぁ───!?」
原作通りに扇たちは瞬殺された。スザクの乗った【ランスロット】に勝てるわけがない。これだから低能なイレブンどもは。
「チッ、貴重な機体を!」
この時期のテロリストは殆どがナイトメアフレームを所有していない。その為、あの【サザーランド】は滅茶苦茶貴重な物だったのだ。
「まあ、見つかるか」
ワンチャン隠れきれるかと期待していたルルーシュだったが、あっさりと見つかった。
慌てて潜伏していたビルから飛び出したルルーシュは、スラッシュハーケンを駆使しつつ着地して逃げる。
「逃がすか! 早く戦闘を終わらせてルルーシュを探すんだ!」
ルルーシュを助けようとするスザクが、ルルーシュに襲い掛かった。
「いくらマシンポテンシャルに差があるとはいえ、固定武器だけではな!」
今の【ランスロット】は、まだ完成したばかりで武装が無い。あるのは防御兵器のブレイズルミナスと最初から機体に組み込まれているスラッシュハーケンだけだ。
ルルーシュはライフルを撃ちまくるが、スザクはブレイズルミナスで的確に防ぎ距離を詰める。
「借りは返すぞ!」
そこにカレンが割って入った。ヒートソードで斬り掛かるが、ブレイズルミナスで受け止められた。
「くっ、これでも!?」
「だが、良いタイミングだ!」
【ランスロット】の足が止まったタイミングで、逆にルルーシュが距離を詰める。
「ルル山とは違うのだよ、ルル山とは!」
即座にスザクが放ったスラッシュハーケンを左腕で受けて防ぎ、倒れ込みながらライフルを撃って右足のランドスピナーを破壊した。
「しまった!」
これで【ランスロット】の機動性は大きく低下する。しかし、五体満足なので依然として戦闘力は高い。
「まだだ!」
腕部のスラッシュハーケンをメッサーモードにしたスザクが、カレンに斬り掛かる。
「ここまでか!」
両腕を切り裂かれたカレンが脱出装置を起動させて離脱していく。
その隙に一目散に逃げるルルーシュ。いくら【ランスロット】といえど、ランドスピナーが破壊されていては追いつけない。
「クソ、結局こうなるのか。筋トレしていなければ即死だった」
ある程度離れたルルーシュが脱出装置を起動させた。ここからは徒歩で移動する。目指すはクロヴィスのいる旗艦だ。
◆◆◆
「全軍に告ぐ。直ちに停戦せよ! 第三王子クロヴィス・ラ・ブリタニアの名において命じる。これ以上の戦闘は許可しない!」
戦場に停戦命令が響いた。命令を出したクロヴィスは陸戦艦の【G-1ベース】の艦長席に座っていた。しかし、クロヴィスのまわりに部下はいない。総督ともあろう人物がたった一人だ。
「次はどうする? 歌でも歌うか? それともチェスのお相手でも?」
どうしようもなくなったクロヴィスが、投げやりに自身を追い詰めた間者に問い掛けた。間者であるルルーシュは、笑いながらクロヴィスの前に歩み出る。
「懐かしいですね。昔、よくチェスをしましたね。大抵私の勝ちでしたけど。覚えていませんか? ほら、アリエスの離宮で」
「なに? 貴様、誰だ?」
変装で兵士の格好をしていたルルーシュが、ヘルメットを取った。
「お久しぶりですね、兄上」
「お前は……」
「元第17皇位継承位ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。帰って来ましたよ。未来を勝ち取る為に!」
ルルーシュを認めたクロヴィスが放心する。
「ル、ルルーシュ。生きていたんだね……。良かった。あの戦争で死んだと聞いていたから」
言葉の節々に安堵と喜びが滲み出ている。クロヴィスがエリア11の総督に立候補したのは、ルルーシュとナナリーが死んだ地を早く落ち着かせたいという思いからだ。イレブンの扱いが悪いのも、ルルーシュ達のことでクロヴィスが嫌っていることも要因の一つだ。
「相変わらず戦いは苦手ですか。読みやすい手でしたよ」
「あのテロリスト達の指揮はルルーシュが? 何故? 生きていたなら、私に保護を頼めばいくらでも」
「兄上、私はブリタニアが嫌いなんですよ」
ルルーシュが、拳銃をクロヴィスに突きつけた。
「ま、待てルルーシュ!」
「聞きたいことがある。母さんを殺したのは、誰だ?」
正直知っているし、興味も無いのだが、ミスリードの為に敢えてクロヴィスを脅した。
「わ、私は知らん。だが、シュナイゼル兄上とコーネリア姉上なら、何か知っている可能性がある」
「そうか」
もう十分だと判断したルルーシュは、ギアスを使った。
「今後は俺の指示に従え!」
「わかった」
いくつかの指示をクロヴィスに出したルルーシュは、致命傷にはならないが、重傷になる位置を撃って現場を離れた。
◆◆◆
翌日、何事も無かったかのように学校に行ったルルーシュは、授業を聞き流しながら今後のプランを吟味していく。
事前に立てていたプランは、ギアスを得られないものや、ギアスが絶対遵守ではなかった場合など多岐に渡る。それらを流用して、現在の状況に最も合ったプランを構築するのだ。
休み時間になり、校舎の人気の無い場所から校庭を見下ろせば、病弱設定にフラストレーションを溜めているカレンが見えた。
ルルーシュは既にカレンの素性も知っているし、ギアスの性能テストを終わらせていたので、わざわざカレンに絡みに行かない。ルル山みたいなPONは必要ないのだ。
静寂な空間に電子音が響いた。ルルーシュの通信機だ。
「俺だ。……ああ、そうだ。ケース0、対応プランはLだ。準備が整ったらまた連絡しろ」
通信機をポーチにしまったルルーシュの顔には、笑みが浮かんでいた。
「さあ、ここからが本番だ」
翌日カレンの生徒会入りを祝したパーティーを行った。カレンに目をつけられてないからシャワーシーンは無しだ。カレンの見せ場がー。
そして、原作通りにスザクが逮捕された。原作と違いクロヴィスは存命だ。ただし、意識不明の重体となっている。当然バトレーは責任を問われ、その後にオレンジが台頭してきた。どうやらクロヴィスが生きていても大筋は変わらないようだ。
せっかくのパーティーだったが、早めに終わらせることになった。ナナリーが露骨に動揺しているし、カレンはカレンで忙しくなるし。ミレイも心配そうにルルーシュを見ていた。
ルルーシュは無論スザクを助けに行くが、扇グループを頼ったりはしない。ルル山は選択肢が無かったから、扇グループを使ったが、選択肢があるならわざわざ使う必要は無い。扇グループで必要なのはカレンだけだ。
そして、原作を知っているルルーシュがそのままにするわけがなく、ルルーシュは既にきちんとした協力者を作っている。
「半蔵、俺だ。枢木スザクを救出する。……ああ、表舞台に出る。この後、例の場所で落ち合おう」
ルルーシュの頭脳で原作知識持ちなのだ。事前準備など、腐る程している。
「世界よ、刮目せよ。ゼロの勇姿を!」
エナジー切れたから、続きはまたいつの日か。