フルネームはヤマトタケル。なんか感想で当ててる人いたけど、マオかな?ただ、キラから取っているのではなく、歴史上の方から取ってます。
セリフがSEEDっぽいのは私の考えを代弁させてるからですね。武力でもしブリタニアを日本から追い出せても、それだけで日本が元に戻るわけではないので。なんなら追い出した後のが大変という……。
タケルを生み出した理由は、日本側のキャラにルルーシュやカレンと年齢近いのがあんまりいないからです。特に日本解放戦線は7年前の軍隊をベースにしてるからみんな年齢が高い。
タケルは二十歳で、戦時はまだ子供だったので軍人ではない。でも軍人の家系で、成長後に日本解放戦線に入るといった流れです。タケルのまわりには、同じような境遇の仲間がいます。
ちなみに父親は戦争で戦死。生前は中将で、片瀬や藤堂の上司をやっていたこともあるという設定です。
タケルのもう1つの役割として、将来は○○の騎士という設定があります。まだ内緒です。
「黒の騎士団、順調そうじゃないか」
ベッドに怠惰に寝転んでいるC.C.の言葉に、ルルーシュは頷いた。
黒の騎士団は、宣言通り民間人を巻き込まない活動を続けていた。犯罪グループ、汚職政治家、貴族など法を犯している者を断罪している。
そのお陰か、市民からのウケは良い。犯罪者が相手だからか、コーネリアも今はまだ静観している。
「コーネリアが、九州の準備で忙しいからな。あそこは中華連邦とも近い。色々とゴタゴタしているんだろう」
「地盤を固めるチャンスというわけか」
「そうだ。中核メンバーは揃った。これから、組織を大きくする。そして、最後のピースを取りに行かなければな」
「最後のピース?」
ルルーシュの手には、とある報告書が握られていた。
◆◆◆
「姉上の手を煩わせてしまって、申し訳ありません」
腹違いの弟、クロヴィスの謝罪にコーネリアは首を振った。
「なに、どうということはない。それよりも、意識が戻ってよかった」
コーネリア本気の安堵に、クロヴィスは苦笑いする。ブリタニア皇族兄弟は、何気に仲が良いからな。
「本当によかったです。もうすぐ、退院もできると聞いています」
一緒にお見舞いに来たユーフェミアも顔が綻んでいる。
「クロヴィス、退院後のことだが」
「はい、そのことですが、私は総督には復帰致しません」
「え!?」
クロヴィスの言葉に驚くユーフェミアだったが、クロヴィスはますます苦笑いを強くした。
「いいのか?」
「はい、私は総督の器では無かったのです。これからですが取り敢えずは、エリア11で姉上のお手伝いをしていこうかと」
「お前が手伝ってくれるのならば助かるが」
「私自身では治められませんでしたが、ここはルルーシュとナナリーの最後の地。早く平和にして、2人を弔ってやらなければ」
「……そうだな」
ルルーシュとナナリーのことを思い出したのか、コーネリアの顔に苦味が走る。
「お前を撃ったゼロのことだが、すまない先に九州に行かなければならない。ゼロについては、帰ってからとなるだろう」
「わかりました。それまでに、体を治しておきます」
コーネリアとユーフェミアが去った後、クロヴィスは黄昏れていた。
「ルルーシュ……。結局チェスでは、勝てないままだったな。あの時に、今ほどの権力があれば……」
ベッドに横たわったクロヴィスの目は、赤くなっていた。
◆◆◆
「カレンお嬢様」
聞きたくもない母親の声に苛だちながらも、カレンは玄関へと向かった。
「会長?」
そこにいたのは、ミレイと。
「すまないが、俺もいる」
「ルルーシュ?」
カレンは思わずミレイを見た。ルルーシュとは、生徒会の仲間ではあるが、そこまで仲が良いというわけではない。
「ごめんね。お祖父様に言われて届け物に来たんだけど、うちの副会長も一緒に行くってきかなくて」
なにやらミレイも戸惑っているので、ミレイの差し金ではないのはわかった。ならば何故?
「取り敢えず、私の部屋に」
異性を部屋に入れるのは少し抵抗があるが、他の部屋では継母辺りが邪魔しかねない。
「届け物はこれ。中学の成績証明書。学校では、渡さない方がいいかと思って」
「会長は知ってたんですね。私がブリタニア人と日本人のハーフだってこと」
カレンの言葉に、ミレイは曖昧に頷いた。
「ルルーシュ、軽蔑した? 薄汚いイレブンの血が混じってて」
何故来たのかわからないルルーシュに、カレンは八つ当たりのように言葉を投げた。
「人種差別はしない主義なんだ。まあ、複雑な家庭だとは思ったけど」
部屋に着く前に、継母とかち合って嫌味を言われた。とても円満な家庭とは思えまい。
「さっきのは継母で、本当の母親はメイドの方よ」
カレンは、我慢できない何かを吐き出すように、母親のことをこきおろした。
「馬鹿なんですよ、大した仕事もできないのに。だからいつもいびられて、それでもメイドを続けて。昔の男に縋ってるんです。助けてなんてくれないのに……」
俯くカレンに、ミレイが声を掛けようとすると、ルルーシュが止めた。
「カレン、君はどうしたいんだ?」
「え? 何が?」
ルルーシュの意図的に省かれた言葉に、カレンは戸惑った。
「黒の騎士団の紅月カレンは、日本を取り戻してどうしたいんだ? ってことさ」
カレンは、咄嗟に構えた。
(バレてる!? なんで!?)
混乱するカレンに、ルルーシュは何でもないかのように話を続けた。
「大きなことを成すには、それなりの思いが、動機が必要だ。まして、黒の騎士団は命懸け。君の願いは、何だ?」
ルルーシュの言葉はカレンの心を揺さぶったが、それどころではない。
「何で、私が黒の騎士団だって知ってるの?」
カレンの手が、隠しナイフが入ったポーチへとゆっくりと伸びる。
「それは──」
ルルーシュが、持参した鞄に手を入れた。取り出したのは──
「私がゼロだからだ」
カレンのよく知る仮面だった。
◆◆◆
「嘘、どうして!?」
混乱が加速するカレンに、ルルーシュはニヤニヤ笑いながら畳み掛ける。
「なんだ、ゼロの正体を知りたがっていたから教えてやったのに。ああ、本物か疑っているのか? なら、半蔵に聞いてみるか?」
「半蔵さんのことを知ってる!? まさか、本物!?」
遂に膝がガクガク震え出したカレン。ルルーシュちょっと楽しんでるだろお前。
「まったく、お前の為にわざわざ来たのだから、もう少し嬉しそうにしても良いだろうに」
できるわけねーだろと内心思いながら、ハッと気づいたカレンは、ミレイを見た。
「あっ、正体が!」
慌てふためくカレンを見て、ミレイはクスクス笑った。
「安心していいわよ、カレン。私は、初めから知ってるから」
「ええっ!?」
本日何度目かの衝撃の事実に、カレンは崩れ落ちた。
「私をからかう為に正体明かしに来たの?」
恨みがましい目で見てくるカレンに、ルルーシュは肩を竦めた。
「そんなことの為にリスクを負うわけないだろう。ここに来たのは、悲劇を1つ減らすためだ。ほら、立て」
カレンを引っ張り起こしたルルーシュは、そのまま手を引いて部屋を出た。
「ちょっと、どこに!?」
ずんずん進むルルーシュは、カレンの母親を見つけると声を掛けた。
「すみません、あなたのお部屋は?」
「はい?」
「カレン、母親の部屋はどこだ?」
「そこだけど……」
カレンの指差した部屋に、突撃するルルーシュ。両手にはカレンとカレンの母親の手を握っている。
部屋の中を見ると、一緒に着いてきたミレイが顔をしかめた。
「酷い……」
部屋は狭く、壁には罵詈雑言が書き殴られていた。
「あ、あの」
オロオロしているカレンの母親をおいて、ルルーシュは引き出しを開けた。
「あった」
中にあったのは、注射器と何らかの薬品だった。
「え、何これ……?」
「麻薬だよ。リフレイン、最近噂になっているやつだ。過去に戻ったような気になる薬だ」
カレンは母親を見た。母親は、目を逸らしている。
「あんた男だけじゃなくて、薬にまで縋って!」
激昂したカレンが、そのまま暴言を吐こうとした瞬間、ルルーシュがカレンの頬を張った。
「えっ……」
理解できず、呆然とするカレン。
「取り敢えず、そこまでだ。見たところ使ったのは、一回だけか? なら、なんとか」
「な、なにすんのよ!」
まさかルルーシュにぶたれると思ってなかったのか、ちょっと腰が引けてるカレンが抗議する。
「せっかくまだやり直せるんだから、殴ってでも止めるさ。カレンのお母さん、お名前は?」
「紅月
「朱美さん、あなたは何故、この屋敷で働いているのですか?」
「それは……」
「ハンッ、昔の男に縋ってるんでしょう!」
「カレンうるさい」
「!?」
うるさいカレンを黙らせたルルーシュは、朱美を見つめた。しかし、朱美は口を開かない。
「カレンがいるからでしょう? どんな形でも、カレンのそばに居たかった」
「え……」
カレンが、朱美を見つめた。
「……そうです。でも、カレンはそれを望んでいないようなので、これもいい機会かもしれません……」
「え、ちょっ、ちょっと待って」
「カレン、麻薬の使用は重罪だ。まして、朱美さんはイレブン。下手をしたら、一生刑務所の中だ。そうなれば、二度と一緒には暮らせない」
ルルーシュの言葉で、やっと現実を理解したのだろう。途端に、狼狽えるカレン。
「そ、そんな、やだよお母さん!」
「なんだカレン、さっきまでは鬱陶しそうにしてたじゃないか」
「それはッ! でも、やだよ! お母さん! ずっと一緒に居てよ!」
遂には泣きながら、朱美に縋りついた。まるで子供みたいだが、高校生は子供だ。
「カレン、ごめんね。お母さんが何もできないせいで……」
「違う! お母さんは悪くない! わ、私がお母さんに八つ当たりして!」
ルルーシュは、ハァと溜め息を吐いた。
「やっと、素直になったか。朱美さんは、母親だが人間だ。精神に限界だってある。これからは、もう少し歩み寄るんだな」
「でもお母さんは、リフレインを……」
「それを何とかする為に、俺が来たんだろうが」
騒ぎ過ぎたのだろう。カレンの継母が怒鳴り込んで来た。
「さっきから何の騒ぎなの!?」
ルルーシュは、王の力を解き放った。
「騒ぐな。これからカレンと朱美さんは、この家を出るが問題は無い。いいな?」
「……はい」
静かになった継母は、去っていった。
「今の何?」
「2人には、これから学園のクラブハウスで生活してもらう」
「え?」
驚く2人を無視したルルーシュが、ミレイに目配せした。
「ハイハイ。安心してカレン。既にお祖父様にも話を通してあるから。朱美さんには、学園のメイドとして働いてもらいます」
「というわけで、荷造りしろ。学園に行くぞ」
カレンと朱美は、顔を見合わせた。
◆◆◆
クラブハウスへとやって来たカレンと朱美は、どこか落ち着かない様子だ。
荷造り自体はすぐに済んだ。持っていく物があまり無かったからだ。それでも、2人とも家族で写った写真を大事そうにしていた。
「あの、ルルーシュ、いや、ゼロ……」
「普段はルルーシュでいい。どうした?」
まごまごしているカレンに、ルルーシュが落ち着いた様子で答えた。それで落ち着いたのだろう。カレンも話し始めた。
「お母さんは、結局どうなるの?」
「アッシュフォード学園で働いてもらう。流石に何もしてないのは不自然だからな。ただ、このクラブハウスで一緒に暮らせる。悪くないだろう?」
「あ、うん。それは、ありがとう。でも、どうしてお母さんがリフレインを使ってるのがわかったの?」
カレンの疑問に、ルルーシュは書類を取り出した。
「実は、近々リフレインの売人を潰そうと思って、半蔵に調べさせていた。そうしたら、購入者リストに紅月という名前があってな。詳しく調べさせたら、朱美さんが出てきたわけだ」
まあ、ルルーシュが原作知識から決め撃ちして、半蔵に調べさせたんだけどね。だから早期に見つかって、朱美も中毒まではいっていない。
「売人を潰せば、証拠も無くなり朱美さんが捕まることはないだろう。禁断症状については──」
ルルーシュの左目が輝く。
「もう、リフレインは使うな。二度と」
「……はい」
禁断症状についてはこれで解決。ルルーシュお前、依存症のカウンセラーやれ。
「?? そのよくわからないのも聞きたいけど。それよりも、どうしてここまでしてくれるの?」
カレンは不思議だった。ルルーシュは、かなり骨を折って助けてくれている。戦力として見込まれているからだろうか?
「知っていたら助けるだろう。それも助けられる類いのものなんだから」
「はい?」
「今はわからなくていい。他の理由は、カレンが好みだったからかな」
「え!?」
不思議そうにしていたカレンの顔が、朱に染まる。
「ま、詳しい話はまた明日。今日は家族水入らずで過ごすといい」
ルルーシュが部屋を出ようとすると、朱美は深々と頭を下げた。
「ルルーシュ様、本当にありがとうございました。このお礼は必ず」
「気にしないでください。あなたは、将来俺の母になる人かもしれないので」
「え、ルルーシュそれって!?」
なんか満更でもなさそうなチョロいカレンをおいて、ルルーシュは部屋を出ていった。
カレンの母親の名前がわからないので、ここでは朱美とします。なんか赤入ってるし、それっぽいでしょ。