ヤタガラス探偵事務所・帝都支部 〜大正の刃と現代の悪魔召喚師〜   作:ガチャガチャクツワムシ

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神話の崩壊と、夜明けの死闘

 不死川の苛烈な連撃が空を裂き、無惨の肉体を捉える。しかし、斬ったそばから黄金の光が傷口を塞ぎ、確かな手応えすら残さない。

「……何だ、この手応えのなさは。斬った端から戻っていきやがる!」

 苛立ちを露わにする不死川の傍らには、炎柱・煉獄杏寿郎の姿もあった。

「うむ! 再生というよりは、攻撃そのものが無効化されているようだな! 実に不可解だが、放置はできん!」

 煉獄の放つ「昇り炎天」が業火となって無惨を抉るが、内に潜むヴリトラの禍々しい気配が周囲のMAGを強引に吸い上げ、瞬時に欠損を修復してしまう。

「ハハハ! 無駄だと言っているだろう。この体はあらゆる災厄を撥ね退ける! 神にもアスラにも、人にも獣にも、昼にも夜にも、地上でも空中でも……この『ヒラニヤカシプー』の理に守られた私を殺せるものなど、この世に存在しない!」

 触手には、触れるものすべての活力を奪い去る「渇き」の黒い雷光が奔る。バルドルの「不倒」、ヴリトラの「死の拒絶」、そしてヒラニヤカシプーの「絶対の誓約」。人や神の理を凌駕した無惨に対し、柱たちの刃はことごとく虚しく弾かれていた。

「……ちっ、バルドル、ヴリトラ、そしてヒラニヤカシプーか。神話の怪物共を欲張りセットで詰め込みやがって。あの人形師め、どこまでも悪趣味な設定にしやがる」

 駆はガンプのバレルをスライドさせ、禁忌のプログラムを起動させた。

「悲鳴嶼さん! 煉獄、天元、実弥! 他の皆も、少しの間だけでいい、時間をくれ。奴をその場に縫い留めておいてほしい!」

 駆の叫びに、戦友たちが即座に呼応する。八人の柱と若き剣士たちが、命を懸けて無惨の退路を封じた。

 その絆が作った僅かな空白。駆はガンプを天に掲げ、祈りにも似た合体シーケンスを開始した。

「……ハヤタロウ、頼む。お前が核になれ。これまで俺たちが歩んできた、幾千もの戦いの記憶を全て力に変えて……スルト、ヒノカグツチ、ドミニオン、全ての仲魔たちよ、俺の相棒のもとへ集え!」

 最初の仲魔であるハヤタロウを中心に、長年苦楽を共にした魂たちが溶け合っていく。放たれた電子の鎖は、魔王アザゼルが持つ「深淵の力」と、神の右座サンダルフォンが持つ「天界の理」、そして駆という「人間の意志」を強制的に融合させた。

 二体の相反する権能が混ざり合った瞬間、戦場は真昼とも真夜中ともつかぬ、怪しくも美しい「黄昏の色彩」に塗り潰された。

「待たせたな。……これこそが、魔王と天使、そして人間が辿り着いた俺の『答え』だ」

 駆はバレルに、毒蛇ヒュドラの牙を加工した特製の弾丸を装填する。それはヒラニヤカシプーの絶対的誓約すらも腐食し、ヤドリギの毒で死を強いる禁忌の弾丸だ。

「バルドル、ヴリトラ、ヒラニヤカシプー……テメェの神話を、概念ごと撃ち抜いてやる。アザゼル、サンダルフォン! 黄昏の光で奴の全てを終わらせるぞ!」

 放たれた三つの破壊の光が無惨を貫く。ヒュドラの牙が絶対の守護を食い破り、天使の裁きがヴリトラの闇と神話の理を灼き尽くした。

「な、何だ……、この力は……! 剥がれていく……!!」

 神話の権能を失った無惨は、全身を口と触手に変えた醜悪な異形へと変貌し、逆上して咆哮する。

「……神代駆……! 貴様だけは……肉片一つ残さず喰らい尽くしてやろう!!」

 だが、その咆哮はもはや絶対の力を持たない。駆の膝が地面にめり込み、魔力の枯渇で意識が遠のく中、五感のすべてを研ぎ澄ませた剣士たちが、駆を背に無惨へと殺到する。

「行かせるかァ! テメェの相手は俺たちだァ!」

 不死川、煉獄、伊黒、甘露寺、冨岡、時透、悲鳴嶼、カナヲ、伊之助、善逸、そして炭治郎。駆が切り拓いた勝機を、全員が命を燃やして繋いでいく。

 夜明けまで、あと一時間余り。動けぬ駆の背中を守り抜くように、鬼殺隊の全員が命の灯火を掲げ、夜明けの死闘が始まった。

(……見てろよ、人形師。無惨を片付けたら……次はテメエの番だ……)

 駆は虚空を睨み、静かにそう呟いた。

駆がガンプのトリガーを引くこの瞬間に、これまでの旅路の重みがすべて込められているような熱い展開ですね。この構成でいかがでしょうか?

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