マリア様がみてる(もしも私が、祐巳ちゃんになったら・・・)   作:河森柚木

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薔薇の館1

 

校庭の片隅にその建物はある。

 

普段ここを訪れる生徒といったら、委員会の正副委員長、部活の部長、副部長だけだろう

 

一般生徒は、憧れはするだろうが立ち寄らないだろう。

 

こんな事でもないかり――

 

「蔦子さん、本当に行かないとだめ?」

 

「祐巳さん・・・ここまで来てまだ言うの?」

 

私と蔦子さんは薔薇の館の前に立っていた。

 

先ほどの写真の許可をもらう為、そうでなければ私の様な

一般生徒がここに来ることは先ずない。

 

「・・・・やっぱりやめにしない?」

 

「写真欲しくないの?」

 

蔦子さんはポケットから写真をヒラヒラと取り出した。

 

「う~わかったよ~行けばいいのでしょ?」

 

よし!と気持ちを入れ直し扉を叩こうとした時

 

「山百合会に何か御用?」

 

びっくりして後ろを振り返ると志摩子さんが「驚かせてごめんなさい」と謝りながら立っていた

 

「志摩子さんどうしてここに?」と私が聞くと

 

「祐巳さん、何言っているの…志摩子さんは白薔薇の蕾なのだからここに居るのは当然でしょ?」と蔦子さんに耳元で言われた。

 

藤堂志摩子さん――先日、白薔薇さまからロザリオを授与されたらしい。その事実がわかった時凄く驚いた。

 

「志摩子さん、私たちは紅薔薇の蕾に御用があってまいりました。取り次いでいただけないかしら?」

 

おおっと考え事をしていたら蔦子さんが志摩子さんに話をつけていた。

 

「祥子様なら中にいらっしゃると思うからどうぞお入りになって」

 

志摩子さんは私たちの脇をすり抜け扉を開く。意を決して中に入ると赤白黄3つの薔薇があしらわれたステンドガラスが目に入った。

 

高等部の生徒会は『山百合会』と称されている。3人の薔薇様が生徒会の重要な役職をこなす。雑用事を薔薇様の妹が担当する。なので自然とほかの生徒から次期薔薇様と認められてもいる。

 

階段を上るたびにギシギシと音をたてる。ずいぶんと古い建物のようだ。

 

志摩子さんの後をついていくと、『会議中!お静かに』と書かれたプレートの前で立ち止まった。

 

『お姉さま方!私を騙したのですね!?』

 

お嬢様学校ではめったにない大きな声が聞こえてきた。

 

志摩子さんは苦笑しながら「祥子様いらっしゃるみたい」

 

え?今の声・・・祥子様⁉ あの祥子様があんな大きな声出すの?

 

などと扉の前で考えていたら「ならば、今から連れてこればいいのでしょ!?」と

 

これまた大きな声が聞こえてきたと同時に『会議中!』と書かれたドアが開いと同時に人が出てきた。

「祐巳さん!危ない!」

 

「え?「きゃあ!」」

 

蔦子さの呼びかけは間に合わず、私は出てきた人とぶつかりその場に倒れた。

 

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