テンプレおじさんVS異世界美少女たち〜決死の忖度サバイバル!〜   作:鷹井オムニバス

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第11話 不良娘教育教材とメスドラ指導

 

「(今回の依頼、都合よく受けられてよかった)」

「(暴虐竜王。咄嗟に説明した際は勢いだったけど、もし竜族でそれに類いする悪竜がいたら、あの男じゃどうにもできないしね)」

「(むー……クゥが戦いたかった)」

「(クゥは一人で何日も狩りを楽しんだでしょ。しばらくは色々と手伝ってもらうわ)」

「(…………うん)」

 

 世界中を飛び回っている暴虐竜王が、この近辺に現れて暴れているという情報をリーシャが掴んだ。

 

 俺たちはその出没するらしい山脈を登っている。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……。さすがに山登りは疲れるぜ……、なぁ、みんな……!」

 

 俺の力は体力やスタミナ上昇などには使えないようになっていて、融通が利かなくて困る。

 

 まぁ、実際には使えるようなんだが、それにはまだ運命のイベントが発生してない。

 

 ノーリィにあくまで雑談として聞いた際、俺との会話に飢えてたのか、あまりにも食い付きが良かったから打ち明けたのが運の尽き。

 

 とんでもなく根掘り葉掘り聞かれて参ったぜ。

 

 ただまぁその夜はとんでもなく夢見が良くて、むしろプラスだったが。

 

「……え? あ、はぁ、はぁ、はぁ……疲れますわ……(あんなデタラメな出力をしながら、体内強化の仕方もわからないの……?)」

「……はぁ……はぁ……ハァァァァァァァ……(『俺は既に完成されてる存在だから、必要になったらイベントが起こってできるようになる』だって。)」

 

 やはり俺が大変な以上、ハーレムたちも大変だったか。2人ともスイスイ進むから、もしかしてフィジカルゴリラなのか? とも思ったが違ったようで良かった。

 

 フィジカルゴリラ枠はクゥで充分だからな。

 

「クゥは平気」

「「(ずるい)」」

 

 体力おばけでフィジカルゴリラのクゥはそのまま先に進んでいってしまった。

 

「まぁ、クゥは俺の下に帰ってくるから放置でいい。それよりも少し休もうぜ」

「は……はい。少し休んでから先に進みましょう(何回目なのかしら)」

「あそこの空き地、よさそう(……クゥはいいなぁ……)」

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 紆余曲折ありながらもついにたどり着いた竜の里。そこでは伝説の黒竜、『暴虐竜王』アムレアスが暴れていた。

 

 そいつは傍若無人に周りに被害を出しながら、他の竜たちを痛めつけているらしい。

 

 俺のハーレムドラゴン娘はいるか……?

  

「俺が……! 俺こそが……! 世界最強だ……!」

 

 俺がピンとくるドラゴン娘を探していると、問題の黒竜はやたらとイキりまくった発言をしていた。

 

「神ゴッド様……! ア厶レアスは——メスです!」

「な、なにぃぃぃい!」

 

 リーシャから衝撃な言葉を聞いた。

 

 こいつか! 俺の運命のハーレムドラゴンは! 

 これは、俺がしつけてやらんといけんよなぁ……!

 

「ア厶レアス。俺の運命のドラゴンプリンセスよ」

「あぁ……? 意味わかんねぇよ死んどけ人間」

 

 騎士のように前に出て、彼女の愛を受け止める。

 

 が、しかし。ちょっと行き過ぎた暴力や言葉がすぎるので一度叱りつけることにした。

 

 俺の愛が伝わるように、体全体に勇者の力を張り巡らせ、その状態で殴り、叩き、抑えつける。 

 

「君には俺の心のうちから溢れ出る優しさが具現化したような愛の鞭で、人間の偉大さや謙虚さ、そして素晴らしさを思い知らせてやろう。そのような増長して傲慢さを孕んだ言葉を発するのは、本当のお前ではない——」

「うっ、さ、い、わ!! オメェの方が傲慢だろ!?」

 

 まだまだ足りないな。

 

「神のような偉大さと、世界を包み込む包容力、世界最強の力を持ちながらも、消して世界を壊さない奥ゆかしさ、ハーレムを従えてなおも消えない一人一人への愛。それらを兼ね備えた俺だぞ——?」

「言ってること、おかしいだ、ろ! 俺を殴りながら! 言うことじゃねぇし! 俺相手に! 拮抗してる時点で成——」

 

 ふふふ、とんだじゃじゃ馬プリンセスだ。

 

「君がドラゴン最強のブラックドラゴンプリンセスなのは分かっている」

「は!?!?!?(こいつなんなんだよ!?)」

「そんな最強だが、世界最強の俺には及ばない。それはいずれ分かるだろう……」

「くそ! この人族話通じねぇし! もおおおおおおおお!!!(…………イキるの、辞めよう)」

 

 可愛い声でアムレアスが鳴くのを見て、俺の慈悲深さが伝わっているのだと確信した。

 

「ブフッ……(長すぎる上にどこから目線なの?)」

「おー、こんな感じなんだー、大変だねー」

 

 人魚姫のヴァイナも俺の苦労が伝わったのか、こちらに笑顔で手を振ってくる。

 

 これが冒険ハーレムだ! いつもの日常ハーレムもいいが、やっぱ人外ヒロインも刺激のために必要だな……!

 

「では行くぞ……!」

 

 そこから2時間ほどかけて死闘を繰り広げ、圧倒的な力で打ち負かした……。

 

 俺の必死な訴えが9割と、その後に来たアムレアスの親竜のほんの僅かの1割……いや、1割以下のミジンコ並みの手助け。

 

 それにより分かり合えたアムレアスが、本当の姿を取り戻して俺のハーレムに加わる。

 

 そして、無事に3つ目の封神のしずくも、戦いの余波で飛んでいった物を抜け目なくリーシャが拾ってきていたようだ。

 それをそのままノーリィに渡した。

 

「(はぁ……事前の老竜たちとの約束通り、アムレアスにはしずくに少し力を注いでもらうだけでよかったのに……)」

「(あの親竜、完全に反面教師にさせるために同行させたと思う)」 

「(…………それにしても、本当に成竜は桁違いなのね。神神がずっと拮抗してた彼女をあっさり倒すなんて)」

「(アムレアスは老竜と子竜しかいない場所で暴れてただけみたいだし、そもそも神神は人間社会では強くても、言ってしまえばそれだけだしね……)」

「(まぁ、ただの竜族なのに姫を偽るのは恐れ多いとか、やっぱり乱暴者でも上位者への畏怖はあるのね)」

「(親竜からの罰を含めた提案だから、人……というか竜によるんじゃない?)」

  

 彼女の外見は、短い黒髪の側頭部に角が生えていて、その服装は雑に布を身体に巻いただけの簡易的なもの。

 

 ぶっちゃけその見た目だけなら好みに入るんだがな……。

 

「くく、俺の強さ、謙虚さ、何よりも神々しい偉大さも伝わったか……?」

「……えー、っと、ああ。じゃなくて、はい。すっごく伝わった(ブラックドラゴンプリンセスとか、マジで勘弁してくれ……)」

 

 新たな仲間のアムレアスは、がさつな口調をどうにか矯正したいな。

 俺のような高貴な喋り方を学ばせ……ってそうだ。

 

「アムレアス」

「ん?」

「これからは、俺の言葉をつぶさに聞いて、その高貴さや品格を学び、プリンセスとしておしとやかさを手に入れるんだぞ……?」

「…………は?…………い(こいつの相手をするのは償いに必要ないだろ……親父恨むぞ……)」

 

 よしよし。一瞬、俺に反抗して声を上げたのかと思ったが、丁寧な口調を早速言おうとして詰まったみたいだな。

 

「あー……(頭おかしくなる……)」

「あはは……(アムレアス、貴方は親竜さんから頼まれたから、しばらく付き合ってもらうわ)」

 

 さらに早速行動でも移し始めたのか、リーシャたちのように俯いて清楚さアピールもし始めた。

 

 ただ、やはりがさつさが隠しきれないな。ただため息を吐いてるようにしか見えんぞ〜!

 

 ドラゴン娘も増えたことだし……。

 常駐ハーレム全体に向けて、俺のハーレムについてのスタンスを改めて語るか……!

 

「いいかみんな。増長したような言葉は力を持った存在こそ、使ってはいけない。力あるものの責任だ。常に謙虚堅実であれ。それが俺の常駐ハーレムに居続けるための条件だからな……!」

 

 ヴァイナがなぜか笑っているがどうしたんだ……? 

 

「ふふっすごいブーメランおもしろー」

 

「そ、そ、そうです……!私のこれまでの行動に対するブーメランになっていて、とても胸が痛いですわ……!(クゥもお願い)」

「…………胸が、痛い」

 

 なるほど。ブーメランとはそういう意味か。

 

 アムレアスに対して言っていたのだが、どうやらリーシャやクゥに対しても刺さっていたようだ。

 俺のハーレムは、しっかりと自分を見つめ直す女たちがいる限り安泰だ。

 

 その後、ヴァイナは笑みを引っ込めた後にこちらを見て小首を傾げる。

 

 なんというか、ミステリアスお姉さんといったところか。

 初対面以降、その美しさから交流を深めようと絡もうとした際、なぜか顔を見るとその気持ちが萎えるんだよな〜。

 

 まぁ、よくよく考えるとそれは、遠くからアイドルを愛でるような、壊してはいけない美しすぎる存在への慈しみがあったからだろうな。

 

 それにしてもノーリィはむせているし大変そうだ。 

 

「謙虚に、増長はしないようにする……ですぞ?ぜ?」

 

 アムレアス、見た目も豊満で簡易的な布を巻いただけの服装なのはポイントが高いんだが、やはり言葉遣いがガサツすぎるのが玉に瑕だ。

 

「リーシャ、奴の教育を頼めるか?」

 

 俺からの謙虚な頼みを聞いた彼女は、何故か了承しないでアムレアスと顔を合わせる。

 

「…………彼女のがさつな口調、それこそが! ドラゴンプリンセスの口調なのですわ……!」

 

 ……! そういうことか! なるほど、合点がいった。

 

 つまりアムレアスからすれば、『神ゴッド様、お慕いしておりますの……』という言葉が『おう、神ゴッド、愛してるぜ!』という言葉になっててそれがドラゴンたちの王族口調ってわけだな……!

 

「わかった。アムレアス、お前はそれでいい。それがお前の個性だ」

「お、おお……、サンキュー(正気か……? でもまぁ、リーシャには感謝だな)」

 

 あのようなギャグのような習性を持った種族は創作でしか見たことがなかったが、世界は広いな……。

 

 面白いぜ!

 




【あとがき】
ただただ数合わせの置物ハーレム要員扱いされてるクゥのことを、最初に無言キャラとして確立したリーシャとノーリィは、今更ながら羨んでます。
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