テンプレおじさんVS異世界美少女たち〜決死の忖度サバイバル!〜   作:鷹井オムニバス

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第6話 被害の阻止と涙の別れ

 

 ハーレムメンバーと交流を深めて、ついに異世界に踏み出すことになった俺、伊喜利太郎改め神ゴッド。

 

 リーシャたちと本格的に冒険を始めるにあたり、まず取りかかったのはハーレムメンバーたちの着替えだった。

 

「(あの男が変に欲情しないように、魔道袋にいつもの服は入れておきましょう)」

「(……うん。ブレイドがいない以上、見せる相手もいないし)」

「(…………ん)」

 

 ボロボロだった服を着替えた後、あからさまに服が地味になったのを見てがっかりしたが、あのボロボロの服は、あそこまで破損する前たまたま特殊効果があっただけらしい。

 

 はー、つっかえ。美少女ハーレムといえば、肌の露出が多い女たちを侍らせることで、ほかの男共の身の程を弁えさせるのが筋だと言うのに……。

 

 建てたテントや転移陣を撤去しないといけないらしく、ノーリィとクゥが残って、俺とリーシャが2人で先行することになった。

 

 ま、しかたねぇな。

 俺みたいな存在が、そんな地味な後処理をやるのは世界の損失だ。時間は限られている以上、大事にしねぇと……。

  

 そういえば、転移の際に俺と一緒に来ていた加害者たちの遺体とか、その内風化するだろうに。死後がどうたらうるさかったな。

 

 俺がちょいと、『こっちが被害者!! こいつらは加害者!! わかるか!? 俺は可哀想なんだよ!!』そう一喝してやったら、誠心誠意謝罪したあとにリーシャが話をまとめたがな。

 やはり日本とは違って異世界美少女は流石だ。ちゃんとすぐに理解してくれる。

 

 そもそも放置しておけば誰かがなんとかするだろ。

 

「(だめ、この男の言葉や行動は、主観に偏りすぎているわ)」

「(……嫌すぎるけど、あいつの話す内容を多角的に分析して、あの遺体や鉄の塊の扱いだけでも決めたい。下手に供養して異界の上位存在を刺激するわけにはいかないし)」

 

◇◇◇◇◇

 

 人には人の役目があり、お前たちを洗脳していた男は俺に情けなくも打ち倒される宿命だった。俺の役目は洗脳クソ野郎によって汚されてしまったお前たちを幸せにすることだ。

 

 そういった直後の三人のリアクション、最高だったぜ。

 

 低い声で唸りながら感激するクゥと、クゥを抱きしめながらも肩を震わせるノーリィ。

 

 そして、歓喜による興奮のあまり、近くにあった木をメイスで叩き折ってしまうリーシャ。

 

 やれやれ、暴力系ツンデレヒロインムーブはもう時代遅れだぞ?

 

 あとは、一人のために純潔を守っていることを聞けて安心したわ。

 俺だよな?って聞いた瞬間、クゥが逃げ出したのを二人も追いかけていったし。

 

 あの時ほど、異世界美少女たちの可愛さを認識した瞬間はねぇ。

 

 愛されてるぜ。

 

「(クゥ、ごめんなさい、我慢させてしまって)」

「(ううん、ブレイドのため)」

「(……思考回路がおかしすぎる)」 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 そんな俺達が近くの街を目指して歩いていると、助けを呼ぶ声が聞こえた。

 

「だ……だれか……!だれか助け……!」

 

「リーシャ! 助けを求める声が聞こえるぞ! 美少女だ! 俺のハーレム!」

「は、はい……!(この男正気?)」

 

 俺は遠くに見えた盗賊団を見据えると、縮地で現場に急行し——

 

「(プッ……あれなに? 高速で跳ねながら行く意味あるの……?)」

 

 ——スタイリッシュに現場に到着。

  

「おめぇこいつが——」

「おい、話を——」

「こいつ頭が——」

 

 無双した。

 

 なんか人質に取られていた商人の親父は、助けてやったのにキレていたな。

 まぁ、リーシャと色々と話をしたら改心したようだが。

 

「——俺が助けたぞ。神たる俺が。」

 

 そんな事よりも美少女だ。地味な茶髪だが、顔とスタイルはいいからハーレムにいれてやろう。

 

「……は? えーと……」

 

 やれやれ、言葉も出ないか。

 やがてむさ苦しい男より俺の顔を見て気分転換したくなったのか、リーシャが横から入ってきた。

 

 一旦名誉を与えるのは保留し、街にあるこの商人たちの店にまで向かうことに。

 

 向かう道中、新しいハーレムメンバーといちゃつこうとしたのだが、気づけばリーシャに俺の日本での偉業を語り継いでいた。

 

 すげぇ話してて気持ちよかったわ。さすが俺のヒロイン。

 

 ◇◇◇◇◇

 

 行商人をしている父娘が借りている部屋の一室で、先ほど中断していたハーレムのバリエーションを増やすために商人の娘を迎え入れようとした所……。

 

「なぁ、マイ。俺たちは世界を救う旅をしているんだが、俺を見て何か言うことはないか?」

 

「……は?」

 

 初対面からそうだが、ずっと困惑した表情しか浮かべていないな……。

 

「もしや、照れているのか。しょうがないな……。ハーレムに入ってもいいぞ」

 

「……はい? いえ、あの、助けて頂いたことには感謝しているのですが、私には婚やく——」

「——ああっ! そんな! 私達だけでは満足できませんか勇者様……!」

 

 そこに、店の主とかいう男と、どうでもいい報酬の話をしていたリーシャが戻ってきた。

 その隣には俺のハーレム候補の親がこちらを見て佇んでいる。

 

「いやいや、勇者様。ここはひとつ、私に貴方様の武勇伝をお聞かせ願いたい」

「俺は別に「もう! 貴女はこちらに来て! 私たちのルールを守れるならハーレムに入ってもいいから……!」」

 

「は、はい?」

 

 リーシャが嫉妬からハーレムを仕切り出す展開があり、その間暇だった俺はどうでもいいおっさん相手に武勇伝を聞かせていた。

 

 ハーレム管理なんて面倒なことは、この際俺に従順なリーシャに丸投げすればいいか。不快なら一発叱ってやればいいだけだしな。 

 

 しかし中々どうして、このおっさん、聞くのが上手いじゃないか。

「流石は勇者様だ。私のような金稼ぎしかできない男とはものが違いますな!」

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「う、うぅ……。勇者様。無念ですが、私は貴方様の救世の旅にはついて行くことができません……(ふふ、おべっかだけでひと稼ぎ、サイコ~)」

 

 俺の偉大さを商人のおっさんに言い聞かせた後、リーシャと共に帰ってきたマリはハーレム入りを最初に渋っていた理由を話してくれた。

 

 助ける時の俺の強さや心の強さを深く理解し、何の力もない自分のような商人の娘では相応しくないと辞退したというのが顛末らしい。

 

「もしも、救世の旅を終えたその時は……。勇者様の勇姿を見に駆けつけます……! どうか、旅が終えた後、世界にその名が轟かせますように」

「やれやれ。それならしょうがないな……。ま、お前がその美貌を損なわずにいるならば、席はいつでも空けてるぜ……!」

 

「はい……!(気持ちわる)」

 

 こうして俺は、いずれ回収するハーレムメンバー候補と別れた。

 

 

「(はぁ……。あの父娘、助けてあげたんだから少しぐらい、まけてくれてもいいのに……)」

「(まぁ、割り切りましょう。2人とも物のように扱われて、あそこまで援護してくれたんだし)」

 

 なにやらリーシャとノーリィが話し込んでいるので、俺はクゥの相手をしてやる。

 

「おい、撫でてやる。こっちに——」

「!?!?…………!」

 

 触ろうとした次の瞬間、走り去ってしまう。ん……?

 

「あ……!待ってクゥ!」

「あー、神ゴッド様に対して照れてしまったのかもー」

 

 ノーリィが言葉を残しながら、リーシャと共にクゥを追いかけていく。

 

 なるほどなぁ。危うく鈍感系のように悪い意味で勘違いしてしまうところだったな。

 

 やれやれ、美少女獣人とのコミュニケーションは、俺が触ろうとしただけで、十段階のうち一気に二段階ぐらい上がってしまったかな?

 

 自分の異世界での魅力を再確認しながら、救世の勇者のポージングを取りながら寛大に待つ俺。さすがに優しすぎんか? まぁ、三人が美少女だから許されているんだがな。

 

 やがて、クゥを落ち着かせて三人が戻ってきたのを確認し、晴れやかな気持ちで救世の旅を進んでいく。 

 

「(あの男、地味な服を着ていても性的な目で見ながらちょっかいをかけてこようとするから、そっちも考えないと)」

「(はぁ…………。いっそ殺してやりたいけど、あの洗脳の仕組みがわからないとそれもできない。死んだ瞬間に洗脳能力が辺り一面に広がったら目も当てられないし……)」

「(厄介すぎるわ……)」

 




【あとがき】
 商人父娘はがめつい。
 まぁ父親は、美少女しか目に入ってなかった男のせいで、人質として認識されずに殺されそうになったわけですが。
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