ハイスクールD×D 〜北欧の魔神〜   作:LIMITER

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やりたかったからやった。 後悔はしてない(キリッ


俺、弟子が増えました

 

 

オカルト研究部に入部して数日。

 

「俺にイッセーの契約取りについて行ってほしい?」

 

「ええ、お願いできるかしら」

 

深夜。 オカ研部にて俺はリアス部長に頼みごとをされていた。 部室に居るメンバーは俺、リアス部長、イッセーの三人。 他のメンバーはすでに契約取りに行っている。 リアス先輩から『リアス部長』へと呼び方が変わっているのは本人が「私のことは部長と呼びなさい」と言ったからだ。

 

「良いですけど、悪魔の契約取りに悪魔じゃない俺が付いてってもすることないですよ」

 

「カンナにお願いしたいのは契約に関することじゃなくてイッセーの監督よ」

 

監督? そういや昨日、小猫ちゃんの代わりでイッセーが初の契約取りに行ってたな。 教室で結果を聞いたら「契約取れなかった」と落ち込んでたっけ。

 

「昨日、イッセーが契約取りに行ってましたね。 契約者とトラブルでも起こしたんですか?」

 

「そうじゃないわ。 ……放課後居なかったカンナは知らなかったわね」

 

今日はルフェイに魔術を師事する約束をしていた。 だから授業が終わって直ぐ家に帰っていた。もちろん、放課後来れないことは事前にリアス部長に伝えていた。

で、ルフェイにレクチャーし終えた俺が部室にやってきたらリアス部長が頼みごとをしてきて今に至る。

 

「言うより見てもらった方が早いわ」

 

リアス部長が手渡してきたのはあの魔方陣が描かれたチラシだ。

 

「チラシの裏を見て」

 

裏?

受け取ったチラシの裏側を見るとそこには『悪魔との契約はいかがでしたか?』と書かれていた。

これ、もしかして。

 

「アンケート……」

 

「その通りよ。 契約者には契約後、アンケートを書いてもらうことになっているの。 チラシに書かれたアンケートはこの紙に表示されるわけだけど……『楽しかった。 こんなに楽しかったのは初めてです。 イッセーくんとはまた会いたいです。 次はいい契約をしたいと思います』……。 これ、昨日イッセーが契約を取りに行った依頼者さんからの回答なの」

 

「これで契約を取れないって……。 イッセー、何してたんだよ」

 

「い、いやぁ、ちょっと依頼者と漫画のことを語ってて……」

 

俺がジト目を向けるとイッセーは頭を掻いて苦笑し答えた。

 

「どうせその後、語り合いが白熱してキャラになりきってバトルごっこでもしてたんだろ?」

 

高校生にもなってそんなことする奴はいないかと思いつつ適当に言ってみたら、

 

「なんで分かった!?」

 

「……的中しやがった」

 

おい、『無限の可能性』。 こんなトコで仕事しないで他の場面で仕事しろ。

まあ、これでリアス部長が監督役を頼んだ理由は分かった。

 

「はぁ、要するに『イッセーが遊ばないように見張ってくれ』ってことですね」

 

溜息を吐く俺にリアス部長は苦笑して一言。

 

「お願いね」

 

まあ、引き受けちまったものはしょうがない。 イッセーが遊ばないよう監督しますか。

 

 

 

学園から自転車で三十分ほど離れたマンション。 ここに悪魔(イッセー)に依頼した者が住んでいる。

本来だったら部室の転移魔方陣から依頼者の元に移動するんだが、イッセーには魔方陣で転移するために必要な魔力が足りなかった。

悪魔の子供ですら転移出来るってのに、イッセーェ。

そんなワケで自転車で来た。 ちなみに運転はイッセー、俺は後ろの荷台に乗っけてもらった。

 

「依頼者、キレてないかな」

 

「さあな。 でもこれ以上待たせたらそうなるかもな」

 

「とにかくインターフォン鳴らすか」

 

ピンポーン と音が鳴り、少ししてから反応が返ってきた。

 

『あいてます。 どうぞにょ』

 

「………、」

 

「い、いま野太い声の男が『にょ』って言わなかったか?」

 

「……聞き間違いだろ。 だって男が、それも野太い声の持ち主が『にょ』なんて付けるわけがない。 そうに決まってる!」

 

「だよな? うん、男が『にょ』なんて付けるわけない! 『どうぞ』って言ってたし入ろうぜ」

 

お互いに聞き間違いだと結論付け依頼者の家に入る。 玄関で靴を脱ぎ、依頼者が居るであろう部屋の扉を開ける。 そこに居たのは、

 

「いらっしゃいにょ」

 

頭部にネコミミ、衣装はゴスロリ。 そんな恰好をした筋骨隆々な大男だった。

どう見ても変態です。 本当にありがとうございました。

にしてもこの変態、存在感が凄まじいな。

発しているオーラから最上級悪魔、ヘタすると魔王クラスの実力があるんじゃないか?

 

「あ、あの……あ、悪魔を……グレモリーの眷属を召喚しましたか……?」

 

そんな変態を前に新米悪魔イッセーは汗を流し、手を小刻みに震わせながらも言った。 上級悪魔が裸足で逃げ出しても可笑しくない状況で仕事を放棄しないとは、なかなか根性がある。

対する変態はイッセーの言葉を聞いて眼光を鋭くした。 その際、溢れた闘気が一瞬空間を歪めた気がするが、キ、キノセイ、キノセイ……。

 

「そうだにょ。 お願いがあって、悪魔さんを呼んだんだにょ」

 

にょ!? 『にょ』って言ったぞ!! さっきの聞き間違いじゃなかったぁ!!

 

「ミルたんを魔法少女にしてほしいにょ」

 

「「異世界にでも転移してください」」

 

俺とイッセーの答えが見事に一致した。

この際、語尾が『にょ』であろうと名前が『ミルたん』だろうとどうだっていい! それより『魔法少女』にしてほしい!? 筋骨隆々の大男をどうやって少女にしろってんだ!! 最低でも『性転換薬』と『アポトキシン4869』が必要になるぞ!

 

「それはもう試したにょ」

 

「なん……だと!?」

 

変態(ミルたん)の発言に俺は絶句した。

試した……それは異世界に行ったということ。 つまり『主神の槍(グングニル)』を使う以外で異世界に渡る方法があるということだ。

 

「へん…ミルたん! どうやって異世界に行ったんだ! 教えてくれたら魔法……少女にはできないが魔法なら教える」

 

「それは本当かにょ!」

 

「俺は魔術師だからな。 幸い、ミルたんの魔力資質は問題ない。 どころか何処ぞの『白い魔王』様なみに高いからな。 この交換条件呑むか?」

 

「呑むにょ。 でも『異世界転移術』は必ずしも望んだ世界に転移するモノじゃないにょ。 ミルたんが行った世界にミルたんに魔法の力をくれるものはなかったにょ」

 

それは大体予想していた。 だって、ミルたんが使った『異世界転移術』が望んだ世界に転移するモノだったらなら、ミルたんは今頃魔法少女になっているはずだから。

 

「俺は異世界転移する手段を一つでも多くしたいだけだ。 正確性は二の次に考えているから気にしなくていい。 それじゃあ早速、ミルたんはどんな魔法を使いたいんだ?」

 

「これにょ!」

 

ミルたんが取り出したのは『魔法少女ミルキースパイラル7オルタナティブ』というアニメのDVD。

 

「それに出てくる魔法少女の使う魔法を教えればいいんだな? でも俺はそのアニメ見たことないんだが」

 

「じゃあ、いまから一緒に見るにょ」

 

「了解だ」

 

 

 

DVDのセッティングを始める二人を前にいつの間にやら空気と化していたイッセーは、

 

「……あれ? コレって俺が契約を取りに来たんだよな?」

 

呟くその声はこの場にいる者の耳には届かなかった。

 

 

 

この日、カンナに新たな弟子が出来た。

その次の日、オカルト研究部にて、床に正座でリアス部長に説教されるカンナの姿が見られたそうだ。

 

 




週一でやると言ったな。 あれは嘘だ。
出来ないことを書くもんじゃないですね。 反省しておきます。
話は変わりますが、ヒロインアンケート終了の期限を決めました。 期限は原作一巻が終わるまでです。 あとアーシアをヒロインにしたい方がいましたらお早めにお願いします。
それでは、また次回。

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