どうも、魔神になってた鳴上 環儺です。
いや、ほんと
本物との違いといえば袴を履いてることぐらい。 考えてみると袴を履いてて良かった。 男であんなコスプレしていたら間違いなく変態じゃないか。
……………………男だよな?
不安になった俺は、性別を見分けられる場所を確認した。
良かった、あった。……ってそうじゃない!
「転生特典が『オティヌス』って、神様は一体何を考えてんだ。 ……まさか、魔神レベルでないと死んでしまう世界に転生させられたのか?」
神様もせっかく新たな命を恵んでやったヤツが、すぐ死ぬのは可哀想だと思ってオティヌスを俺の転生特典にしたのか? だとしても過剰じゃないかと思うんだが……。
仮にこの世界が『ドラゴンボ……』いや何でもない。 なんかフラグになりそうだから、この先は絶対言わないぞ!!
そうこうしている間も、陽はだんだんと沈んで行く。
夜の森に独りは嫌だぞ。 早く森を抜けなければ、と足を踏み出す寸前に俺はある事に気がつく。
「俺、オティヌスなんだよな。 だったら魔術が使えるんじゃ……」
物は試し、当たって砕けろだ。
まず魔術に必要な魔力。 魔力というのは、生物なら誰もが持っている生命力を精製した物だ。 その精製方法は、呼吸法や準備運動、食事制限、瞑想など様々。 ようは、血流や内蔵といった体内器官のリズムをいじると手に入るらしい。 新約二巻の魔術講座をしっかりと読んでおいて良かった。
俺は目を閉じて呼吸を深くゆっくりと、心臓の拍動が穏やかになるよう意識した。
すると、数秒が経ったところで身体の内から力が溢れ出てきた。
「これが魔力……」
全身を見えないベールに覆われているような不思議な感覚。 どうやら魔力精製は成功したみたいだ。
だからと言って、初回でいきなり『あの魔術』を使うのは危険極まりない。 なので、簡易魔術で試運転をすることにした。
湖があるから水を凍らせる魔術は……あった! 流石は北欧神話の主神である全知全能の神・オーディンと同一視されているだけあって、かなりの量の魔術やそれ関連の情報が頭に入っていた。
人差し指の先に魔力を集中させて、宙で指を動かす。 その指の後を追うようにして、目視可能な魔力で作られたルーン文字が空中に描かれていく。
「……よし、完成! あとは発動キーを唱えれば、『
俺が魔術を発動した直後、辺り一面が氷の世界に様変わりしました。
「…………えっ? ナンデ??」
湖の水は確かに凍った、だが周りの木々も一緒に凍ってしまっていた。
「簡易魔術でも魔神が使うとこうなるのか。 次から気をつけねぇと」
その時だ。 ベキッ!ベキベキッ!! という音が響いた。
氷が割れた音ではない。 驚くべきことに湖のちょうど真ん中の空間がガラスみたくひび割れたのだ。
そして、割れ目から出てきた者が。
それは、
「見つけた。 我と似た存在」
………………幼女でした。
最後に出てきた幼女は一体誰ナンダ。