俺の前に突如現れた、
(……空間を割って現れたことより、見た目のインパクトが強過ぎてそっちに驚いてんだが。 胸にバッテンシールって………)
個性的な恰好をした十二、三歳ぐらいの人畜無害そうな女の子。 だが、少女からは只ならぬ気配と、魔神である俺でさえ底が見えない力を感じ取った。
俺は警戒を強めながら、先程少女が口にした言葉を訊き返す。
「俺が似た存在? つーことは君も魔神なのか?」
「魔神? 我は『
『無限の龍神』って
……にしても『オーフィス』ねぇ。 どっかで聞いた覚えがあるんだけど、思い出せそうで思い出せない。
俺が頭を捻らせていると、今度はオーフィスちゃんが俺に訊いてきた。
「おまえ何者? 悪魔、天使、堕天使、人間、吸血鬼、龍、そのどれにも当て嵌らない」
なんか凄い単語が出てきたけど、話が脱線しそうだからスルー。
「そういや、俺だけ自己紹介してなかったな。 俺は鳴上 環儺。
「さっきも言ってた。 魔神、なに? 魔界の神?」
「違うよ。 俺が言う魔神ってのは、『魔術を極めて神の領域にまで辿り着いた魔術師』という意味の魔神。 元は人間なんだけど、神の領域に踏み込んだ時に身体の構造やらが変わって、全く別の物になった。 だから分類するなら魔神になる」
まあ、俺はいつの間にか魔神になってた転生者だけど。 と心の中で付け足す。
すると、オーフィスちゃんの無表情だった顔にほんのチョットだけ驚きがプラスされた。
「我、そんな存在知らなかった。 なら、『無限』は?」
「俺は『無限の可能性』を抱えてる。 それをオーフィスちゃんは察知して来んじゃないか?」
「『無限の可能性』?」
「そ、『何でも出来る可能性』のこと……って言えば聞こえは良いけど、言い換えれば、『何でも起こる可能性』でもある。 噛み砕いて言うと、俺はどんな事に対しても成功と失敗の可能性を抱えて、しま、ってる………」
やっべェェェえええええ!!? すっかりそのこと忘れてた!!
オッレルスも言ってたじゃん。 『世界を壊すほどの力を持っていながら、子供にジャンケンで負ける可能性さえ五十パーセントも抱えている』って ……あれ? ジャンケンの勝率って三十三パーセントだよな……勝率上がってないか? あっ、でも敗率も上がってるからどっこいどっこいだな。 あと魔神になると
どうすんだよ! 失敗する確率が五十パーセントの人生ってハード過ぎんだろ。 何で神様は、『力を放棄した後のオティヌス』を俺の転生特典にしたんだ!
いや、待てよ。 そういえば、新約十巻でオティヌスは人間に戻るために、自分の目があるデンマークのイーエスコウ城の湖、『ミミルの泉』に向かってたな。
俺もその通りにすれば人間に戻れる?
思い立ったが吉日、善は急げ!
「オーフィスちゃん、君はどうやって此処まで来たんだ?」
「? 我は転移魔法で来た」
オーフィスちゃんは小首をかしげながら答える。 俺の内心を知らなけりゃあ突然、話題を変えたようにしか見えないよな。 でも説明してる時間も惜しいんだゴメンね!
「ならさ、転移魔法でデンマークのイーエスコウ城まで俺を連れて行ってくれないか。 頼む!」
頭を下げてオーフィスちゃんに頼む。 転移魔術なら俺も使えるがその成功確率も五十パーセントしかない。 失敗して火山の中や海溝に転移する可能性もゼロじゃない。 だったら恥を忍んででも年下の子を頼るしかないじゃないか!
「……魔神が我を『我の居場所』に帰えるのを手伝うなら」
オーフィスちゃん迷子だったのかな? でも家に帰すぐらいなら魔神じゃなくても出来る。 別に人間に戻ったからって魔術まで喪う訳じゃないし。
だから、俺は迷いもせずに約束した。
「分かった。 君を『絶対に家に帰す』と約束するよ」
「ん。 なら着いて来て」
そう言うと、いつの間にか塞がっていた空間を現れた時同様に割いて、先導するオーフィスちゃん。 それに俺は着いて行く。
この時の俺は、転生したり、魔神になってたりと色んな事があり過ぎて冷静な判断力が欠けていたんだと思う。
だから、悪魔などの人外の存在がいるという事実をスルーしたり、転移魔法を扱えるオーフィスが迷子だなんて可笑しいとも思わなかった。
後々、この『約束』を後悔するなんて思いも寄らなかった………。
森の中
出会った二人は
露出きょう
思いついて書いただけの川柳です。 気にしないで下さい。
さて、話は変わりますが禁書キャラの登場に関しての意見がありましたのでこちらも活動報告の方でアンケートを取りたいと思います。
要望があったら出来る限り応えたい派の作者ですので、ご協力お願いしますm(_ _)m