ハイスクールD×D 〜北欧の魔神〜   作:LIMITER

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通算UA 1万突破、お気に入り数177件になっていて、かなり驚いてるLIMITERです!
ヒロインアンケートも協力頂き感謝します!

今回から原作突入です!




俺、デートを尾行します

 

アイツは……と、居た居た!

駅前の広場に来た俺は、そこで茶髪の少年を見つける。

少年の名は、兵藤 一誠(ひょうどう いっせい)。 周りからイッセーと呼ばれている俺のクラスメイト。 俺が駒王学園に転校して間もない頃、学園内を案内してくれた親切な奴だ。 その後、数日ぐらいイッセーが俺を怨むような目つきで見てたけど、俺、なにかしたっけ?

 

まあそれはいいとして、イッセーには一つ、欠点というか問題点がある。 エロいのだ。

人間、大なり小なり煩悩があるのだから別にそれ自体は問題ではない。 だが、本来自分の内に隠すべきそれを、イッセーは隠してないのが問題なんだ。

学校にエロ本を持ち込み、机の上に広げてクラスメイトの松田、元浜と女子が居る前で猥談をしたり、女子生徒の更衣を覗くこと数十回。 その事は他校にまで知れ渡り、イッセーはエロで有名になった。 それさえなければ、顔立ちも良い部類に入るからモテるはずなのになぁ。

 

そんなイッセーに転機が訪れた。

なんと彼女が出来たのだ。 で、イッセーは本日、その彼女と初デート。

それを尾行するために俺は此処にやって来た。 後日、教室でイッセーをからかうため……ではなく、()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

時間的にそろそろか?

 

「イッセー君! ゴメンね、待った?」

 

そう言ってイッセーの前に現れた少女。 彼女がイッセーの恋人、『天野 夕麻(あまの ゆうま)』。

見た目は、清楚な雰囲気を醸し出す黒髪ロングの美少女。 ……見た目は、な。

「いや、俺もいま来たところだから」

 

嘘つけぇ! 三時間も前からその場に居ただろ!! それに付き合わされた俺の身にもなれ! 付き合ってくれなんて言われてないが……と、ツッコミをしてる場合じゃない。

早速、イッセーたちは移動を始めた。

始まる前から若干疲れたが、尾行スタート!

 

 

 

尾行するに当たって重要なのは、ターゲットに尾けられているとバレないこと。

でも俺は日本人から見れば金髪の外国人。 嫌でも目立ってしまう。

そこで俺はオーディンの伝承を基にした、姿を変える魔術、『スヴィパル』を使った。

万が一を想定して最初は鷹、次は鷲、その次は梟、と一定時間毎に他の動物になって尾けてきた……途中、失敗して違う生物になってかなり焦ったけど。 …………つーか、鳥に変身してばっかりだな。 空を自由に飛びたい願望でもあったのか? まあ、飛ぶの楽しかったけどさ。

そんなこんなで、デートもいよいよ大詰め。 夕焼けに染まる空の下、公園の噴水前にイッセーたちは居る。

()()()も済み、草木が多い公園だったから、蛇に変身して茂みに隠れている。 段ボールに隠れるオッサンの方じゃないからな?

 

『ねぇ、イッセーくん』

 

『なんだい、夕麻ちゃん』

 

『私たちの記念すべき初デートってことで、ひとつ、私のお願い聞いてくれる?』

 

だが断る! って言うんだイッセー!!

 

『な、何かな、お、お願いって』

 

バッカ野郎ぉ! しかも、言葉に詰まり過ぎだ、なに妄想してんのか丸分かりだ!

 

『死んでくれないかな』

 

『……え? それって……あれ、ゴメン、もう一度言ってくれない? なんか、俺の耳変だわ』

 

困惑した笑みを浮かべるイッセー。

聞き間違いじゃないぞ。 だから断れって言ったのに……蛇に声帯無いけどさ。 ついでに耳もない。 じゃあなんで会話内容が分かるのかって? 読唇術だよ。

 

『死んでくれないかな』

 

『天野 夕麻』が笑いながら言った直後。 彼女の背中から二本一対の黒い翼が生えた。

やっと本性を現しやがったか。

 

『楽しかったわ。 あなたと過ごすわずかな日々。 初々しい子供のままごとに付き合えた感じだった』

 

デート中とは打って変わって、冷たく妖艶な声音を発する『天野 夕麻』。

ブゥン! とゲームの起動音を重たくしたような耳障りな音と共に、光が結集した一本の槍が『天野 夕麻』の手に現れる。 そして、その槍をイッセー目掛けて投げつけた。

 

()らせるか!!

 

ガキィィン!!

変身魔術を解いた俺はイッセーの前に立ち、風切り音を鳴らして飛来する光の槍を素手で弾き飛ばす。

 

「私の槍を弾いた!?」

 

「鳴上!? なんでお前、こんなトコにいるんだ!?」

 

おお、その反応ってことは尾行は成功だな。

 

「イッセー、話は後だ。 いまはとにかく逃げろ! ほら早く!」

 

「あーもう、訳わかんねぇ! 後で説明してもらうからな鳴上!」

 

素直に従ってくれたイッセーは、公園の出口を目指して走り始めた。

 

「っ! 逃がさないわ!」

 

「おっと、させるかよ!」

 

再び、イッセーに投擲された光の槍。 俺はそれを空中で引っ掴み、握り潰す。 弾いたらイッセーに当たるかもしれないからな。

 

「あなた何者よ!?」

 

「通りすがりの普通の魔術使いだぜ」

 

通りすがりじゃないし、普通な訳がないし、敵陣営の魔術工房があるホテルを爆破解体もしたことないけどな。

 

「私の槍を弾けたのは魔術を使ったからね。 なんだ焦って損した」

 

いや、魔術使ってないですよ? 素の力なんですけども……。 まあ、勘違いを正してやる義理もねぇからそのままでいいか。

 

「確認するが、イッセーの持ってる『神器(セイクリッド・ギア)』が狙いか? 堕天使さん」

 

そう、彼女の正体は堕天使だ。 堕天使たちは最近、神器(セイクリッド・ギア)と呼ばれる物を集めている。 その中でも特別な神器(セイクリッド・ギア)保有者であるイッセーが狙われると俺は踏んでいた。 そこへ、露骨な方法でイッセーに接触して来た堕天使がいるもんだから、俺はこのデートを尾行したという訳だ。

 

「そうよ。 彼の神器(セイクリッド・ギア)はかなり危険な物と上の方々から命を受けた。 だから始末しに来たの」

 

なるほど、イッセーがどんな神器(セイクリッド・ギア)を宿しているか知らないから殺そうとしていたのか。 あのままイッセーを籠絡して堕天使陣営に引き込めば、かなり利益があったのにな。

 

「そうかよ。 じゃあお前は俺の敵だ」

 

「敵? 下等な人間が私たち堕天使の敵だなんて笑わせないで」

 

あの、俺、魔神です。 人間じゃないです。 でも腹が立った。

 

「人類を無礼(なめ)るなッ!!」

 

某PCゲームの名台詞を叫んだ俺は骨船を用いて、一瞬で堕天使の背後に移動、ルーンが書かれた霊装(カード)を取り出して呪文を唱える。

 

炎よ(Kenaz)――」

 

俺の手に魔力で精製された炎が集まり、剣を形造(かたちづく)る。

 

「なっ! いつの間に!?」

 

俺に背後を取られたと気付いた堕天使が慌てて光の槍を作ろうとする。

もう遅い!

 

「――巨人に苦痛の贈り物を(Purisaz Naupiz Gebo)

 

摂取三千度の炎剣を堕天使に振り下ろす。

しかし。

ボンッ! と炎剣は堕天使に当たる前に暴発した。 外部から妨害を受けたのではない、『無限の可能性』の弊害が発生したのだ。

 

「きゃっ!」

 

「っ! こんな時に!」

 

爆風によって吹き飛ばされ、堕天使との間に距離が出来てしまう。

と、その時。

 

「レイナーレ様、ご無事ですか!」

 

上空から現れたのは帽子を被ったスーツ姿の男。 その背中には黒い翼。 堕天使だ。

呼び方からして『天野 夕麻』もとい、レイナーレの部下だろう。

 

「心配は無用よ。 それよりもドーナシーク、ちゃんと始末したのでしょうね?」

 

「は! 腹部へ光の槍を突き刺したので、間もなく出血多量で死亡すると思われます」

 

ドーナシークと呼ばれた堕天使はレイナーレにそう報告した。

……そういうことか。 悪りぃイッセー、俺の判断ミスだ。

 

「残念だったわね。 あなたが守ろうとしていたイッセーくん死んじゃうみたいよ」

 

クスクスと嗤うレイナーレ。

戦闘の余波を気にして逃したのが裏目に出た、あのまま一緒に居れば良かった。

もしくは、堕天使(レイナーレ)()()()()()()()なんか使わずに、さっさと殺せばよかった。

 

「――(M)界を(T)構築(W)する(O)(T)大元(F)(F)の一(T)つ、(O)(I)(I)なる(G)(O)まり(I)(I)(O)よ」(F)

 

俺の周りで炎が渦巻き、次第に一点に集まる。

後になって悔いる、だから後悔。 まさにその通りだ。 だけど安心してくれ。 仇を取ったら()()()()()()からさ。

 

(I)れは生命(I)を育(B)恵みの光(O)にして、(L)(A)(I)する(I)裁き(A)(O)り。(E)

(I)れは穏やか(I)な幸運を(M)たすと同時、(H)(A)き闇(I)滅す(I)凍え(B)不幸(O)り。(D)

その(I I)名は(N)炎、(F)その(I I)役は(M)剣。(S)

(I)現せ(C)よ、(R)(M)身を(M)らい(B)力と(G)せッ(P)!」

 

轟! と集まった炎の塊は、重油のようなドロドロとした人型を軸にした炎の巨人に変化した。

この魔術を行使するには一定範囲に『ルーンの刻印』を刻み、結界を作る必要がある。今回は公園にやって来た際、上空からルーンを刻んだカードをばら撒いて結界を作る、という下準備をしていたので使うことが出来た。

 

「な、何よ、ソレ……」

 

「『魔女狩りの王(イノケンティウス)』。 その意味は『必ず殺す』。 ……殺れ」

 

俺が短く合図を出すと、『魔女狩りの王(イノケンティウス)』は燃え盛る巨大な両手を広げ、砲弾さながらの速さでレイナーレたちへ突進する。それをレイナーレたちは上空へ飛んで避け、光の槍を投擲。 光の槍は『魔女狩りの王(イノケンティウス)』に直撃して、風穴を開ける。 が、何事も無かったかのように開いた穴は塞がる。

 

「光力が効いてない!?」

 

そりゃあ、目の前の炎の巨人は虚像だから攻撃しても意味ねぇよ。 魔女狩りの王(イノケンティウス)を消したいなら、術者の俺を倒すか、この公園にばら撒いたルーンのカードを一枚も残さずに消すかの二択しかない。

 

「レイナーレ様! 目的は達しています、撤退しましょう!」

 

「分かったわ」

 

「誰が逃げていいなんて言った!」

 

ふざけんな!! 人の友達殺して、簡単に逃がすと思ってのか!

相手は上空、ならば此方も飛べばいい。

 

「『ベルヴェルク』!」

 

俺の背中に発生した三つの竜巻が推進力となり、俺を堕天使に向けて押し上げる。 堕天使共は転移魔術の準備のため止まっている。

今度こそ、成功してくれよ!

 

灰は灰に(AshToAsh)――」

 

再び右手に炎剣が生み出される。

 

「――塵は塵に(DustToDust)――」

 

さらにもう一本、青白く燃える炎剣を左手に。

 

「――――――吸血殺しの紅十字!(Squeamish Bloody Rood)

 

詠唱の終わりと同時、目の前の堕天使……ドーナシークに二本の炎剣を振り下ろした。

 

「っぐわぁぁぁぁぁあああああ!!?」

 

今回は暴発せず、ドーナシークの身体を切り裂き、跡形も残さず焼き尽くした。

 

「くっ、この借りは必ず返すわ!」

 

だが、炎剣を当てられなかったレイナーレには逃げられてしまう。

いま追いかけたら追いつくだろうけど、イッセーの方が先だな。

俺は『魔女狩りの王(イノケンティウス)』の発動を止めた。 警戒されて姿を現さないかもしれないからな。

「……コソコソしてないで、出てきたらどうなんですか?」

 

「気配は消していたのによく気づいたわね。 ……鳴上・W・環儺くんで間違いないかしら?」

 

現れたのは、紅髪ロングのグラマラスな美少女、駒王学園三年で『学園の二大お姉様』と呼ばれている、リアス・グレモリー先輩だった。 見たことはあったけど、会話するのは初めてだ。

あっ、言ってなかったが学園では『鳴上・Wodan(ウォーダン)・環儺』って名前を使っている。 見た目がこんなんだから、北欧と日本のハーフってことにした。

 

「そうですよ、グレモリー先輩」

 

「私のことはリアスでいいわ」

 

「そうですか。 じゃあ早速ですけどリアス先輩、イッセーは何処に?」

 

「! ……やっぱり気づいてたのね。 ここよ」

 

そう言ってリアス先輩は魔方陣を展開、魔方陣の中央に現れたのは、イッセーだ。

イッセーは気絶しているが、()()()()()()()()()()()

しかし、先程焼滅させたドーナシークは、イッセーの腹に光の槍を刺したと言っていた。 その証拠にイッセーの着ている服の腹部が、何かで突き刺されたかのように破れている。

致命傷は負っていたがこの短時間で完治している。 グレモリーの魔方陣から現れた。 イッセーから極々微量だが魔力を感じる。

 

「……イッセーを眷属悪魔にしたんですか?」

 

考えられるとしたらそれしかない。

 

「ええ、その通りよ。 彼があのまま死んでしまうのはあまりにも可哀想だから、『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』で私の眷属悪魔に転生させたの」

 

いまの会話を聞いての通り、リアス先輩は悪魔だ。 そして、この土地の管理人でもある。

にしても悪魔か。 『死者の軍勢(エインヘリヤル)』の改良版で生き返らせても良かったんだけど……イッセーにとっては、ある意味天職だな。 悪魔に天職って言っていいのか判断に困るが。

 

「そうですか」

 

「次は私が質問してもいいかしら?」

 

「あー、さっきの戦闘で疲れたんで、質問は後日でもいいですか?」

 

「……分かったわ。 近いうちに使いを送るから、その時質問に答えて貰うわよ」

 

少し考える素振りを見せたリアス先輩はそう告げた。 多分、土地の管理者として土地のことを把握して置かなきゃいけないのかな。

イッセーがいるから今後、大変そうだけど頑張って下さい、陰で応援してますから。

 

「お気遣い感謝します。 それではイッセーをよろしくお願いします」

 

「あっ、ちょっと待って!」

 

「えっと、まだ何か?」

 

「この子の家の場所は分かるかしら」

 

「ああ、でしたら俺が案内しますよ」

 

その後、リアス先輩をイッセーの家まで案内した俺は自宅に帰った。

 

 

これが、後に『乳龍帝』として世界に名を轟かすこととなる兵藤 一誠が、悪魔になった出来事である。

 

 




ドーナシークさんは、お亡くなりになられました。

『ベルヴェルク』で竜巻を発生させたカンナくんに「悪ィが、こっから先は一方通行だ。 侵入は禁止ってなァ!」を言わせてみたかったんですが、この場面には合わないのでボツに。 なので別の機会で他の誰かに言って貰うことにしました。 因みにその誰かはもう決まってたりしますw

ハイスクールD×Dのキャラに禁書の名言(迷言も)を言わせてみようかな? なんて考えています。
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