クセが強いキャラばかりですけど頑張ります! まあ、あと一枠残ってるんですが……一体誰になるのやら。
「ふわぁーあ、眠ぃ……」
俺は欠伸をかいて、駒王学園に向かう通学路を歩いている。
堕天使との戦いから数日。 イッセーは堕天使との一件を忘れているのか、それとも夢だと思っているのか、俺に説明を求めてくる様子はない。
ただ、「夕麻ちゃんって名前に聞き覚えないか?」とだけ訊かれた。 どうやらあの堕天使、自分に関する情報を周囲から消したみたいだ。
イッセーに訊かれた俺は「ない」と答えた。 「ある」と答えても良かったが、イッセーの
「ん? なんだありゃ」
駒王学園の校門に到着した俺は生徒たちの人集りを発見した。 皆ある方向に目を向けて「そんな」「ウソよ!?」「どうしてあんな奴が……」と口々に言っている。
何かあるのか? 気になる。 でも前のヤツらが邪魔で見えねぇ! なんせ身長が百六十センチしかないからな! 高校二年の男子なのに!!
人を掻き分けて前に行くのも億劫だから近くの女子生徒に訊いてみることに。
「なぁ、人集りが出来てる理由分かるか?」
「えっ? わぁ! 鳴上きゅんだ!!」
………………いまこの子「鳴上きゅん」って言わなかった? 俺の聞き間違いだよな? 男に「きゅん」なんて付けるわけないし、「くん」と聞き間違えたんだな。 うん、そうに決まってる。
「……えっと、もう一度訊くけど、人集りが出来てる理由分かるか?」
「うん! リアスお姉様とエロ兵藤が一緒に登校して来たからだよ!」
「ああ、なるほど。 どっちもこの学園じゃあ有名人だもんな」
方や、学園のアイドルとして。
方や、学園の変態として。
人気と不人気。 真逆の方向性だが有名なことに変わりない。
「そう言うキミだって有名人じゃん!」
「へっ? 俺が有名人??」
そういやこの子、俺の名前知ってたな。
俺の容姿が原因か? 女と間違えられるし、眼帯してるし。 ああ、眼帯はあの物々しい革のヤツじゃなくて病院とかで貰う白いヤツな。 学校ではそれを使ってる。
「俺が有名になってるのって見た目か?」
「ん〜半分正解、ヒントは鳴上きゅんの代名詞になってるものだよ!」
俺の代名詞? 俺にそんなのがあんのか。 つーか、また「きゅん」って聞こえたぞ! 俺の耳は『く』を『きゅ』に変換してしまうのか!?
「気づいてないの? 有名なのに」
「……分かんねえ。 俺はどんなことで有名なんだ?」
変な噂とかだったら嫌だな。 でも、根も葉もないモノだったら正さないと。
「うんとね、鳴上きゅんは『ドジッ娘』で有名だよ!」
「……………………………………………………………………………………………ハイ?」
一瞬、俺の頭の中が真っ白になった。
イマナンテイッタ?
「鳴上きゅんはいつも何処かでコケたりしてるよね? だから、ドジな男の娘、略してドジっ娘!」
えっ!? あれ見られてたの!?
俺は魔神であるため、歩くと半分の確率で小石に躓いたり、ひどい時はBB弾を踏んづけてコケることがある。 だが、コケるのは大抵人気がない場所。 見られてたなんて思ってなかった 。 気配も感じなかったし。
「…………訊くが、アンタも見たことが?」
「あるよ! ここの学生の半分は見たことあるんじゃないかな?」
半分!? 気配はなかったぞ! ……いや待て、気配察知も半分の確率で失敗するから………。
うわぁ、マジかよ。 コケてる姿を見られるって結構恥ずかしいのに! これからどんな顔してクラスメイトに会えばいいんだよ。
「あっ、そろそろ予鈴が鳴っちゃうよ?」
「…………、」
「あー、まあ元気出しなよ! 人なら失敗の一つや二つあるって! せっかくの可愛い顔が台無しだよ!」
…………それ、女の子に言う台詞。 それと俺、人じゃない。
衝撃的な事実にハートブレイクされた俺は、女子生徒に励まされながらトボトボと教室を目指すのだった。
放課後。
朝のことは気にしないことにした。 今更何をやっても手遅れだからな! もう破れかぶれだ!! と俺が帰る準備をしていた時だ。
「きゃああああ!!」
女子たちが黄色い歓声を上げた。 見ると教室の扉に一人の男子生徒が立っている。
左目の泣き黒子、爽やかなスマイルを振りまく金髪イケメン、クラスは違うが同学年の
アイツが来たってことは……。
木場はイッセーに近づき二、三言葉を交わして俺に近寄ってきた。 イッセーも一緒だ。
「や。 どうも、鳴上くんだね?」
「そうだが……、自己紹介もなしか?」
「おっと、僕としたことが。 二年C組、木場 祐斗だよ。 よろしくね」
と言って木場は手を差し出してきた。 そこまでキッチリしたのを求めてたんじゃないけどな。
「鳴上・W・環儺だ。 よろしく」
短く返して木場と握手した。
すると、一部の女子生徒たちが騒ぎ出した。
「これはまさか!? そういうことなの」
「夢にまで見て待ち望んでいた。 でも、現実では実現しないと思っていた」
「「木場くん×鳴上きゅん!!」」
あの女子二人は声を揃えて何を宣ってやがりますか!!
俺はノーマルだ! 男に劣情を催すホモォじゃない!! 俺をテメェらのビーでエルな時空に巻き込むな!
「でも、何で兵藤も一緒なの?」
「はっ! これが噂に名高い『恋の三角関係』! 鳴上きゅんを巡って、木場くんと兵藤が一騎討ちをするのよ!」
おいおいおい!! 今度は違う女子が変な電波を受信しやがったぞ! つーか俺がヒロインポジか!?
他の二人も聞いてたみたいで、木場はあの爽やかスマイルがぎこちなくなってるし、イッセーはうぜぇって顔してる。
腐のつく女子たちの妄想が更に広がる前に、この場から撤退しなければ。
「用件は分かってる。 リアス・グレモリー先輩の使いで来たんだろ。 サッサと行こう」
俺は早口で言って、木場とイッセーの手を掴み、逃げるように教室から出た。 その際、後ろが騒がしくなってたが知らん。
木場に連れられて校舎の裏手にある旧校舎の二階、その一番奥の教室前にやって来た俺とイッセー。
扉のプレートには『オカルト研究部』と書かれている。
「部長、連れてきました」
「ええ、入ってちょうだい」
木場が確認を取ると、中からリアス先輩の声と微かに水が流れる音が聞こえた。
なんだこの音? ……中に入れば分かるか。
木場たちの後に続いてオカルト研究部の部室に入ると、そこは床や壁、天井の至る所に魔術的な意味を持つ文字や魔方陣、人払いの術式などが記された部屋であった。
部屋の奥にシャワーカーテンで締め切られているシャワールームがあったのだ。
しかも、使用中。 扉の前で聞こえた水の音はシャワーの音だったようだ。使ってるのはリアス先輩か? あともう一人あそこに居るみたいだけど、たぶん姫島先輩だな。
それ以外は机やソファーが幾つかある。 配置は校長室をイメージしてくれ。 それが一番近いと思う。
と、ソファーに座って羊羹を食べている白髪の小柄な体の少女がいた。
だが、とある理由で二人は疎遠中。 自分の妹にぐらい
いまは関係ないか。
「こちら、兵藤一誠くんと鳴上・W・環儺くん」
この場で唯一、全員と面識がある木場が紹介をすると、小猫ちゃんはぺこりと頭を下げて挨拶をしてくれた。
「あ、どうも」
「よろしく」
こちらが挨拶したのを確認した小猫ちゃんは再び羊羹を食べ始める。
オーフィスほどではないけど、この子も無表情で無口だな。 姉妹なのに黒歌と性格が正反対だ。
それから数分が経過してシャワールームからリアス先輩が出てきた。
「ゴメンなさい。
昨夜? 昨日なにかあったのか? あとで聞いてみよう。
そして、もう一人。 リアス先輩の背後に黒髪をポニーテイルにした女子生徒。 予想通り、リアス先輩と同じこの学園の『二大お姉さま』である、
「あらあら。 はじめまして、私、姫島 朱乃と申します。 どうぞ、以後、お見知りおきを」
ニコニコと笑顔で丁寧な挨拶をくれた。 この時代には珍しい大和撫子然としているんだよな姫島先輩って。
「こ、これはどうも。 兵藤 一誠です。 こ、こちらこそ、はじめまして!」
イッセー緊張し過ぎだ。 挨拶なんだからもっとリラックスしてやらないと。
「はじめまして、鳴上・W・環儺です。 よろしくお願いします」
それを確認したリアス先輩が頷き、
「これで全員揃ったわね。 鳴上くん、カンナって呼ばせてもらってもいいかしら?」
「構いませんよ」
「それじゃあ改めて。 イッセー、カンナ」
「は、はい」
「はい」
「私たち、オカルト研究部はあなたたちを歓迎するわ。 ――――悪魔としてね」
……悪魔に歓迎されるってなんか嫌だな。
と心の中で思う俺だった。
次回を乗り越えれば、私がカンナくんに会わせたい『あの人』に会わせることが出来る。 ただ、次回は説明回……頑張らねば