星の病と呪いの理〜記憶を持たない転生者たちの新たな戦い〜   作:いくと

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深まる絆と、特級術師たちの思惑

夏油傑との過酷な手合わせから数時間後。

すっかり日の落ちた呪術高専の学生寮では、一年ズの面々がノクティスの部屋に集まっていた。

 

プロンプト「いっ、だだだっ! ストップ、虎杖ストップ! マジで背中折れるから!」

 

虎杖「えー? まだ全然力入れてねぇぞ。夏油先生の呪霊に吹っ飛ばされた筋肉痛には、これくらい強めのマッサージが効くんだって!」

 

ベッドの上でうつ伏せになりながら悲鳴を上げるプロンプトの背中を、虎杖悠仁が容赦なく揉み解している。その横で、ノクティスは床に座り込みながら大きなため息をついた。

 

ノクティス「……お前ら、元気すぎだろ。俺はもう指一本動かしたくねぇ……」

 

伏黒「特級術師を相手にあれだけ動ければ十分だ。あの夏油先生がお前たちを認めたんだからな」

 

壁に寄りかかっていた伏黒恵が、珍しく素直な称賛を口にする。

そこへ、「失礼します」と控えめなノックと共に、ルナフレーナが部屋に入ってきた。彼女の手には、湯気を立てるハーブティーと、家入硝子から貰ってきたという湿布薬が抱えられている。

 

釘崎「あ、ルナフレーナ! ちょうどよかったわ、このバカ男子どもがむさ苦しくて酸欠になりそうだったのよ」

 

ルナフレーナ「ふふ、お疲れ様です、皆さん。家入先生のところに怪我の報告がなかったので安心しましたが……かなり疲労が溜まっているようですね。ノクト、少し肩に触れますよ」

 

ノクティス「……ん。サンキュー、ルナ」

 

ルナフレーナの白く細い指先がノクティスの肩に触れる。すると、彼女の内に眠る『正のエネルギー』が無意識に作用したのか、張り詰めていた筋肉の強張りが、じんわりと温かい光に包まれるように解れていった。

 

ノクティス「……なんか、すげぇ楽になった。お前、もう反転術式使えるようになったのか?」

 

ルナフレーナ「いいえ、まだ本格的な治癒はできません。ただ、家入先生の教えで、自分の中にある温かいものを外に向ける感覚……少しだけ掴めてきたような気がするのです」

 

彼女の献身的な姿に、ノクティスは照れくさそうに視線を逸らしたが、その口元は微かに緩んでいた。

 

一方、その頃。

高専の教員用ラウンジでは、特級呪術師の三人が円卓を囲み、コーヒーと酒を交えていた。

 

夏油「……改めて直接手合わせをして、確信したよ。彼らの力は、我々の知る『呪術』の枠組みから完全に外れている」

 

夏油は真剣な面持ちで、手元の資料に視線を落とす。

 

夏油「呪力を消費せず、むしろ敵を討伐することで総量を増していく性質。そしてノクティス君が見せた、呪力を純粋な物理現象の『炎』に変換するあの魔法石……。まるで、世界の理(ことわり)そのものが彼らに味方しているようだ」

 

五条「でっしょー? 僕の六眼で見ても、彼らの呪力の出処が全然わかんないの。でも、あの『レベルアップ』の性質があれば、これからもっと面白くなる。なんたって、上層部のジジイ共が震え上がるくらいのバケモノに育つかもしれないからね」

 

五条はソファに深く背中を預け、楽しそうに笑う。

その対面で、アーデンは自販機の缶コーヒーを転がしながら、胡散臭い笑みを浮かべていた。

 

アーデン「やれやれ、君たちは本当に教育熱心だねぇ。でも、五条。あまり彼らを目立たせると、君の嫌いな『上層部』だけでなく、もっと厄介な連中に目をつけられるかもしれないよ?」

 

夏油「アーデンの言う通りだ。私が地方で見つけた『未知の毒』……あの気配は、確実に意図的なものを感じる。もしあれが何者かの手によるもので、かつノクティス君たちのようなイレギュラーな存在を狙っているとしたら……」

 

アーデン「(……ご名答だよ、夏油君。君のその鋭い直感、黒幕さんにとっては相当邪魔だろうねぇ)」

 

アーデンは内心で夏油の洞察力に拍手を送りつつ、飄々とした態度を崩さない。

 

アーデン「ま、僕の可愛い教え子たちに手を出そうなんて命知らずがいるなら、僕たち大人がしっかり守ってあげるしかないじゃないか。最強の二人が揃ってるんだ、頼りにしてるよ?」

 

五条「当然でしょ。僕に任せといてよ」

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