星の病と呪いの理〜記憶を持たない転生者たちの新たな戦い〜 作:いくと
地下施設内部。
重い扉が閉じる音が響いた。
外の光は完全に消え、周囲を照らしているのは古びた照明だけ。
冷たい空気。
無機質な壁。
長い間、人が使っていなかったような静けさ。
しかし。
この場所には確かに何かが残っていた。
虎杖「……思ったより広いな」
伏黒「ただの地下施設じゃない」
伏黒は周囲を見る。
伏黒「研究施設として作られてる」
釘崎「趣味悪いわね、こんな場所で一体何をしてたのよ」
七海は壁や床を確認しながら進む。
七海「警戒してください、ここがただの廃施設なら問題ありません。しかし、シガイが関係している以上、何か目的があったはずです」
ノクトは壁に残った傷を見る。
深い爪跡。
何かが暴れたような痕跡。
ノクト「……ここで戦ったみたいだ」
伏黒「分かるのか?」
ノクト「なんとなく」
伏黒は少しノクトを見る。
理由は分からない。
でも、ノクトがそう言う時は何かを感じ取っている。
それは伏黒も少し理解し始めていた。
プロンプト「またそれだね」
ノクト「何が?」
プロンプト「ノクトの勘」
プロンプト「理由は説明できないのに、何か分かるやつ」
グラディオ「今は役に立ってる」
イグニス「だが、感覚だけに頼るのは危険だ。情報を集めながら進めよう」
ノクト「分かってる」
ノクトはもう一度、奥を見る。
なぜか。
この場所は嫌な感じがする。
でも。
それだけではなかった。
どこか懐かしい。
そんな感覚もあった。
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施設の奥。
複数の部屋が並んでいた。
ガラス張りの研究室。
壊れた機械。
床に散らばった資料。
七海が一枚の資料を拾う。
七海「……」
虎杖「何か書いてあるのか?」
七海は資料を見る。
しかし、文字は途中で途切れていた。
『対象』
『変化率』
『適応』
『失敗』
七海「情報が不足しています」
伏黒「意図的に破棄された可能性もありますね」
七海「その可能性が高いでしょう」
釘崎「つまり、見られたくないものだったってこと?」
七海「そう考えるべきです」
その時。
プロンプトが別の場所から声を上げる。
プロンプト「ねえ、これ……」
全員が向かう。
そこには大量の資料が残されていた。
虎杖「これって……」
虎杖が一枚を読む。
『実験記録 04』
『対象:人間』
『シガイ化反応』
『拒絶』
『失敗』
空気が変わる。
虎杖「……人間?」
伏黒「シガイ化させたってことか」
七海は表情を変えない。
しかし、声は少し低くなる。
七海「人間を対象に実験していた。それだけは分かります」
釘崎「最悪ね」
ノクトは資料を見る。
意味は理解できる。
でも。
胸の奥に嫌な感覚が広がる。
命を扱う実験。
それが何なのか。
自分は知らないはずなのに。
どこか許せないと思った。
さらに奥。
別の資料が見つかる。
『実験記録 11』
『対象:呪霊』
『シガイとの融合』
『安定性なし』
『経過観察』
伏黒「呪霊にも……」
虎杖「人間だけじゃないのか」
七海「目的が分かりませんね、しかし、共通していることがあります」
七海は資料を見る。
七海「シガイを何かと組み合わせようとしている」
ノクト「……何かを作ってる」
七海はノクトを見る。
七海「そう考えるべきでしょう」
さらに奥へ進む。
一番大きな部屋。
中央に一つだけ残された端末。
イグニスが確認する。
イグニス「起動できるな」
画面には破損した記録が表示された。
『最終実験』
『対象』
『人間』
『呪霊』
『シガイ』
その先は文字化けしている。
『融合過程――』
『成功条件――』
『■■■■』
そこで記録は途切れていた。
虎杖「三つを合わせるってこと?」
伏黒「可能性はある」
七海は端末を見る。
七海「誰かが意図的に消しています」
イグニス「消された?」
七海「はい、偶然の故障ではありません。見せたくない部分だけが消されている」
その言葉に、全員が黙る。
その時。
施設の奥から音が響いた。
ドン。
何かが壁を叩いた。
全員が止まる。
虎杖「……今の」
伏黒「いるな」
七海「全員、戦闘準備を」
全員が構える。
ノクトも武器を出す。
その瞬間。
胸の奥に違和感が走る。
敵がいる。
それだけではない。
何かが。
自分達を待っている。
プロンプト「ノクト?」
ノクト「大丈夫」
グラディオ「無理するな」
ノクト「分かってる」
ノクトは前を見る。
奥の扉。
その向こう。
ゆっくりと赤い光が灯る。
施設内に機械音が響いた。
???「実験体」
???「起動」
七海「来ます」
扉が開く。
その先にいたもの。
人の形をしている。
しかし。
人ではない。
歪んだ身体。
異常な呪力。
そして。
シガイの力を持った存在。
虎杖「これが……」
伏黒「最初の実験体か」
ノクトは目の前の存在を見る。
理由は分からない。
でも。
これは。
ただの敵ではない。
そう感じていた。
地下施設に残された実験。
その最初の答えが。
今、目の前に現れた。
次は戦闘シーンだぁ…