星の病と呪いの理〜記憶を持たない転生者たちの新たな戦い〜 作:いくと
規則正しい包丁の音が、呪術高専の学生寮の共有スペースに響き渡っていた。
鍋からはスパイスと肉の焼ける香ばしい匂いが立ち上り、殺風景だった寮の空気を、たちまち温かく家庭的なものへと塗り替えていく。
イグニス「……火加減はこんなところか。それにしても、不思議なものだな」
エプロン姿でコンロの前に立つイグニスが、ふと手を止め、自身の掌を不思議そうに見つめた。
グラディオラス「何がだ、イグニス」
カウンターに寄りかかり、腕を組みながらその様子を眺めていたグラディオラスが、短く応じる。
イグニス「いや……なぜか、こうして大勢の食事を作ることに対して、全く苦を感じない。むしろ、食材の切り方から味付けの加減まで、手が勝手に動く。誰かのために料理を振る舞うことが、私の『日常』であったかのように、な」
グラディオラス「はっ、違えねえ。俺も、お前の作った飯ならいくらでも腹に入りそうな気がするぜ。あの地下の薄気味悪い施設を歩き回った後だからな。余計に胃袋がまともな飯を求めてやがる」
数日前、七海建人と共に踏み込んだあの地下施設。
生命を冒涜し、人間と呪霊、そしてシガイを融合させようとした狂気の実験場。その無機質で冷たい記憶を払拭するかのように、イグニスは今日、腕によりをかけて昼食の準備をしていた。
「すっげーーいい匂い!! イグニスさん、今日の飯なに!?」
共有ルームの扉が勢いよく開き、目を輝かせた虎杖悠仁が飛び込んできた。その後ろから、プロンプトも満面の笑みでひょっこりと顔を出す。
プロンプト「やったー! イグニスの手作りご飯だ! 最近ずっとコンビニ弁当とか高専の食堂ばっかりだったから、マジで嬉しい! 俺、お腹ペコペコだよ!」
イグニス「騒がしいぞ、二人とも。今日は少し手に入った食材で、香草を効かせた肉の煮込みとスープを作ってみた。……栄養のバランスも考えてある」
ルナフレーナ「ふふ、プロンプトさんったら。皆さん、もうすぐ準備ができますから、テーブルを拭いていただけますか?」
キッチンから、数枚の皿を重ねて運んできたのはルナフレーナだった。
白いワンピースの上に控えめなエプロンを身につけた彼女の姿は、この血生臭い呪術界においては奇跡のように清らかで、その柔らかな微笑みを見るだけで、一年ズの面々の表情も自然と和らいでいく。
釘崎「ちょっと、イグニスってば料理まで完璧なわけ!? 戦況分析もできて、後方支援もできて、ご飯も作れるって……高専のむさ苦しい男どもとは大違いの高スペックじゃないの!」
伏黒「……否定はしないが、一言余計だろ」
呆れたようにため息をつく伏黒恵の横をすり抜け、ノクティスも気怠げに首を掻きながらリビングへと姿を現した。
ノクティス「……お、サンキュー。ルナも手伝ってたのか」
ルナフレーナ「はい。イグニスさんの手際が本当に素晴らしくて、私はお皿を用意するくらいしかできませんでしたけれど」
ルナフレーナがノクティスの前に、湯気を立てる煮込み料理の皿をそっと置く。
肉はホロホロに崩れるほど柔らかく煮込まれ、色鮮やかな野菜が添えられている。
ノクティス「美味そうだな。……いただきます」
全員がテーブルを囲み、賑やかな昼食が始まった。
ノクティスは一口肉を頬張り、その深い味わいに思わず目を見開いた。
ノクティス「……うまっ。これ、マジで美味えわ」
イグニス「口に合ったようで何よりだ。さあ、遠慮せずに食べてくれ。鍋にはまだたっぷりあるからな」
虎杖「うおおお! これヤバい! ほっぺた落ちる! イグニスさん、マジで定食屋開けるって!!」
虎杖がスプーンを猛スピードで動かし、プロンプトも「あっ、俺の分のおかわり残しといてよ!」と慌てて鍋を覗き込む。釘崎も「ちょっと、アンタたちガツガツしすぎよ!」と文句を言いながらも、その手は止まらない。
そんな賑やかな食卓の片隅で、ノクティスは皿の端に、添えられていたグリーンピースとニンジンをそっと避けていた。
グラディオラス「おい、ノクト。また野菜を端に避けようとしてるだろ。好き嫌いせずに全部食え」
グラディオラスの鋭い指摘に、ノクティスはビクッと肩を揺らした。
ノクティス「……うるせーな。後で食うんだよ」
プロンプト「あはは! ノクト、昔から……じゃなくて、なんか野菜苦手そうだもんね! いつも肉ばっかり食べてるイメージあるし!」
虎杖「えー! ノクトってあんなに戦闘でクールなのに、野菜嫌いなの!? 意外と子供っぽいとこあるんだなー!」
一年ズとプロンプトの容赦ないイジりに、ノクティスは耳の裏を少し赤くしながら「うるせえ、ほっとけ」とそっぽを向いた。
そのやり取りを見て、伏黒が微かに口元を緩め、ルナフレーナもクスクスと楽しそうに笑い声を漏らす。
ルナフレーナ「ふふっ。でも、イグニスさんの味付けなら、野菜の苦味も消えていてとても食べやすいですよ? ほら、ノクト」
ルナフレーナが自分のスプーンで小さく切ったニンジンを掬い、ノクティスの口元へと差し出した。
突然の行動に、ノクティスの顔が一気に熱を帯びる。
ノクティス「おまっ……ルナ、皆の前でそういうのやめろって……!」
釘崎「あらあら〜。青春ねえ。伏黒、私たちはお呼びじゃないみたいよ?」
伏黒「……俺に振るな」
からかう釘崎と、呆れ顔の伏黒。
テーブルを包み込むのは、他愛のない冗談と、温かい食事の匂い、そして確かな『日常』の温度だった。
ノクティスは、差し出されたスプーンの野菜を渋々口に含みながら、周囲の笑顔を見渡した。
胸の奥に、言葉にできないほどの深い愛おしさと、温かい感情が込み上げてくる。
ノクティス「(……平和だな)」
数日前の、あの地下施設での冷たい記憶。
命を繋ぎ合わせ、道具のように消費しようとする悪意の残響。あの悍ましいシガイの実験体を前にした時、自分の魂がどれほど冷たく、激しい怒りに染まっていたかを思い出す。
だからこそ、今目の前にあるこの騒がしくも温かい食卓が、奇跡のように尊いものに感じられた。
ノクティス「(俺たちの力が何なのか、まだ全然分からねえ。……でも、この笑い声を、絶対に失いたくない)」
前世の記憶を持たぬ王の魂は、このささやかな日常を前にして、静かに、しかし鋼のような硬さで誓いを立てていた。
あの暗い地下で蠢く悪意を、決してこの明るい食卓には届かせない。
自分が盾となり、剣となり、この世界で出会った大切な仲間たちと、隣で優しく微笑む愛する少女を、何があっても守り抜くのだと。
「……ごちそうさまでした。本当に、美味しかったです」
ルナフレーナが手を合わせ、満足そうに微笑む。
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昼間の賑やかな喧騒が嘘のように、深夜の呪術高専は深い静寂に包まれていた。
結界の内側に広がる澄んだ夜空には、数え切れないほどの星々が瞬いている。
学生寮の屋上。冷たいコンクリートの縁に身を預け、ノクティスは一人、遠くに見える東京の街の明かりを眺めていた。
ノクティス「(……眠れねえな)」
昼間、イグニスの手料理を囲んで笑い合った記憶は確かに温かかった。
しかし、目を閉じれば、未だにあの地下施設の光景が網膜にフラッシュバックしてくる。人間の命を弄び、呪霊やシガイと融合させていた狂気の実験室。そこに漂っていた圧倒的なまでの悪意と絶望。
もし、この平穏な日常にあの化け物たちが再び足を踏み入れてきたら。もし、自分の手が届かないところで仲間たちが、あるいはルナフレーナが傷つけられたら。
記憶のない魂に深く刻み込まれた「何かを失うことへの恐怖」が、ノクティスの胸をじわりと締め付けていた。
「……ノクト。やはり、ここにいらしたのですね」
背後から聞こえた柔らかな声に、ノクティスはわずかに肩を揺らし、振り返った。
そこには、薄手の上着を羽織ったルナフレーナが立っていた。夜風に揺れる金色の髪が、月明かりを浴びて淡く透き通っている。
ノクティス「ルナ……。こんな夜中にどうしたんだ。冷えるぞ」
ノクティスはすぐさま自分の着ていたパーカーを脱ぎ、彼女の華奢な肩にふわりとかけた。
パーカーに残る彼の体温と微かな匂いに包まれ、ルナフレーナは「ありがとうございます」と嬉しそうに目を細める。
ルナフレーナ「ノクトの気配が少しだけ揺よいでいるように感じて……。眠れなかったのですか?」
ノクティス「……まあな。ちょっと、風に当たってただけだ」
ノクティスは再び街の明かりへと視線を戻す。ルナフレーナもその隣に並び、手すりにそっと両手を乗せた。
二人の間に、心地よい沈黙が流れる。
呪いと死が蔓延るこの世界において、こうして二人きりで星空を見上げる時間は、何にも代えがたい救いだった。
ノクティス「……なぁ、ルナ」
ルナフレーナ「はい」
ノクティス「昼間、皆で飯食ってた時さ。なんか、すごく不思議な感じがしたんだ。俺たち、いきなり訳の分かんねえバケモノの戦いに巻き込まれて、記憶も何もないのに……こうして普通に笑い合えてる」
ノクティスは自分の掌を見つめる。青白い光を帯び、敵を切り裂くための刃を生み出す手。
ノクティス「でも、この力が強くなればなるほど、背負うものも重くなっていく気がする。……俺、お前をちゃんと守り切れるかな」
その声には、普段の彼からは想像もつかないほどの脆さが滲んでいた。
ルナフレーナは少しだけ悲しそうに微笑むと、彼の手を取り、自身の両手でそっと包み込んだ。
彼女の手から伝わる純粋な温もりが、ノクティスの指先に残る戦いの冷たさを溶かしていく。
ルナフレーナ「ノクト。あなたは今までも、これからも、私にとっての『光』です。あなたが背負う重みは、決してあなた一人で抱えるものではありません。私も、プロンプトさんたちも……皆、あなたと共に歩みたいと願っているのですよ」
ノクティス「……お前ってやつは、本当に真っ直ぐだな」
ノクティスは力なく笑い、包み込まれた彼女の手をぎゅっと握り返した。
その温かさが、彼の中の迷いを確かな決意へと変えていく。
ルナフレーナ「ふふっ。それに、この戦いが少し落ち着いたら……私、ノクトにお願いしたいことがあるのです」
ノクティス「お願い? なんだよ、改まって」
ルナフレーナは星空から視線を外し、隣に立つノクティスの横顔を真っ直ぐに見つめた。
その頬は、夜の寒さのせいか、それとも別の理由からか、ほんのりと桜色に染まっている。
深い静寂に包まれた呪術高専の屋上。
冷たい夜風の中、ノクティスは隣に立つルナフレーナの透き通るような横顔を見つめていた。
ルナフレーナ「この東京という街を、二人で歩いてみたいです。呪いも、化け物も関係ない……ただの学生として。ノクトと一緒に、普通の時間を過ごしてみたいのです」
その真っ直ぐな願いを聞いたノクティスの胸に、愛おしさと、僅かな胸の痛みが広がる。
呪術という血生臭い世界に彼女を巻き込んでしまった負い目。だからこそ、彼女のそのささやかな願いを、何よりも優先して叶えたかった。
ノクティス「……そうだな。明日、デートするか」
ルナフレーナ「明日……ですか?」
突然の提案に、ルナフレーナは驚いたように目を丸くした。
ノクティス「ああ。任務の予定は入ってないし、五条の先生には俺から適当に言っとく。原宿でも渋谷でも、お前が行きたいところに連れてってやる。二人きりで、普通のデートだ」
ルナフレーナの青い瞳に、ぱぁっと明るい光が灯る。
それは神凪としての使命や、呪いを祓うための祈りの光ではない。年相応の、ただ一人の少女としての純粋な喜びの輝きだった。
ルナフレーナ「……はい! 約束ですよ、ノクト。私、とても楽しみにしています!」
満面の笑みで頷く彼女を見て、ノクティスもつられて柔らかく笑う。
ノクティス「ああ、約束だ。明日の朝、迎えに行くから。……それまで、ゆっくり休めよ」
夜空の下で交わした小さな約束。
それは彼らにとって、明日を生き抜くための、そして訪れる平穏な日常への確かな道標だった。
翌朝。
抜けるような青空が広がる東京。
学生寮のノクティスの部屋では、朝から少しばかり騒がしい声が響いていた。
プロンプト「おっ! ノクト、その服めっちゃいいじゃん!」
ノクティス「……そうか? まあ、適当に選んだだけだけどな」
プロンプトが感心したように声を上げる前で、ノクティスは鏡に向かって少しだけ首を傾げていた。
自室のクローゼットから選び出したのは、少しゆったりとしたルーズフィットのカーディガンに、オーバーサイズの緩やかなスラックスという、気負わない私服だった。戦闘時の張り詰めた空気を感じさせない、リラックスしたシルエットが彼によく似合っている。
プロンプト「いやいや、ルナフレーナさんとの初デートでしょ? 気合い入ってるのバレバレだって! 楽しんでおいでよ!」
ノクティス「うるせえ。……じゃあ、行ってくる」
照れ隠しにそっぽを向きながら、ノクティスは部屋を後にした。
女子寮の前で待っていると、やがて控えめな足音と共にルナフレーナが姿を現した。
ルナフレーナ「お待たせしました、ノクト」
彼女の姿を見て、ノクティスは思わず息を呑んだ。
普段の高貴な白いワンピースとは違う、淡い水色のブラウスに軽やかなフレアスカートという、街の空気に溶け込むような可愛らしい装い。綺麗に整えられた金糸の髪が、朝の光を浴びてキラキラと輝いている。
ノクティス「……いや、全然待ってない。その服、すげえ似合ってる」
ルナフレーナ「本当ですか? 釘崎さんが『デートなら絶対にこれ!』と見立ててくださったのです。少し、恥ずかしいですが……」
はにかむルナフレーナの笑顔に、ノクティスの胸が大きく高鳴る。
ノクティス「野薔薇のやつ、余計な世話を……いや、悪くねえな。行こうぜ、ルナ」
ノクティスは自然な動作で手を差し出し、ルナフレーナも嬉しそうにその手を取った。
最強の呪術師・五条悟からは、「若人の青春は大いに結構! 何かあったら僕がぶっ飛ばしてあげるから、思いっきり楽しんでおいで!」と軽いノリで見送られている。
二人は高専の結界を抜け、休日の人で賑わう東京の街へと足を踏み出した。
渋谷のスクランブル交差点から表参道へと続く並木道。
呪いやシガイといった脅威が嘘のように、そこには平和で活気に満ちた『普通の日常』が広がっていた。
ルナフレーナ「わぁ……! ノクト、見てください! あのお店のディスプレイ、とても綺麗です!」
ノクティス「ああ、ほんとだな。寄ってみるか?」
ルナフレーナは見るものすべてが新鮮で仕方ないといった様子で、ショーウィンドウのアクセサリーや、すれ違う人々の服装に目を輝かせていた。ノクティスはそんな彼女の半歩後ろを歩きながら、その横顔を愛おしそうに見つめている。
服屋を巡り、ルナフレーナが小さな髪飾りを試着するのを手伝ったり、流行りのクレープを二人で半分こにして笑い合ったり。
そこには、重い宿命を背負う『王』も『神凪』もいなかった。
ただの、少し不器用な少年と、彼を一途に想う少女の、ごく当たり前の青春の時間が流れていた。
数時間歩き回り、買い物を楽しんだ後。
二人が立ち寄ったのは、街の喧騒から少し路地に入った場所にある、気取らない雰囲気のコーヒーショップだった。ノクティスが時折一人で本を読んだり、リラックスするために好んで足を運ぶ、落ち着いた空間だ。
ルナフレーナ「ふふっ。少し歩き疲れましたが、とても楽しかったです」
ノクティス「お前、あんなに歩き回る体力あったんだな。……ほら、コーヒーと、甘いヤツ」
ノクティスはテーブルにブレンドコーヒーと、ルナフレーナのために頼んだシフォンケーキを置いた。
ルナフレーナ「ありがとうございます、ノクト」
一口ケーキを頬張り、幸せそうに頬を綻ばせるルナフレーナ。
ノクティスはコーヒーのマグカップを両手で包み込みながら、窓の外を行き交う人々をぼんやりと眺めた。
ノクティス「……こういう普通の時間が、ずっと続けばいいのにな」
ポツリとこぼれたノクティスの言葉に、ルナフレーナはスプーンを止めた。
ノクティス「高専に入ってから、毎日生きるか死ぬかの戦いばっかりだった。でも、今日お前と一緒に街を歩いて……改めて思ったよ。俺たちが戦ってるのは、この下らなくて、でも最高に平和な日常を守るためなんだなって」
ノクティスは特有の鋭い観察力で、平和な街の裏側に潜む微かな呪いの気配を常に感じ取っていた。だからこそ、この光に満ちた世界がどれほど脆く、尊いものなのかを痛感している。
ルナフレーナ「ノクト……」
ノクティス「俺は、お前のこの笑顔を絶対に失いたくない。どんなバケモノが来ようと、俺が全部叩き斬ってやる。だから……これからも、俺の隣で笑っててくれ」
ノクティスの真っ直ぐで不器用な告白に、ルナフレーナの瞳が微かに潤んだ。
彼女はテーブルの上で、ノクティスの手に自分の手をそっと重ねた。
ルナフレーナ「はい。私は、いついかなる時も、ノクトと共にあります。あなたの背負う痛みを私が癒やし、あなたの歩む道を、私の祈りで照らし続けます」
二人の視線が交わり、言葉以上の強い感情が魂の奥底で共鳴し合う。
前世の記憶を持たない二人が、この呪術界という新しい世界で、再び強固な絆を結び直した瞬間だった。
夕暮れ時。
茜色に染まる空の下、二人は繋いだ手を一度も離すことなく、高専への長い坂道を歩いていた。
ルナフレーナ「今日は本当に、ありがとうございました。私の一生の宝物になる、素敵な一日でした」
ノクティス「大げさだな。……また、いつでも連れてってやるよ。今度はプロンプトたちも誘って、皆で美味い飯でも食いに行こうぜ」
ルナフレーナ「ふふっ、はい。皆で行くのも、きっと楽しいですね」
笑い合う二人の影が、夕日に長く伸びていく。
この温かく、優しさに満ちた時間が永遠に続くと、彼らは信じて疑わなかった。
だが、光が強ければ強いほど、その後に落ちる影はどこまでも深く、黒く染まる。
今はただ、この星月夜から続いた幸せな余韻の中へ、二人の時間は静かに溶けていった。
日常最高、平和最高
そういえば書き方をもとに戻したんですが一つ前みたいな感じで一つ一つ開けたりして簡潔にした方がいいですかね、もしくわ今みたいに密に書くか…