ガブリエルを送還して、とりあえずやる事と言ったら休憩である。*1疲れるのよ。Lv.15とかいう超低レベルでの対子爵級悪魔、しかもオーバーロード使い。何なら召喚したのは裏ボス級たるソウル・マンティコア。ペルソナもアリストテレスもMCOでは初めてなんだ。そりゃ人並みの緊張は持ってる。*2だからこそ疲れた。もう今日は休もうかな・・・と思うので宿代わりにしてる女王蜂の館へ。・・・本来ここは娼館だから俺みたいに宿代わりにする人とか居ないだろ。
「あ、リュークさんっ!」
あ?セレーナめ、もう受付に立ってるのか・・・*3
『大丈夫か?男に対してストレスは?呼吸が荒くなるとか、眩暈がするとか、大丈夫か?』
「はい、街の外にはまだ出たくないですけど・・・このお店で受付をやるくらいなら出来ますね」*4
『それは良かったが・・・辛くなったら休めよ?お前にはその権利がある。というか辛くなくても定期的に休め。過労によるストレスはPTSDを誘発しかねない。良いか?ちゃんと休息は取れよ?』*5
「分かってます。ギルドでも同じような事は言われましたから」
『分かってるなら良い』
と、肩を組んでくるおっさんが数名・・・なんだよ。
「おう!お前がセレーナちゃんを救ってくれた救世主様か!?」
『ええ。リュークと言います』
「ありがとな!他の嬢ちゃん達も皆上の空になってたんだからな!」
『それはそうでしょう。大事な家族が行方不明になって焦らない人はヒトデナシかロクデナシくらいでしょうし』*6
「でも俺達じゃあどこに居るのか分からない、だからどうにもならなかった・・・!」
『というか俺も偶々だぞ?彼女を救おうとして向かった訳じゃあない。他の目的の為に向かった結果救えたんだから・・・』
「それでもだ!それでもアンタには感謝してんだよ!」
『なら半月後のスタンピードから王都を守りな。俺はイーターとマザーを必ず殺す。だからその間、ゴブリンどもから民達が被害を受けないようにアンタらが守ってくれ』
「おう!任せておけ!・・・それで、」
と、顔を近づけられた・・・近いな・・・
「誰狙いなんだ?」
『ハァ・・・俺はここを宿代わりにしてるだけだ。娼館として使うほど稼いではない。だから俺は誰も呼ばないさ』*7
「もし呼ぶとしたらだよ。誰狙いにするつもりなんだ?」
『んー・・・というかそもそも俺は今誰が働いてるのか知らないんだよな。セリーナの話でトップがフレデリカという人、ぐらいしか知らない。だから選択肢とかなくてな・・・』
「んじゃ俺らでプレゼンするぞ!良いなお前らぁ!」
「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」
何なんだよコイツらの一致団結っぷりは・・・
「ちなみにアンタの女の好みは?」
『・・・そういや考えた事なかったな・・・』*8
「マジかよ!?どんな人生を送ったらそんな悲しい事に・・・!」
『強いて言うなら魔法が恋人だった*9から・・・恐らくこの世界で俺が最も魔法に詳しいと思える程度には極めたのだが・・・独学でな。隣で一緒に学んでくれる人はいなかったよ』
「あんたその筋力で魔法使いなのかよ!?武器使えよ武器!」
『魔法剣士だ。どっちも使う。珍しいのか?』
「そりゃあな!武器使いながら魔法使う余裕とかないしな!」*10
『それは魔法陣形成までの時間をかけすぎだからだ。
「マジかよ・・・!そういやアンタ、喋れないのか?」
『今更!?そう言うの気にしないのかと・・・』
「気にはしない。が!それはそれとして気になってはいる!*12だから聞いてみようかなって・・・」
『乙女ぶるな、気持ち悪い。テメェらはその豪胆さが売りなんだから・・・』
「ガハハ!そりゃあそうだ!」
と、奥の扉が開いた。そこから現れたのは紅い髪に翡翠の瞳の美女・・・あ、なるほど。この人がフレデリカさんか。
「うるさいねぇ、アンタ達。もう少し静かに出来ないのかい?」
「そうは言ってもよ!俺らの救世主だぜ!?そりゃあ騒ぎたくなるよなぁ!」
「「そうだそうだぁ!」」
「ア?・・・アンタか。セリーナを助けてくれたのは」
『えぇ。旧人類兼冒険者。リュークと言います。初めまして、フレデリカさん?』
「ハッ、もし違ったらどうする予定だったんだい?」
『それはあり得ない。俺の審美眼を舐めないでくれ。貴方程の人材が二人も居たら奇跡に近いからね。*13そしてこの世界に奇跡はない』
「正解。アタシがフレデリカだ。これからよろしく頼むよ?」
『貴方を指名できる日が来るとは・・・割といつかはありそうですけどね。俺がそこまで金を貯められない訳がない』
「そいつぁ、自信家だねぇ。或いは事実なのかい?」
『さぁ?でも・・・いつまでも、俺が旧人類最強だという絶対の自負はありますよ』*14
「そいつぁ良いねぇ!なら目指すのは英雄様かい?」
『あんなの目指す理由が無いじゃないですか。そりゃあ、魔王を倒したら英雄になれるだろうけど・・・英雄って人類に巻き取られた悲しい人なので。俺が目指すのは絶対の覇なので。この世界も、冥界も、天界も。全てを統一したら・・・俺が一番上になりますからね』
「・・・・・・はっはっはっ!こいつぁ本気の目だね!面白い男じゃあないか!」
「良かったなリューク!フレデリカ姐さんは俺らのこともガキ扱いするからな!一人前の大人だと認められるなんて羨ましいぜ・・・!」
「んで、そんな未来の覇王はこんな夕方から何の用だい?」
『誰も付けなくていい。部屋も最低限でいい。単純に素泊まりのために部屋一つ貸してくれ』
「アンタだったのか、この前素泊まりした変人って」*15
『だな。なぜだか知らんが他の旧人類に追われてるからな。*16ここならセキュリティも充分だから今後も使う予定だよ』
「でも偶には誰か付けろよ?他の妹達もアンタと話をしたがってるんだ」
『そうかい。ただのお喋りなら幾らでも・・・とは言えないが多少は付き合うさ。ただサービスは受け取らないぞ?』
「きっちりしてるねぇ・・・もしかしてソッチのケかい?」
『よしてくれ。俺はノンケだよ。ただまだ払える程の金がないってだけだからな。ただ踏み倒すのは失礼だろ?だから素泊まりなのさ』
「そうかいそうかい。んじゃ今後も利用してくれよな。アンタが有名になったらウチの知名度も上がるだろう?」
『ここの名前を出すかは知らないがな』
「まぁ今のうちに目標金額でも決めたらどうだい?」
『そもそも俺はアンタとセリーナ、この前の受付嬢の三人以外知らないんだが?』
「そうだね・・・アンタ、好みの女はいるかい?」
「それがコイツ、人生に女の気配がないんだよ!ずっと魔法の研究してたみたいでさぁ!」
「なんだい、そいつぁ何とも寂しい人生だね・・・」
『割と満喫してたんだけどな・・・』
「んじゃ胸と尻ならどっちが好きだい?」
『・・・・・・・・・うーーーん・・・』
「そりゃ胸だろ!」
「いいや尻だね!」
『どっちが良いんだ・・・?』
でもよくよく考えたらメイドも久遠も巨乳ではあるよな・・・揺らぎかけた事実はある訳で。なら・・・
『なら乳か・・・?』
「っしゃあ!ようこそ!」
「ぐはぁぁぁ!!!」*17
『・・・楽しそうだな』
「コイツらはいっつもこんなもんさ・・・なら大きい方と小さい方、どっちが好きだい?」
『それは大きい方だな。小さい方は・・・なんか犯罪臭がするんだよ・・・』
「だよな!やっぱ乳は大きい方がいいよな!」*18
「それなら・・・メイリン!メイリンは居るかい!」
「マジかよ姐さん!メイリンちゃんを薦めるのかい!?」
「俺らのアイドルがぁ!」
なんか地獄みたいな様相になってきたな・・・*19俺はさっさと休みたいんだが・・・
「なんですか、フレデリカ姐さん?私にお客様ですか?」
「いや、今日はそうじゃない。でも将来の太客になるかもしれない人の紹介だ」
そこに居たのは澄んだ青い髪に黄金色の瞳をした・・・当然の如く美女であった。胸もでかい。なるほど、俺の要望は満たしてるが・・・
『なるほどな。確かに彼女ならば俺の要望も満たしている。ならばとりあえずは彼女を呼べる程度には稼ごうじゃないか。どれくらいだい?』
「そうさね・・・今後もここを素泊まりの宿にしてくれるんだろう?」
『だな。その予定だ』
「ならオプション抜き、部屋を二等級とするなら5800万って所かな。*20一等級にするなら更に+500万。オプション付けるなら要相談。大体はそこの紙に書いてあるから暇な時に読んでおきな」
『了解した・・・有能な金策ってなんかあったかな・・・帝国なら稼ぎやすいが旧人類故の制約が縛ってくる・・・!んー・・・迷い森の夜龍の鱗なら稼げるか・・・?』
「おいおい!リューク、お前アレに挑むつもりなのかよ!?」*21
『正確には迷い森の果てにある儀礼剣と・・・まだ居るかもしれないとあるエルフが目当てだな。んで、夜龍は出会えたら良いなぁ程度だ。何、俺は旧人類。死んでも蘇るさ』
俺は死んだらリアルでも死にかねないがな!*22
と言うかこの世界、モンスターを倒すだけじゃあ金が貯まらないというある意味現実主義のせいで金が貯めづらい*23のよ。ただそれは王国内の話。帝国に行ければ話は別だ。あそこは闘技場があるからな。最上級で・・・大体5〜7連勝もすりゃ数千万は稼げる。なんなら20連勝した後からは一勝してしまえば億稼げるからな。LSWの頃だとそこまでやる必要はどこにもなかったからただの連勝記録の競い合いだったが。・・・ノーマルモードの時の
「そうかい。んじゃ部屋代は1000G・・・ちょうどだね。んじゃ部屋の鍵だよ」
『ありがとう』
さて、今の時間は17時・・・明日の6時からリャンに向かって・・・明後日には儀礼剣を手に入れられるか?いや、その前にレベリングか。レアモンスター狙いかボスモンスターマラソンかな・・・