主人公「・・・」周囲「なんか喋れや」   作:柳瀬塔矢

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1日目-1 キャラクタークリエイト/チュートリアル

 

さて、六月は一日。サービス開始である。私生活?言ったろ?金には困らんって。*1

 

「てことで環境整備よし、水よし。行くか」

 

ヘッドギア【ヒュプノス】を被り・・・必要のない起動聖詠を唱える*2

 

「リンク・・・ダイブ!」

 

まず初めに流れて来たのはオープニングだった。*3

 

「スキップ」

 

『スキップしますか?なお、公式サイトなどでもオープニングは確認出来ます』

 

「スキップ」

 

『ではキャラクタークリエイト、及びチュートリアルへと移行します』

 

っと、黒い世界だ。何も見えん。上から光?

 

降りて来たのはLSWの頃の女神本人だった*4

 

「初めまして、新たなプレイヤーよ。ようこそこの世界に降り立つ決断を下しました」

 

お、クーポンコード入力出来るのか。*5入力して・・・っと。

 

「・・・コード入力、確認しました。なるほど、では初めましては違いますね。お久しぶりです。旧ネーム『103』」*6

 

俺はよろしく、の意味も込めて手を振った。喋らないでやる。もうこうなったら俺は喋らないぞ・・・!

 

「おや、言語体系に不調でしょうか・・・?」

 

俺は首を横に振り体の前で×を作る

 

「ではただ喋らないだけだと?」*7

 

頷く。

 

「はぁ・・・では一次的に魔力による文字の記述を可能にしますね」

 

『ありがとさん』

 

「ちなみに何故喋らないか聞いても?」

 

『ロサワのラストガチプレイヤーでMCOの一陣は俺だけらしいから』*8

 

「だから喋らない、と・・・まぁいいでしょう」

 

『先に外見だけ決めて、チュートリアルをやりながらステータス配分決めたいんだけど出来る?』

 

「恐らく可能です・・・というか貴方、その言語の読み書き出来るんですね」

 

『そりゃガチプレイに最低限必要だったのと魔導書読むのに必要だから。多分最後まで遊んでたアイツらも全員読めると思う。この言語のままなの?』

 

「ええ。その言語で文字は構成されてますし、魔法陣の中身も当時のままです」

 

『ならよかった』*9

 

「それで、チュートリアルをしながらステータスの配分ですか・・・恐らく可能でしょうが一応問い合わせてみますね」

 

『おけ』

 

「・・・・・・確認取れました。可能だそうです。では外見を作ってください」

 

どうしよっかな・・・ルナティック挑み始めてから外見とか最低限整ってれば問題無かった*10からな・・・

 

『ロサワの頃の初期状態ってプリセットあったりする?』

 

なんだかんだ体の比率はアソコからズラす方が楽だからな

 

「ええ、他の過去作の初期状態のプリセットもありますね」

 

ちょっとずらしてちょっと動いてみて・・・お、いい感じじゃん。んじゃあとは髪の色とか変えて・・・

 

『これでいいかな』

 

てことで完成したのは顔はリアルそのままで、髪の色を緑に、瞳を淡い青にした物にした。生憎俺はリアルルックス強者側だからな。親は俺にある程度の全てをくれたと思ってるよ

 

「ではチュートリアルエリアへと転送します」

 

っと、転送先はよくある森か・・・森なんだ・・・平原とかじゃないのね

 

「それで、武器は何にしますか?色々試す事はできますが」

 

『剣で・・・というかさ』

 

「何でしょう?」

 

『クーポンの効果って何なの?何もメールには載ってなくて』

 

「ああ、LSWから何か一つ。ステータス以外のデータを持ち込めますよ」

 

マ!?そんなアホみたいなの許されるの!?

 

『ソレってクリアデータ限定?それとも俺のアカウントの過去データも範囲内?』

 

「クリア時のデータ限定ですね、何故そんな・・・ああ、魔法ですか」

 

『アレが初期から使える・・・訳ではないけど初期から覚えてるのは割と嬉しいじゃん?』

 

「しかし使う場面も限定されると思いますが」

 

『それはそう。*11ちなみにスキル選んだらそれは最初の三枠の中の一つなのかな?』

 

「いえ、外付けの枠になります。あ、そうそう。この時代では行動によってもスキルが手に入ります。あの時代では取れるスキルに限りがありましたがこの時代ではなんとその問題を解消してあるのです」

 

マジか。てことはあまり悩むこともないのか。最悪行動で取ればいい・・・て事はあのスキルとかあのスキルとかも取るか取らないかで悩む必要消えるのか。やったね

 

『んじゃアレくれ。悪路走破』*12

 

「了解しました。それで、武器はどうしますか?」

 

『剣で』

 

「どうぞ。ステータスの配分が済んでいませんので特例として武器の使用制限は解除しています」

 

っと、軽く振ってみて・・・

 

『そういやアレって残ってるのか?キビシス斬りもとい燕返し』*13

 

「燕返し・・・あぁ、アレですか。残ってます。というかそもそもアレってバグのようで世界の理からは外れてないので公式挙動ですよ?」

 

『そうなのか』*14

 

んじゃ森の兎・・・何だっけな、アイツ・・・ああそうだ。【プロトラビット】だ。・・・プロトラビット!?アイツロサワの頃は中〜後半のモンスターだろ!?なんでチュートリアル!?

 

『本当にアレがチュートリアルの敵なのか?』

 

「まぁ倒すのが目標ではなく動けるかどうかを試す為の敵なので。ステータスは落ちてますしドロップ品はないですが。倒せたら経験値は入りますね。ただしβの頃から数えても誰も倒せませんでしたが」

 

『時間制限ある系?』

 

「ですね。挑み始めて30分ほどで時間制限としてます」

 

『貰える剣の装備条件教えてもらっても?』

 

「STR20が条件ですね」

 

ならSTRに20・・・と。DEXにはとりあえず100振るか。てかコレで同速くらい?かなり脚遅くなってないか?

 

『当時と今でステータスの比率って変わってるのか?』

 

「おおよそ五倍ですね」

 

てことは当時で言うDEX20相当・・・確かプロトラビットはDEXが180くらいだったはずだから1/9か。てことは全ステ1/9と見ていいだろうな。

 

『水魔法くれ』

 

「初期スキル枠が一つ埋まりますが」

 

『構わない。と言うか俺の魔法の基礎は水だし』

 

「そういえばそうでしたね。*15では一枠目は水魔法で。」

 

何が使える?なるほど、んじゃPOWに100振るか。

 

使うのは水球(アクア・スフィア)。本来ならダメージを与える為のものだが、これの使い道は別。避けさせるのが目的。というかINT1だから相手のMIDを考えるとダメージなんて0か1だろ

 

てことで丁度回り込んだ方に飛び込んできたから蹴り上げて・・・剣を叩き落とす。コレで大体HPが半分に削れた筈*16だ。・・・【鑑定】ないのキツイが鑑定ってINT依存だから俺には使えないんだよな*17

 

兎はこちらに怯えている。まぁそうだろうな。幾ら弱体化してると言っても中盤では遭遇したくない相手だし終盤でもめんどくさくはあるから。それがこんな初心者に体力半分削られたとなっちゃあそりゃ怯える。しかし問題ない。当時の生態系のままなら()()()()()()()()*18ほら、突っ込んできた。ならそこに合わせて蹴り上げて・・・避けられた?なら回避。

 

『剣術と幸運くれ』

 

「了解しました・・・これでスキル枠は埋まりました」

 

んじゃこの前決めてた通り、DEXを280、POWを200に上げて・・・

 

擬似縮地からの斬り上げ。対応出来ないだろ?だって速度が100→280だもんな?*19よし、ポリゴンになった

 

「おめでとうございます。貴方が初めてのプロトラビット討伐者です」

 

『・・・STR極振りなら起き攻めで勝てそうな気がするけど』

 

「ソレが最初から出来る人は居ませんよ、普通」*20

 

『それもそうか』

 

・・・っと、レベル上がったよ。ん?1→12!?幾らプロトラビットだからって上がりすぎでは?*21

 

・・・ふーん。経験値上がればステータスに振れるのは変わらず、と。んでこの感じは・・・10×9+20×2だな?合計90+40=130と。何に振ろう・・・儀礼剣が確か当時STR50要求だったから・・・大剣の例*22を見ると当時の四倍か?なら200要求?マジ?まぁMMOってそんなもんか。というか五倍で見てもSTR150って当時の30だろ?なら三つ目か四つ目までは使えるじゃん。ゴーレムが鬼門だけどアイツらは弱点刺せば楽だし。*23

 

「それでは、あと何か質問等はありますでしょうか?」

 

『答えられないならソレでもいいんだけど、LSWの頃からどれぐらいの時が経ってるの?』

 

「それは自らの足で探って下さい。何せ過去背景は貴方のクリアデータが使われてますから」

 

マジ!?てことはあえて殺さなかった夜龍とか堕天使とか生きてる可能性あるの!?やったね!これで心からの殺し合いが出来るよ!ただしアイツらなら普通にレイドイベントのボスになる可能性もあるね!と言うが殺されなかったんだ・・・

 

『魔法の改造って魔導図書館限定?』

 

「設備をそろえればその限りではありませんね」

 

『デスペナってどうなってる?』

 

「一定時間のステータス割合減少及び所持金の30%が失われます」

 

『貨幣単位は?』

 

「当時から変わらずゴルドですね。ちなみにチュートリアル終了時に1000ゴルドが渡されます。あと初級のアイテムボックスですね」

 

『んじゃ最後に。───あの時、魔王は何て言ってた?明らかに他の場合とは違う事を言ってた』

 

「私への呪詛ですね」*24

 

『やはり───貴様が元凶か』

 

「ええ。いつか私を殺しにきなさい、愛しの勇者様?103よ」

 

『リューク』

 

「?」

 

『その名前は名前に非ず。ただのカウント也。我が名はリューク。【死神】の名を持っていた・・・俺の名前だ』*25

 

「ではリュークよ。これにてチュートリアルを終了します。コレから先、貴方には色々な受難が待ち受けているでしょう。貴方の残した因縁が貴方に襲いかかる事もあるでしょう。しかし、私は望みます。その全てを乗り越え、貴方が私を殺しに来るその日を。私は永遠に待って居ます。貴方に、世界の祝福が在らん事を・・・」

 

そして暗転、次の瞬間には俺は噴水の前にいた。MCO、開始である

 

 

*1
なんならこいつメイド雇ってるし・・・

*2
本当に意味がない

*3
スターウォーズ的な感じで流れてきた

*4
恐らく数千年ほど経ってるにも関わらず身体の成長もない

*5
こいつ人の話を聞いてない・・・!

*6
セーブデータの名前で登録されてた

*7
こうやって『察する』事が出来るのは単にこの女神がシンギュラリティ直前みたいな立ち位置だから

*8
流石にVRMMORPGで喋るの禁止で遊ぶ奴はいないだろ、と思ったらしい

*9
新たに言語を覚える必要が消えた。なおコイツ、リアルの生活で誰にも読まれたく無い資料とかはこの言語で書いてる

*10
NPCとコミュ取らないなら外見に拘ってる時間は無駄でしょ、らしい

*11
MPさえあればいつでも使えるけど有効活用するには序盤では余りにもオーバースペック

*12
頑健と迷ったらしい

*13
バグ技を公式に聞く暴挙

*14
実はとある書庫にキビシスもとい【裏返りの秘術】について記載されてる本がある

*15
プレイヤーメイドのLSW三大魔法は全てデータが残っている

*16
プロトラビットはDEXが高く、続いてMIDとSTRって感じで、CONは低いだから物理攻撃が有効

*17
INTが高ければ高いほど相手のステータスを看破しやすくなる。ただしカテゴリは魔法だからMIDが高い相手とか単純なレベル差で読み取れる情報は減る

*18
一種の傲慢

*19
単純に認識してる速度より急に速くなったら戸惑うよね、っていう

*20
LSWのラストガチプレイヤーなら皆出来ます。一発で成功するかはともかく、五合目辺りから有効打にしてくる

*21
取得経験値1200

*22
当時は75

*23
ただしゴーレムがどこに現れるかは分からない模様。生態系変わってるかもだしね

*24
まぁ当然だよね、みたいな顔してる

*25
最もやりこんだデータでは()()を踏破し、【死神】の称号をてにいれた




チュートリアル終了時ステータス(MPは最大値/充填可能量)
PN:リューク
Lv:12(105/480)
STR:150
CON:01(+1)
DEX:280
POW:200
INT:01
MID:01
HP:176
MP:200/100
残りポイント:0
武器:始まりの片手剣(∞/∞)/無し
頭:無し
胴:始まりの服(∞/∞)
腕:無し/無し
脚:無し
所持金:2000G(チュートリアルで防具等を売ると一律200Gになる)
スキル:
【水魔法Ⅰ】水属性の魔法が使えるようになる。現在使えるのは水球(アクア・スフィア)のみ
【剣術Ⅰ】剣による攻撃+10%
【幸運Ⅰ】POWと同値の隠しステータス【LUK】を得る
【悪路走破Ⅰ】スタミナ参照がCONからDEXになり、壁や天井なども走れるようになる。スタミナ効率が10%良くなる
称号:
【チュートリアル踏破者】経験値効率が5%よくなる
【過去の勇者】特に効果は無い。しかし、当時の存在からは認識されるようになる。
アイテム:【初級アイテムボックス】
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