さて、飯食ってちょっと休んで夜になってログインして。部屋を出て玄関に向かうと割とNPCが居るから人気は落ちてないんだな、なんて認識して。なんなら俺への視線も多かったな。そりゃそうか。金持ってるようには見えないもんな*1
『部屋、ありがとう』
「いえ。休めましたか?」
『ああ。また来ると思う』
そういやギルドって登録金どれくらいなんだろ。先そっち向かってみるか。
ギルドの位置は変わっておらず、中に入ると視線が集まったが・・・俺の装備が弱いのを確認してすぐに視線は戻っていった。まぁそうだよな
『すまない。ギルドへの登録金ってどれくらいだ?』
「旧人類の方ですね?しかし登録には金だけではなく紙面への記載もありますが・・・」
『コレを見ればわかるだろう?文字は覚えている』
「そのようですね。登録金は500Gになります」
『・・・そうか。なら今から狩ってくる』
「そ、そうですか・・・」*2
んじゃ王都南の森に向かうか。レッサーゴーストが通常。*3でもコイツのドロップは貯めておきたいから金稼ぎとして狙うのはレッサートレントとかレッサーラビット、レッサーゴブリンだな。レッサーウルフが居ると嬉しいけど・・・なに?レッサー多いって?ここら辺にレッサーが付かないモンスターって基本的にレアモンスターだからなぁ・・・
「あ、おい!」
衛兵が何のようだ?
「夜の森は危険だぞ?そんな装備で大丈夫か?」*4
『大丈夫だ、問題ない』*5
「そうか・・・まぁ健闘を祈っておくよ」
さぁ、いざ夜の森・・・!ちなみに目標は2500Gだな。宿代2回と登録金は稼ぎたい。・・・っと、入り口からモンスター居るのか・・・え、やばくない?確かこれってスタンピードの直前によくみる光景だよな?・・・狩り尽くすしかないか*6
「ゴギャギャ、ギャッ!?」
なるほど、
《スキル【悪食】を取得しました》
やったね。やっぱり貰えるのか、悪食*10・・・え?HPが減ってない・・・?マジ?バグ?仕様?だってLSWの頃って魔石食うとHP減る代わりにMPの回復に繋がったから・・・まぁ聞いてみるか。システムウィンドウからGMコールを開いて・・・要件に『悪食によって魔石を接種したがHPが減少していない。LSWの世界ならば減っているはずだがこれは仕様なのか?』と書いて送信。
さて、待ってる間にレッサーゴーストを狩るか。必要なあのアイテムは32個。んで基本ドロップ率は60%だがLUK持ちはそこに倍率がかかる。今の俺なら2.5倍*11だから・・・150%だな。一体から1個が確定して2個目がランダムになる。レアドロの霊影*12は5%・・・つまりは12.5%だから8体で1個くらいか。
「グゥゥゥゥゥ・・・」
やっぱ
『仕様です。正確にはSTRを参照してダメージが与えられます。なので貴方の今回の例だとダメージが与えられませんでした。それでは今後もお楽しみください』
へぇ・・・めんどくさいシステム追加した*14な・・・まぁいいや。・・・っと、レッサーゴブリンの群れ?マジ?てことはリーダーがいるはずだけど・・・お、普通のゴブリン*15じゃーん。初心者だと勝てない相手なゴブリン*16じゃん。んじゃ挑むか。剣のみで。まぁクリティカル狙いに行けば勝てるだろ。そもそも当時の対ゴブリンに必要なSTRって15とかだから余裕だと思うし。
「グギギ」
「ギャッ!ギャッ!」
ん?盛り上がってる?裏には洞窟・・・えーと、あの洞窟なんだっけな・・・ああ、離れの牢か。・・・最悪な想像してしまった。はぁ・・・死んでるといいな・・・メンケアとか苦手なんだよ・・・
首を刎ねれば一発。*17一匹、二匹、三匹、四匹・・・よし、これでレッサーは全滅だな。周囲にプレイヤーの動きは聞こえない*18し、そも割と深いからな・・・ここ。だからこそ牢屋がある訳で。*19
「グギャッギャッ!!」
うるせぇな。何言ってんのか分かんねぇんだよ。テメェらの言語なんざ。*20
振り下ろされる棍棒、敢えて避ける事で相手のSTRとDEXの大体の値を探ってみると・・・マ?75だと思ったらこの感じは当時の20とかだろ。つまり100?てことはただのゴブリンじゃねぇな?
「ギャッギャッギャッ!」
あ?指差して笑ってる?あ?俺を嘲笑ったな?殺す。というかもう読み切った。だからもう俺は死なねぇよ
「・・・スゥ・・・」*21
擬似縮地、斬り上げて右腕を刎ね飛ばす。そのまま流れで斜めに斬り下ろす。これが手っ取り早いんだよ、ゴブリンは。*22
「ギャッッッ!!??」
ふぅ・・・強い相手では無かったが対モンスターを思い出せた良いバトルだったな。
《レベルが13に上昇しました》
《剣術スキルのレベルがⅡになりました》
割と経験値持ってたんだな、お前。んじゃ耳と・・・魔石の質は?お、土の良じゃん。*23これは喰わないで売ろっと。・・・どれくらいで売れるのか分からないがここら辺の魔石って基本的に劣悪か劣で偶に並だから良とか数千になってもおかしくないぞ。何なら万行くか?事実LSWの頃だと移送魔法で王都に戻っての良を売るのが効率的な金策の一つだったからな。*24
さて、洞窟に向かいますかね。ネームドが居ませんように・・・!*25
洞窟の中身は特に変わってなかった。だから奥まですんなり進めたが・・・はぁ・・・うげぇ・・・
こいつは生きてない。というかアイテム剥ぎ取られて全裸だし・・・当然のように腹は内側から食い破られてるし・・・てことはゴブリンの苗床だったのか。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。俺は確かに人を駒かリソースだと認識しているがそれでも彼女達が惨たらしく死ぬのは悲しいのだよ。*29生憎シートを持ってきてない・・・というかここまで深く潜るつもりはなかった*30からな・・・まぁアイテムボックスに突っ込んでおくか。初級のアイテムボックスに入るアイテムの数は64枠。同じアイテムなら一枠に纏められてそれが64個だから多分全員回収出来ると思うんだが・・・
二人目も同様、三人目も、四人目も・・・ゴブリンってどれくらいの期間で産まれるんだったかな・・・確かくっそ早かったはずだ。
と、1番奥の人だけ生きてる・・・?とりあえず牢屋の鉄格子は斬るか。
「ヒッ!?だ、誰!?」
『初めまして。私はリューク。旧人類です。喋れないので筆記にて失礼します』
「初めまして・・・?」
『パニックでしょう。怯えているでしょう。当然です。その恐怖は当然のものです。なので貴方を責めません。しかし、一つだけ確認しておきたい事があります』
「それは一体・・・?」
『貴方が妊娠しているかどうかです』
「っ!」
『貴方が妊娠している場合、私は貴方を殺さなくてはなりません。胎内のゴブリンを指定除去できる魔法は私には使えませんから』
あるにはあるんだよね、胎内の魔物を消滅させる聖魔法。俺はそういう、なんていうの?産婦人科?関係の魔法は悉く理解出来なかった*31から使えないんだけど。そんな俺でも使える魔法はある。それは『胎内に魔物が居るか判別する魔法』だ。科学で言うエコー検診みたいな魔法は使えた。何故ならこれは鑑定魔法の派生扱いが出来るからだ
「そ、それで、私は何をすれば・・・?」
『横になってください。後はこちらの魔法で調べます』
MPは・・・50か。かなり持ってかれるな。生きてる人がこの人だけで良かったと言うべきか・・・流石に不謹慎だな。
『言い辛かったら答えなくて構いません。アレらに襲われましたか?』
「・・・・・・は、はい、一度だけ、です、が・・・」
確か変な事を調べてた奴が妊娠率を調べてた*32はず・・・一度だけならまだ確定しないと思うんだよなぁ・・・それでも40%くらいだったはずだから・・・
ふむ・・・妊娠はしてない、と。受精してないだけ、か?受精までは二日*33だから・・・二日かどうか・・・分からないな・・・
『ちなみに攫われたのは貴方が最後ですか?』
「は、はい・・・それからすぐに、ゴブリンが産まれだして・・・悲鳴が、悲鳴が・・・!」
ゴブリンは三日周期で攫う。理由は分からんが・・・あ、思い出した。一週間だ。正確には164時間だけどな。つまり・・・妊娠してないな。*34
『どうやら貴方は妊娠していませんね。しかしまだ受精してないだけ、という可能性が万に一つあります。これから48時間はギルドの女性職員に見張って貰います』
「なぜ、48時間なんですか・・・?」
『ゴブリンによる強姦後受精までの平均時間です。早くて36時間、どれだけ遅くても60時間以内なんですよ。向かいの牢屋の状態的に12時間は経ってるので48時間です』
「も、もし妊娠したら・・・?」
『申し訳ありませんが殺します。胎内のゴブリンごと、貴方を。恨んで構いません。しかし、ゴブリンが産まれるのは防ぐ必要があります・・・』
チッ、マザーがポップしてんだから襲う必要なんざ無ぇだろうが・・・!
「な、なぜ舌打ちを・・・?」
『申し訳ない、ゴブリンにキレてました。ここからだと・・・左側にモンスターマザーが発生しているので自発的に数を増やす必要がないのに襲うのかクソどもが、ってなってました』
「モンスターマザーが・・・!?」
『なのでここから運び出します。お名前を伺っても?』
「セ、セリーナです。普段は娼館、女王蜂の館で受付嬢をしています・・・でも、私、客も取った事もない処女だったのに・・・」*35
『自殺を選ぶなら言ってください。自らを殺すより他人に殺される方が魂の罪は軽くなりますから。なに、貴方を殺した罪を背負うくらい安いですよ。ゴブリンのせいですから』
にしてもあの店の受付嬢か・・・そりゃ狙われるよなぁ・・・
あ、なんかアイテムポーチが幾つかあるじゃん。これは持っていこう。もしかしたら彼女達の身元がわかるかもだしな
『シーツとか持ってなくて申し訳ない。なにせゴースト狩りに来たらこの洞窟の近くにゴブリンの群れがいたので・・・』
「倒し、たんですか・・・?」
『ええ。普通の旧人類ならともかく、私は強いので』
二日目に二桁に到達した人って何人なんだろうな。プロトラビットが強いだけでレッサーは経験値効率悪い*36からなぁ・・・
「頼もしいんですね」
『ええ。それと私、昨日あの館にお世話になりましたから。宿として、ですけど』
「そうなんですか。良いところ、ですよね」
『ええ。私は旧時代の館の頃も知ってますがあの頃のあの館は素晴らしい店でしたね。恐らく嬢達の仲もいいのでしょう?』
「そうですね。特にお姉様・・・フレデリカ姉様が纏めてくださってますから。今のNo.1はフレデリカ姉様なんですよ?」
『そうなんですか。しかし彼女を指名するほどの金は無いですからねぇ・・・』*37
と、城壁が見えてきた。ここまで襲って来たモンスターのドロップアイテム拾えなかったのはキツイが仕方ないか。
「止まれ!何事だ!」*38
『南の森奥、【離れの牢】でモンスターマザー及びヒューマノイドイーターの出現を確認。その際ゴブリンによって連れ攫われた被害者達を確認。死体及びアイテムポーチは持ち帰ってあります。それで彼女は唯一の生存者です。現在はまだ妊娠してませんが今後妊娠する可能性が否定できないのでギルドの女性職員に見晴らせたいのですが。それとシーツが何かありません?彼女を包みたいのですが』
「モンスターマザーにヒューマノイドイーター!?スタンピードが起きるのですか・・・!そしてシーツですね?了解しました!ギルドには知らせておきます」
と、シーツを貰った。ついでに再確認しておくか・・・よし、まだ妊娠してないな。後47時間か
『ありがとうございます』
さて、さっさとギルドに向かうとしますかね