主人公「・・・」周囲「なんか喋れや」   作:柳瀬塔矢

9 / 12
完全に蛇足。ある種のIF。


蛇足-1 彼の終わり/分岐点

 

星は煌めく。ただ、それだけの事。

 

「・・・いつか、いつの日か。笑い合ってた、あの時間」

 

涙は流れる。最早会える余地の無い相手を想い。ただ、流れ落ちる。

 

「そう、そうなんだ。きっと、コレが愛なんだ」

 

故に、男は。愛を知る。

 

世界は廻る。流れ着いた星の行末を握る男は、全ての障害と成り果てた。

 

「そうだとも、そうなんだろう。私ですら愛せたのだから。君達も誰かを愛せるのだろう」

 

しかし、男はそれを許さない。半ば論理の破綻した結論ではあるが、それもまた一興である。

 

「君達が、麗奈を壊したのだから。ならば、私は。この世界を、この時を、この空を。四大元素(エレメント)すらも破壊して、孤独を生きようか」

 

泣いた。泣いた。だが、その涙は理解されず。確執と成り堕ちる。

 

「もう、どうなったっていい。せめて、この星だけは。壊して終わろう」

 

かつて存在した技術、脳細胞の消費が激しく何度でも使えるわけもない禁忌。それを更に強化した正真正銘【命を賭けた】大技。

 

「属性、セット。各種3(・)6(・)0(・)倍(・)にセット」

 

「基礎魔法(ベースマジック)、セット。球(スフィア)、矢(アロー)、投槍(ジャベリン)、撃(バレット)、弾(バウンド)、突(ストライク)、削(カット)、貫(スピア)、壊(ルイン)、鈴(ベル)、堕(フォールン)、反(リフレクト)。各種360倍でセット」

 

「真円展開、圧縮。球体に展開。セット」

 

「二重(ダブル)、三重(トリプル)・・・八重(オクテッド)」

 

ざっと1(・)0(・)1(・)桁(・)。

 

「くくっ、あー、なるほど。そりゃ死ねるわ。俺も」

 

リアルでステータスとか結局確認出来なかったから。どれだけの火力が出るのかはわからないけど。それでも。101桁なんだから。星如き滅ぼせるに決まってる。

 

・・・ふと、思い出す。麗奈・・・久遠麗奈と共に過ごした日々を。楽しかった。横で、笑ってたんだ。それを見て、ふいに。釣られて。俺も笑ってた。あの時間は楽しかった。

 

寿那との時間も、楽しかった。あいつは自由人だったが、それでも良いと。そう思えた。結局、最後までアイツは自由に生きてた。

 

麗奈・・・俺が依存した結果、同じ名前を付けたあの聖女。アイツとは、本当に長い時間を一緒に過ごした。いつまでも、俺の横に居てくれて。俺を慰めてくれて。

 

「それなのに、それなのに・・・!何故だ!何故壊した!俺だけを蘇生した!これならば!俺は復活なぞしたくなかった!麗奈の居ない世界など、俺の求めた世界では無い!」

 

眼下に居るのは一つのパーティ。所謂勇者パーティか。何に怒ってるのだろうか。魔物に家族でも殺されたか?愛する人でも殺されたか?しかし、貴様の横にはまだ人がいるでは無いか。ならば、俺の嘆きは理解出来ぬだろうよ。

 

何かを話している。叫んでいる。理解できない。聞き取れない。まぁ、日本語じゃないから。それは相手側も同じ。お互い、理解出来ない言語で叫んでるんだ。だが、なんとなく理解出来る。俺を悪と糾弾してる。それだけは理解出来た。

 

そろそろ、脳も限界に近い。禁忌魔法と呼ぶべきか。あと、どれくらい持つのだろうか。わからない。

 

「愛した人は皆死んだ、皆殺された。唯一人だけ、殺されずに眠りに着いたが、他の全員。殺されたのだ。ならばこそ、この俺だけは。世界に復讐を為さねばなるまい。例えアイツらがそれを望んでなくても。コレは俺の決めた結末なのだから」

 

魔法ってな。重ねすぎるとその空間が重くなるんだよ。だから、コレは。きっとそうなんだ。

 

「禁忌魔法」

 

 

New World

 

 

は、はは。ははは───

 

「今、そっちに行くよ。ごめん、待たせ、すぎた・・・かな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SiDe:勇者

 

魔王は死んだ。結局、何を言ってんのかは分からなかったけど。

 

「なあ、アイツの言ってる事、誰か理解出来た奴居るか?」

 

そう仲間に問いかけると、1人が手を挙げた。賢者アベルだった。確かにアベルなら魔物言語を覚えてるし納得できた

 

「彼は、ずっと嘆いていました。何故自分を蘇生したのかと。ならば何故一緒に封印されていた・・・レナ、と呼んでいたその人は壊したのかと」

 

壊された石像・・・聞いた事あるな。確か魔王の石像と一緒にあったんだっけ。

 

「じゃあ、なんだ?あの魔王は・・・愛した人は壊されたのに、自分だけ蘇ったから。会いに行くためにこの星を壊そうとしたってのかよ」

 

「ええ。そうなんでしょう。魔王に取ってレナという人はそれ程までに大事にしていたのでしょうね。・・・もし、そのレナさんも一緒に蘇っていたのなら。彼は魔王になることも無かったのだと思います」

 

「そういや四天王も言ってたな。魔王の考えてることは到底理解出来ないって」

 

あの時は意味が分からなかったが・・・そりゃそうか。これまでの魔王の様に世界征服を目的にしてないんだから。世界征服を前提に動いてた魔族には理解されないよな

 

「・・・私たち人間からも理解されず、魔族達からも理解されず。愛した人だけ壊されて。それは、とても寂しかったでしょうね・・・もっと早く、彼のことを理解出来ていれば・・・そしたら変わっていたのでしょうか・・・」

 

分からない。確かに聖女の言う通り、魔王は孤独だったのだろう。横に理解者が居れば、何かが変わっていたのだろう。だが、それはもしもの話でしかない。現実は、魔王は死んだ。それだけだ。

 

「でも、俺たちの平和は守れた。魔王の事を考えるのは、これからも出来る。魔王のこれまでの痕跡を探すのもアリなんじゃないか?」

 

 

 

その後、俺達は魔王の使っていた魔法を解析したり。これまでの魔王の旅路を探したりして。最終的にとある魔法を完成させた。その魔法とは【時間遡行】(タイムスリップ)である。必要な魔力量などの制限で使えるのは一度のみ、飛べるのは4人までと言う制約が生まれたが、俺たちは4人。だから問題ない。タイムスリップするのは2(・)8(・)0(・)0(・)億(・)年(・)前(・)。というかここまで古い時代に飛ぶからこの制約が生まれた。数100年程度だったらここまで厳しくならないのに。

 

「2800億年前って、どれだけ長い旅をしてきたんだろうな」

 

「さぁ、それは分かりませんが。しかし、それ程長かったからこそ、自らを封印したのだと言うことは理解できます」

 

「だな。んじゃ、行くぞテメェら!」

 

「準備完了です。覚えてますね?この旅の目的を」

 

そう、この魔法が完成して。ふと気付いたのだ。「この魔法を使った所で、何をすれば良いのか」と。だから目標を作った。そもそも、彼が魔王になった理由は不老不死に近い状態だったからだ。それならば、そうなる理由がどこかにあるはず。それを探し、止める。願わくば、彼は人のまま眠りに着いて欲しい。愛してくれた人が居たと。そう叫んでたらしいから。

 

「んじゃ、止めに行くぞ!」




てことで完結したとか言っておきながら完結しませんでした。悲しいね。嬉しいね。まだまだ続くよ。勇者達の目標は達成するのかな?ちなみに勇者パーティは

勇者カイン

賢者アベル

聖女マリア

戦士クロード

の4人で構成されてます。カインは幼少期、魔族によって両親を殺され、その恨みから鍛えた結果勇者になりました。悲しいね。でもその魔族に命令した魔族は閻魔が殺しちゃったからね・・・でも実行犯の魔族には復讐出来ました。おめでとうカイン。

追記:これを書いてた頃、既に最終回(一応)まで予約投稿済みだったり。予約投稿を忘れたのです。許して。そして【何故こうなったのか】は多分最後まで読んでも理解はめんどくさいと思います。だからコレは蛇足なんです。

蛇足-2以降?ちゃんと予約投稿します。寿那is誰、は答えがこの先にあります。是非半年先をお待ち下さい

彼がここまで荒れている理由も依(・)存(・)し(・)て(・)い(・)る(・)理(・)由(・)もちゃんと描いてあるのでご安心を。伏線はゴブリン
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。